連敗中で目標の5位以内にはもう負けられない仙台。
浦和も同じ勝ち点ながら目標のACLまでは、もう少し。こちらも負けられない。
そういう意味ではガチンコの負けられない戦いになるだろう。

仙台について

2連敗でACL行くにはそろそろ負けられない状態にきてしまった。
ただ、大混戦なのでまだまだチャンスはある。
上を見ていきたい。
今節はシステムを久しぶりに変更し3142に変更。椎橋と梁が先発でといことで
今回は選手を入れ替えてチームに刺激を入れる。

浦和について

オリベイラ就任後は3421だと思っていたのだが、ファブリシオ離脱後3142になっているらしい。
実はあまり見てないので、よくわかっていない。
ただ、柏戦を見た限り興梠は相変わらず怖いな。という印象。

スターティングメンバー

スタメン


前半


仙台はアンカーの椎橋を起点に浦和の2ライン間を破壊したかったのだと思う。
しかし、浦和の守備は可変で組織化されていて仙台の狙いを消されたためにイニシアティブは浦和が握ることになった。

浦和の可変システム


浦和は3142から武藤が右サイドにに一列落ちて541にする
541



このままでは仙台の意図通り椎橋の周りにスペースが出来て仙台の意図通りになってしまう。なので、541から→532に変化し椎橋のスペースを与えない。
532


このような作りだった。
仙台はこの仕組みによって意図通りの攻撃はできなかった。

仙台の守備


さて仙台の守備だがかなり怪しい。
5122みたいな守備で、椎橋脇をケアできていない。
この椎橋脇を武藤や興梠の2トップの片方が降りてきて仙台の守備を崩していく起点となった。

浦和の攻撃


ちなみに、仙台のIHが撤退して532 のブロックを作るのかそれとも前から捕まえるためにCBに圧力かけるのかが中途半端で何となくプレイしているように見えた。
だから仙台は守れない状態になった。

失点について


さて、失点の場面だが、やはりこのシーンもIHが戻り切れておらず逆サイドの橋岡の前に大きなスペースが出来てしまっている。
守備の事をはよくわからないけれども、この状況は良くないのはわかる。
関口は橋岡のマークを外したことに反省の弁を述べていいたけれど
関口だけの問題ではないこともわかると思う。
(たとえ関口がついていても橋岡VS関口を作るのが浦和のプランだから結局相手のプラン通りだったというわけだ。)


ただ、この失点だけで済んだのは仙台にとって幸運だった。
正直この守備の出来だったら複数失点、もしかしたら前半でゲームの行方が決まっていてもおかしくなかった。

困ったときのセットプレー


さらに幸運だったのは前半唯一のチャンスだったセットプレー一発で決めた事だった。
知らなかったのですが、浦和はセットプレーからの失点が多く弱点ということだった。
このシーン。ニアには大きな選手を配置していない浦和。
そこに板倉を配置するというのは分析の結果だと思う。
またフリーではあったが、一番ニアは柏木だったので、例え板倉を捕まえていたとしても高い確率で板倉は競り勝てたと思う。ここはしてやったりだった。

後半


後半は一転して仙台がイニシアティブを握ることになる。

仙台の修正は2つ
 ・前プレスの修正
 ・浦和を532にさせない配置

だった。

前プレスの修正


まず、IHがCBに行くのか撤退してスペースを埋めるのか中途半端だったところを修正
前から行くときはIHだけが動くのではなく、アンカーの椎橋やWBも連動して動き前半あったスペースを作らない。これによって、50分のような前プレスからボールを回収するようになった。
良かったシーンは以下の動画を参照してほしい。

浦和を532にさせない配置


前半は532にされて椎橋を消されたわけだが、
仙台は阿部の位置を修正し、532にさせない工夫を見せる。

後半


阿部が落ちてくることによって、柏木がもし椎橋に行くのなら阿部がフリーになるよ。という駆け引きをしていた。
当然椎橋より阿部の位置のほうが脅威なので柏木はピン止めされる。
したがって541にしかなれないので、椎橋の周りにスペースが出来仙台が描いたゲームプランを実行できるようになった。


仙台の課題

ボールを持てるようになり、浦和の2列目のラインまでは攻略できるようになった。
しかし、3列目(最終ライン)攻略まではいかなかったので、シュートシーンや決定機は多くはなかった。
この辺りは仙台の2トップとIHが2列目攻略のためのプレーが多くて最終ライン攻略する駒が誰もいないという事もおおかったし、クオリティも低く最終ラインで引っかかるパスも複数あった。
この辺りは西村が抜けた影響は大きい。
今年の石原が得点少ないのは2列目攻略のために降りてプレーする事がおおい。
それでOKだったのは、西村がフィニッシャーとして活躍できていたからであって、阿部だと西村のようには現状できていない。
ここは今後の課題となるだろう。

仙台は点を奪うために
リャンに代えて奥埜
阿部に代えてハモンロペス
関口に代えて永戸を投入するのだが、交代する度に攻撃が雑になっていき、最終的には2列目攻略もできなくなってしまい終盤は浦和のチャンスが増えたのは残念だった。
特にハモンロペスは石原とのコンビネーションはできておらずかぶったりしているので、これから作っていかなくてはいけない。

最後に

1-1の引き分けとなったわけだが、
今日の試合では前2試合で出来なかった2列目攻略が後半は出来るようになった。
前節、課題に挙げた人の間を通すパスを出す勇気とかスピードや精度は出せるようになったのかなと思う。
その点では一歩は前進したのでは無いかと思うが、最終ライン攻略。点を取る。
というとこはまだまだ見えてこなかったゲームだ。
結局、そういう部分を持っていたのは西村で、その西村が抜けてチームの完成度としては2歩程度下がったのだと思う。
この試合では、1歩前進することは見せたがまだ、1歩足りない。
この1歩をどう克服するのかは楽しみでもあり、今シーズン5位になるには早めに取り戻さないといけない1歩であると思う。

そういう意味では夏、セレッソ、名古屋、磐田と1分2敗だった3戦の時には何も問題なかったが、その時よりは問題があるということ。
とにかく、攻撃のバランスをこの2週間で整理する事が優先事項である。

浦和はオリベイラ就任して、鹿島式442だとメンバーいないのでかなり辛い監督を選んだなというのが最初の感想だったが、
そこはさすがオズの魔法使い。という感じで、ミシャ式のパーツを上手く再利用しながら現代風にアレンジしていて、良いチームになっていた。
堀前監督の時にはうまく居場所を見つけられていなかった武藤を上手く使っていて
可変システムを成立させていた。良いチームに生まれ変わったなとは思う。