スタッツ

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TACTICALista_20216302056

かんそうぶん

この日仙台は3-4-2-1で清水の4-4-2に対する形になった。

手倉森さんは狙いは
「我々は連戦のなかで幅を持ってやってくる清水に対して、序盤から4バックでやって、スライドで横に動かされていたらたぶん苦しいゲーム状況になったと思います」
と語っておりスライドを繰り返いて体力消耗しないようにという非保持での狙いだった。

でも、前半は保持の部分で3-4-2-1の良さが出た。
清水の4-4-2の非保持だけれど、サイドハーフが前に出てビルドアップ隊に圧を掛けて前で奪うのか、
それとも後ろで構えてスペースを埋めるのかが曖昧でどっちつかずであった。
なので、仙台はインサイドのCB(照山及び平岡)がボールを持つと清水のサイドハーフが釣れるので
空いたスペースにシャドウが入ってきて簡単に前進が出来相手を押し込む事に成功した。

なので、保持は今年一番の内容だった。

ただ、トランジションの局面が整理されていないかった。
そして、それが失点の引き金になってしまう。

仙台はビルドアップは簡単に出来て相手を押し込める状況を作れた。
それは前述の通り素晴らしいことだった。
そして、相手を押し込んだときは3-2-5のような形になってWBが前線に入って押し込む。
問題は中盤の「2」の部分のバランスだった。
ここが押し込んだときに前に出すぎる場面があり、カウンターを受ける。
また清水はカウンター時には鈴木が1列落ちてスペースに降りてくる。
このスペースは先ほど言った中盤の2枚(DH2枚)が前に行きすぎて空けてしまったスペースであった。
そんな広大なスペースにフリーで前向かれたくないので吉野がマンツー気味についていく(これが引き出される形になる)

こうなることで3バックから2バックに。
最終ライン2枚になったところで、前残りのカルリーニョスとサンタナの個人のカウンターを真正面から受ける事になり
失点に繋がった。

ということで、久しぶりに押し込んだら、そういえばトランジションの緩さ。バランス誰が取るのか不明確な部分が露わになった。
こういう時に富田が、、、、と思ってしまう。
ちょっと、中原と上原どっちかは1枚残って欲しかった場面であった。

ただし、さっくりカウンターをしたものの保持局面では仙台が良かったし失点後も清水を押し込めた。
そんな中でCKから吉野が押し込んで同点で前半を折り返せたのはま前半の内容を見た時には必然だったとは思う。

ところが、後半暗雲が立ち込める。
清水がミラーゲームに代えて来ていて3-4-2-1のミラーにする。
これで清水の曖昧だったSHはいなくなり、シャドウになる。
このシャドウが照山-平岡のパスコースを消すポジションを取りパスコースを制限。
唯一あるWBのパスコースはWB同士のマッチアップで潰す事に成功。
これで、仙台は前半の保持の良さは息を潜めてしまった。

保持が詰まったんだけどここで、いつものロングボールでスペースに放り込んでも良かったと思うが
前半良かった印象があってどうしても保持で戦いたくなってしまっていて足元足元のパスしかないので詰まった。
というところか。

一方の清水。押し込まれることが無くなったので攻撃に移る。
その中でスペシャルだったのはサンタナだった。
ラフにボールを放り込んでもサンタナが納めて起点を確実に作れるし、WB裏に抜けてそこで起点も作れる。
能力の高さで仙台を苦しめる。

後半は清水のゲームになったわけだけれどもそのままセットプレーのセカンドボールを竹内が放り込みディサロが合わせて
清水が勝ち越す。

仙台は4-4-2に戻してサイドを2vs1の数的有利を作ってクロス爆撃で同点を狙う。
そして、それがあっさりと結果に出る。
83分にCKから松下が豪快にミドルを突きさし再び追いつく。

しかし、その直後にサンタナに決められて失点。
この場面は上原が簡単に前に蹴りすぎてしまったし、その後バラバラな前プレスをかけて簡単に外され
自ら疑似カウンターになる形を作ってしまった。
そして、照山vsサンタナという形を作ってしまったのが失点のすべてだったかなと思う。

この失点でさすがに万事休す
2-3での敗戦となった。


最後に

ここまでしぶとく負けなかったのはCBの弱さを中盤や前線の頑張りで隠してきたからだと思っている。
それは非保持時にストラクチャーな形を作り続ける。ということでもあるんだけれども、
この試合は非保持時にアンストラクチャーな状態が多すぎた。
そして、アンストラクチャーな状態だとやはり脆い。という去年嫌になるほど経験した結果だったかなと思う。

確かに今までは保持を捨てる事で非保持のストラクチャーを保ってきたわけだけども、
この日は保持をした。
たぶん、保持することでストラクチャーな形を保ちたかったのだと思う。
ところが、前半は保持から非保持に切り替わった時にストラクチャーを保てなくて、
後半は保持が出来なくなったからストラクチャーを保てなかった。ということだと思う。

このタイミングで保持を試したのは日程が違う中で、今まで通り非保持でストラクチャーを保つと走らないといけない。
ただ、こちらは中2日。相手は10日以上空いているのでどうしても分が悪い。
だからこそ、保持でストラクチャーを保ちたい。そうすることで走らずにストラクチャーを保てると考えたんじゃないかと思う。

まだ、半分折り返したところで、こういう新たなトライは喜ばしいしちょっとした部分で負けてしまった。
修正は可能な範囲と考えるし面白いトライだったとは思う。
ただ、そんな余裕があるのかが少し微妙なので評価が難しくなる。
シックスポインター相手にホームで負けた。取りこぼしたくは無かった。というのが本音だし。負けたという事実は痛い。

ま、終わった事なので前に行くしかない。
何度も言う僕らは確実に前に進んでいるんだからね。


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