本記事は5レーン&4レイヤー理論の練習です。
5レーン&4レイヤー理論とはせんだいしろー氏が提唱した理論詳細は

「5レーン&4レイヤー理論」

を読んでください。

さて、取り上げるのは尚志VS帝京長岡です。

<尚志の特徴>

尚志は、第2レイヤーで奪いきる守備が特徴。
東福岡戦では、2レイヤーで受け手前進させるアンカーをFWを一枚下げ4-4-1-1でビルドアップ阻止。

前プレスその1

サイドに展開されると中盤スライド3枚でセンターを守りサイドハーフがSB迎撃に行く。
そのまま東福岡を窒息死させた。
中盤のスライド

<帝京長岡>

帝京長岡はこの試合で初めて見るチームだが、ツイッター上で注目集めていた。
どうやらポジショナル指向のチームらしい。


この試合はビルドアップとビルドアップ阻止が非常に面白かったので
そこを中心に書く事にする。

<長岡のビルドアップとそれに対する尚志の阻止>

まずは、両チームとも基本陣形は4-4-2。ミラーなので捕まえるのは容易だった。
なので、先に仕掛けたのは長岡。
DHを一枚落として2CBからのパスコースを作る。
第2レイヤーで受けたDHからボールを捌いていく。

4-1-3-2

尚志は前述したように第2レイヤーで奪いたい。
それには第2レイヤー間で受けるDHを捕まえないといけないので、4-4-1-1でDHを捕まえる。
対4-1-3-2

これに対して長岡は2CB VS 1FW で数的有利になっているところを上手く利用。
1枚のCBでFWをクリップ。余ったCBでボールを運び第2レイヤーにボールを進める。

CBで運ぶドリブル

第2レイヤーに入られて困る尚志は中盤から1枚上げ4-3-1-2に変更
中盤を1枚上げて落ちたDHを捕まえる。2トップで2CBをクリップし運ばせない。

対運ぶドリブル

これに対して長岡はサイドからボールを運び3枚の中盤に対してスライドを強要。
そこのスライドの遅れをつくもしくは、スライドで埋めきれない逆のハーフスペースまでボールを運んで第2レイヤーを突破する。

スライド強制

この前進を防ぐために尚志は4-4-2に戻す。
このループが繰り返されていた。


これほど目くるめく展開が高校選手権で見られるとは思わなかった。(しかも、前半だけで!!)
めちゃくちゃ楽しかったです。
某代表でさえ予想外な5-4-1に45分間何もできなかったというのに!!!笑

◆勝敗の分かれ目

ビルドアップVSビルドアップ阻止を書いて満足なのですが、
せっかくなので勝敗の分かれ目も書きます。

相手のミスで先制した尚志。
後半途中にFWを変えて4-5-1 に変更します。これが完全に悪手でした。
第2レイヤーへの侵入が防ぐ手が無くなり、中盤の5枚が引き出され第3レイヤー侵入も許す苦しい状況を作ってしまった。(ハーフスペース書くの忘れた…)
後半1
しかし、最終レイヤーに中々入り込めなかった。
中央3レーンを4バックで埋める尚志に対してそこから最終ラインを引き出せず最終レイヤーのハーフスペースを長岡が使えなかったのが要因だったと思う。

問題点
長岡はもう少しハーフスペースから大外に出ていくランニングがあると
最終ラインの4枚を中央3レーンから引き出す事が出来たと思う。

もちろん攻められても中央3レーンは絶対に空けない尚志の最終ラインも素晴らしかった。