2019年12月



J1リーグ戦について

気が付けば今年も残り3日。ただいまJリーグ移籍市場大混乱。
J2は業火にやかれ、柏、マリノスを中心にJ2絨毯爆撃実施中みたいな状態ですが、

僕自身のスケジュール上振り返る時間も今日が実質最後なので振り返っていきましょう。


まずはリーグ戦について
個人的にはこのxつくのトピック
1.2018年終盤及び天皇杯でのミシャ式亜種を2019年も継続
2.ビルドアップ重視の3バックへ移行。常田のフィード。ジョンヤの運ぶドリブル
3.3バックでは守備時に後ろに重たすぎ。トランジションが大変なので可変442に移行。
4.足りないインテンシティ。守れない4バック崩壊した静岡遠征。
5.インテンシティを増すために最終兵器シマオCBのインテンシティ強めの442。
6.決戦型442から場所を守る442への進化

みたいな流れだった。
1.は1節から5節まで
2.は6節から8節まで
3.は9節から13節まで
4.は12節&13節
5.は14節から26節
6.は27節以降

みたいな感じ。

でここについてはぶっちゃけしろーさんの

蹴球仙術

が素晴らしい。
ちょっともうこれを読んだとき振り返りは記事はいらないな。と思うほど。
なので、そちらを読んでくれれば事細かにわかるのでそっちをオススメする。

いや。それでも。。。って人は
もしくは、僕の過去記事をめぐってもらうのも良しだと思います。
オススメは、

1.は第4節湘南戦
2.は第6節サガン鳥栖戦
3.9節ガンバ大阪戦
4.は13節清水戦と12節磐田戦
5.は16節FC東京戦
6.は27節マリノス戦

かな。


挫折の理由を考える

今年なんで挫折したの。っていう理由を考えてみたい。
もちろん理由なんて1つじゃない。むしろ、複雑に入り混じっている。
だから、ありったけの理由を考えてみる事にする。

1.ミシャ式亜種を2019年も継続

ぶっちゃけ今年一番納得できないのがこれ。なので一番最初に書く。
去年は25節清水戦以降納得したゲームが出来ず。27節長崎戦以降ビルドアップも安定しなく苦しい戦いが続いた。
その中で勝つためにシーズン中に仕込んだのがミシャ式。
DHが最終ラインに下がり4バック化で、4-1-5になるやつ。確かにそれである程度内容は向上し、天皇杯では決勝まで行った。
だけど、これはあくまで数的優位を突き詰めていっただけで、位置的優位を突き詰めたわけではない。
なので、シーズン途中では仕方ないとも思った。
だけど、リビルド期間があったのにも関わらず今シーズンも継続ってなんだよ。永戸CB→SB化からの左サイド数的優位作ってなんやかんやする。
はちょっと面白そうだったけどね。でも、それはマンツー相手には効果はある。
でも、ゾーンを仕込みつつあるJの守備にポジションチェンジはあまり効果がないんだよな。
と今なら思える。それよりも間を取る事。位置取りをちゃんとすること。が重要だったんだと思う。
それが出来なかった。
出来ない理由は立ち位置の認識をちょっと間違ったのかなと思う。
重要視しないはずはない。そこが何より重要な事をわかっている監督だから。
じゃ、何かというと渡辺晋氏はポジショナル指向と同じベクトルを見て感じで独力でたどり着いたわけで、
ポステコさんやロドリゲス氏、ロティーナ氏のように答えを持っている監督では無いんですよ。
これまでも、トライ&エラーでポジショナル指向にたどり着こうとしている監督だったので、
今回そこの立ち位置という部分の認識を誤ったのかなと僕は考えています。やっぱりあれはミシャ式だし、それを渡辺晋氏がそういう認識をしてなかった。
というのが結果的にすべてだったかなと。
そして、それが致命的だったな。と思います。


2.入れ替わった選手たち

2018年から2019年は相当数入れ替わったのは事実。
でも、僕の認識は以下でした。


IHをやっていた、野津田、奥埜、中野の3人がみんな居なくなるのは想定外でした。

立ち位置を理解している3名がいなくなったので、また立ち位置はトレーニングやり直しになると考えます。

ただし、面白い人材が揃っていると思います。

また、システムが同じチーム及びポジショナル指向のチームから選手を獲得しているところが最高ですね。

神戸でリージョを経験した、松下&長沢

マリノスでポステコさんを経験した吉尾。

ミシャ式で3421を経験した兵藤

山雅で3421を経験してる石原

甲府で3421を経験している道渕。

長崎で3421を経験している飯尾。

そして、謎の島尾


そして、以下のような評価をしております。

このような感じですのでフィットするのは早いと考えます。

これに関しては強化部は良く考えているなと思います。


ところが、

リージ&ポステコョを経験しているはずの、松下&長沢&吉尾は立ち位置をわかっておらず
ボールに寄ってくるためそこの矯正に時間がかかったのは痛かった。
しかも、仙台が上記の通り結果的にそこまで位置取りの考え方を間違ったために、彼らにも正しい位置取りを教える事が出来なかった
なので序盤の苦労に繋がったのだと思います。

ま、今考えればチームから放出する時点で位置取りが出来ないからチームに合わない。なので放出となるのは当然であって
もし立ち位置を理解していれば自分のところで使うよね…となりますね。

なので、立ち位置を理解している奥埜、野津田が居なくなったのは仙台としては致命的になったという事です。

また、強化部の苦悩は獲得したい選手がマリノス、神戸と、とことん被ったという事じゃないでしょうか。
彼らが夏獲得した選手の記事には必ず仙台の名前があってという感じが幾つか続いたわけで、そのあたりはかなり苦労していたのだと思うのです。


3.ゾーン守備の発達

去年の夏以降Jでゾーン守備を出来るようになったチームが急激に増えたイメージがあります。
たぶんマリノスや、神戸に対抗するには人意識マシマシの守備では対抗できないので中央3レーン埋めましょう。
というチームが増えてきたように思う。
それによって以前よりもビルドアップが難しくなったように思うし、人にも食いつかないので動かせなくもなった。
だから、より相手のラインに入って選手間で受ける技術が必要になったし、ライン上でのターンの技術も必要になった。

そいうところで、以前よりも個の能力が問われるようになった。そこに仙台は付いていけなかった。
今相手の3ラインで受けターン出来る選手って仙台にはカイナと松下、石原くらいしかいない。
僕らがこのサッカーに切り替えたのは能力の部分でどうしても劣るからだったのに
結局能力の部分が必要とされたい時点で詰んでいたのかもしれない。


総括

去年の夏以降Jでゾーン守備を出来るようになったチームが急激に増えたイメージがあります。
たぶんマリノスや、神戸に対抗するには人意識マシマシの守備では対抗できないので中央3レーン埋めましょう。
というチームが増えてきたように思う。
それによって以前よりもビルドアップが難しくなったように思うし、人にも食いつかないので動かせなくもなった。
だから、より相手のラインに入って選手間で受ける技術が必要になったし、ライン上でのターンの技術も必要になった。

そいうところで、以前よりも個の能力が問われるようになった。そこに仙台は付いていけなかった。
今相手の3ラインで受けターン出来る選手って仙台にはカイナと松下、石原くらいしかいない。
僕らがこのサッカーに切り替えたのは能力の部分でどうしても劣るからだったのに
結局能力の部分が必要とされたい時点で詰んでいたのかもしれない。


ベストゲーム

16節FC東京戦 2-0

名古屋戦でシマオCBを試して結果が出た。結構強いんじゃないかな?という印象はあった。
手ごたえもあった自信もあった。
で、FC東京戦でそれらが確信に変わった。
ディエゴオリベイラをコテンパにするシマオは最高だったし、ディエゴオリベイラが無秩序にシマオから逃げて
東京としてはにっちもさっちも行かなくなった。首位爆走する東京がそういう機能不全に陥らせたのは痛快であった。


ワーストゲーム

04節湘南ベルマーレ戦 1-2

一番心折れた試合。この時期はとにかく何もできずただただ負けていくというのがとにかく悲しかったし色々考えた試合。
今年の挫折の象徴。


MVP

道渕諒平

たぶん彼が居なかったら442ここまで機能しなかったんじゃないかな。と
もちろん普通に言うと、シマオなんだけど彼も大切な1ピースであった。
正直ここまで期待していなかったんだよね。
ユース枠だし、たしかにWBの枚数は少ないし見たいな補強だったと思うんだけど、スタメン確保するとはね。
驚き。
ユース的にも今年は奥埜、モテがチームを去ったので新たな希望ともなった。
そういう意味で僕のMVPは道渕


12月09日

2018年12月09日僕たちは初めての「決勝」を戦った日。
2019年12月09日僕たちの渡辺晋氏が仙台を去った日。

このコントラストがより虚しさを引き立たせる。
よりによって同じ日というのは…

それでも、僕は強化部が最善手に近い手筋を打ってる事は理解しているつもりです。
まぁー世の中終わらないものは無いですし残念ではあるけれど仕方ない部分もあるわけです。

オフシーズン企画1回目は、渡辺晋氏と進んだ14年-19年を振り返って総括していきたいと思います。
(なお、19年の振り返りは単独で1本記事にしようと思っています。)


振り返り


2014年~救世主~

  リーグ戦 :14位(勝ち点38)
  ナビスコ杯:グループリーグ敗退
  天皇杯  :2回戦敗退

手倉森氏が五輪代表監督へと抜擢され08年以来の監督交代をすることになった仙台。
選択したのはアーノルド氏。仙台は13年からボールを握りことにトライしており、
アーノルド氏はそれをセントラルコーストで実現しACLへ導いた監督そんな評価だった。
しかし、予想外(?)に結果が出ず、チームとしてスカッドが無く監督と選手の信頼関係は崩れ
チームが崩壊J2を覚悟した7節。浦和戦。そこからの解任。
そして、渡辺晋氏の監督就任(ここの白幡社長の剛腕は素晴らしかった)
第9節-マリノス戦。日産スタジアムで赤嶺2Gでの完勝。
あの日飲んだ酒の味は忘れないしどこで飲んだかも覚えてるんだよ笑
今その店は店名変わって磯丸水産になっているけど。ほんとべろべろになって帰ったんだ。
そこから巻き返しセレッソとのし烈な残留争いを制して2014年は残留。
渡辺晋氏が居て良かったと実感したシーズンだった。


2015年 ~挫折と変化~

  1stステージ:07位 (勝ち点23) 
  2ndステージ:16位 (勝ち点12)
  総合    :14位 (勝ち点35)
  ナビスコ杯:グループリーグ敗退
  天皇杯  :準々決勝

手倉森政権化で活躍した太田、柳沢、角田など多くの選手がチームを去る。
その中で手倉森式4-4-2を試すもゾーンが仕込めず。そして、2ndステージ7節アウェイ鹿島戦での逆転負け。
そこから、手倉森式から離れ4-4-2のDHがボールを握りゲームをコントロールするチームに変化していく。
だが、リーグ戦では結果が出ず2014年と同じような結果で変化を求めたので得体の知れないチームとなっていた。
希望の光だったのはシーズン終了後の天皇杯準々決勝でDHに藤村を使うと藤村が輝き来年への希望を見せる。
なお、試合はクリスチアーノにボコボコにされPK負け。しかし、来年は飛躍出来そうな雰囲気をようやく見つけたゲームだった。


2016年 ~序章~

  1stステージ:10位 (勝ち点23) 
  2ndステージ:12位 (勝ち点20)
  総合    :14位 (勝ち点43)
  ナビスコ杯:グループリーグ敗退
  天皇杯  :2回戦敗退

FC東京より三田が加入。捌けるDHを獲得し2015年天皇杯で見せたゲームモデルを磨き、輝きを強める事となる。
三田が最終ラインに下がって3バック可変でビルドアップの安定。みたいなここ最近に繋がるきっかけを1年目だったと思う
ただし、ボールは明らかに動くようになったが、相手が動かないケースが増えていき、2列目を突破出来ないケースが増えていった。
そこで、ハモンロペスを戦術兵器として、遅攻時は、中央でポストプレー。速攻時はサイドに流れスペースに走り込みカウンター。
と2つの異なるタスクを与え、それが見事にはまる。
結果、ハモンロペスが通用する下位のチームには勝てるのだが、ハモンロペスが通用しない上位のチームには勝てず。
残留圏の1つ上のポジションで終始過ごす1年となった。


2017年 ~鼓動~

  リーグ戦 :12位(勝ち点41)
  ナビスコ杯:準決勝敗退
  天皇杯  :2回戦敗退

ハモンロペスが柏移籍で去年の戦術兵器を失った仙台。
去年の三田に加え新たに、石原、中野、永戸、夏に野津田などを加え、3-4-2-1に変化。、
「ポジショナルプレー」、「5レーン」、「ハーフスペース」の渡辺晋氏のキーワードとなる戦術がこの年に生まれる。
この年から監督は「良い立ち位置」という言葉を繰り返し使っていて立ち位置に言及。
ただ、当初はトランジションを考えない、ボール保持特化した立ち位置だったため、失った瞬間即失点みたいな状況が続き、
浦和に0-7の敗戦。その次の鹿島に1-4の敗戦と苦しい状況が続く。
その中で16節のセレッソ戦や17節のガンバ戦共に大量失点で敗戦しているのだが、得点は素晴らしく美しいものになってきており
負けながらも手応え掴んでいく。後半戦はバランスを意識。徐々に攻守の立ち位置がリンクし始め安定した成績を手に入れ始める。
この新しい戦術の中、西村や佐々木匠などは躍進。ルヴァンカップで結果を残し始める。そのルヴァンカップは準決勝まで進む。
川崎をあと一歩まで追い込むもののアグリゲートスコア4-5での敗戦。
初のカップ戦決勝あと一歩届かず悔しいシーズンとなった。
勝ち点、順位は去年とほぼ変わらず。それでも来年の躍進を予感させる年となった。


2018年 ~飛翔から失速。だけど初の決勝進出~

  リーグ戦 :11位(勝ち点45)
  ナビスコ杯:プレイオフ敗退
  天皇杯  :準優勝

この年核の三田を神戸にもっていかれ前年と同じように戦術兵器を失う仙台。
ただ、去年の期待感からするとまだやれるという感じが強かったと思う。
また、三田の代役として庄司を獲得。野津田-奥埜IHからの庄司アンカー。日本のデニス・ガイガー!
僕は優勝予想したけど、めっちゃマジで言ってた。
でも、庄司はハマらず笑 最後までボールに寄ってくる。立ち位置を理解できない子だった(苦笑)
それでもチームは去年の壁だった5-4-1をぶっ壊すための3-1-4-2など着実にチームとしての幅は広がっていき、勝利を重ねる
26節時点で4位というACL圏を狙える位置につけるまでいく。しかし、問題はここから。
この年24節までで10得点とブレイクしていた西村がCSKAモスクワ移籍。
結局それが痛恨で、27節~最終節の34節までで得た勝ち点はたったの4。この7節で仙台は徐々ボールを持てなくなる。
その要因は各チームがスペースを守るという事が出来て人に食いついてくれなくなったからだと思う。
なので、相手を動かせなくなってしまった。
また、そういう時に間で受けたターンしてフィニッシュできる西村を失ったのも大きかった。結局これを最後まで修正出来ず。
最後仙台はミシャ式に手を染める。それで何となく形は作れるようになり、天皇杯は決勝までこまを進める事が出来た。


2019年 ~終焉~

  リーグ戦 :11位(勝ち点41)
  ナビスコ杯:プレイオフ敗退
  天皇杯  :4回戦敗退


奥埜、板倉、中野の移籍、野津田の広島復帰と駒を失っていく仙台。その中で、吉尾、兵藤、長沢、シマオ、石原を補強。
立ち位置を理解という意味では最初からになったのだが、キャンプから仕込んだのは去年の継続。ミシャ式だったのだと思う。
そのつけがずっと出て立ち位置をとれず序盤から勝てず苦戦。その中で照山、キム、常田が後ろからビルドアップでき
好調だったので彼らをリーグで使うと少しは勝てるようになるがボランチのところでタスクオーバーになり安定せず。
なので、仙台は4-4-2に変化。ボランチのタスクを整理する。
それでもインテンシティが足りず失点は抑えられないので、ついに立ち位置への拘りを捨てシマオ-平岡で守るサッカーに変更。
そこから4連勝もあり一気に吹き返す。アウェイでの勝率は低いのが足を引っ張ったがホームでは高い勝率を誇り11位と前年と同じ順位でシーズンを終えた。
ただし、ここ数年カップ戦タイトルが身近にあったがそこは全く届かず。というシーズン。
そして、この内容結果などで渡辺晋氏の退任が決定となった。


最後に

ざっくり振り返るとこんな感じであって良い時って17年の後半から18年の27節まで。と意外と短い期間であった。
ただ、この期間に夢を見せてもらった。と思う。幸せな時間を過ごせた。
渡辺晋氏は手倉森氏が植え付けた伝統堅守速攻にもう一つ賢攻を乗せ堅守賢攻が出来る仙台にしたかった。
ただ、それには仙台は色んなものが足りない。フロントも監督も頑張ったとは思うがやはり、資金が続かなかった。
ここに経営陣が結果を残さないと次のステップに上がれないと分かっただけでも大きな成果であった。
そして、それはとても難しく課題が多すぎる。仙台の仕組みから変えないといけない。
がそれは、かなりの変革が必要でそれが出来る人材は今のところ見つからない。
まーそのあたり僕は素人なのでこれ以上は言わないけど苦しい。
なので、しばらくはこの規模で戦わないといけない苦しい状況が続く。その中でJ1にかじりつくために今年監督交代をした。

強化部のプロフェッショナルな判断であり僕は批判する気はおきない。
だけど、最後に渡辺晋氏が語った夢は捨てたくはない。
とすると、渡辺晋氏のあの夢を繋ぐものは僕たちサポーターなんじゃないかと思うんですよ。
あの夢は10年-20年単位で見ないといけない。その長期体制は今のところ作れないからサポーターが繋ぐべきだと思うですよ。
たぶん、チームの哲学というかプレーモデルというのはサポーターも共に作る一員であって一因なのだから
僕らが渡辺晋氏の夢を繋ぐ。それがいいんじゃないかなーと思うんですよ。

最後が言いたいだけなんですけど、ここまで6年間簡単に振り返りましたが渡辺晋しには感謝しかないです。
本当にありがとうございました。ゆっくり休んで20年は解説業とか欧州とか言ってたくさんインプットしてほしいなと
そして、またアウトプットして僕らに色々教えて頂けることを心から願うのです。


ところで、天皇杯初戦敗退しすぎじゃない?笑


スターティングメンバー

スタメン

前半


嵌めらない前プレス

キックオフ直後から仙台は押し込まれる。
仙台は基本的には大分戦からの継続。ここ数試合ハマっていた前プレスのやり方で
広島に襲い掛かるが、この日いつもと違うサイドハーフの強度が低いため圧力がかからず
サイドに追い込む前に逃げられてしまう

前プレスハマらない

なので、仙台としてはここ数試合やれていた、前プレスで優位に立てず試合の主導権を広島に渡す結果となった。
ま、ただし、田中渉は初先発であまり負荷を与えられずこうなるのは仕方ない部分もあるのだが。

撤退時にも穴が開く

その田中をフォローすると為により守備的なSB。大岩を投入して、後ろで守るつもりだったのかもしれないが、それも機能せず。
ドウグラス・ヴィエイラが下がってきたところシマオが食いつきそのスペースをシャドーに
使われ富田が懸命にカバー。
とかろうじてゴール前は守れていた。
ただ、富田の空けたスペースは誰も埋めない。なのでセカンドボールも回収できず
仙台陣内に釘付けになることになる。

撤退時に空く仕組み

なので、広島は好き放題やれる状態だったと思う。ただし、仙台はペナ中は埋めていたので
ひたすらにクロスボールを跳ね返しゴールは死守する。
ただ、これでいいかと問われればNo.でいつかはやられる。そんな状態であった。

攻撃は2トップが孤立ノッキング

さて、守備での狙いは崩壊し、防戦一方。
なので、ボールを持つ時間も少ないのにボールをもったらもったで何も出来ない。
切ない。広島の前プレスに中盤は下がる。2トップは最終ラインと戦っていたが
2人じゃどうにもならず。ただただ孤立。

仙台の攻撃

そこにロングボールを放り込んでも回収できない。
地上戦でビルドアップしても2列目を超えられず奪われる。辛い…
本来はWBの裏が空いているのでSHのパワーを使ってそこを突きたいのだが、この日はパワーが足りず。SHがズルズルと後ろに下がってしまう。
なので、使いたいスペースを使えない前半だった。

後半


変わらない後半

変わらないといけないのは仙台だったが、変われなかった。
前半と同じ。広島の前プレスに押し込まれ中盤以降は下がってしまう。
相手のエネルギーに飲まれ仙台の前へのパワーが出ない。
やはり、関口や道渕の前へのパワーというのは如何に重要だったかを思い知らされた。
そんな時間帯だった。
ただ、そのサイドハーフを2枚変えした60分以降に少しだけ光を見つける事になる。
ほんの少しだった、それをピックアップするくらいしかない後半だった。

兵藤が見せた唯一の光

兵藤が入って左サイドが少し活性化する。
リャンより兵藤の方が立ち位置をとれ相手を動かすことに成功する。

兵藤効果

この30秒にも、兵藤が落ちてWBを引っ張り出しその裏に永戸を走らせクロスを上げさせる。
そういう連動がリャンの時にはほとんどなかったが、兵藤が入って少し整理出来たのは良かったと思う。やはり、兵藤は賢い選手でこの64分台の2プレーのように
相手を引き付け味方にスペースを作れる選手だなと思った。
ただ、これだけだったのは残念だったが…

61分にレンアンドロペレイラを投入され前線のパワーが上がった広島に
押し込まれる状態に戻ってしまう。
なんとか、仙台がギリギリで跳ね返すしていたが、78分にレアンドロペレイラのミドルシュートがシマオにあたり変化したボールがゴールがクバの下を抜けゴールに。

それが決勝点となったが、まー事故だけど事故じゃない。
みたいな。あれだけ押し込まれ決定機を与えればそれは1つは失点するよねと。
やはり、もう少し相手のビルドアップを妨害し、もう少し相手を動かして保持したかった。
しかし、最終戦もそれが出来なかったのは残念だった。と思う。
大分戦が今年の総決算(陽)ならば、広島戦は今年の総決算(陰)の部分であった。
この2面性(ホームとアウェイという2面性含む)が今年の仙台だったかなーとも思う
内容であった。

最後に

12月09日 渡辺晋監督の退任が発表された。
僕らと渡辺晋氏の冒険はここでおしまい。長い長い旅であったが、非常に楽しく旅だった。
色々このオフに振り返るとして、ここではいったんお疲れ様でした。と。
しかし、最後の試合がこんな内容でいいのかよ。ってなるほど内容が無いよーってなる試合だった。
虚しかった。
とはいえ、この状態になってしまったのは紛れもない事実であってこの内容のあと
来年任せた!!とは言えないのも事実。
とはいえ、この試合は残留を成し遂げプレッシャーから解放されたゲームで色んなものが緩んでしまったかなとも思う。ここまでノンストップで戦ってくれた選手もいるだろうし
まぁこれもサッカーだ。

まずはいったんお疲れ様でした。
そして、渡辺晋氏19年間ありがとうございました。まずはゆっくり休んでください。


スターティングメンバー

スタメン

前半


撤退守備を整理する

大分に対する勝ち筋を整理した時に何よりも撤退する事だった。
大分の特徴は後ろで回して食いついてきたところを疑似カウンターで仕留めるというのが特徴。ならば、食いつかずペナ中を埋めてしまえばよい。
押し込まれ大分のゴール前でのセットプレー、CKが増えても大分はセットプレーから2点しかとれていない(しかも前々節のガンバ戦での2点)なので、怖くない。
なので、ベタ引きでも構わない。それくらい仙台は割り切ってゲームに入った。

大分はメインで使用していた3-4-2-1では無く、3-1-4-2にしてきた。
仙台としては想定外だったとは思う。何しろスタートから3-1-4-2にするのは18節のマリノス戦以来15節ぶり。

それでも、仙台は最初からやる事を整理できていた。この辺りは対3-1-4-2は2試合連続
ということも大きかったかもしれない。
また、石原が先発ということで、ハモンより戦術的に動きやすかった。ということもある。
3-1-4-2にきちんと対応出来ていて守備時は4-4-1-1で対応。
石原がひたすらにアンカー長谷川についてパスコースを消す。
そして、SHは左右CBが持ち運ぶエリアを消しながらWBも見る。
三平+IHは2DHで見て1トップに残るオナイウにはシマオが見る。
こんな形で撤退守備をする。

仙台の守備

また、たとえWBが大外侵入してSBが引っ張られてもDHが下がってSB-CB間を埋めるので
大分としては持てるが結局、大外からクロスしかなかった。

DHのカバー

それを余裕を持って跳ね返す仙台。という構図になった。なお、大分があこの仙台を崩すのは13分のサイドチェンジを2回実行からのクロスのみ。
それ以外は仙台がストラクチャーな局面を作り続けた。ようするに、大分が仙台を崩しには
2回連続でサイドチェンジをしないといけなかったがそれはこの13分の場面1度だけだった。

満を持しての前プレスからの先制点

さて、失点はしない。でも、得点するにはこのままではいけない。
そして、仙台の哲学として、戦略とは言えベタ引きでもいけない。やはり、前から嵌めたい
というのはあって、それが、20分過ぎから前プレスで大分を嵌めに行く。
嵌め方はガンバ戦と同じだったが、アンカー見るのがハモンでは無く石原で守備強度が上がったので、より強力なものになっていて、ガンバ戦では遠藤が空く場面があったがこの試合ではそれが皆無であった。

前プレス

嵌められたのは2度。
22分の羽田から道渕が奪ってカウンター。これはパスがつながらず不発に終わる。
25分の岩田のパスを関口が引っ掛けて永戸が拾ったところ。
この25分の場面は決定機まで行くが最後にシュートブロックされCKへ。
そして、このCKでトリックプレーから道渕のボレーで仙台が先制する。
嵌めるところで嵌めて一発で取った。
理想的な展開だった。

変わりゆく大分のビルドアップ

さて大分を前で嵌めてショートカウンターから先制点をとった仙台がゲームを優位に進めると思ったがそうはいかなかった

大分は変則2バック+ボールサイド側のCBがSB化する。

ビルドアップ2

結果、SHがSBにピン止め。2枚のCBで展開されてしまい仙台の前プレスが有効な時間が終わった。
なお、仙台としては大分がどれだけ多くのビルドアップバリエーションを持とうとも
結果、撤退して中央を埋めてしまえば怖い事は無かった。

後半


前半と違うビルドアップ

仙台が1点リードで後半戦へ。
大分はビルドアップの形をさらに変える。前半より多く小塚が下がって長谷川との2DHを形成する事が多くなる。
そして、小塚からボールを運ぶ事で仙台を押し込むがやはり、最後のところを攻略出来ず
大外からクロスでしか仙台のペナにボールを運ぶ事が出来ない。

3

この時間最大の決定機はオナイウがシマオを個人技で外しクロスを上げた48分の場面。
この場面を大分が外した事で勝負は決まったかもしれない。

IHのところで奪う仙台と追加点

押し込まれる仙台だったが、小塚から運ぶなら4-4-1-1で石原でIHで見る形に変更。

仙台の修正

そして、小塚から石原が奪ってロングカウンターというのが2度。
60分の大分のCKのセカンドを拾った小塚に対して石原が圧力をかけて奪った形。
そして、61分の追加点に繋がった形。両方とも小塚から石原がボールを奪ったものであった。

仙台は2点とも狙い通り。
相手を見て修正し、奪って速いカウンターからだった。
相当気持ちの良いゲームである。

ミシャ式に対する仙台の守備

さて、この失点で大分は小林を投入。
3-4-2-1に変更。そして、小塚が下がって4-3-3の可変フォーメーションに。
それに対して仙台は2枚のFWで中央閉鎖。

中央閉鎖

この石原と長沢のアンカー番しながらCBに圧力を与えてサイド誘導する動きが美しく完璧だったので見てほしい。
最後まで大分は中央を使えずサイドにしかいけない。
サイドからはクロス。それに対しては余裕をもって仙台が跳ね返す。
最後までこのループで決定機を作れず試合終了のホイッスルを聞くことになった。

最後に

完璧。完勝。ホームだとこんなに強いのか。決して4-4-2の守備がバグることなく
ストラクチャーな状態を保ち続け、大分に中央を使わせずサイドで詰まらせる。
バグったのはDAZNのみだった。

仙台の守備は1年で大きく成長した。去年まで5バックで人海戦術しかなく、前プレスは人基準で外され死んでいたのとは大きく違う。こうやって場所基準にもなってきている。
そして、回数は少ないが前から嵌めることだって出来るようになった。
ホーム最終戦でその集大成を見せる事に成功した。
監督のインタビューの話は前回触れたので、今回はパス。最終戦後今シーズンの総括で触れたいとは思う。
とにかく、この試合は戦略的にも選手のパフォーマンスも結果も素晴らしいものだった。
それは誰もが認める事であり。開幕の状態からここまで状態を上げたので満足しないと。
だと思う。

とにかく残留も自らの手でつかみ取った。そして、いよいよ最終戦。今年勝ち点10しかとれてないアウェイである。
来年へ繋ぐ戦いを。なんて言わない。とにかく勝ってくれ。
アウェイ4勝目を何としても勝ち取ってほしい。


これは駄文であり、自己満足であります。本当にくだらない。長い長い呟きです。読むのであれば覚悟はすること。時間の無駄になってもクレームは受け付けませんからね笑

渡辺監督のインタビュー僕の中で相反する二つの思いがあります。それをちょっと文字起こししてみました。


渡辺晋監督へ

まず、まだ1試合残っていますが11位以上確定おめでとうございます。そして、1年間ご苦労様でした。
振り返れば今シーズンは例年以上に苦しいシーズンだったと思います。
その一番の理由は
「ボール保持時に立ち位置がとれず、相手に選択肢を与えられず動かす事が出来なかった」
事だと思います。
なので、保持しても相手に持たされている状態ですし、そもそも持つ事すらできなく
ただたんに5バックで撤退。という無残な状態が長く続きました。

試行錯誤したものの保持する事に光すら見いだせなかったですね。

そういう中でアウェイ静岡決戦の連敗後についに保持を諦め、デュエル重視のメンバーを選考し、
非保持時にで1vs1で勝つ。そういうチームに方向転換しました。
そこで輝きだしたのがシマオマテでした。彼のデュエリストの能力はJ1でも屈指。彼が居たからこその戦術でした。
また、松下も輝き始めます。守備から攻撃のトランジション局面が増えた事で相手陣にスペースが生まれる事が多くなりました。
そして、そこのスペースに対して最短で最速で一直線にパスを出せるのが松下でした。
こういう事でチームが噛み合い始め6月全勝。

この戦い方を「時計の針を戻した」とった言ったあなたには皮肉でしょうが、月間最優秀監督賞も受賞し仙台が生き返る事になりました。
でも、それは理想じゃなかった。愛ゆえにJ2に落とせないという気持ちが強く、理想を捨てて勝てる確率を最大限に出来るチームにしたと。

そして、残留確定後、
理想と現実のズレ。
自分の中の葛藤。
誇り高きプライド。
愛するベガルタ仙台への未来。
を表現したという事なのだと思います。

その思いは受け取りました。そして、あなたの葛藤も感じておりました。痛いほど気持ちはわかります。
それでも、僕はあなたに胸を張ってほしいのです。
たとえ理想の戦い方ではないのかもしれません。
でも、あなたのやろうとしている「欧州化」は3歩進んで2歩下がる状態ではありますが着実に進んでいると思います。
確かに、保持局面で立ち位置をとれなかった。それは間違いなく退化したのですが、
その分今年はスペースを守る意識は高くなり、前プレス時には背中でパスコースを消せるようになりました。

去年までは形すら存在しなかった前からの守備。それが今年は出来た。シーズン前に今年は前から行きたいと語っていましたが
それは実現出来たのです。だから「時計の針を戻った」と言って欲しくはなかった。胸を張って欲しかった。
というのが僕の思いです。

ここに保持局面を取り戻すことが出来たら、ようやく理想のチームになります。
来年もその理想へ向けてチームビルディング出来たらと思います。
僕はあなたの志は大好きです。来年もまた共に歩き勉強させていただけたらと思います。
色々と思うところがあるのでしょうけど、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、あなたが置かれている状況は勝手に自分に置き換えておりまして。
数字、工数でしか評価出来ない会社の上の人間。したがって、内容や現場で発生している問題の根本原因は無視され
自身は不当な評価を受けている。中間管理職は辛いですよね。と思っております。


ベガルタ仙台フロント様へ

渡辺監督のスピーチ及びインタビューでフロントが攻撃されることになるでしょう。
そこは我慢して頂きたい。仕方ないのです。仙台サポーターは渡辺晋を愛しているのです。
愛しているものからあのような発言が敵視されちゃうのは常です。

どうしてもサポーターにはフロント特に社長などの経営陣の働きはわからない。
結果としてしか理解できない。そして、結果は出ているといは言えないので仕方ないのです。

まーそのあたりは僕にはわからない事なので省きます。

僕のわかることだけを書きます。フロントは考えてほしいのです。仙台の行く末を。
たぶんフロントも監督と同じように「欧州化」したいというのは同じ方向を見ていると考えています。

デュエル中心だとどうしても個の質が物を言う。そして、個の質は単純に高い金銭が必要で貧乏な仙台には厳しいものがある。
なので、立ち位置をとって選手の質に頼らなくても良いサッカーをしましょう。と。

でも、この「欧州化」するチームはJリーグにも増えてきました。そして、その中で「欧州化」に対応できる選手は多くはありません。
「欧州化」適応する選手の奪い合いがあり彼らの価値が高騰しています。
そういう難しい中で、今年用意したのはミシャ式適応した選手、3421で活躍した選手、欧州化したチームで試合に出れない若手。
を集めました。
これが現状仙台に出来る最適解だったと思います。

ここでフロントが考えなくてはいけないのは、本当に渡辺晋氏でいいのか。現体制でよいのかということです。
最適解をしたのに「欧州化」出来なかったわけです。それは、渡辺晋氏にも責任があるでしょう。彼が立ち位置を今年は植え付けられなかった。
ということです。そして、それは現体制の限界でもあります。
渡辺晋氏は「欧州化」を手探り状態で進めていってます。なので、どうしても和式のような逆行する事があり日進月歩で進んではいますが
スピードは遅くJリーグで起こっている「欧州化」の波に飲まれたのが今年のこの結果でした。

本気で「欧州化」するのならば、もっとスピードを上げないといけません。そして、スピードを上げる事は十分に可能なのです。
例えばジュビロ磐田のフベロ氏。彼はたった3ヶ月で「欧州化」に成功しました。
結局のところちゃんと理解していて優秀な監督であればであれば時間なんてかからないのです。そこはきちんと考えて欲しいのです。
確かに渡辺晋氏は優秀で残留が計算できる監督ではあります。
しかし、その監督から「時計の針を戻した」という発言が出て、「このままではいけない」という発言も出ました。
この事は非常に重く受け止めなければなりません。ようするに残留したから来年もお願いしますではいけないのです。
渡辺晋氏が言ったように、次の25年のために何をするべきか。渡辺晋氏に頼り切っていいのか。はちゃんと判断してください。
理想に近づくための選択になる事を願っております。


最後に

好き勝手言いました。しかも相反する事を。なので、僕はずるいです。それは間違いない。
でも、文章にしたかった。書きたかった。大好きな渡辺晋氏。そして、大好きなベガルタ仙台
だからこそ、上記のような相反する考えが生まれる僕の中の葛藤を。

実は僕にも今シーズンは葛藤があってこの4-4-2をどう表現すべきか。という理想と違うのはすぐにわかっていて
それをどう表現すべきかは物凄く悩みました。でも、ポジティブに捉え書くことにしました。
が、まさか渡辺晋氏本人から今年の戦いを否定するようなコメントが出るとは…w
結構ショックでした。(笑)

僕としては二人三脚でフロントと渡辺晋氏が共に歩むのが望みです。
しかし、永遠には続かないわけです。。
アーセン・ベンゲルにもアレックス・ファーガソンにも終焉がありました。
当然ですが、渡辺晋氏にも終焉がきます。 その終焉がいつ来るのか。いつ終焉を迎えるのがベガルタ仙台の未来にとって最適なのか。
ということをこれからも考えていきたいと思います。


今朝の報道では保留したものの、たぶん続投が基本路線なのでしょう。それでいいと思います。天皇杯も無くオフは長いですから
ギリギリまで思考してほしいです。
渡辺晋氏が投げかけた疑問、問いに答えるために。

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