スタッツ

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スターティングメンバー

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前半


仙台の保持を阻害する琉球の非保持設計

仙台は怪我人が戻って来て戦力がだいぶ回復してきた。
そして、いきなり吉野がDHでスタメン。原崎さんの信頼が伺える。

そして、ここからGW絡みで5連戦ということで、スタメンも入れ替えて乗り切ろうとする仙台。
そこに、前節遂に最下位に落ちてしまった琉球が挑むという感じ。

最初にリズムを掴んだのは仙台だった。
前半10分までは仙台が琉球を自陣に押し込み仙台がリズムを掴んだようにも見えたが、
徐々に琉球の準備が仙台を苦しめる。

琉球は5-3-2で前プレス&ブロックを作る。
前プレスに関しては2トップが2CBにいってサイドに誘導。
サイドバックにはIHがケア。
中に入るSHにはWBをマンツーマン気味にチェックし仙台にロングボールを蹴らせる。

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また、DHに入って琉球の前プレスが外された時には潔く撤退し5-3-2でブロックを作る。
仙台は5と3の間に入りたいのだけれど、そこにスペースがあまりなく、
頑張ってそのスペースに入ったとしても、圧力がかかり5-3そこから有効な崩しが出来ない。

リズムを作れない理由とは?

ただ、琉球の仕組みが凄く良くて、仙台がやりたい事が出来なかったか言われると微妙。
仙台にもリズムを作れない理由があった。

まず1つはコンパクトな5-3の背後を狙うプレーが少なく最終ラインを背走させる事が出来なかった。
なので、コンパクトに仙台の使いたいエリアが狭くされてしまった事が1つ。

そして、もう一つは復帰した吉野。
吉野はボールを持ってもタッチ数が多く、そして遠くを使う事を優先していた。
それは、吉野が離脱する前の4節くらいまでの仙台のプレー選択で、
離脱後に確立していった少ないタッチで縦パスをギャップに入れる。
というアップデートが出来ていないように見えた。

なので、吉野がボールを持つとどうしてもリズムが遅くなり停滞してしまう。

また、2CBに対して同数プレスで来る琉球に対して吉野が最終ラインに下がって数的有利を作る動きをする。

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これで、確かにボール保持は安定するのだけれど、原崎さんがやりたいスペースに潜り込む事を吉野が放棄しているのでこれまた仙台がリズム出ない要素となっていた。

フリーマン清武と突進する上原でチャンスを作る

そんな感じで仙台がリズムを作れずにいる。
とはいえ、琉球もそれほど決定機はすくれていない。
というのはあった。ただ、やりたいことはハッキリとしていたのでここで纏める。

まずは、清武がユニークだった。保持時は2トップでは無く草野の1トップになり、
清武はフリーマンとして、攻撃の舵を取る。

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清武は時にDH脇に落ちてきて仙台のプレスを外しボールを引き取り時間を作る。
そして、高い位置を取った田中を使ってのクロス。
もしくは、裏へスルーパスで草野と沼田を走らせ、琉球の攻撃のコンダクター役となった。

そして、もうひとつ目を引いたのは
今年、初先発だった上原。彼のスピードを活かしてスペースを突破する。
運ぶじゃなくて突撃して突破するだったのでリスクもあるが、攻撃のアクセントになっていたのは事実であった。

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ただ、このリスクがこのゲームの伏線となっている。

ゲームは40分に石原が怪我で離脱。若狭がCBに入り、急遽キムテヒョンがSBになり、
残り5分はアジャストする時間として使い前半はゴールレスで折り返す。


後半


いつものリズムに戻る仙台と鎌田の役割

ハーフタイムのコメントを読むに原崎さんは怒っていた。
きっとハーフタイムに喝が入ったのだろう。仙台はテンポを上げることを要求される。
また、喝が入っただけではなく仙台は2枚変えし、選手を入れ替える事で構造的にもテンポを上げる。

まずは、フォギーニョ。
彼が入った事でいつも通り少ないタッチでギャップに入れる事が出来るようになり、
仙台がここ数試合やってきたいつものリズムに戻る。

そして、名倉に変えて鎌田だけれど、彼が入った事で最終ラインの裏も狙う事で押し下げる。
名倉だと、ギャップに入るだけになってしまっていてスペースを広げる事が出来ず、狭くされてしまったが鎌田が最終ライン裏に走り込む事と使い分ける事で、スペースを広げて
使いたいスペースを使えるようになった。

なので、交代でリズムを取り戻した。

ただ、変化は左サイドにもあって、
WBの裏をFWが走ってボールを引き出す。前半より背後を使うことで最終ラインを押し下げ
使いたいスペースが広がった

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ゴールキックを嵌める仙台

リズムを取り戻した仙台だけれど、きっちり点を取ることにも成功。
先制点は相手のゴールキックをしっかりと嵌めきった。

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琉球のゴールキックは4バック化する。
その4バックに対して人に食いつくところはきっちり食いついて局面から脱出させない。
そして、運べる上原に対してはSBを消しながらプレスをする氣田が見事に捕まえる。

そして、この上原。前半で書いたようにドリブルは出来る。だけど、リスクがあってスペースに運ぶわけじゃなくて、スペースに突撃する。
なので、この失点時みたいなロストが起こる。
(まー仙台でいう板倉現象でキムテヒョンの運ぶのと同じリスクがある)

で、ボールを奪った氣田がGKがを引き出しカルドーゾにプレゼントパス。
それをカルドーゾがきちんと決めて仙台が先制。
カルドーゾは今シーズン初ゴール。
喜ぶ氣田。フォギーニョはスタンドに指を差し家族のもとへ行けと指示する。
カルドーゾの奥で悔しがる皆川。
そして、本人は泣きそうになっている。
と、様々な感情が渦巻くゴールセレブレーションとなった。

さらに、そのカルドーゾはアシストも付く。
80分に仙台のスローインから一度は琉球に奪われるもののそれをカルドーゾが奪い返しマイナスのクロスを氣田が決めて2-0。
効率的にそして、戦略通り前で奪ってゴールを決めた仙台の完勝。

最後に

このゲームのスタメンを見た時に1つのテーマとして、ここでスタメンに抜擢された選手が結果を残す事と思っていた。
なので、カルドーゾが1G1Aという結果が出たのは最高だった。
特にアシストあそこで足を振ってシュート打つと思ったのだけれど冷静に氣田を使った。
というのがゴールを決めて周りが見えて来たからだといいなーと。
そして、カルドーゾは原崎さんの期待値は高そうでまだまだ。ということ。
このゴールで彼の良さがもっと出るといいなーと祈っている。

また、鎌田がサイドハーフで求められたタスクを実行出来た。
というのも仙台に取ってポジティブな事だった。
中島が加入した事で鎌田のDHっていう出番は減るだろう。
なので、別のポジションで結果を出す事はとても重要でそれがきっちり出来たのは大きい。
たぶん、左サイドも出来るだろう。仙台はさらに層が暑くなる。

ただ、いい事ばかりじゃなかった。
吉野がまだ離脱後のサッカーにフィット出来ずノッキングする原因を作ってしまっていたし、小畑も久しぶりの先発だったが緊張もあったといはいえ、足を攣って途中退場。
と結果を残せたかという満足いかないものだった。

また、軽症のようだけれど石原の離脱も痛いものとなった。

ま、でも、5連戦初戦にフォギーニョを45分に抑えられたとか、富樫が休ます事に成功。
とかポジティブな面が大きいゲームだったとは思う。

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