まさかの水前寺清子だぜ。
しかし、まさにそんな試合だった。
とにかく仙台には創意工夫があって東京には無かった。その差が勝敗を分けた。

仙台について

ハモンロペスが移籍した西村の穴を埋めるべく仙台に電撃復帰。
当面は左シャドウで起用する模様。しかし、個の能力強化出来るとは思わなかった。
これで、質の優位性も確保出来ればもっと上に行けるそんな気がします。

FC東京について

長谷川健太氏がガンバ大阪時代のセルフコピーで序盤素晴らしい結果を残すものの
夏以降暑さと連戦での疲労から走れず勝ちきれない試合が続く。
現在5戦勝ちなし。2週間休めて、涼しくなったので今日は以前の姿を取り戻せるかがポイントになる


スターティングメンバー

スタメン


前半

まずは、東京の仕組みから整理していくことにする。

東京の前プレス


FC東京は仙台のビルドアップ隊に対してオリベイラとSH2枚で前から同数プレスをかける。
永井は一列下がりCHを監視する時間がおおかった。特に永井はスピードと運動量を生かし
CBにいってCHを見るなどむちゃぶりすらこなしていた。
しかし、しばしば前プレスを外された。
ただ、2列目3列目のバランスを崩さない。さらに、CBが強力で質で抑える事ができるため守れていはいた。

ただし、東京のビルドアップからの攻撃はあまり効果的なものは無いため、
ほとんど前プレスで奪ってのショートレンジカウンターで仕留める方法しかなかった。

このショートカウンターがハマったのは、4回程度あった、14分と22分は仙台の判断ミスから奪った攻撃だった。
東京の意図的にできたのは16分の場面だった
このシーン。ビルドアップは森重-橋本のビルドアップから、高萩がライン間で受け、オリベイラにつなぐ。
一度奪われるものの、大森のネガトラが早くリカバー。
このゲーゲンプレスが非常に良かった。この形をたくさん作れる事ができれば、もっとチャンスを作れそうだった。が、再現性はなかった。
ゲーゲンプレス

ちなみにビルドアップは、SHが絡んで高萩がライン間にスペース見つけて攻める。
だった、4312のような感じで極端な図だとこんな感じだった。
ビルドアップ

さて、この高萩が非常にいやらしく仙台としては厄介な存在だったが、
そこより、ビルドアップにも前プレスにも絡んでくる大森、東のSHが東京の心臓だった。
サイドハーフのタスクについて

さて、心臓のSHのタスクについて
  • 前プレス隊
  • ビルドアップ隊
  • FWがサイドに流れたときに中央に入る。
  • 撤退時のSBサポート

ざっと並べてもこれくらいのタスクがあって、これらをすべてこなしていた。
この何かが欠けるとうまくいかなそうな東京は正直脆いような気がしてしまう。
もちろん90分タスクをこなす事が出来れば何も問題ないのだが…

前プレスを外す仙台

FC東京は仙台のビルドアップ隊に対してFWとSHで前から同数プレスをかける。
このプレスに対して仙台は奥埜、富田が位置的優位を確保。
3トップとの橋渡しとなる。
この奥埜と富田の動きが特に奥埜がいち早くスペースを見つけボールを回収。
そして、展開とうまく仙台の潤滑油となる事ができていた。
だがしかし、仙台が押し込むまでにはいたらなかった。
東京は質の高い最終ラインと中盤のライン間を攻略できず。
ペナルティエリアまで侵入できなかった。

覚醒する奥埜と富田

まずは、奥埜から奥埜の成長は位置的優位を常に取り続ける事ができるようになった。
そのため、今回のように同数プレスをかけられても、ロングボールに逃げなくて済む。
この日仙台が前プレスを外せたのもこの奥埜の成長があるから。
DAZNの実況解説では野津田が戻ってきた効果でボールがの周り方が変わったというが、それよりも奥埜の成長のほうが関係していると思う。

そして、富田。
ネガトラのポジションとデュエルは彼のストロングであるが、この仙台のサッカーになった時どうしても富田のところでパスがノッキングしてしまう事があった。
しかし、ミスはあるがノッキングする事は少なくなった。
それどころがか、遠い逆サイドまで見えるようになった。

まさに9分シーンが象徴。
富田サイドチェンジ


ということで、東京がやや優位だった前半。しかし、SHが90分持つのか。というところがポイントになる前半だったと思う。

後半

仙台は前半の反省を生かす

CBとは戦わないという選択

押してダメなら引けばいいじゃない。
ということで、石原がCBの2人に勝てなかった前半だったという事に触れた。
それを解決するために石原がCBから逃げる。CBとは戦わないという選択だった。
その選択がいきなり先制点につながる。
自陣からのカウンターだったわけだが、石原はCBがついてこれな場所で受けている。
ここを起点としてのカウンターだった。結果はオウンゴールだったが狙い通りで先制する。

ゴールシーン




先制後も仙台がゲームを優位に運ぶ。
すべて石原が絡むのだが、CBとは戦わないボランチのちょっと後ろや、サイドの位置で受けて起点を作る。
55分の阿部のミドルも石原がCBから逃げて中盤のスペースで受けている。

後半ビルドアップ



さて、その中盤で受けれるというのには東京のインテンシティが落ちたことも影響してきたわけである。

タスクをこなせなくなるサイドハーフ

東京のサイドハーフである。
タスクが多いのは前半に触れた。
案の定というのが正しいのだろう。時間がたつにつれサイドハーフのタスクがこなせなくなった。
そうなると、東京はチームとして機能しなくなっていく。
中盤もスペースがおおくなり仙台にそのスペースを与えパスを回される。
こうなるとなす術がなくなっていた。

このサイドハーフの交代がリンスだった事を考えると、このサイドハーフのタスクをこなせるのが先発の二人しかおらず彼らのインテンシティが落ちるとチームとして機能しなくなる。
ということで、本来は前半チームとして機能している間に点数をとって、後半は撤退からカウンターで仕留めるという勝ち筋しかないのかなという感じだった。

唯一の光は2トップのカウンター


ただ、まだ光はあった2トップでのカウンターだった。
仙台がボールを持てるようになり、前に出たので前半よりシンプルにカウンターが出来るようになった。
オリベイラと永井は単純に縦に走らせるだけで脅威となるのはチートだった。

ただ、65分に永井が下がるとこのカウンターもできなくなり手詰まりとなってしまった東京。それ以降はあまりチャンスも作れず。

仙台は椎橋そして永戸を投入しゲームをクローズ

最後にハモンを出して彼が得意の左サイドから裏抜けてシュートシーンを作るあいさつ代わりのシーンを披露した。

最後に


仙台はこれでホーム4連勝。リーグ戦も5戦4勝1敗。順位も4位に浮上。
3位FC東京との差も勝ち点1としACL争いに加わる位置まできた。
守備も今回記載しなかったが、WBをSBにぶつけて4バックのスライド対応ということもこの試合見せるシーンがあった。まだまだ進歩できる余地を残す。
FC東京にも90分の中での戦術の幅という面で圧倒した。
それでも、欲を言うと前半みたいな苦しい時も後半の変化を前半のうちに修正出来るようになるともっと高見に行けると思う。
欧州のトップチームはその対応がとにかく早い。
そこにちょっとでも近づきたいなと思った。

FC東京はやはり、バランスが悪い。
プレイモデルはある。しかし、それを実現するためのタスクの割り振りが非現実的になっている。
もう少し取捨選択をしないといけないと思う。
長谷川健太氏がどの方向性を見せるかわからない。けれど、一つは横圧縮という解もある。
良い手本がJ2だが、隣のクラブがやっている。あれをすべて取り入れるのは不可能だと思うが…

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