スターティングメンバー

スタメン

前半


試されるシマオ不在時の強度

松本がこの試合立ち上がりまず試したのはシマオ不在の最終ラインの強度だった。
松本はスタート5-3-2だが、ボールを保持すると5-3-1-1で永井を1トップ。
1トップの永井にどんどん縦パスを入れ永井が2列目に落とす。
落とした先がセルジーニョならばミドルをぶっ放すし、町田杉本なら左右に展開すし仙台を押し込むぞ!という設計だった。
山雅の狙い
なので、縦パスを入れられた後に永井の自由を奪う事が出来るかがキーになる。
もちろん、シマオとジョンヤじゃさすがに同じ強度は無理ではあるが、程度の問題だった。
が、残念ながらその1発目たった2分でその形をものの見事に点を決められる。

その後、バタバタしてどんどん縦パス入れられ永井に落とされ…とピンチが続いた。

永戸のアイソレーションアタックとジョンヤの運ぶ動き

10分を過ぎたところから仙台は落ち着きを取り戻す。
松本の守備は2トップが背中でボランチを殺し2-2のビルドアップを殺し左右のサイドに誘導する狙いだった。
山雅の非保持
なので、仙台のボール保持は富田が最終ラインに下がっての3バックになる。
そこから、松下に通して逆サイド永戸に展開。そこからクロスというのが仙台の基本的な攻めだった。
永戸アイソレーションアタック
また20分を過ぎたところからジョンヤが2トップ脇までボールを運びそこから展開を始める。
ジョンヤの運ぶドリブル
このような動きでようやく仙台が主導権を握る事に成功する。

クロスの狙いどころ

さて、決定機は永戸のクロスからだったが、そのクロスの狙いどころを整理出来ていて、
この日は松本の大外WBの裏を執拗に狙っていた。

松本の中は固いので単純なクロスではチャンスを作れない事を理解しており、
仙台はスカウティングしクロスボールからでも可能性のあるチャンスは作れており、そこはきちんと整理出来ていたと思う。

後半


5-3-2の「3」を動かせ

前半徐々に押し込めた仙台だが、チャンスはジョンヤからの展開と永戸のアイソレーションアタックの2パターンだけであった。
本来仙台がやりたいのはボールを動かし、位置を取り、相手を動かしゴールに迫る。
というサッカーなのだが、前半それは出来なかった。
そして、ハーフタイムでそれが出来るように整理出来ていた。
まずは、シンプルなU字ターンから3のスライドを強要。間に合わないならサイドフリーからクロス。
U字ターン
なので、松本はU字ターンでスライドが間に合わない場合WBが前に出てきてSBを捕まえるように修正。
WB
しかし、そこは仙台の方が1枚上。WBが1列上がったスペースをSHが使い相手を押し込む。
WB裏に突撃
とようやく相手を動かし空いたスペースを使うような事が出来てきたのである。
そして、決定機も作れたがあと一歩でネットを揺らせなかった
あと、右サイドの蜂須賀と道渕はこういう動きは出来ていたが左サイドはあまり出来なかった。
左は永戸の個の力で殴る。みたいなところが多かった気がする。
関口は立ち位置が取れないのかもしれない。なので、早めに石原崇を投入したのもうなずける。
ただ、石原崇は次に説明する動作で封じてしまった…

SHにマンツーで対応さる

60分以降に松本はスライド間に合わない場合はWBが一列捕まえる。
そして、そこのスペースを使うSHにはIHがデートで付いて行く。人ベースの守備ではあるが
対応はできた松本であった。
IHデート
もちろん、そのIHが居なくなったスペースにFWやボランチが使って前進出来れば良かったがそこまでは出来なかった。
というのが、今の仙台なのだろう。
位置を取れる者。スペースを見極める者。とそうじゃない者が存在するので
保持時に完全に連動しきれない。
だから、今の形になっているのだけれども…

ゲームをクローズする5-4-1

松本との「3」をめぐる攻防は面白かったし、もう少しで攻略出来そうな雰囲気もあった。
しかし、松本はそれに最後まで付き合ってくれなかった。
というのも、67分に田中隼磨を入れて5-4-1に移行。

こうすると、「3」なら左右に動かせたのだが、「4」になると動かせない。
さらに、最終列にはレーンをすべて埋まる5バックが待っている。
ということで、仙台は攻め切れない。また、途中からジャメを入れるのだが、
石原崇とジャメの両SHはハーフスペースに居座るのでそれを中盤の4枚の中央圧縮で防がれてしまう。
なので、両SHの立ち位置は効果的では無かった。
2トップそして、ボランチが位置を取れないのでこの5-4-1を攻略するのは難しく
思い返せば前節のマリノスの気持ちを今節知る事になるとは…

最後に

ということで、いわゆるスミ1での完封負けだった。

この試合、
大岩では無くジョンヤを使ったというところに保持するぞ。という覚悟はあったのだと思う。
だが、届かなかった。壁を超えられなかった。
現時点での保持するゲームプランでは、ここまでだった。
天皇杯の長崎戦も同じだが保持するプランにするとまだまだ足りない。
位置を取れない選手が多いというのが原因なのだが…

凄く好意的に言えばやれることはやったのだと思う。それでも届かなかった。

仙台は、
保持と非保持両方やりたい。と思っていてもう少しのところまで来たと思うのだが
現時点では保持時のプラン、理解力などが足りないね。というゲームであった。


非保持を整理すれば保持が足りなくなる。せっかく非保持は良くなったのにみたいな。。。
改めて難しさを感じるシーズンだなと思う。
まさに、そんなゲームであった。