2021年03月


スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

TACTICALista_2021327150

はじめに

今回もうんぬんかんぬん能書きの前にまず言っておきたい事がある。
前回
「あのデュエルの弱さじゃ勝てるものも勝てなくなる」
と書いた。
そして鳥栖戦、湘南戦の敗因だった。
それを改善させないと勝ち負けなんて争えない。

だから、この試合何より強度を上げる事が重要だった。
この試合5枚のイエローカード。ファールが16だった。
これは今シーズンともに最多。
ファールが良いとは言わないけれど、それでもデュエルには負けない!という意識が生まれた結果だったかなと思っている。
ただ、ファールになるのはアプローチが遅れていて、仕組みや組織が作り切れてなくて遅れるからファールになってしまう。
という事。
嵌めどころが整理出来ていないから判断がズレ遅れる。だからファールになる。みたいな。

そのあたりのうんぬんかんぬんな能書きをはじめましょう。


前半


5バックの理由とその効果

この試合湘南戦と同じように5バックだった。
湘南戦は相手のシステムに合わせただけかと思ったが4バック相手にも3バックを継続したのは少し驚きだった。

ただ、これは状況を考えると正しい選択だったと思う。
もちろん理想は4バックだと思うのだけれども、
今4バック時に4-4のブロックを作った時に耐えられる強度がCB2枚にあるか。というと難しいのかもしれない。
去年の前半もそのCBの強度で苦しんだが同じようになる。
平岡-シマオのみそれを解決できるかもしれない。
ただし、平岡-シマオ(そしてGKがクバ)だとボールを運べない。
ボールを運ぶには吉野かアピが必要になるのだが、強度と共存が難しい
なので、3バックにして、強度とボール運ぶ事を両立しようとした。ということ。

もちろん、デメリットもある。
それは、5-4-1だと後ろに重くなりすぎてしまうことだけれども、
今の仙台は前プレスは無いし、この最終ライン3人+2ボランチならばある程度ボールを前進出来るので
それほどデメリットにはならないのかもしれない。
ということで、3バックを選択だった。


ボール保持について

東京の前プレスが緩いのでボールをを持てる仙台。

TACTICALista_20213271459

平岡と吉野から前進できたのだけれども、
最後のところをどうやって崩すか。ペナの中に入るのかが課題。
ただ、湘南戦と違うのはシャドウの氣田、マルティノスが結構自由に動けていて同サイドに二人いる事もありそこからペナ角取れるシーンもあって
湘南戦より少し前進できたのかなと思う。
湘南戦はシャドウが下がりすぎたけど、この日はそこまで下がってこない。この辺りは修正出来ていた。

TACTICALista_2021327153



失点についてお話

で、失点のお話にですけど、まずは1点目は広島戦の失点と同じ状況。
ボランチがIHに食いつきすぎて空いたスペースを使われた。

TACTICALista_20213271451

フリーになりがちなアンカー森重。
そして、一列下がってビルドアップを助ける三田。
彼らに対して松下が食いつきすぎて、CB前のスペースが出来るケースが失点シーン以外にも何度かあった。

この時ボランチが前に行かずにスペースを埋めるのか
それともボランチが前に出たら連動してCBが前に出てスペースを埋めるのかは統一したい。
ここが、どうしても空いてしまうケースが見える。


2失点目は吉野とシマオが二人とも単発で行き過ぎたため。
カバーが間に合わなかった。
現状個人の能力でカバーをしてくれるのが平岡だけなのでどうしてもこうなってしまう。
この辺りもこれから整理出来るかだと思う。


後半


後半の入り方

3バックに対して東京は3トップなのだから、噛み合う。
ということで、後半の入り方からは人基準の前プレスを開始。
これで、仙台はボールを持てなくなる時間が続く。

TACTICALista_20213271450

ただし、今年の東京はこの時間を長く続けられない。
仙台が綱渡りながら10分耐えると東京は再び撤退し前半の構図に戻る。

2トップにして圧力をましたい仙台

72分にシマオを外して赤﨑を投入して4-4-2に変更して前の圧力を出したかった。
CBにはボールを運べないシマオを外し、平岡と吉野を残す。ことからもそれがうかがえる。
ただし、うまくいかなかった。

ボランチがIHで見られたこと。
そして、アダイウトンから永井に変わった事で真瀬がしっかりとケアされてしまった事が要因。

そして、真瀬が怪我し、アピに変わったのだが自分の持ち味を出せぬまま終わったのも痛かった。

最後に奪ってCKから決定機を作るものの無情にもライン上でディエゴ・オリベイラにクリアされ
4連敗となった。


最後に

まー4連敗ってキッツいけど、今後仙台がずっとJ1に踏みとどまるならば結構あるんだろうな。
と思っていてこの4連敗でも課題に対しての正しい評価をするのが大事なのだろうなと思っている。

そして、この4連敗はどうだろうか。
冒頭でも言ったけどやはり4連敗になった理由は
鳥栖戦、湘南戦の出来が悪すぎた。勝負になるレベルじゃなかったのがすべて。
この試合は今出来る事をやったのかなと思う。
ようやく、組織や仕組みの話に移れる。みたいな。

で、書いたように課題はある。もう少し組織や仕組みを作らないと安定して勝てない。
でも、ここ2戦はその前の話だった。あれではどこにも勝てない。
今日の内容なら勝てるチームもあるかもしれない。ということで、一歩前進。
レベルが低いが一歩前進。
でも、仙台は戦力的に厳しいJ1では後ろの方。
だから、もっと組織や仕組みを強固にしないと安定して勝てないね。
ってのがこの試合から感じた事。
でも、やっと前進した。大丈夫。勝利は近いんだと思う。

兎に角このチームはホームで1勝することが優先。それでケチェドバになるんじゃないかと思っている。
共に戦おうじゃないか。まだ折れるには早すぎる。

やっと手倉森仙台がスタートした試合だったわけだから。

ハイライト



スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

TACTICALista_20213162338

最初に

まずうんぬんかんぬん能書きを垂れる前に、
前節の記事で
「あのデュエルの弱さじゃ勝てるものも勝てなくなる」
と書いた。
まさにそれを証明したゲームだったのでは無いか。
すべての失点が軽いのである。崩されてないのに失点していて戦えてない選手がいたように思える。
全員戦えてないとは言わないけども。
ベガルタ仙台というチームはそういう選手がいた時点で勝率は低くなる。
松下の24分のボールを残す場面とか全身全霊プレイしてくれる選手もいるわけだから余計に歯がゆい。
戦術的にも勝っていたとは言わない。6:4で湘南が有利だったようには思う。
だけど、それは少し我慢出来れば勝利に導ける差であり、鳥栖戦と比べるとその差は明らかに少なかった
だが、3失点し勝負にならなかった。
最後のインタビューでの「切り替えたつもりなんでしょうね」というテグさんの言葉が重く引っかかっている。
ようするに、全然甘いよということ。
戦えてないよ。というのを指摘されているわけだ。
それをメディアを通して。自分の事だと該当選手はわかっていると思う、悔しいだろう。
俺だって悔しいから。だから、反骨心を期待している。

前半


3バックでボールを運ぶ

さて、そのうんぬんかんぬんのお話。
仙台は3バック。それでボールを運ぶんだぜ!という意思。

安定してボールを運べる。それは去年無かった後継でよしよし。と思った。
でも、本当にいいのか。という話。
見直すと1列目突破に人を使いすぎてゴールを奪う最終ライン突破に使える人がほとんど残っていないかったのが事実だった。

TACTICALista_20213162340

図のようにアピや平岡から前進は出来るのだが、1列目突破した後に2列目そして最終列を突破するのに皆川しか残っていない状況になっており、
2列目を超えられず後ろに下げたたる場面が多かった。

ただ、それでも2列目や最終ライン突破したのは、

TACTICALista_20213162340 (1)

のように左は石原が開いて、真瀬が中に入ってギャップを生んで崩しかけたり
皆川が下がって、石原真瀬がぐるぐるしてギャップを生んで、、、
みたいな感じは少ないながらも見られた。
問題は左。
秋山がピン止めしてから動けず、氣田が2列目/最終ライン突破を個人技で突破するしかなかったので辛かった。

給水タイム後の湘南の対応でノッキング

給水タイム後は湘南が3トップ気味にして3バックに数合わせの前プレスに変更する。
このことで仙台は前進出来なくなった。
切ない。
こうなった時に上原が落ちて4バックでビルドアップ。
とかできるようになると良いのだけれどまだそれは出来ず。
1列目突破は安定していたのも突破出来ずノッキングしてリズムを失ってしまった。

後半


アピの大外で前進は諸刃の剣

前半は数合わせの前プレスで沈黙した仙台。
ハーフタイムの策はアピが大外に配置し、そこまで誰もこれないからフリーで持てるので
前進出来るぜ!!
という仕組みだった。

TACTICALista_20213162341 (1)

実際仙台は1列目を突破出来、クロスを送るシーンやまぐれだけれども51分のアピの超絶スルーパスから皆川が抜け出したシーン。
あれも、この大外だとフリーだぜ!という大作戦であった。
あれが決まっていればゲームは違う方向に言ったのに…そうはならなかった。
そして、メリットを活かせないとデメリットを顔出す。
直後だった。
アピが奪われてカウンターを食らう。
この作戦3バック全体が右側にスライドしている。なので、逆サイドの名古を攻守にフリーにする。
仙台保持の時にフリーにして前プレス空転させるのは良いけど、ひっくり返ると誰も見ていない状態が生まれる。
そこから飛び出されての失点だった。

ま、アピも吉野も寄せきれてなく甘いんだけどね。

4バックでの保持で反撃

そこから、ガクっときて続いて3失点を喫した。
ただ、そのあとに開き直れて1点返し3-1に。

そして、73分から仙台は4バックにする。
これで再び仙台は主導権を握る事が成功。

まーアピ大外大作戦とほぼ一緒。
大外フリーになるのが湘南の構造なので、4バックにした方がバランスいいだろう。と
TACTICALista_20213162344

そして、蜂須賀はさすがだった。
思い返せば去年仙台のトレント・アレクサンダー・アーノルドとか言って盛り上がっていた。
それを思い出した。
蜂須賀が強いのは逆サイドにも展開できるという点。
同列アタックもあるし、逆サイドにも展開できる。なのでバリエーションは広がっていた。

それと、最終ラインのバランスをとる石原。
もちろんサイドバックとしてビルドアップもできるし、蜂須賀が運んで1列上がったら中に絞って3バック化してトランジションの対策が出来る。
なので、2失点のような事象も起こらない。素晴らしい。
これも去年の残り香。
なので、4バックの方がバランス良かった気がする。

最後に

まー最初に言いたいことは書いたので最後に書くことはあまりない。

強度が上がらなかったのがすべてだと思う。
戦術的にはそこまで差があったとは思わない。
主導権を握る事も出来る場面もあったし、主導権を握られた時には失点していないし。
失点は突然。なんでもないのに失点しているというのが辛い。
このあたり改善できないと勝ち負けなんて争えないね。というのは鳥栖戦と同じ感想だ。

ハイライト




スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

TACTICALista_20213112340 (1)

前半


鳥栖の嵌め技に無策だった仙台

まず、鳥栖に関してだけれども凄く特殊なチームだ。ということを考慮しなければならない。
浦和戦。4-4-2で保持する相手に6トップ化とマンツーマンで浦和の保持を破壊したのである。
それを考慮したときに仙台の作戦は正しかったのか。ということを考えなければならない。

仙台はこの特化した鳥栖に対して保持する普通の選択にしてしまった。
たぶんこれが悪手だったと思う。

実際に6トップ化からクロスを両サイドからフリーで入れられ苦労した。

TACTICALista_20213112334 (1)

また跳ね返しても、プレスバックと後ろに残っている仙頭&松岡で圧をかける。
切り替わったらマンツーマンになって即奪取をされてしまった。

失点は防げたもの

まーそういう感じで仕組むや戦略で負けているのだけど、それ以上に印象が悪いのは失点の仕方。
1失点目はエドゥアルドをフリーにしすぎてしまってあの位置なのにプレッシャーかけられず、フリーで縦に入れさせてしまっている。

2失点目もCKから掻き出せなかったし、3失点目も疑似カウンターだったけど、最終的にはカバーも間に合っていたので平岡がもう少し寄せられなかったか。
とか、そういう個人の対応。
細部だけどそこが足りなかったようにも思える。
なので、仕組みにも差があったけれど、前半3失点明らかに軽い失点だったと思う。
個人の強度や甘さが出たと思う。そこは残念。
仕組みで負けるなら仕方ないけれども、こういうところで負けてしまったら勝てる試合も勝てなくなる。
ここはすぐ直せるはずである。いや、直さないとどこにも勝てない。直してからようやく話が始まるのだと思う。
ここは凄く残念なところだった。


保持はそこそこいけそうな気配あり

保持はそこそこ良かったのでは無いかと思ったりもする。
実はこのやり方を選択したときにもっと惨殺されるかと思った今の段階の保持だと相当鳥栖に勝つのが難しいと思っていた。
だけれども、意外と前進できた。

いや、前進した後にどうやってゴールまで繋げるのか。はまだまだなんだけれども、それでも前へ運べたのは良かったと思う。
そんなん評価の壁低いじゃねーかと言われそうだけれども、大きな一歩なんだと思う。俺は。

ゴールまで繋げるという部分では本来ならば蜂須賀のクロスが一番破壊力があるんだけれども、
仙台は保持時に蜂須賀が3バックの一角に入るから蜂須賀がクロス上げられる高い位置まで取れない。
というのが噛み合わない。
蜂須賀が二人欲しくなる。コンバートの難しさ。

とはいえ、真瀬も裏を取るという意味では悪くなかった。というか唯一の攻め手を演出したひとりであった。
松下のパスからSBの裏を取って真瀬がペナ角侵入。というのが唯一の得点の匂いがした攻撃だったかな。

8年前は保持は全然ダメだったテグさんの成長を感じるシーン。
もう少し整理出来れば得点は容易に生まれるはず。


あと、前半終了間際にもらったPKすら決められないという最悪な流れNot Senda'si Day'sと割り切るしかない。
でも、その流れは自分たちが作った。という感じ。
そういう失点の仕方だったからね。

後半


5バックの意図とは?

・5バックの意図とは?
で、0-3なのに後半5バックに以降。
これは対6トップにあった。6トップで両サイド広くとって、中央間を取りにくるなら人で5レーン取ってしまえば対応できるでしょう。
という策。
まー鳥栖に勝つには正直これしかなかったと思う。

そして、前プレスもミラーっぽくしたので人を見る形で圧力がかかる。

TACTICALista_20213112338

これで、仙台のターンを作ったのだが、、、、

それでも失点してまうのがチームの実力差

その仙台を上回るのが今の鳥栖。
強い。

蜂須賀を前プレスを上手く利用。マルティノスがサボってズレたところから展開されクロスから失点。

TACTICALista_20213112338 (1)

これは仙台がサボったのもあるけど、これを実行できる鳥栖も凄いなーと感心。
ただただ、関心。一発で息を仕留められた。

そして、最後にもケーキにイチゴを乗っけられるカウンターを食らい0-5での大敗。
2試合連続の5失点は痛恨の連敗。無念。


最後に

まー終わったことだけれども、
まず、前半の失点の緩さは認められない。
確かに仕組みや戦略では負けてた。でも、たとえ仕組み、戦略で対等に勝ててもあのデュエルの弱さじゃ勝てるものも勝てなくなる。
この文章を書きながら、2011年のリーグ再開川崎戦を見てるのだが、やはり戦う。1vs1を負けないっていうことを徹底的にやっている。
そこは大きく違う。
ベガルタ仙台はのベースはそこだと思う。そこを忘れた仙台はたぶんJ1には入れない。そんなに甘いリーグじゃない。
ここは個人の問題だから。
戦術とか戦略とか完成度以前のお話だから。はっきりと言っておく。

もうひとつ。
これは手倉森さんに向けて
時間が無いのはわかる。それでも、4-4-2で倒すのは無謀というかあまりにも無策だった。
鳥栖の土俵で戦いすぎたt。
それは、浦和戦見れば気が付く事なのに、、、と思っている。
おれは気が付いた

勝負がほぼ決した後に5-4-1で後ろに重くしたのは遅すぎるという気もする。
どんなに遅くても給水タイムでの変化であるべき。

という理想論。
でも、そこまで言ってもまだまだ若いチームだからそこまで求めるのは難しいのだろうけど。。。

あと、鳥栖。
めっちゃ良いチーム。戦術強度も滅茶苦茶に高くて多分普通に強い3連勝。無失点もたまたまじゃない。
ただ、このやり方は結構ピーキーだから土俵に乗らないチーム。
名古屋やロティーナの清水あたりとやった時にどうなるか。
そして、マンツーマンで走るのがベースになるので連戦になった時に強度がどうなるか。
夏になって走れないときにどうなるか。
は興味が深いかなと思う。
凄く良いチームだった。

1-5,0-5とサッカーにならなかった仙台だがちょっと相手が悪いっつーかなんつーか。
もう少し楽なチームとやりたいぜ。みたいなのはある。
ここに対抗できるほど力はまだない。

ということで相手が悪かったと思って切り替えるしかない。
で、湘南戦。ここは戦争。3節だけど戦争。生きる証明をしなければならない。
この日の前半の強度だったら勝てない。
当たり前の事を当たり前にしないと。まずはそこからだと思う。折れるのはまだ早い。という証明をしてほしい。5


ハイライト



スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

TACTICALista_2021382258

前半


マルティノス中央に配置したことの狙い

仙台はこの日4-4-2でマルティノスを右サイドではなくて中央に配置。
関口が左サイドであった。これは、攻守に別の狙いがあると思う。
まずは、守備。
たぶんサイドの守備強度を上げたい。ということ。
マルティノスでは川崎相手(具体的に言うと旗手)相手に分が悪い。
まして、この日は守備に終われる時間が長くなるのでサイドには置けないと判断したのだろう。
そして、それは正しかった。
関口が怪我で離脱時にマルティノスが一時的に右サイドに入ったが、そこからクロスを上げられ2失点目に繋がったことで証明された。皮肉。
車屋に簡単に剥がされすぎた。
そして、この失点がこの試合のターニングポイント。不運でもある。

もうひとつ攻撃において。
この日多かった中央で背負ってのプレーを強いらせるつもりは無かった。
中央からサイドに流れて高いSBの裏を狙わせ懐かしのウイルソン役をやらせるつもりだったのだと思う。

TACTICALista_2021382257

ただし、それが出来なかった。
その理由が次の項目。

非可変でのビルドアップ

川崎の前プレスは速い。
なので、広島戦のように可変で3バックにする時間が作れない。
なので、4バックのままビルドアップしようぜ!
がこの日の狙い。
ミッドウィークに行われたルヴァンカップのように、CB+GKでビルドアップする手もある。
ただ、あれは絶賛修行中。
川崎相手にやったら即死であろう。
なので、一番時間があるSBから展開しようと考えたのがこのゲーム。
ただし、川崎のプレスはその想定を上回った。

SBにすら時間が無く前に進めなかった。
特に左サイド秋山のところは完全に奪いどころとされてしまって、左サイドからは全く前進出来なかった。
右の蜂須賀は個人で剥がして前進できるシーンを作ったり出来たのでそこは流石だったと思う。

課題の左サイド

この日の前半やられっぱなしだった右サイド。
関口が離脱して不在だった2失点目以外は全部左サイドからだった。

TACTICALista_2021382256

秋山だけじゃなくて氣田も守備時に迷子になっていて、山根を見るのか、田中を見るのか
ハッキリせずこの左サイドに4人で簡単にチャンスを作られる場面が多々あった。

ということで、圧倒された前半だった。

後半


上原でプレススイッチを入れる

勝負にならない前半を過ごした仙台。
ただ、ホームだし終われるかっていうことで、ファイティングポーズをとるために
3人交代。
上原をトップへ移動し、DHを吉野、松下に。
CBに平岡を入れて右SBに真瀬、左SBに蜂須賀とした。

まずは、トップ上原。
彼が馬のように川崎のCBへプレスをかける。
これを合図に仙台は全体で前に行けるようになり仙台のターンが作り出せる。

TACTICALista_2021382253

また、アピ、吉野が前へ出る動きは強く前でカット出来るようになった。
彼らはやはり、前で奪う事の方が上手く好きそう。前半のように押し込まれて戻りながらのクロスの対応というのはあまり得意じゃなさそうでようやく個人の能力も戦術も噛み合うようになった。

両サイドの強度アップ

また、両サイドを変えた事により仙台はサイドの強度もアップする。
そして、左サイドバックがしっかりしたことで前の氣田が相手の間に入れるようになり
躍動し始める。
彼ら二人で左運ぶと、真瀬がパワーで逆サイドを駆け上がり厚みを出せるようになった。

やはり、4バックのままビルドアップする場合SBが安定しないとダメだよねと。
逆に安定すればある程度やれんだぜ!!
っていうことで、58分に1点返す。
素晴らしいゴールだったと思う。

途中から出てくる選手がえぐいだよ。(愚痴)

さー、ここからだ!っていうところで、川崎は家長と三笘が登場する。
ズルい。両ウイングが変わったことで、再び川崎に主導権を握る事になる。

特に三笘は一人でカウンター成立させちゃうので仙台が中々前に重心を置けなくなった。
そして、83分にビルドアップから前で奪われショートカウンターを食らって5失点目。

後半の行ける!という空気も沈下するゴールを奪われ1-5の敗戦となってしまった。

最後に

まず、言っておかないといけないのが4-4のブロックをぶっ壊されたのかというと、そうじゃないと思っている。
ほとんどが切り替え時のスピードで4-4を作れず4バックがちゃんとセットできないシーンばかりだった。

たぶん戦略は4-4で持たせて跳ね返して前半ロースコア出来れば無失点でいきたかったのだろう。
ただ、本文中に語った通りボールを持った時にSBにすら時間が無く、前進出来ず、
すぐ川崎に奪い解されカウンターを食らう事になってしまった。

仙台の保持を狙われて川崎の非保持の素晴らしさによってこのスコアが生まれた。
まぁ切り替えるしかない。
この非保持のスピードはJリーグでは異次元だから割り切るしかない。

そして、何よりうれしかったのは前半ボコボコにされたの後半一回立て直せたという事がたぶん次につながると思うし繋げないといけない。
後半の上原、氣田は凄く良かった。
それは小さな収穫だった。
この収穫をより多く実らせるために努力すればいいんだと思う。
まだ下を向くには早すぎるし、そんなこと必要は無いのである。

ハイライト



スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

TACTICALista_2021312245

前半


仙台の保持仕組みと現実

返ってきた手倉森誠。
仙台から代表、五輪、ワールドカップ。そして、長崎へのトライを経て。
どうやら、この人は前回の仙台でさっぱり出来なかった保持を整理した。という話もあって期待半分。でも、長崎のあのメンバーで昇格出来なかった。
という不安感半分で始まったこのゲーム。
仙台は4-2-3-1 から3-1-4-2 みたいな形。
TACTICALista_2021312245 (1)

狙いはざっくりとこんな感じで、DHを落とし3バックにして数的有利を作り、SHが絞ってIH化でDHをピン止め。
アンカーと化した上原をフリーしてそこから展開。
みたいな。
でも、現実はそうは行かなかった。残念。

TACTICALista_2021312245 (2)

広島は、というか城福さんは長崎のテグさんを調べつくしていた。
という感じで、この変形の対策を用意。
最終ラインのケアはシマオが展開できないので放置し2トップは両脇のCBに対して対応する。
上原は青山が1列上がって捕まえる。
サイドハーフはサイドハーフで対応。
4-3-1-2みたいな形の守備配置で対応してきたので仙台は保持局面で困って前進出来なかった。

4-4-2で撤退する仙台

なので、保持より非保持局面が多くなる。

TACTICALista_2021312246

広島の保持は2トップがドウグラスが前で張り、ジュニオールサントスがその後ろや裏を自由に動く仕組み。
そして、ジュニオールの動きと連動してサイドハーフが中に入ったり中に開いたりと連動。
ジュニオールのためにみんなが連動して動く。
こういう仕組みを作るのが上手い城福さん。そして、ジュニオールのようなクセのある選手を組み込むのが趣味な城福さん。
さすが。

ただ、仙台は去年より4-4での耐久度を上げてきた。
なので、そこまで崩れるシーンは無くしぶとく焦れず守る。
確かに仙台の守備は前に出ていかない。2トップはCBにはいかずDHに圧力をかける。
なので、即回収とはならないもののしぶとく守る。
正直、CBが弱い仙台はこういう形の方がいいんじゃないかと思う。思うだけ。

シマオ退場後のお話

それは、給水直後だった。
スローイン奪われて早めにジュニオールに渡りカウンターの形に。
この試合唯一の懸念アピvsジュニオールを作られ簡単に外される。
それをフォローに行ったシマオが後ろからスライディング。それがボールに行かずDOGSO判定で退場。

仙台は吉野と関口を1列下げて4-4-1に変更。

ただし、ここでやってしまったのは、ボランチに下がった関口がどこまで前に圧をかけるかを整理出来なかった。
なので、関口が行き過ぎ空けたスペースをジュニオールに使われ決められてしまった。
スペースを与えると規格外なジュニオール・サントス。恐るべし。

そんな感じで仙台はひとり退場。そして、ビハインドという形で折り返す。

後半


耐え忍ぶ。そして、サイドから刺したい!

後半頭から氣田に代えて松下を投入。
関口を右サイドに置いて、4-4の撤退からカウンターを狙う!という変更。

ただ、皆川は前線で起点にならずロングボールのターゲットでも勝てる回数が少なく、
また、マルティノスも思ったよりも前に運べない。

なので、運べるのは関口サイドからに限定されたのは残念だった。
あと、守備もジュニオールにスペースを与えず丁寧に対応。
横のスライドもラインの上げ下げも良かったので、広島が保持から決定機にいったのは85分の場面のみ。
そして、その場面はクバのわけのわからないセーブで防ぐ。
それ以外の決定機は奪われてカウンターの形でジュニオールサントスにスペースを与えたものだった。

なので、去年よりも守備は良くなってそうだし守れそう。失点も減るんだと思う。

仙台の保持時の配置変更からの同点弾

カウンターの形が思ったより作れない仙台は保持を強化。
配置を何回か変えたけど、ここで取り上げるのは最後の配置。
石原を左サイドバック。
真瀬を右のサイドハーフに。
という配置。この配置で仙台はボールを前進出来るようになっていた。

TACTICALista_2021312246 (1)

仙台の保持はDH落としだったが、石原の場合非対称。
石原が中に入ってCB化し3バック。
右は蜂須賀が右サイドバックのままタッチラインに張る。
中央がシマオじゃなくて平岡でビルドアップ出来るので2トップは無視できず、中央による。
寄ったところを左右のCBから運んでいく。
また、
上原が下がらなくなったので、松下が一列高いトップ下の位置でゴール前に飛び出せる。
と攻撃に厚みを出しビルドアップも安定。
そして、同点弾。

TACTICALista_2021312246 (2)

同点弾の場面はその3バックから上原が下がって右に1個ずれていく。
さらに、松下、石原平岡、関口でひし形生成。
この時に、松下に川辺が、下がった上原に青山が食いついたのでバイタルががっつり空く。
それを関口が見逃さず侵入しゴールが生まれた。
素晴らしい配置転換とボランチを上手く引き出してそこを使えた素晴らしいゴールだった。

ただ、広島としては、リードしていて残りアディショナルタイムだけ。
という中での対応としてはちょっと安易だったかなと思う。
青山は前に出ていき上原を捕まえる役だったので川辺がもう少しうまくケア出来れば防げたかなとは思うシーンだった。

最後に

手倉森さんの仙台らしい、劇的なゴールだった。
アウェイで退場し、ビハインドだったところから勝ち点1ゲットは大きい。
手倉森さんを信じれば救われる。不思議な神通力。
だと、思ってたけど、見直したらちゃんと理由があった。
そこは手倉森さんの成長だと思う。(見ている僕の成長かもしれないけど)

あとは、この同点弾が生まれた背景は石原の中央に配置する動きや関口のカットインは木山さんが去年仕込んでいったものでもある。

僕は冗談で去年は黒歴史とか去年なんか無かった!とかいうけども、ちゃんと去年トライしたこともの血となり肉となっていてちょっとだけ感動した。
そうやって、僕らは歴史を刻んでいく。
まー良かったとは言えないけど、良かったナイスゲームだったと思う。

次はルヴァンを挟んで王者川崎をホームに向かえる。
凄く難しいゲームになるけれども、どこまで通用するか楽しみ。

ハイライト

↑このページのトップヘ