スタッツ

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スターティングメンバー

TACTICALista_2022512213

はじめに

久しぶりに「はじめに」ありバージョンを書く。
時間無いのに書きたくなった。

長崎と仙台は血を分けた兄弟だと思っている。
長崎が20年シーズン勝ち点80を稼いでも3位で昇格できず、手倉森誠を解任。
その後すぐ仙台の監督に就任。

そして、氣田、富樫、名倉etc…長崎から血を分けて(奪った?)もらって新たな仙台が出発した。
21年降格し、手倉森誠は解任されたものの物語は続き、原崎さんが続きを描くことになる。

一方の長崎は21年吉田監督をシーズン途中で解任。そして、松田さんが監督に昇格。
去年は松田監督就任後驚異的なスピードで勝ち点を獲得していったものの勝ち点78で4位となり、今年松田監督継続で昇格1番手になったのだけれどここまで苦戦。

保持がしたいのだけれど苦しんでいる長崎。
一方、原崎さんで保持というかロマンに切り替えて結果を出しつつある仙台。
というちょっと皮肉(?)な事象が起きている。

長崎から見れば20年の続きが仙台なのかもしれない。

そんな血を分けたもの同士の対戦だった。
だからこそ、試合後少し遺恨が残るわけだけど。

前半


主導権を握る長崎の保持仕組み

ま、そんなストーリーを展開しながらも、中身はいつも通りにやります。

長崎は前節盛岡戦で今シーズンのベストゲームで快勝。
そして、盛岡戦スタメン組を松田監督は「サブ組」とハッキリと断言し今日のスタメン組に期待を託す。

そして、期待に答え序盤主導権を握ったのは長崎だった。

長崎は変則の3バック。左サイドバックの奥井が中に入り3CB化。
数的優位を作り時間を稼ぐ。時間を稼ぐと、二見、奥井から高精度の対角パスが飛んで行き
左サイドの加藤-米田へつける。
この二人は真瀬に対して2vs1の対決を優位そのままに左サイドからチャンスを量産する

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このクロスに仙台はCBが踏ん張り、決定機を作らせない。
また、決定機を作れない理由に優位な左サイドの逆サイドクリスティアーノがこのゲーム絡めない。
これは、奥井がCBに入ったため、左の幅を作る役がクリスティアーノになっており、
大外を離れられない。
なので、仙台はファーサイドのケアをせずによくなる。
そうやって限定できれば仙台は同サイドアタックからのクロスは跳ね返すことができる。

それと、クリスティアーノは左サイドでクロスマシーンに徹する。
彼の良さは得点力、シュートのパンチ力だと思うのだけれどそれを活かすようなタスクを与えていなそう。
このあたりバランスなのだけれど少しもったいない気もした。

というのが、長崎に対する感想。ここは今年ずっと苦労している。
ま、なので、長崎のボール保持に対抗する手段は見つからないものの最終ラインで跳ね返せるので、大丈夫。という前半だった。

仙台も保持するのに工夫するのだけれど。。。

仙台の保持について。
この5連戦実はボールを保持、ビルドアップを頑張っているがうまく言っていない。
そして、この試合も同じだった。

今日も3バック化だけれど、いつもと違い内田を中に入れて3バック化。
3-2でのビルドアップをする。

このあたりは、3-1のビルドアップがうまく行かないから手を入れた感じはする。
なお、その結果長崎と同じビルドアップになるというのが皮肉ではあるが、

内田がボールを持って前進する事は可能だったのだけれど、ボランチに入れたところで
2トップ+2DH のプレスバック&プレスがありミスが多くボランチでいつものようにボールを捌くことができなかった。

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もちろん、この日暑さもあるだろうし、疲労もあるだろう。特に判断の部分は落ちていたとは思う。

ということで、この日はボランチまではボールを届けることができるもののボランチから先へいけない。

攻守に対して効果があった遠藤と鎌田のポジションチェンジ

前進するのに苦労していた仙台なので修正をする。
24分に鎌田と遠藤のポジションチェンジ。
遠藤を硬いボランチ2枚から遠ざけてサイドで起点を作るのが狙い。

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そして、その直後にそれがものの見事に得点に繋がる。
遠藤が時間を作って真瀬が裏へ。そこかのクロスを上げるもののDFにぶつかり
再び遠藤の元へ。遠藤はファーサイドへクロス。それを内田が折り返し中央フリーだった富樫が押し込みシュート1本目がゴールに繋がり仙台がこれ以上ない形で先制に成功。

そして、守備でも少し手を加え長崎の優位を少し切り崩す。
遠藤を加藤聖に、真瀬を米田にと人基準の守備にすることで、サイドチェンジされても捕まえている状況を作る。

そして、そもそもサイドチェンジされないように、富樫と中央に回った鎌田が数的降りでもCBを追いかけ回しサイドチェンジされる時間を消しに行く。

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ただ、数的不利で勢いが大事なのでどうしても完璧には防げないのだけれども
立ち上がりよりはマシという状況を作り出す事に成功。

前半は1-0仙台リードで折り返す

後半


仙台の修正追加で主導権を握り返す

仙台は前半途中の修正にさらに修正を加える。
まずは、可変3バックに対して氣田を加えて3vs3の同数プレスを仕掛けサイドチェンジをさせる時間を消しに行く。
そうすると、クリスティアーノが落ちてサポートに行くのだけれど、それにも内田がついてボールを進ませない。これで仙台はようやく完全に制限を掛ける事に成功する。

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長崎の苦悩

攻撃手段をかき消された長崎は、なんとか追いつこうと攻撃に工夫をする。
米田とクリスティアーノを入れ替えてクリスティアーノを中央に、そしてゴールに近く置いてクリスティアーノの力を借りて同点に追いつこうとする。

TACTICALista_2022512216 (1)

ただ、これは時既に遅し。
クリスティアーノまでの経由が仙台によって絶たれてしまっており中に位置したクリスティアーノまでにボールを供給できない。

なので、結局クリスティアーノの役割は低い位置でボールを受けて逆サイドチェンジをするだけに留まる。

なので、クリスティアーノが直接ゴールを奪えそうな場所ではほぼボールを持てなかった。
結局、66分に選手交代と同時に右サイドに戻る事になる。
この中央に配置は前半ならクリスティアーノに配給できたので効果はありそうだったのが悲しい。

そして、長崎は最後は72分に都倉を投入しシンプルにクロス爆撃から圧を掛けていく。
それに応じて仙台も若狭を右サイドバックに置き対抗し、クロス爆撃を耐える。

消耗とカルドーゾイケイケ大作戦

徐々に両チームとも疲労の色が濃くなっていく。
仙台は、55分にカルドーゾを入れてカルドーゾからのカウンターで少人数で攻める。
通称:カルドーゾイケイケ大作戦を実行する時間が増えていく。

カルドーゾの充実っぷりを証明するかのように、このカルドーゾイケイケ大作戦は4回実行して2回決定機を作る。
そして、アディショナルタイムにカルドーゾイケイケ大作戦から自陣から猛ダッシュした氣田がカルドーゾからのスルーパスを受けペナ内で二人はずしてフィニッシュ。
勝利を決める2点目をゲットとなった。

この時79分から出場の皆川が自陣ペナから相手ペナに走っていくのだけれど、ゴールが決まったシーンで膝に両手を付いて肩で息していて、
この5連戦が、そして、この日27度と暑かった過酷なゲームを象徴とするシーンとなっていた。
それなのに、最後まで走りきった氣田は本当に価値あるゴールだった。
試合はこのゴールで終了。仙台が悪いなりに勝ち点3をゲットした。

最後に

ということで、富樫、氣田の元長崎所属の選手が自身の成長を示す2ゴールで勝った仙台だったけれど、2019年のお互いのチームの選択が違っていたら、
(お互いというか、長崎の選択か)

この内容が逆で長崎の氣田、富樫の2ゴールで仙台に2-0で負けていたかもしれない。
そんなお互いの歴史が交差したゲームだったかなと思ってしまう。
そして、こういう結末を迎えるのだから皮肉っていえば皮肉だと思う。

この仙台の姿が21年とか22年の長崎だった。という世界線も確かに存在したはずだから。。。

そういう目線でも面白いゲームだった。

仙台は過酷な5連戦(九州遠征2回もある)を4勝1敗で乗り切り、
この5連戦始まる前に勝ち点差9あった横浜FCに追いつき抜いて2位に浮上した。
内容はどの試合も厳しいゲームばかりだったが、勝ちきって勝点を積めた。
この自身とやっとくる休養を挟んで1巡目最後まで走り切ればと思う。

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