- 1.スターティングメンバー
- 2.前半
- 2-1.松本のボール保持と様子見の仙台
- 2-2.仙台の配置攻撃
- 2-3.先制点について
- 3.後半
- 3-1.想定外にボール保持出来ない
- 3-2.想定内のエリア内守備
- 3-3.一度だけの決定機について
- 4.まとめ
■ 目次
スターティングメンバー
前半
松本のボール保持と様子見の仙台
立ち上がりは仙台が様子見で慎重に入ったが、松本はボール保持したそうな展開だった。事実、松本の方がボールを持つ展開で仙台を押し込む。
仙台は中央圧縮で、真ん中3レーンを埋めるのに対して松本は大外のWBを使い起点を作る
しかし、決定機は作らせない。
それは4-4のブロックが崩れる事がなく、それに加えてCBがデュエルで負けなかったためだった。
特に、シマオがペレイラに負けなかった事が大きくサイドは使わせても中に侵入させる事は無かった。
仙台の配置攻撃
仙台が徐々に主導権を握る展開になる。相手の出方を見切り自分たちが良い位置を取ることが出来るようになった。
1トップ脇にボランチを配置する事でパスの出し手がフリーにすることが出来た。
また、関口が大外で張らせておいて、田中をピン止め。
そのことで永戸がフリーになる事が出来た。
また、道渕が宮坂-杉本の間にそして、彼らの前に位置する事でフリーで受けれるようになった。
このように、フリーになる立ち位置を取ることで松本を押し込む。
そこから上記のように、(図がぐちゃぐちゃになったが)
松下がフリーでもってDFラインの裏に出す。
または、永戸からクロスや道渕から左サイド-ハーフスペース侵入と
仙台は様々な経路で松本のペナ内に侵入が出来る事が出来た。
この立ち位置をとってから20分から前半終了までは仙台がゲームをコントロールし良い時間を過ごした。
だからこそ、1点では物足りず2点目は欲しかったとは思う。
先制点について
さて、先制点についてピックアップしようと思う。先制点は相手のセットプレーからだった。
まず、トランジションで松本を上回った事が大きい。
そして、ペナ内で2つのピン止めが効果的だった。
図のように、関口が二人ピン止めすることにより永戸がフリーに。
(田中が遅れて永戸に行くが圧力をかけるに至らず。)
永戸のクロスに対して、長沢が飯田とエドゥアルドをピン止めする事によって
道渕がフリーなった。
なお、高橋が遅れたように見えるが、高橋は蜂須賀を見ていたので送れていたわけではない。
遅れたのは杉本なのだと思う。やはり、配置も素晴らしかったがトランジションで上回った事が僕は一番大きいのかなと思っている。素晴らしい得点だった。
後半
想定外にボール保持出来ない
先制を許した松本は後半修正し、ボール保持する時間を長くする。修正した点は
主に2つ。
1つは左右のCBの立ち位置。2トップ脇に配置する事でビルドアップスムーズにした。
2つ目はWBの立ち位置。これを前半より高く。SHの背後に位置した。これによって仙台のSHを下げ、仙台を押し下げる。
そこから松本は図のようにボールを動かし仙台のペナに迫る。
仙台は5-3-2になるので、中盤が薄くなる。
さらに、3センター脇を今井が運ぶドリブルで使い
そこから展開するので、仙台は押し込まれる状態になってしまった。
仙台としてはこれほどまでボール保持出来ないのは想定外であり、本来はもう少しボール保持したかったのだと思う。
想定内のエリア内守備
しかし、無失点で凌ぐ事が出来た。
それは決してたまたまだったわけではない。
エリア内の守備は常に秩序を維持できたからであり、無秩序な状況は作らせなかった。
仙台は予想外にボール保持されたが、エリア内の守備は想定内。
きちんと準備してきたものだと感じられた。
上記な図のように必ずペナ幅を4枚で埋め、一枚はストーンとして、スペースを守る事が出来ていた。
このストーンのおかげで、嫌なコースのクロスは跳ね返せるし、2列目から飛び込んでくるのに対してスペースを奪う事が出来たため、秩序は保たれた。
この必ずペナ内に4枚で埋める。そして、1枚はエリアを守る。
これがほとんどの時間帯で出来たので、クロスに対してはフリーで合わせられる事は無かったのだ。
なので、押し込む松本だが決定機はほぼ無いままだった。
仙台はハモンを投入し、前にパワーを持たせ、一度押し返す事に成功。
しかし、松本も流れを引き寄せるためにペレイラに代えて高崎を投入する。
高崎が良かったのは、ペレイラと違い仙台のDFの背後を取れる事。これが良かった。
島尾は前には凄く強いが高崎の裏への飛び出しについていけない事があり、突破口になりそうだったが、高崎が思ったよりモビリティが無くうまくいかなかった。
最後は仙台が大岩を入れて5-4-1でゲームをクローズ。
仙台が1-0での勝利となった。
一度だけの決定機について
最後に、松本が唯一守備の秩序を破壊出来たシーンを振り返り終わろうと思う。
56分に宮阪からのクロスに対して逆サイドの田中がフリーで飛び込んだシーン。
これが、唯一の決定機だった。
なぜ、このシーンが決定機になったかを整理してみようと思う。
左サイドに人をかけた局面だったが、仙台はペナ内に4枚残しており万全のハズだった。
しかし、それを破壊されたのは、飯田の突然のオーバーラップがきっかけだった。
飯田のオーバーラップに対して仙台は適切に対応できず、永戸と関口二枚が飯田に行ってしまった。
それによって、田中がフリーで飛び込めたのだ。
しかし、この飯田のオーバーラップのトリガーは不明。
というか、再現性もなくこのシーンのみだった。
で重要なのは秩序を壊すには位置の移動が効果的だと言うことだ。それも移動が大きいほど効果がある。そう思うのである。
この場面は飯田が大きな縦の移動をしたため仙台は対応出来なかった。
ただ、松本はこの位置の移動というのはほとんど起こらない。
あるのはCB、WBの列の移動。この程度である。
仙台も以前はこのように位置の移動が少なかったので、
相手の守備基準が破壊出来ず決定機が作れない場面が多かった。
しかし、4-4-2になりレーンの移動も列の移動も起こるようになった
だから、この日のように相手が5バックでレーンを埋めていても、
守備を破壊出来るようになってたのだろうな。
なんとなく、このシーンを見てそんな事を思ったのである。
ただ、難しいのは移動が大きいほどネガトラの設計が出来なくなる。要するにカウンターを受けやすくなるというのはあると思う。
飯田のオーバーラップに再現性が無かったのもこのリスクヘッジによるものなのかもしれない。
最後に
4年前このアルウィンの地で反町さんの術中にはまり何もできず敗戦となった。
あれから4年。
今度は仙台が変化し松本を翻弄する事が出来た。これが、僕らが4年間J1で戦ってきた経験値なのだろうなと。そして、前半に修正する事が出来る力こそ4年間の成長なのだろうなと思う。
もちろん、今シーズンという短いスパンでみてもようやくここまで出来るチームになった。
というのもあるのだけど、この試合に関してはやはり前回のアルウィンで負けたのが印象に強く残っていたので4年間の成長の方が思い浮かんだのである。
今年の話でも名古屋戦で掴んだ手応えは本物だったという証明できたゲームになった。
ただ、この試合前半にもう一点欲しかったし、
さらに後半立ち上がりカウンターで2-3回決定機があったのでそこを仕留め切れれば
3-0でもっと簡単な展開が出来たと思う。
これは、松本をリスペクトしていないわけでは決してなくて、
僕は今仙台の出来に満足していて、そのくらい出来る力があると思っている。
次はルヴァン挟んで首位の東京戦。
仙台の力試しには最適な相手だと思う。ワクワクしながら週末を待つ事にする。
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