トンネルを抜けた広島戦。
トンネルを抜けるとそこは深い霧の中だった。。。

スターティングメンバー

スタメン


前半

◆仙台がビルドアップを出来ない理由
立ち上がりから、仙台はDFラインでボールを持てたがそこから前進出来なかった。
鹿島はプレスラインをアンカーの椎橋まで下げた。
基本的には3CBは放置。しかし、それより前線は7vs10なのでスペースを与えない。

鹿島の考え方は、
442と4132でミスマッチがどうしてもできる。
問題はどこをミスマッチにするか。一番リスクの少ないところはどこかを考えて
CBを選択したんだと思う。


その状況で仙台はWBが下がってボールをもらいに来てしまう。これが良くなかった。

悪いビルドアップ。


蜂須賀にはSHの安部orSBの山本がついていく。
蜂須賀は受けても前を向けずにCBに返すしかなくなる。
自らパスコースが限定し袋小路に入っていく。
なので、鹿島としては何もしてないのにプレスがかかるようなイメージだった。

また仙台はパスが隣あった近いポジションにしか出せない。
逆サイドに大きく振れないので、立ち位置有利なポジションが無いところでパスを回す。前回書いた町田vsヴェルディのヴェルディとのパス回しと対照的なパス回しだった。

唯一のポジショナルっぽい攻撃

そんな中でポジショナルなっぽい攻撃できたのは左だった。
永戸は下がらず、SHをピン止め。
2トップ脇に板倉がボールを運ぶ。

ビルドアップ


こうなりポジショナルっぽい攻撃が出来た。
ただ、ここから先の永戸のクロスは跳ね返され、阿部のドリブルは犬飼を外す事が出来ず。
こうなると、今の仙台はこの攻撃を継続できず止めてしまう。
なので、ポジショナルっぽい攻撃無くなって得体の知れないものになってしまった。

◆失点とその後
そういう仙台に対しして、鹿島は徐々にインテンシティを上げていく。
時にネガトラ時の2トップのプレスバックが速くなり、
攻撃→跳ね返す→すぐに奪い返す→再攻撃

というサイクルを構築していった。
その中で奪ったセットプレーから鹿島が先制。
そこまで、ほとんどエネルギーをかけず。攻撃も全く無理をしない中での先制だった。

この直後蜂須賀が捻挫で中野と交代などがありバタバタ。落ち着かす事すらできず前半を終える。


後半

◆ポジトラを急ぎすぎるからすぐ失う。
後半入ってすぐの仙台はポジトラ時に縦に早くを意識していた気がする。
この理由はなんなのかわからない。
僕らのポジトラ時は基本ビルドアップのフェーズに移行するのでは無かったのか(それが良いか悪いかは別問題)

でポジトラから早めに2トップに預ける事は出来たがその2トップも前線に蹴ってしまう。こういう場面が立ち上がり4回程度続く。基本は石原が下がって受け手前線の阿部に蹴る。
ただし、この攻撃は昌子が簡単に処理。 そして、また鹿島の攻撃を受ける状況になってしまった。

◆野津田が下がってミシャ式
そうこうしていると、野津田が下がってボールを受けるようになる。
どこまで下がったかというと最終ラインまで降りてきた。
ミシャ式亜種だった。
こうすることにより、ボールはある程度落ち着き仙台が持てるようになる。

しかし、これが2失点目の布石だったのだが、それは後で話す事にする。
個人的にミシャ式は好きじゃない。まして、こういうアドリブルのミシャ式は良いようにはならない。

ただ、野津田が右サイドに落ちてくるパターンは妥協してもいいかなとは思った。
右サイドはボールを蹴っ飛ばせないしドリブルで運べない状態が続いた。
そこに野津田が落ちてくるようになって、ビルドアップを助けた。

ミシャ式


また、蜂須賀に代わって入った中野は下がってこなかったので前半よりは良かったと思う。

◆ジャーメイン入れてからの反撃開始。
56分に阿部に代えてジャーメインを投入。
ここから仙台が盛り返す。なぜ盛り返せたかというと、
ジャーメインがDFラインを引っ張るからだった。

ジャメ投入の効果


ジャーメインがDFラインを引っ張るので鹿島の1列目と2列目の間にスペースが出来る。
ここに石原やCH2枚が潜り込む。
ここが立ち位置有利な場所となったのだ。このスペースを使うことで押し込む事が出来た。

また、一度ペナ中に押し込むと椎橋が4-4の前で浮くのでようやく仙台がやりたい事が出来るようになった。

椎橋が浮く


58分がこのゲーム唯一の決定機だった。ここで奥埜が空振りせず流し込めていればあんな事にはならなかった。。
ターニングポイントはここだったと思う。

◆すべてを壊す交代
すべてを壊す交代だったと思う。
椎橋を外し関口を投入。右関口、左中野 DHに板倉-野津田、左CBに永戸
と大きくいじった。
椎橋の特徴が出たところでの交代はちょっと解せなかった。ようやく椎橋をフリーにすることが出来たのだが。

その直後に2失点目だった。
板倉の軽率なミスだった。そして、鹿島のカウンターは完璧だった。
でも、問題はそこじゃないと僕は思う。
原因は安直なミシャ式だ。

板倉がボールを失った時は415 で野津田が落ちてCBに入っていた。

失点


こんな状況だったと思う。
こうなるとカウンターは4VS6になる。
さらに、ボールを失った逆サイドは野津田と永戸と本来CBではない選手が並んでいた。
この状況でもう失点からは逃れられない。

415はネガトラ設計されていない。失った瞬間最終ラインが剥き出しになる。カウンター受け放題になる。

天皇杯 磐田戦の前半に散々カウンターを食らって4-1のビルドアップを止めたはずだった。そこから3-2のビルドアップに拘ったはずなのに。。。

勝負を決める3失点目は永木がボールを持った時になぜか板倉一人だけボールを奪い解すスイッチが入り引き出される。
誰も連動出来ていないので板倉の守るべきスペースが空く。そこを使われる。
さらに、そこに大岩と何故か永戸が遅れてアタックに行く。
悲しい失点だった。


最後に

雲散霧消。僕らのポジショナルはどこにいったのか。
完全に迷子になった。光が見えたはずなのに出口が見えたはずなのに。

シーズン終盤。残留も決まって来年また立て直しとなる。足りないところは足せばいい。とはまだならない。なれないのだ。。
それでも天皇杯のタイトルが残っている。しかも、残り2勝。
どうしても勝ちたいてっぺんとりたい。
そう強く思うほどこのゲームは虚しく悔しいゲームだった。
解決策は正直あるのかわからない。こう毎試合書いていてもなぜこんな事になってしまったのか見当もつかない。
でも、この状態でも天皇杯優勝したい。

だから、この敗戦で少しでもチーム状況が向上する事を願うばかりである。