- 1.スターティングメンバー
- 2.前半
- 2-1.仙台の守備の哲学と哲学を殴る鹿島
- 2-2.保持出来ない理由
- 2-3.30分以降保持と鹿島のカウンター
- 3.後半
- 3-1.通用する保持と新たな可能性
- 3-2.通用しない非保持
- 4.まとめ
■ 目次
スターティングメンバー
前半
仙台の守備の哲学と哲学を殴る鹿島
仙台の守備は対人意識マシマシの守備であることはこれでまでも述べてきた。
でも、マンツーマンではない。 したがって4-4-2の形(もしくは、5-3-2の形)は崩したくない。
では、相手が図のように移動したときにどう対処するか。
どこまで対面している相手についていくか。
相手に付いて行った場合のスペースのケアは明確になっているのか?
というところが課題となる。
で、鹿島はそこの部分を仙台に説いてきたのである。
そして、仙台は残念ながら明確な答えを回答出来なかったのである。
具体的に見ていくとしよう。
このように土居がCBから逃げる。そのスペースを作るため、
レアンドロは高い位置を取らずに永戸を高い位置に引き出した。
そして、平岡が大外までついていくと、真ん中にスペースが空いてしまうのでついていかない。(付いていった場合そのスペースをDHがついたシーンが一度あった)
また、この仙台の左サイドに流れる動きが土居だけではなく、セルジーニョも実施できるのが強みだった。
また、セルジーニョが流れた場合必ず土居が中央に残り両者ともにサイドに流れる。
ということは無くかなり整理されていた。
もう一つはポジションチェンジである。
土居が流れたときにレアンドロが連動して中に入ってくる。
この時に仙台は、永戸がレアンドロの移動にはついていけず、
そして、平岡としては突然目の前に現れるレアンドロに対応できず自由にプレイさせてしまう。
こんな感じで鹿島は対人意識マシマシの守備に対し基本に忠実な配置移動とポジションチェンジという攻略法で仙台の守備を破壊していった。
保持出来ない理由
仙台は上記のように守備が出来ない状態になっていたが、ボール保持も出来なかった。鹿島が立ち上がり30分で勝負を決めようと圧力をかけてきた。
それを仙台は交わせない。
局面を変えれる松下にはDHのどちらかが必ず対応して、フリーにさせない。
今日のメンバーでは局面を変えれるのは松下しかいない。
松下さえ潰すと圧力に屈する事になってしまった。
従って、前線へのロングボールだけになってしまったが、2トップが競り勝てずに
仙台は苦しい序盤になってしまった。
そして、15分にフリーで仙台の左サイド抜け出した土居のクロス。
これは、逆サイドまで抜けるが、小池が折り返し、セルジーニョが合わせ鹿島が序盤の流れ通りに先制した。
30分以降保持と鹿島のカウンター
鹿島の圧力が弱まり、仙台が徐々にボール保持に余裕が出来るてくるといつも通り両SHが
ボランチ脇を使い始め仙台がチャンスを作る事が出来るようになり、ビハインドを戻せそうな雰囲気があったが、鹿島もきちんとペナ中のケアが出来ていたため仙台の攻撃は跳ね返す。
また、24分に怪我で長沢を失ってクロスボールのターゲット1つ失った。
というのも響いてはいたとは思う。
その中でも、やはり仙台は守備ができな状態というのが足を引っ張っていた。
時折見せる鹿島のカウンターも土居が大外に開いたところが起点となっていた。
そして、上記通り仙台は対応できずカウンターはフィニッシュまで行ける。
という事実は仙台にとってとても辛い事実だったと思う。
そして、前半のアディショナルタイムにセルジーニョ、レアンドロのポジションチェンジから最終的には土居がペナ角でフリーに。
そこから、折り返し再びセルジーニョが合わせ0-2に。
試合を決めようと30分間でたくさんのエネルギーを使った鹿島。
そこを1点でなんとか堪えた仙台だったのでチャンスがあるように感じていた。
ただ、この終了間際の失点で鹿島のプラン通りの前半になってしまったように感じた。
後半
通用する保持と新たな可能性
後半も前半30分以降のようにゲームを保持する展開にすることが出来た。
決定機も何度か作れたが最後のところで枠をとらえる事が出来なかった。
また、面白かったのはハモンがもしかしたら関口のタスクの一部を補うかもしれない。
そんな動きをしていた。
鹿島の土居と同じ考え方である。
が、仙台の場合、関口は守備のタスクが多く
さらにサイドハーフのタスクもシャドウのタスクもこなさないといけない。
そこに対してハモンがサイドに流れサイドハーフのタスクを少し補ってもらう。
これで関口の負担を軽くなれば良いなと思った。
ただ、仙台のこの動きはアドリブで設計されたものでは無かったからこの辺りは、
今後整理出来れば良い。
ここまではポジティブな要素である。
通用しない非保持
さて、ここからはネガティブな内容。
基本は一番最初に述べたように鹿島の守備に対抗策をもっていない。
なので、どんなに保持出来ても一瞬でピンチになってしまう事であった。
そして、その流れにはあがなえない。
67分、75分と立て続けに失点し、0-4となってしまった。
しかし、2点とも鹿島は見事だった。
まずは、3点目。松下から道渕のパスがズレ、奪われたところからだった。
この時の鹿島の切り替えが早く完璧であった。
その中で最も素晴らしいのは永木のインナーラップだった。
このインナーラップのおかげで永戸がレアンドロに寄せられず、
結果余裕をもってクロスを上げられた。
永木の攻撃参加は多くは無いのだが上がった時にはちゃんと効果的だったのは素晴らしかった。
4点目は途中から入った名古の判断が素晴らしかった。
セルジーニョに平岡がついていった。そのためにCB間が広がる。
名古がそのスペースを使うドリブルを開始。結果平岡がセルジーニョを捨てドリブル止めに入ると、セルジーニョがフリーになるので名古はセルジーニョを使う。
この一連の流れが素晴らしかった。
鹿島は攻撃の回数は多くない。仙台がボール保持する時間が多い。
それでもこのように的確に決定機を作るのはさすが鹿島であった。
最後に
「西の空に明けの明星が輝く頃 一つの光が宇宙へ飛んで行く それが僕なんだよ さよなら仙台」とダンが言ったかは知らないけれども、ダンは西へと旅立った。
これで、1年間で3人目の海外移籍。
順位では結果が思うように出ていないが、選手の個々が評価されているという意味では
これも一つの結果だと思う。これは素直に評価して良いと思う。
ただ、この試合はその旅立ちに全くふさわしくないゲームとなってしまった。
正直、対人意識マシマシの守備で不安だったところを思いっきり鹿島にぶったたかれた。
そこに、シマオマテがいないものだから如実に弱点出てしまったかなと。
そして、もう1つ。
このメンバーだと松下さえケアすれば局面を変えられる選手がいない。
というのもばれてしまったのも痛い。
椎橋がいればもう少し助けになったかなとも思うのだけれど富田だと正直厳しかったなと。
鹿島の研究が素晴らしかったんだと思うし、鹿島に宿題をもらったんだと思う。
ここを超えられればもう一段階チームの完成度を上げられる。
僕らは4-4-2に変更し間もないわけで、仕方ないと思う。
だから、受け入れないといけないし、その上で超えていければ良いと思う。
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