カテゴリ:Jリーグ > 浦和レッズ


スターティングメンバー

スタメン

前半


浦和がボールを持てた理由

前節ACLからターンオーバーしたメンバーで大分に敗戦。組長就任後無敗記録が途切れ
再出発となる浦和だったが、
仙台をより研究しており前半から浦和がボールを保持する時間が多くなった。
仙台がボールを持った時の対応から整理していく。
仙台保持

浦和のDHが高い位置を取り、仙台のボール保持の心臓。
椎橋、松下のプレーに圧力をかけて制限。
また、この日の仙台左サイドが蜂須賀ではなく、大岩だった。
この事で右から前に進む事が出来ない。
なので道渕も孤立してしまい、いつものように右から押し込む事が出来なかった。
結局前半で右からクロスを上がることが無いのはきつかった。
左はいつも通り5バック化するので、押し込まれるケースが多く左からだけに頼るのは
さすがにしんどかった。

また、浦和の保持も仙台を研究したものであった。
浦和の保持と仙台の守備

関口が5バック化が仙台の守備を強固にした、重要なキーワードだったが、
浦和はそれをうまく使い関口が下がったらその脇を岩波が使い、ボールを展開させていく
これは仙台にとって非常に厄介だった。
こうやって仙台を押し込んでいった。

ただ、浦和は押し込んでも仙台の中央を崩す術をもっていない。
外のレーンは深い位置まで侵入が出来るが、そこからのクロスは可能性は感じない。
仙台が持たれているがうまく守れている感じだった。

また、裏はシマオの裏を狙おうとするが、仙台はきちんとケアしていた。
なので、単純な裏への攻撃には対応出来ていた。

仙台の攻撃の狙い目

押し込まれる中で仙台もきちんと整理は出来ていた。
松下椎橋には自由を与えない。ただ、その代わりCBとDHの間に大きなスペースが空いてしまう。

仙台の攻撃について

ここを仙台がうまく使う事が出来たシーンが1-2回あった。
前半唯一のシュートになった28分の道渕のシュートもここのスペースを上手く利用したものであった。
前半は確かにあまりうまくいかなかったが、後半反撃に転じるのならばこのスペースを
うまく使えば…と思っていたのだが…

整理出来なかった関口の前プレス

失点について振り返ってみると、弱点であるシマオの裏を突かれた。
という記事を多くみた。大槻監督の受け答えでもシマオの裏を狙っていた旨の会見もあった。
それは事実である。だけれど、個人的は事実だけど事実ではないと思っている。
結果的にはシマオの裏になった。そこに要因があるのではなく、失点の要因は整理出来なかった関口の前プレスだと思う。
関口の前プレスで岩波を捕まえるのは前半二回あった。
一度目は立ち上がりだったと記憶する。
その時は、
関口の前プレス1

上記のように永戸は武藤を見るので、橋岡がフリーになってしまい、関口が岩波に行っても
簡単に橋岡へ渡され前プレス回避されてしまい、効果出来では無かったのだ。
そして、2回目の前プレスが失点に繋がってしまう。
とは言っても、一回目の失敗をもとに修正していたのだ。
関口の前プレス2

図のように仙台は1回目と違いうまく嵌めたつもりだったが、
武藤にうまく平岡と入れ替わり前を向かれてしまった。
そのケアで島尾が食いついたが、間に合わず。興梠がドフリーで裏抜け。
綺麗なループを決められ、先制を許してしまった。

前プレスは悪くないし、1回目と違いボールサイドは連動できた前プレスにはなったと思う。
しかし、それが逆サイドの大岩まで連動出来ず、守備の鎖を自ら断ってしまったり
平岡が中にターンさせてしまったりと拙い守備が連続して出てしまったシーンだった。
渡辺監督も試合後に勝った通り、
42分で前プレスをしかける意味もメリットも見いだせず。
何とももったいない失点になってしまった。と思う。

ただ、後半整理すればまだまだ勝負できると思っていたのだが…

後半


全てを無にするプレー

前半のプレーをもとに仙台は後半DHとCBのスペースをどう使うか整理し
大岩のプレーも整理した仙台が反撃開始する予定だった。
そう予定だったのだが、すでに1枚イエローをもらっている椎橋の軽率で無駄なアフターのタックルで2枚目のイエローが掲示され、仙台のプランが壊れてしまった。

本当に無駄なプレーで危険でも何でもない状況だったのに無理に行ってしまったため、
アフタータックルで文句なしのイエローだった。
インテンシティ高くプレイするのとラフプレーとしてアフターで行くのは似て非なるプレーである。
このプレーに対して、若気の至りとか勉強になった。という意見もわかる。
しかし、個人的には彼はそういう立場ではなく仙台を牽引していく立場にある選手だと思っている。
だから、このプレーの意味、責任の重さなど考えながらプレーしてほしいと考えている。
だからこそ非常に残念で簡単に許す事の出来ないプレーであった。

それでも絶望せず戦い続けた

一人退場したが、仙台は諦めず勝ち筋を探す。
まずは富田を入れて4-4-1で2失点しないように慎重にゲームを進める。
そして、途中出場の石原崇、長沢そして道渕が奪えなくても折れずにプレスをかけ続ける。
決定機と言えるチャンスは作れなかったのは確かだったが、残された10人は懸命に戦ってくれた。
そして、残り10分でハモンロペスを投入しゲームを仕留めにかかるが、
浦和の屈強なCBに最後までチャンスを作り出せず。
10人でオールアウトした仙台だったが、数的不利ではどうしようもなく。
久しぶりの敗戦となってしまった。

最後に

「10 heroic lions one stupid boy」98年W杯。 ベッカムとその他のイングランド代表に対して贈られた言葉である。
シメオネの挑発に乗り退場してしまったベッカム。が当然「one stupid boy」である。
椎橋にこの言葉を送りたい。
それは、その後、02年でリベンジした。という期待を込めてだ。
個人的にはまだ怒っている。最悪な退場だった。
でも、その感情をいつまでも引っ張るわけにもいかない。
そして、このリベンジは必ず晴らすチャンスがある。その時にはこの悔しさみじめさを晴らすべく爆発してほしい。
そのチャンスが巡ってくるまでに戦う気持ちを保ってほしいと思う。
でも、富田がそのチャンスを簡単に許さないと思うが。

そして、「10 heroic lions 」 について。
本当にいいチームになったなーと感じて泣きそうだった。諦めず隙あれば勝ち筋を引き寄せる。
ひいき目かもしれないが、1人少なくても浦和に負けないサッカーをした。
(ま、浦和は0-1でOKみたいな感じでギアを落としたこともあり淡泊になったのだが)
これは、次につながるはず。
ホームに帰って連勝記録を伸ばそうじゃないか。相手は鹿島である。
まさに、相手に不足なし。

光が射して未来を裂いて後編がスタート!!!
ということで、天皇杯決勝で悔し涙があってその続編がスタートです。
タイトルはスーパーカーの曲です。
「エウレカセブン」で有名なやつです。


スターティングメンバー

スタメン

仙台は椎橋が怪我で離脱。したがって富田と兵藤がボランチに入り
新戦力の長沢が1トップにシャドウに石原とハモンとなった。
永戸が報道通りCB起用。

浦和は先週のゼロックスから山中を先発に変更。橋岡がベンチに下がり宇賀神が右サイドに入った。

前半

去年から色々と変化が見える前半だった。
ここでは敢えて「進化」は使わない。前に進んでいる。去年より今年のこのゲームの方が
可能性は広がっているので、前進している事はは間違い無いと思う。
ただ、何か覚悟のようなもの。戦力で劣るもののが勝つための覚悟を感じた。
この辺りはもう少し試合を見てから書ければいいかなと思う。

ビルドアップはロングボール

まず、大きく変わったところは前線に長沢というターゲットマンがいる事。
そして、そこで空中戦を制する事が出来、ボールが収まる事。
さらに、ハモンがいてWBの裏に流れるのでそこにロングボール放り込むとハモンが個人の質を活かせるということ。
この2つの変化があったために、仙台は去年のように丁寧にビルドアップをしない。
基本的に3+2でビルドアップするのだが、
ボールに食いつかない(前プレスに来ない)と判断するとCBからシンプルにロングボールで放り込む。
放り込む場所は、

  1. エヴェルトンVSハモン
  2. 長沢VSマウリシオ
  3. WBの裏にハモンを走らせる。

であった。
また、そのロングボールのセカンドボール回収係としてボランチ二枚は高い位置で回収
または、拾った相手に即座にプレスをかけ再回収する事が目的だった。

ロングボール設計こうして、仙台は手数をかけずにFWにボールを供給出来た。
しかし、チャンスがあまり構築できなかった。
仙台の問題というよりも浦和の守備をほめるべき。

エヴェルトンの立ち位置が仙台を分断

ハモンが3バック脇に流れるので右サイド中心の攻撃に。
仙台はこの右サイドからハモンの質を使ってペナ中に侵入したかった。
しかし、それをさせない浦和の守備。

エヴェルトンの守備

ここでキーになるのはエヴェルトンの立ち位置。
エヴェルトンがハーフスペースの入り口に立ち中へのパスやドリブルのスペースを潰すのと同時に槙野のが抜かれたときのカバーできる位置に立っていて仙台の攻撃を左サイドから中に入れさせなかった。
90分通してエヴェルトンは外と中を分断していた。

さて、では浦和ペースだったかというとそうでもない。

進化した撤退守備

それは、仙台の進化した撤退守備にあった。

541撤退守備まずは5バックからボールサイドのWBが前に出ていき相手のWBを捕まえる。
それによって中盤の4枚が去年ほど大外をケアしなくて良くなっていた。
そのことで中盤4枚が中央に3レーンを4枚で埋める圧縮守備が出来上がった。

なので、浦和は中央から崩せずすべてサイド経由だった。
また、サイド経由しても引っ張られすぎて中央が空くケースは少なくなった。
ここは去年の課題をクリアしたな。という印象。もちんろん100点ではないが…

浦和のビルドアップ

撤退守備はある程度機能。
でも、本当は前から嵌めたかった(嵌め方については別の機会にでも)
でも、浦和のビルドアップが前から嵌めさせなかった。
その仕組みに触れて前半の振り返りは終わろうと思う。

ビルドアップ

同数で嵌めようとする仙台に対して杉本が前プレスを外すキーマンだった。
杉本はボランチ脇まで降りてきて最終ラインからのパスをフリーで受ける事が出来た。
また、そのパスコースを作るために長沢が下がって兵藤を引っ張る動きも見えた。
この辺りは対仙台で用意してたと思われる。
こういう作りで前プレスを外せたので、ボールを持つ時間は浦和の方が増えていった。
ただ、それが浦和にとって良くて仙台にとって悪いもだったとはあまり思えなかった。
ここから、興梠がWB裏に流れサイドからの攻撃になるが、浦和もまた仙台の撤退守備の前にペナに入る機会は少なかった。

あと、これは右サイドの設計。左サイド時は槙野がSB化して大外まで広がりハモンを引き連れる。
ここで、槙野-柏木-山中で三角形を作り前進したが、中に入る山中には平岡が対応して、あまりチャンスを作らせなかった

後半

お互いに慎重な前半であった。
どのような手段でゲームを動かすのかがキーになる。

動き出す左サイド

さて、仙台は前半ロングボール大作戦を実行。その反動で左サイドが機能しなかった。
なので、左サイドを動かす。
左サイドはロングボールではなくビルドアップで動き出した。左サイド

DH(富田)が落ちて4バック化。永戸を押し出す。
関口とのワンツーで突破。64分の形なんかは永戸をCBに置いた効果なんだろうと思う。
それ以外にも去年のように左からボランチ経由で左への展開があったりと
仙台のチャンスは前半と違って左から生まれた。

リャンのタスク

リャンのタスクにも少し触れようと思う。
リャンが兵藤のトラブルで途中出場でとなった。攻撃面では中々顔を出せなかったので
彼のタスクが気になり再確認したのだが、守備の面で完璧だった。
富田が前に出たときには後ろをカバーしたりと穴を作らない丁寧なポジショニングだったと思う。
これまでリャンは中々このサッカーにフィットしなかったのだが、
この日は与えられたタスクを丁寧にこなしているのがとても印象的だった

浦和の苦悩

最後に浦和の苦悩を書いておこうと思う。
ゼロックスに続いてこの日も決定機はそれほど多くなく、チャンスを構築する事に苦労している印象を受けた。
第3レイヤー、最終レイヤーに入ることが出来ず結局大外からのクロスに終始した。
本来は柏木が変化を作り出し第3レイヤー、最終レイヤー突破の肝になるのだと思うが
アンカーの位置に下がって組み立てる役に徹する時間が多く2トップと近い距離で仕事出来なかったのが、浦和としては中々攻撃の形にならない理由かなとは思う。
ただし、オリベイラなので攻撃より守備で柏木が上がったことで裏を作るのを嫌うのかもしれない。
そうなると、どうやってチャンスを構築するのか。未だ見えてないような気がした。

最後に

長沢、ハモンロペスがいることで仙台はボール保持しなくても決定機が作れるようになった。
また、無理にビルドアップしなくても良くなった点も大きい。
バージョンアップ…というか、よりスペインの中堅より下の弱者の戦い方に近くなったのかなと思う。身の丈あった戦い方とでもいうか。現実的な戦い方をしたなという印象。
これが今年タイトルを取るための覚悟なのかなとも思ったが単に椎橋がいないので、
無理にビルドアップをしない。という選択をしただけかもしれない。
また、開幕戦負けたくないという気持ちから来たかもしれない。
でも、なんとなく今年は「勝つために」現実的な戦い方を選ぶ気がしている。
僕らは勝つためにやっている。
ロマンを追っているわけじゃないんだ。と渡辺監督の声が聞こえそうな開幕戦でした。

さて、次節は横浜FM戦去年たくさんの借りを作った相手であり、僕らがまだまだ足りない事を教えてくれた相手でもある。
そのマリノス相手にどのような選択をしどういうゲームをするのか今から非常に楽しみである。

連敗中で目標の5位以内にはもう負けられない仙台。
浦和も同じ勝ち点ながら目標のACLまでは、もう少し。こちらも負けられない。
そういう意味ではガチンコの負けられない戦いになるだろう。

仙台について

2連敗でACL行くにはそろそろ負けられない状態にきてしまった。
ただ、大混戦なのでまだまだチャンスはある。
上を見ていきたい。
今節はシステムを久しぶりに変更し3142に変更。椎橋と梁が先発でといことで
今回は選手を入れ替えてチームに刺激を入れる。

浦和について

オリベイラ就任後は3421だと思っていたのだが、ファブリシオ離脱後3142になっているらしい。
実はあまり見てないので、よくわかっていない。
ただ、柏戦を見た限り興梠は相変わらず怖いな。という印象。

スターティングメンバー

スタメン


前半


仙台はアンカーの椎橋を起点に浦和の2ライン間を破壊したかったのだと思う。
しかし、浦和の守備は可変で組織化されていて仙台の狙いを消されたためにイニシアティブは浦和が握ることになった。

浦和の可変システム


浦和は3142から武藤が右サイドにに一列落ちて541にする
541



このままでは仙台の意図通り椎橋の周りにスペースが出来て仙台の意図通りになってしまう。なので、541から→532に変化し椎橋のスペースを与えない。
532


このような作りだった。
仙台はこの仕組みによって意図通りの攻撃はできなかった。

仙台の守備


さて仙台の守備だがかなり怪しい。
5122みたいな守備で、椎橋脇をケアできていない。
この椎橋脇を武藤や興梠の2トップの片方が降りてきて仙台の守備を崩していく起点となった。

浦和の攻撃


ちなみに、仙台のIHが撤退して532 のブロックを作るのかそれとも前から捕まえるためにCBに圧力かけるのかが中途半端で何となくプレイしているように見えた。
だから仙台は守れない状態になった。

失点について


さて、失点の場面だが、やはりこのシーンもIHが戻り切れておらず逆サイドの橋岡の前に大きなスペースが出来てしまっている。
守備の事をはよくわからないけれども、この状況は良くないのはわかる。
関口は橋岡のマークを外したことに反省の弁を述べていいたけれど
関口だけの問題ではないこともわかると思う。
(たとえ関口がついていても橋岡VS関口を作るのが浦和のプランだから結局相手のプラン通りだったというわけだ。)


ただ、この失点だけで済んだのは仙台にとって幸運だった。
正直この守備の出来だったら複数失点、もしかしたら前半でゲームの行方が決まっていてもおかしくなかった。

困ったときのセットプレー


さらに幸運だったのは前半唯一のチャンスだったセットプレー一発で決めた事だった。
知らなかったのですが、浦和はセットプレーからの失点が多く弱点ということだった。
このシーン。ニアには大きな選手を配置していない浦和。
そこに板倉を配置するというのは分析の結果だと思う。
またフリーではあったが、一番ニアは柏木だったので、例え板倉を捕まえていたとしても高い確率で板倉は競り勝てたと思う。ここはしてやったりだった。

後半


後半は一転して仙台がイニシアティブを握ることになる。

仙台の修正は2つ
 ・前プレスの修正
 ・浦和を532にさせない配置

だった。

前プレスの修正


まず、IHがCBに行くのか撤退してスペースを埋めるのか中途半端だったところを修正
前から行くときはIHだけが動くのではなく、アンカーの椎橋やWBも連動して動き前半あったスペースを作らない。これによって、50分のような前プレスからボールを回収するようになった。
良かったシーンは以下の動画を参照してほしい。

浦和を532にさせない配置


前半は532にされて椎橋を消されたわけだが、
仙台は阿部の位置を修正し、532にさせない工夫を見せる。

後半


阿部が落ちてくることによって、柏木がもし椎橋に行くのなら阿部がフリーになるよ。という駆け引きをしていた。
当然椎橋より阿部の位置のほうが脅威なので柏木はピン止めされる。
したがって541にしかなれないので、椎橋の周りにスペースが出来仙台が描いたゲームプランを実行できるようになった。


仙台の課題

ボールを持てるようになり、浦和の2列目のラインまでは攻略できるようになった。
しかし、3列目(最終ライン)攻略まではいかなかったので、シュートシーンや決定機は多くはなかった。
この辺りは仙台の2トップとIHが2列目攻略のためのプレーが多くて最終ライン攻略する駒が誰もいないという事もおおかったし、クオリティも低く最終ラインで引っかかるパスも複数あった。
この辺りは西村が抜けた影響は大きい。
今年の石原が得点少ないのは2列目攻略のために降りてプレーする事がおおい。
それでOKだったのは、西村がフィニッシャーとして活躍できていたからであって、阿部だと西村のようには現状できていない。
ここは今後の課題となるだろう。

仙台は点を奪うために
リャンに代えて奥埜
阿部に代えてハモンロペス
関口に代えて永戸を投入するのだが、交代する度に攻撃が雑になっていき、最終的には2列目攻略もできなくなってしまい終盤は浦和のチャンスが増えたのは残念だった。
特にハモンロペスは石原とのコンビネーションはできておらずかぶったりしているので、これから作っていかなくてはいけない。

最後に

1-1の引き分けとなったわけだが、
今日の試合では前2試合で出来なかった2列目攻略が後半は出来るようになった。
前節、課題に挙げた人の間を通すパスを出す勇気とかスピードや精度は出せるようになったのかなと思う。
その点では一歩は前進したのでは無いかと思うが、最終ライン攻略。点を取る。
というとこはまだまだ見えてこなかったゲームだ。
結局、そういう部分を持っていたのは西村で、その西村が抜けてチームの完成度としては2歩程度下がったのだと思う。
この試合では、1歩前進することは見せたがまだ、1歩足りない。
この1歩をどう克服するのかは楽しみでもあり、今シーズン5位になるには早めに取り戻さないといけない1歩であると思う。

そういう意味では夏、セレッソ、名古屋、磐田と1分2敗だった3戦の時には何も問題なかったが、その時よりは問題があるということ。
とにかく、攻撃のバランスをこの2週間で整理する事が優先事項である。

浦和はオリベイラ就任して、鹿島式442だとメンバーいないのでかなり辛い監督を選んだなというのが最初の感想だったが、
そこはさすがオズの魔法使い。という感じで、ミシャ式のパーツを上手く再利用しながら現代風にアレンジしていて、良いチームになっていた。
堀前監督の時にはうまく居場所を見つけられていなかった武藤を上手く使っていて
可変システムを成立させていた。良いチームに生まれ変わったなとは思う。

大槻さんは、3バックで来るんじゃないかなぁってずーっと思ってたし言っていた。
そんな不気味なゲームでした(笑)

浦和レッズについて 

現状

色々整理できなかった堀さんを解任。
11年仙台にいた大槻さんが監督に就任。
大槻さん初采配のルヴァンは442で挑んだ模様。
さて、この試合は何を仕込んでくるのか。

スターティングメンバー

LINEUP111523183695633
5212というシステム。
やはり、5レーンを埋めてくる策。
しかもボランチ2枚に阿部青木とガチガチな布陣。
詳細はこの試合のキーになったので後ほど書きます

ベガルタ仙台について

現状

前節、奥埜が離脱。さらにルヴァンで庄司も離脱。CH不足の中で、
ミッドウィークのルヴァンで3142でインサイド(IH)に中野とリャンを試し合格。
現状だと343より3142の方が選手の選択肢が多いのかなぁと思います。

スターティングメンバー

LINEUP111523184073452
今節はやっぱり3142でした。
中野をIHで使えるのは大きい。
これだと確かにアンカーの選択肢が少ない。
椎橋と富田の使い分けになるのかな?という感じ。

前半

浦和の勝ち筋はどこ?

正直仙台側からすると浦和はほぼブラックボックスで何もわからない状態だった。
渡辺監督は広島戦と同様の442を予想していた。
しかし、それでは仙台に勝てないと考えたのだろう。 
で、浦和の勝ち筋を考えた時に5バックで仙台に自由に5レーンを使わさせない。と考えただと思う。

攻撃の狙い

守備はそれで良いと考えて問題は得点をどう取るかだと思う。
ただ、大槻さんは凄かった。勝負師だった。
仙台のシステムを3142だと山を張って攻撃を仕込んでいた。

狙いどころはアンカー(富田)の両脇だった。
青木、阿部のDHに中野、野津田IFがプレスをかけに行く。
トップ下の柏木が真ん中で富田をピン止め。
間脇をトップから興梠や武藤が落ちてきて起点を作る。もしくは、柏木自身が動いて富田脇を使う。
という狙いだった
13935

4分の先制点がまさにその形。 
武藤が富田脇でフリーで受けて興梠へスルーパス。
興梠が平岡をいなしてのゴールだった。

浦和のビルドアップ

先手を取った浦和の時間帯が続く。
上記のように守備がハメられない仙台に対し浦和は最終ラインから展開する。

1番多かったのは遠藤から前線に放り込む形だったが、それだけではなく、ボランチが最終ラインに入り4バックでのビルドアップや、槙野がハーフスペースで運ぶドリブルをやったりとミシャ式の残り香が随所に感じられた。
正直4バックでのビルドアップよりスムーズだったと思う。

仙台の守備の整理

先手を取られたが、20分以降から仙台は守備の焦点を合わせる。
まずは、富田は柏木に付いていく。
と言うのは富田アンカーが動くと真ん中に誰も居なくなるので基本動かず、スペースを守るが約束事なのだが、今日はそこをうまく使われているので、柏木に付いた方が効果的だった。
さらに、そのスペースを2トップに使われないように、キムと平岡が2トップに付く事で起点を作らせない事に成功。
これでようやく浦和の攻撃を止める。

仙台の攻撃

仙台の攻撃もテコ入れする。
IHは青木阿部に捕まらないように普段よりサイドに開いてもらうことが多かった。
ただ開いたときにWBと同じレーンになりパスコースも作れずCBに返す他無かった。
(この日はそこから無理やり前に進めようとしてボールを失っていた)

そこで、攻撃でも富田を中央からボールサイドに動かしパスコースを作った。
ようするに、IH→富田→逆サイドに展開。
展開先で数的有利で殴る。ということに成功する。
要するに浦和のボランチ脇のスペースをうまく使い相手の中盤を動かし数的有利を作っていった。
その事で浦和陣内のハーフコートゲームにすることを成功したが、得点は奪えなかった。

後半

浦和は基本的には変わらず。
というか、流石に富田脇を使う大作戦以外の作戦を仕込むには時間が無かったのだと思う。
ただ、大槻さんに気合を入れられたのか運動量が増えた模様。
ただし、それが落ち着いてからは仙台ペースに戻る。

仙台の二の矢

仙台は攻撃を加速させるために次の手を打つ。
それが永戸に変えてリャンを投入。
リャンをIH中野をWBにする。
ここから70分までの仙台は新たな扉を開いた感じだった。
IHが浦和のCBとWBの間に走る。
この時ボランチがついてきた場合、そこに生れたスペースをWBが使いそこからフリーで展開。
もし、ボランチが付いて来ない場合はIHにスルーパスを出し最終ラインを突破する。
この動きを応用して何度も決定機を作る。
ただし、それらのチャンスを決めきれない。

図はボランチがIHについてきた時の例

13936

仙台の失速

しかし、75分以降仙台は失速する。
WBが中に入ってくる時に大外を使う選手が居なかったりリャンがFWに近づき過ぎて効果的なパスを回せなくなった。

たぶんそれは先程説明した動きが効果的だったので、繰り返したのだが徐々に焦りがありIHが最終ラインに近づきすぎたという事だと思う。
それと阿部青木が最終ラインに吸収される事が多くなり、浦和の中盤が崩壊したのだけどそれと同時に仙台も目標が消えたために、立ち位置を失い前に行き過ぎてしまったのだと思う。
そのあたりは新しい扉を開いたら新たな課題が出てきたということだと思うがそんなに深刻な問題では無く次には修正出来るかな。という印象を受けた。

そんなわけで結局、最初の1点を守りきられて今年初黒星となった。

最後に

初黒星。
だけど仙台は新たな扉を開いた。
去年から苦労した5レーンを5バックで埋められたときに中盤で数的有利を作り出し、5バックも苦労しなかったのは収穫。
下手すると勝ち点3より大きいかも知れない。
55分から70分は再現性ありの攻撃だったし本物。
また、富田も一皮剥け展開が凄く効いていた。
仙台はもっと高みを目指せる。そう実感した試合だった。

浦和は気合が凄かった。
完璧な形で阿部が裏抜けした時の槙野のブロックを筆頭に平川の意地など良いものを見せてもらった。
戦術的にも時間が無い中仙台の弱点を付いたのは流石。
大槻さんの凄みも感じた試合であって浦和の意地を見た。

ただ、この大槻さんの相手をとにかく消すやり方では続かないだろうな。どこかで拒否反応が出ちゃうのだろうなと言うのがせつないところ。

果たして浦和はどこに行くのだろうか。
建て直すと言うが建て直すところはどこなのか?
ミシャ式なのか。はたまた違うところなのか。そこは興味深く見守ろうと思う。

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