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TACTICALista_20219181117

はじめに

お久しぶりです。僕です。
8月に転職活動をしておりまして、更新が滞っておりました。
その間仙台はずっと勝てなかったわけですが、
それでも、一歩づつ進化はしていましたし、マリノス戦以外は勝っててもおかしくない。
そんな内容ではあったと思います。
ただ、やっぱり攻撃の部分でまだ荒い部分があって連携がとれてなくて点が取れなくて先に失点したり、不運な判定、ゴラッソに悩まされました。
なので、この中断期間に攻撃のコンビネーションを作れるか。共通認識を作れるかがポイントになるのかなーって思っていました。

ということで久しぶりに振り返ってみましょう。

前半


パトリックと小野の関係性とアクシデント

立ち上がりに主導件を握ったのはガンバであった。
その理由は、パトリックをシンプルに使い小野がセカンドボールを拾ったり裏抜けしたりし仙台を悩ませた。
また、小野がディフェンスラインを引っ張る事でパトリックに時間が出来て対応出来なくなったりと相互作用していた。

TACTICALista_20219181117 (1)

ただし、その相互作用が13分の小野の怪我によって作れなくなりパトリックが孤立すると
アピタウィアが対応出来るようになり仙台が主導件を握り返すきっかけとなった。

先制点は宇佐美のポジションから生まれる

仙台の攻撃は右サイドからであった。
宇佐美の守備がルーズな瞬間がありそこを狙う。
宇佐美の役割はSBの蜂須賀を抑える事であるが、パスコースを消し切れなかったり
たまにサボって単純に抑えなかったりと不安定であった。

なので、アピタウィアから蜂須賀や加藤に縦パスを入れる事が簡単でそこからボールを運ぶ。
ところで、アピタウィアの縦パスは受け手が加藤だとスピードが上がり精度があがるんのは大学時代からの信頼関係なのかもしれない。

で、先制点も右サイドから生まれる。
その時、宇佐美はなぜか中央にいてポジトラに備えている。

TACTICALista_20219181117 (2)

最初の蜂須賀のフリーのクロスは跳ね返されて、パトリックポストから宇佐美がボールを運ぶシチュエーションを作れるがそれを上原がしっかりと戻って仙台ボール。
そこからもう一度サイドに振ると蜂須賀にたくさんの時間があり、もう一度狙いすましたクロスを上げると2回目のクロスはきっちりと富樫が決め仙台が先制する。

宇佐美がなぜ中央にいたのかというと、パトリックが孤立しているために攻撃が単発。
さらに左の宇佐美にはなかなかボールが来ないのでパトリックに近づいて攻撃を成り立たせようという判断だったのではないか。
ただし、それはあくまで個人の判断で守備のケアをチームとして出来なかった感じである。
蜂須賀に2回もあれだけ時間を与えればさすがに点は生まれる。
(時間があるのでペナ中も整えられる。久しぶりに仙台がペナ中に4人もいる瞬間を見た)

点を取った後のテンション

久しぶりに点を取った仙台だが、再開後テンションを間違ってしまう。
キックオフ直後から仙台は前プレスを掛けるがそれを外され、加藤がCBに行くのかWBに行くのか中途半端ポジションになってしまう。

TACTICALista_20219181118

なので、そこから仕掛けられ宇佐美との連携で仙台の右サイドを破壊。
クロスは間一髪ブロックしたもののこぼれたところに矢島が素晴らしい反応で同点にする。

勝ってないチーム、久しぶりに先制したチームの難しさ。
ちょっと入り方、テンションの入り方を間違えてしまったのは勿体なかったと思う。

そんなミスった仙台だったが、幸運にも42分に得たセットプレーを再び富樫が決めて勝ち越しに成功。
勝ててない仙台にとってすぐに勝ち越せたというのは精神的に楽になった。

後半


宇佐美のポジション修正とシステム変更

後半開始も前半立ち上がり同様にガンバが主導件を握る。
その理由は孤立したパトリックに宇佐美を添える事で、前半の小野ーパトリックの連携を再現する。
宇佐美は前半より少し中央に位置する。ただし、失点時よりも中央には絞らない。
所謂ハーフスペースにいる事で上手く連携していった。
50分過ぎには宇佐美ーパトリックの連携を活かせるために、唐突に4-4-2にする。
(なんで、ハーフタイムじゃなくて50分過ぎだったのだろう。そこは謎)

TACTICALista_20219181118 (1)

そして、4-4-2の方が連動性が出てくるガンバ。
2トップの関係もさることながら、井手口がスペースに飛び出すのが絶妙。
特に小野瀬が落ちて、出来たスペースに顔を出すのが非常にめんどくさく仙台はそれを止められない。
そして、同点弾もそのふたりの連携から生まれる。

TACTICALista_20219181118 (2)

井手口が飛び出しボールを引き出すと宇佐美に繋ぎ逆サイドに展開。
逆サイドの矢島に渡るとクロスが蜂須賀の手にあたりPK判定。
それをパトリックが決めガンバが再び同点に追いつく

コンディション悪いガンバと仙台渾身の3枚代え

ところが、得点直後に61分に高尾が足を攣る。

足を攣るには早すぎる時間だけれど、連戦やACLの遠征等々で疲労が蓄積しているんだろう。
コンディション的に相当厳しそうなガンバ。
それを尻目に仙台は給水タイムに、西村、カルドソ、中原を投入し勝負にでる。

さらに、そして、77分には藤春が足を攣り、交代。この交代でガンバはバランスを崩してしまう。

藤春に代えてウェリントンをSHに、柳沢を右から左のSBに変更。
右のSBには小野瀬を入れたが、これがバランスを崩す。サイドハーフのウェリントンは守備をしないし、小野瀬も上がった後に戻りが遅い。
なので、変則的な3-2-5みたいな形になって仙台が奪った瞬間カウンターを掛けやすくなる。

TACTICALista_20219181118 (3)

そして、バランスの崩れたガンバに対して、79分に西村がカウンターを完結させ三度勝ち越した。

パワープレーを跳ね返す

勝ち越されたガンバは最終ラインからパトリック目掛けてロングボールを入れパワープレーを決行する。
ただし、パトリックを競った後のセカンドボールを拾えない。
というのも、ほぼ中盤が山本一人になっていて拾う選手がそもそもいない。
なので、仙台はセカンドボールを拾ってカウンターを仕掛ける事が出来たので残り10分+アディショナルタイム7分は仙台が決定機を作りタイムアップ。

12戦ぶりの勝利を手に入れた。

最後に

正直に言うとガンバがよくなかった。だから、勝つのは当然。。。
と言いたいがそうではない。この試合勝つ事は非常に困難であり、勝ったことは大きかった。
というのも、先制した直後に失点。
PKでの失点。その後、ハンド判定でOFRまで行ったのにその前のオフサイドを取られてハンド取り消し。
と、11戦未勝利と同様に逆風の判定がや事象が続いた。
その中で選手たちはまたこの流れか…と心が折れてもおかしくなかった。
でも、選手たちは誰も心が折れず戦い続けた。そして、勝利した。
これが大きい。
個人的にはあの、鹿島戦からこういう嫌な流れがあって、天に見放されたようなそんな試合が多かったのだけれど、それにも負けずに戦い続けた結果、こういう勝利をつかみ取った。
そして、この勝利はあの嫌な流れを変えるきっかけになるんじゃないかと思っている。

そして、選手に戦い続ける環境を作る。それは、まさにテグさんらしいチーム作りだと感じる。
やはり、テグさんのチームは内容よりもエモーショナルな、
感情に訴えてくるチームを作る。

このチームは死んでいない。むしろここからだと感じる。
ここからの連戦。順位の近いシックスポインターが続く。
何が何でも連勝したい。
その一歩目としては最高の結果を得たんだと思う。
もちろん、内容はまだまだ向上させる必要はあるが。。。

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スターティングメンバー

TACTICALista_202011172216

前半


4-1-4-1の整理されたボール保持について

ここまで苦しむ仙台。唐突に4-1-4-1に変更。
そしたら、突然色んな歯車がかみ合いだす。
驚き。
1週間前色んな要素があったとしてもチームとして壊れてる感があって、
どうやって勝てる状態では無かったが、、、

さて、保持のお話。
やっと、ひし形が復活。

TACTICALista_202011172212

これによって常に複数のパスコースが作れるようになった。
4-4-2の時はSBに追い込まれて、そこでパスコースが無く奪われるか、とりあえず適当に前に蹴るしかなかったが、
この日はSBに追い込まれてもIH、アンカーへのパスコースもあり奪われなかった。

さらに、アンカーに渡ると、サイドチェンジして局面を変えれる。
ということでガンバは前で奪いところが無かった。

クエンカが持つと動き出す

さらに、この日はクエンカがようやく機能する。
クエンカが持つと、周りが彼を信じてクエンカを追い越す。
クエンカは追い越していく選手に時間とスペースを作れる。

TACTICALista_202011172212 (1)

そこからチャンスを作りだしていく。

そんなクエンカだったが、
先制点はクエンカが裏を取ってから自分でペナ角攻略してからのマイナスのクロス。
長沢がそれを合わせた形だった。

周りを使っていたクエンカが自分で仕掛ける見事な攻撃であった。

さて、さらにこの時だが、仙台は左から右に局面を変えて、
さらに右から左に戻って左右に振った。
この時にスライドが遅れてSBが孤立したところをクエンカが裏で勝負した。
そんな得点でありパーフェクトであった。

非保持の設計とガンバの問題

保持局面から先制できた仙台。
非保持でも、安定はしていた。

基本は4-5-1での撤退。

TACTICALista_202011172210

これに対してガンバは片方のSHが絞って中盤がアンカー+IHみたいな形に変化する。
中央が3枚になる事が多いので仙台は噛み合う。

さらに、ガンバのCB陣はドリブルで運べなくパスでしか運べないのでより、2列目を突破する事ができず、保持局面ではガンバが苦労していた。

唯一の負け筋と対策

でも、負け筋はあって、仙台が前で嵌めようとしたときにちょっと怪しくなるケースがあった。
クエンカがCBに行ったときにパラの裏を突かれて、ピンチになる事があった。

TACTICALista_202011172211

なので、仙台はクエンカは大外のSBで止める。
中にはなるべく入らない事。
その代わりに、前から行くときはIHが背中で縦のパスココースを消しながらCBへ圧を掛けていくようになった。

TACTICALista_202011172211 (1)

これで、仙台はある程度安定した。

そして、ゲームは前半終了間際にCKから長沢が頭で流し込み
0-2という願ってもいない最高の形で前半を折り返す事に成功。

後半


ガンバの修正は両SHで幅を取りからパラ裏攻略

前半はSHの片方を中に入れていたガンバだったが、後半は両SHが幅を取る。
そして、ボランチから対角のパスを入れてパラの裏をSH取る形で攻勢に出るガンバ。
TACTICALista_202011172214

この方法で50分及び56分とクロスを入れてチャンスを作ったガンバ。
仙台はかろうじて跳ね返していく。

幅取り対策の柳投入とそれで生まれた問題点

この形を2度食らったところで、柳を投入して裏のケアをする。
パラより柳の方が裏のスペースは消せるためである。

ただし、柳を入れた事で、柳-浜崎-クエンカが大外で一直線に並ぶ時間が出てくる。

TACTICALista_202011172215

一直線に並ぶと、前半のようにパスココースが作れず、サイドで奪われてカウンターを食らう。
パラだと、大外だけじゃなく中にも入れるので一直線に並ばなかったし、
また浜崎が大外まで顔を出す事がなかったが後半は外に張りすぎたのだと思う。

なので仙台は少し苦労した。

そうなっても、この日の椎橋はスーパーで受け手として捕まっていても体の使い方でマークを外す事が出来た。
それが、如実のシーンは68分の椎橋のシーンだったと思う。

椎橋はどうもDHで相方の動きを気にしながらなんやかんやするのがどうも苦手で
アンカーで一人でやったほうが色々とパフォーマンスを出せるらしい。
不思議な子である笑

時間と空間を作り出すクエンカ

正直、ここまでまだ勝ちとは言えななかったしある程度ガンバが持ちなおした時間もあったが、
クエンカと佐々木、そしてこの日の英雄。長沢がゲームを決める。

相手のGKを奪って(どうやって奪ったかはDAZNではリプレイ中だったので確認出来なかったが…)

椎橋からクエンカに渡す。
クエンカが中央でドリブルを開始。ただし、ゆっくり進みガンバの選手を中央に集める。
集まったところで、フリーになった佐々木にリリース。
佐々木のクロスから長沢が叩き込んだ。

この日のクエンカはこのシーンが象徴的なのだけれど、
相手を引き付ける事で周りに時間と空間を作り出していた。
これによって仙台の他の選手がイキイキとプレーできた。
ようやく、クエンカの良さを知ることが出来たゲームでもあった。

ゲームは決まった。
それでも手を緩めない。最後は柳が突然縦に仕掛けあれよあれよとペナまで運んで足を思いっきり振ったことでサイドネットを揺らした。
これで、4-0。

ちょっとこっちが驚くほどの完勝であった。

最後に

驚いた。
長らく死んでいたチームが突然システムを変更してここまで復活するとは。。。
想定外だし、こんなケースはなかなか体験したことが無い。

03年の未勝利を止めたのもガンバ戦であったがあの試合は10回やったら9回負けるゲーム内容でよう勝ったというやつであったが、
この日は10回やったら7回は勝てるゲームで、内容も伴った勝利であった。

それと、この試合仙台は良かった。これは間違いない。ここまでで当然ベストゲーム。
ただし、ガンバは怪我人もいたりコンディションが悪かったのはみてて思った。
やはり、今年は日程が厳しいので、コンディションが保てない。
だから、このように落とし穴に突然嵌る事もあるんだなと感じたゲームであった。


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TACTICALista_2020972348

前半


セットプレーでの先制点からのさっくり逆転

この試合立ち上がりから落ち着かなかった。
3分にCKからゲデスが合わせて先制。
浜崎が先発になってセットプレーの精度はかなり上がってきたのは間違いない。
やはり、プレイスキッカーは偉大である。

ただし、先制してイニシアチブを握れなかった。
8分に西村の横パスを奪われカウンターから山本のミドルで失点。
この失点の仕方を見るとやはり、4-2-3-1にして守備が安定した。
という評価は正しくない気がしてくる。

そして、15分にCKからアデミウソンが押し込み逆転。
あっさりと逆転され仙台は最近の流れの悪さを体感するゲームとなってしまった。

3-4-2-1と4-2-3-1は噛み合う

逆転されたCKの起点も前プレスから自陣で奪われたところからであったし、
この試合の前半は仙台はガンバの前プレスに苦しむ展開になってしまった。

実は3-4-2-1と4-2-3-1は立ち位置から噛み合っていてガンバが非常に守りやすかったのだと思う。

TACTICALista_2020972042

上記のように立ち位置がかみ合うのでこの基準の前プレスだった。
それに苦しんだ。
また、ビルドアップが安定しないのでウイングが自陣に戻ってボールを受けようとするので余計にガンバの前プレスにハマる結果となった。

例えばウイングがボールを受けに自陣に戻るのでは無くてDFラインの裏へ突くような動きをすれば相手を間延びしたり押し下げたり出来るのだが、今の仙台は両ウイングが裏へ行くような動きを求めていない(たぶん)
この辺りはどこかで詳しく書きたいが、試合が続くので書けるタイミングがあるかは謎。

仙台のこの日の狙い

前プレスで苦しむ仙台だが、
この日の狙いは前半から見えた。

TACTICALista_202097216

図のようにウインガウイングバック及び左右のCBをピン止め、もしくは引き出す。
そして、CB間が開いたところにゲデスが潜り込む。
というのが前半の狙い。

形は何度も作れたが一度もゲデスには通らなかった。
というのもこの形だと距離もあるし、ピンポイントで合わせないといけないので
確率としてはかなり低いものであったと思う。
また、ウイングが幅を作らないし奥行も作らないのでガンバのDFとしては正面で守れ
目線を切れる事も無いので守りやすかったのだと思う。

後半


4-1-2-3でギャップを作るぜ

仙台は前プレスをまずどうにかしないといけない。
4-2-3-1が噛み合ってしまったのでそれを外すための4-1-2-3に変更。

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4-1-2-3にするとIHでIHをピン止め、アンカーの椎橋をフリーにすることが出来る。
ここを前プレスの待避所とすしガンバの前プレスを外していく。
前プレスを外すとガンバは5-3-2で撤退する。
5-3-2に撤退してもらえれば仙台は押し込む出来た。

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3センター脇からSBが攻撃のリズムを作る。
蜂須賀はアーリークロスから逆サイドチェンジ。
柳は縦に深くえぐりクロスを上げ続けた。

ただし、代表級のCBが揃うガンバはそのクロスに耐え続け仙台はチャンスを作りクロスを上げ続ける物のゴールは割れなかった。
そのCBを割るにはもう少しクロスに工夫が必要だった。
例えば、後半の4分柳のクロスが良い例。
あのようにえぐって速いクロスがもっと作り出せれれば良かったし、
あれを西村が決めて居ればもう少し未来が違っていたのかもしれない。

あゝ無情

正直この良い時間に点が欲しかった。
それが出来なかったので待っていたのは地獄だった。

飲水タイム後ガンバは2トップをパトリックと渡辺に変更。
個人で時間の能力で時間を作ってタメを作れるようになった。
これが仙台にとって弱点だった。
仙台のCBは強度が高くないのはずっと言ってきたのだが、それをもろに露呈される方法であってそれを防ぐ術がなく、飲水タイム前のように押し込んでもガンバが前で時間を作れるようになった。
なので、ずっと俺のターンは終了。
ガンバの攻撃にも備えないといけない。そんな中でさっくりと失点しゲームオーバー。

ただその後仙台も個には個をぶつける事で対抗。
この日久しぶりにベンチ入りしたシマオマテを投入。ただし、コンディションが完全でなく
パトリックに吹っ飛ばされさらに失点。
1-4の大敗となった。

最後に

後半から70分までの仙台は良かった。ここ数試合で一番良かった。
あの時間で決められないのがすべてだったと思う。
でも、あの時間は良かったしあれを続けたかったが…

なかなか勝てない。そして、なにより機能しないように見える。
それはたぶん、怪我した選手の帰りを待ちチームの骨格を変えてないから。
そして、その骨格変えてないのに選手のタスクは変わっている
なので、チームとして機能せずあべこべになる。

顕著なのが右サイドのコンビ。
ジャーメインの怪我前はジャーメインが縦に深く刺すタスクで
蜂須賀が深く刺した事で出来るスペースを使いアーリークロスや逆サイドに展開するやり方だった。
ただし、今は深く刺すのが柳の仕事で真瀬がスペースを使うクロスを上げるようなタスクに逆転している。

この差は大きく柳は後ろの選手なので深く刺すのに時間がかかる。
ので余裕を与えているので跳ね返される。

なので、柳サイドはCKが増える。CKが取れるのは良いことのようにも思うが
それは上げ切れていない。という裏返しなのである。
このあべこべをどう変更していくのか。
それともジャーメインが戻るまでこのままなのか。
それは木山さんだけが知る…

降格もない。
なので、骨格を変えて目先の勝ち点を計算し未来を閉ざすべきなのか。
去年の6月ナベちゃんが選択した4-4-2のようなやり方で勝ち点を積むのか。
それとも骨格を変えず未来を見据えるのか。
今のところ木山さんは後者を選んでいる。ジャーメインの復帰を待っているしクエンカがぷれーできることを待っているのだ。
そして、彼らが戻ってきたときにやり方を変えないように骨格を保っている。
だから、ある意味でブレてないのである。

僕はそれで良いと思っている。
怪我人が多いし、そして来年は約束されているし。
来年より精度を上げるために必要な選手と不要な選手を今のうちに分けていくのが大切。
とさえ思っている。
仙台は変わった。
だけど、選手はあまり変わってない。
それでアーノルドで失敗した。
その失敗を繰り返さないためにそういう振り分けは必要だと思ってる。

そして、何より問題ないと思えるツイートを関口がしている。
僕にはそれで十分だ。慌てる必要はない。今は選手が手応えを感じ成長を感じてればそれでいい。

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スタメン

前半


清水戦からの継続

仙台は立ち上がりから清水戦の延長上で前プレスから中央を封鎖。
サイドへ誘導してサイドで奪う。というプランであった。

仙台の前プレス

清水戦と違い空いては3バック+アンカーなので、仙台は上記の図のように
2トップの1枚は遠藤へのパスコースを背中で消す。というのを丁寧にやっていて、
両SHは両脇のCBに圧力をかけ、WBへ誘導。WBにはSBが圧力をかけて、ボールを奪う。
奪ったあとは素早くDFラインの裏へ蹴って勝負する。という仙台のやりたい事を立ち上がりは出来た。

清水との違いはCBのクオリティ

しかし、決定機は2つー3つはあったものの清水戦ほどDFラインの裏を取れなかったし
ハモンが質の優位!っていう事もなかった。
三浦のDFの個の力とラインをコントロールする頭の良さがあり、簡単には裏を取れなかったし、
菅沼も粘り強く三浦のカバーを受けながら仙台のアタッカー陣にぶち抜かれる事はなかった。
ま、これが後半失点のキーになるのだが。
このあたり、ハモンで圧倒できた清水戦とはだいぶ違っていたかな。と
ただ、唯一の可能性を与えたのはキムのところ。
キムは裏へ蹴ったボールの対応は怪しく何度かミスをしていた。
仙台が狙うべきはキムであったと思うし仙台もそれはわかっていてちゃんと狙っていたように思う。
それを裏付けるように仙台の決定機は全て右サイドから生まれた。

前プレスを回避する井手口の動き

立ち上がりはそんな感じで仙台が前から嵌めて仙台が今節も戦える感じだった。
が、徐々に前プレスが嵌らなくなる。
それは、井手口の動きからだったと思う。
前プレス外し

井手口が大外のレーンに降りてきてボールを最終ラインから受け、前線へ繋ぐ役をこなすようになる。
まずは、小野瀬は高い位置を敢えてとり、永戸をピン止め。
関口は菅沼を見る。
なので、この関口ー永戸の間に井手口が入り受けボールを運び、捌く。
ここに対して松下が付いて行くと中盤が富田1枚になり仙台としてはそういう形はリスクを伴うので井手口の大外までついていけない。
なので、井手口がフリーで受けられる。という感じであった。
時間が経つにつれ仙台は押し込まれシュートを打てる展開が減っていった。

松下怪我というアクシデントも起こり、ガンバを押し込めなくなる。
それでも、前半0-0ならプラン通りだとは思うが、やはりもう少し押し込んで仙台の時間を作りたい前半ではあったと思う。

後半


右サイドに人を集めるビルドアップと遠藤

前プレスを整理してもう一度嵌め押し込みたいところだったが、残念ながらそれは叶わず。
ガンバが後半からビルドアップの形を少し変えた事で対応出来なかった。

後半のビルドアップ

後半は小野瀬が落ちてくる。遠藤-菅沼と三角形を形成。関口1枚に対して数的有利を作る。
また、小野瀬が引いてくると、永戸もついてくるのでその裏を井手口が使うという感じになった。

また、このガンバ右サイドをサポートする遠藤の立ち位置が素晴らしくフリーで受けられる時間が多くなる。
仙台はここをボランチ(椎橋)で捕まえるか、それともFWのどちらかで捕まえるかはっきりせず。遠藤をフリーにしてしまう。
そして、遠藤から逆サイドへ展開等々好き放題にやられてしまう事態になった。

押し込まれる展開の中でも、仙台はガンバの2トップはきっちりと抑え込み決定機はそれほど作らせなかったと思う。
ガンバのチャンスは右サイドからのクロスからファーサイド藤春のボレーという形に限定出来ていたので悪いなりにアウェイのゲームをしている。と言えたのかもしれない。
ここまでは。。。

後半の修正と反撃と失点

押し込まれっぱなしの展開の仙台は少し修正を入れる。
椎橋の動きに修正を入れた。
後半は永戸サイドに富田を置いたが、60分前後から椎橋に代えている。
(たぶん、最初は椎橋が永戸サイドだったが、そこから押し込まれたので早い段階で富田に代えたようにも思える)
椎橋は井手口番。守備時には井手口にひたすら付いて行く。というようにした。
それが功を奏したのが、63分の場面であった。小野瀬井手口と繋いだボールだったが、井手口から椎橋がボールを奪いカウンターにつなげる。

また、保持時もDH1枚が落ちて3バック化。
これは、早いうちからやっていたとは思うが平岡が2トップ脇に運んでDF裏へ出すシーンが出てくる。

仙台の反撃

これで60分から連続でガンバのDFライン裏を取れるようになった。
裏を取れるなら、長沢よりも阿部だろう。ということで、68分に阿部を投入。

仙台がガンバのDFライン裏に圧力を強めようとした、69分だった。
ここまでフリーで好き放題やられていた遠藤からボールを奪いカウンターを発動。
これで、一気に仙台がモメンタムを握りと思ったのだがハモンが菅沼に止められる。
縦を切られたハモンは作り直すために、後ろに戻すもそのパスがズレ宇佐美独走からの失点に繋がった。
ここまで、2トップには時間もスペースも与えなかったがこのシーン自分たちのミスから2トップに時間とスペースを与えてしまった。

ボール保持は…

得点が動いた事でゲームが一気に動く。
ガンバは5-3-2で撤退。仙台が保持するシーンが多くなるが、悲しいくらいに5バックを攻略出来ない。
なので、ジャーメインを投入。阿部を左サイドに置いてファイアーフォーメーションにトライする。
ところが、これがバランスを崩す事に。
とにかく前からになってしまい、バランスが壊れてボール保持でも相手を動かせず
奪われるとスペースだらけになり、遠藤、宇佐美アデミウソンに好き放題やられた。
失点までは丁寧に丁寧にケアしてきたのに…
ということで、必然の2失点だったし、3失点してもおかしくない状態だった。

なんとかクバの活躍で2失点で済んだが後半は良いところなく敗戦となった。

最後に

ガンバは個々の能力が高く無秩序を作ると一気にやられるので仙台は秩序を保つように慎重に事を進めていたと思う。
前プレスが嵌らなかった20分以降もそれほど2トップにはチャンスを与えなかった。
それは良かった。
でも、攻撃の部分で殴れず。質で負けてしまった事がこの秩序を壊すきっかけになってしまった。壊れた秩序を戻す事は出来ず。一気に崩れ去った。

なんだろう。これを個の能力の差と言って片付けてしまうべきなのか。
それとも僕らはもう少しチームとしてやるべきことがあるのだろうか。
っていうところで悩む試合だった。かなり丁寧にゲームを進めた。そして、反撃の糸口が見えた瞬間の落とし穴だった。
ハモンが菅沼をぶち抜ければこんな試合にならなかっただろうし、前半にあった3つの決定機を決めて居れば違う展開にもなっただろう。
ただ、そうならなかった。

これが今年の限界なのか。もっとできるのか。中々悩むゲームだったなと思う。


スターティングメンバー

スタメン

前半


4-4-2の仕組み@ボール保持編

仙台はこの試合は4-4-2という選択をした。
ルヴァンカップの鳥栖戦で試した4-4-2だったが、守備面。
特に後ろでセットしたときの守備が不安定だったため、リーグ戦で適用するとは思わなかった。


仙台の4-4-2だが、ボール保持時は3-4-2-1 もしくは3-1-4-2へ可変するシステムだった。
その仕組みを整理する。
まずは、3-4-2-1の仕組みから。

3-4-2-1について


永戸が3バックとして最終ラインに残る仕組みだった。
可変システムその1_1

両脇のCBと化したジョンヤ&永戸が2トップ脇まで運んでひし形を生成。
また、ジョンヤのビルドアップ能力は右でも衰えなかった。というのは新しい発見だった。

3-1-4-2について

また、これだけではなく3-1-4-2への変化もあった。

このパターンは松下がCBに落ちてインサイドにSHの石原崇とカイナが入ってくるパターンである。

可変システムその2_1

3-1-4-2はこれまでと同じようにCB-SB-SHで三角を両サイドに形成し、仙台はパスコースを作っていく。また、3-4-2-1と同じように右のジョンヤがビルドアップできるので、
これまでの3-1-4-2より右サイドがスムーズにビルドアップできた。
また、右サイドはもう少し仕組みがあるのだが、それはまた後で説明しよう。

3-4-2-1の時には小野瀬及び倉田の守備基準を失わせ、
可変システムその1

3-1-4-2 の時には富田がフリーになり仙台のWBは大外でフリーとなった。

可変システムその2

たぶん、スタートが3-1-4-2だと3-1-4-2しかできず相手の守備基準を決めやすく
対応されてしまう。(これは3-4-2-1でも同じ事が言える)
ただ、スタートを4-4-2にすることで、3-4-2-1⇔4-4-2⇔3-1-4-2
と両方に変化でき相手の守備基準を破壊に成功する。

4-4-2の仕組み@ボール非保持編

さて、4-4-2には非保持時のメリットもあったと思う。

まずは前プレス。 今年の仙台は中央封鎖でサイドに誘導する事は何となく出来ていた。しかし、サイドに行ったときに奪いきれず結局中に入られてしまって台無しになる場面は多かった。

しかし、この日のように4-4-2対面であればCB-DHのところを封鎖しサイドでサイドに誘導。
そして、SHでSBに圧力をかけ縦パスを出させる。 その縦パスをSBで奪うという事が出来ていた。

前プレス

また、撤退時にも良い効果があったように思う。
3バック時には守備で5バックで後ろに重く2トップが孤立し守備から攻撃へリンクせず
ずっと守備のターンになる場面が多かったが、
4-4-2変更したことにより2トップと大外のSHの距離が近くなりフォロー出来るようになり、押し込まれても守備から攻撃にリンクできる機会が多くなった

右サイドの解決案

今シーズン右サイドは苦戦していた。
平岡のSB化も不発。 蜂須賀もタスクの多さにすべてが中途半端な状態になってしまい
去年のパフォーマンスを見せれずにいた。
そして、このサイドの解決策に関しては有効な手立てが無い様にも思えていたのだが、
この可変4-4-2はその右サイドまでも解決してしまった。それが、「カイナロール」である。

カイナロール
可変時に左の石原は早めに中に入るのだが、カイナは割と大外に残る事が多かった。
それは、蜂須賀を助けるためで、蜂須賀が攻守に絡むのが前提の右サイド。
しかし、攻撃から守備の切り替わり時に蜂須賀が高い位置をとるには時間がかかった。
その解決策として、カイナは大外に残り右サイド高い位置でボールを受ける。
カイナは受けてから中に入る。それを追い越す蜂須賀。
という仕組みであった。
正直、カイナ自身はサイドのこのタスクで自分の良さを出し切れたわけじゃないとは思う。
それでもチームの歯車として良く働いてくれたと思う。

失点と得点はお互いに事故

こういう仕組みで仙台が主導権を握った。
しかし、悲しいもので先制点はガンバだった。
仙台がチャンスを外しスコアを動かせないでいると ガンバは苦しい中でCKから一発で先制。
本来、ダン君が処理するコースのキックだったが、それを上手く今野がブロック。
それにより、ダンの対応が遅れ結果的にかぶってしまった。
仙台としては事故だが、今野のファールぎりぎり。そして、ファールに見せないうまいプレーだった。
(仙台も後半1発目で東口ブロックするのだが、それはあからさま過ぎてファールを取られる)
ほとんどチャンスも作られずに過ごした仙台がCK一発で取られ、大分戦、鹿島戦のような嫌な空気が流れるがこの日はその2戦と違い失点後も相手を押し込めた。
そして、その押し込めた事が同点ゴールを生む。
前半ラストプレーでスローインから永戸がフリーカットインからのミドルシュートを放つと三浦に当たり方向が変わりゴールに吸い込まれ同点に追いつく事に成功する。
これはガンバとしては事故だった。本来東口は簡単に処理できるものだった。
三浦の正面にとんだ事で三浦はブロックを選択。しかし、そのブロックが失敗しゴールに向かってしまったのだ。

後半


落ちる強度躍動する矢島

後半も仙台ペースで入る。仕組みは前半と同じでガンバにはあまり修正が見られなかったように見えた。
ただ、仙台が徐々にペースを落としていく。
60分過ぎからFWに入る縦パスがズレ始め、
65分過ぎからボランチへの圧力が落ち始めた。
それによって、矢島が時間を作り始め攻撃のタクトを振り始めるとガンバは仙台を押し込める。
ガンバの攻撃タスクはボランチに集中している事がわかる現象だったと思う。
リズムの良いビルドアップ時には必ずボランチが絡む。
しかし、それには質の良いボランチが必要になる。
遠藤の能力が落ちる中でその質を提供できるボランチがおらずに苦戦しているのが
今のガンバ大阪なのだろう。

アデミウソンと分岐点

さて、ボランチが躍動し始め仙台を押し込むガンバ。
その中でもう一つアデミウソンが重要な役目を担っていた。
アデミ
このようにCB-SB間にアデミウソンが入り倉田-オジェソクとの三角形でサイドを突破
もしくは、ファンフィジョがCB間を狙いそこにパス。
という最終ライン攻略だった。

79分にアデミウソンに代えて遠藤を投入。
4-2-3-1に変更したのだが、遠藤はアデミウソンようにCB-SB間に入る事は出来ず
仙台の最終ラインを攻略が出来なくなっていた。ガンバはこの交代で減速しリズムを失うきっかけを作ってしまった。
一方同じ79分に松下から椎橋に変更。
仙台は椎橋を入れた事で再び立ち位置をとって攻撃する。という事が出来るようになる
首を振って360度ピッチを見渡しながら位置をとっているのはさすがだった。
この交代がこの試合の分水嶺だった。

決勝点は最高傑作

椎橋を入れて仙台はまたボールを相手のゴール前に運ぶ事が出来るようになる。
さらに、仙台はフィニッシャーとしてジャーメインから長沢を投入。
そして、90分。ついにその時を迎える。
ジョンヤが中央フリーで居た石原に縦パスを送る。ハモンへのパスはズレたが、そこからの攻撃は見事だった。
決勝点
関口が相手のCBを引き出し、石原にスぺースを作る。石原は十分な余裕をもって長沢に合わせる事が出来た。

最後、足が止まってしんどい終盤だったが、それでも得点時は
綺麗なビルドアップから相手を動かしスペースを作り、得点を決める事が出来た。
これぞ今年の最高傑作のゴールだったと思う。
ようやく、今年の仙台がハマったゴールだった。

最後に

このチャレンジは分水嶺だった。
バランスを崩し飛べなくなった仙台。それはまるで、片翼を失った鳥のようだった。
その中で試行錯誤を実施。そして、今節、崖から飛び降りた。
飛べるか落ちるか。究極の選択だったが、僕らは飛べたのだ。失った片翼を取り戻したのだ。それも以前よりもきれいに飛べる。今なら自由に空を飛べる気がする。

これはベガルタ仙台に関わる全ての人の勝利だ。
鹿島戦後のチームコールからこの試合のチームバスを最高の雰囲気で迎えるサポーター。
不安を煽らずにチームに寄り添ったマスコミ、番記者。
監督を信じた選手とフロント。
そして、自分を信じてやり切った監督。
どの要素が欠けても片翼を取り戻すことは出来なかった。自由に飛ぶことも出来なかった。
組織としてサッカークラブとして僕ら本当に強くなった。言い換えれば、仙台には文化としてベガルタ仙台が根付いてる証拠だと感じた。

さー今度こそ失った時を取り戻す番だ。仙台の19年はここから始まるのである。

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