2018年04月

次々と試合がやってくる。しんどい。 
やる選手も分析する監督も書く僕も辛い。
そんなGW前のミッドウィーク

セレッソ大阪について

現状

ダービーはちょっと入れ込み過ぎて攻撃が単調になりすぎた。
そこから連戦で修正できるか?

スターティングメンバー

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清武が怪我から復帰でスタメン。
柿谷水沼あたりがローテーションでお休み。

仙台について

現状

磐田戦は完敗。精神的にも戦術的にも立て直す事が出来るか?

スターティングメンバー

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板倉がリーグ戦初のCHで先発。
野津田をシャドウに戻す。
そして、シュミットが関に変わり先発。

前半

442キラーを発揮する仙台

キックオフ直後から両サイドを広く作り大外からクロスからチャンスを作る仙台。

セレッソは442で幅を狭める圧縮守備で来るが、仙台のビルドアップ隊であるCBの両脇に圧力がかけられないので、椎橋から斜めの楔のパスが3トップに入りそこから永戸まで待っていくと永戸がフリーでクロスを上げる。
という形だった。
その流れの中CKのセカンドボールから蜂須賀が決め先制し仙台が先制する。

開始早々から失点してしまったセレッソだが、ここから仙台対策を出すようになり反撃するようになる。

セレッソの仙台対策

442と343のギャップが出来るという事はずっと言ってきた事。
そして、442側はSBのところがフリーになりここには343では圧力かけられない。
従ってセレッソはSBを起点に攻撃を開始する。
20分以降はセレッソがボールを持つ展開になる。
基本的にSHは中に絞り大外をSB1人が使うような仕組みだった。

ただし、仙台は撤退守備で応戦し決定機は作らせない。

仙台の問題点

CHがいい形でボールに関われない事がこの試合の問題点だった。
仙台のいい時というのはCB→3トップ→CH→WB見たいな展開で、3トップからボールを回収し展開する役目がCHのタスクだと思う。
この回収から展開が出来ていなかった。この試合通して6分の野津田の落としを富田が回収し永戸に展開したのみだった。
CHがポジションが低く3トップが孤立する時間が多かった。
仙台が前でボールを待てる時間は3トップだけでも展開まで行けたから問題にはなる事が少なかったが、
撤退守備を始めた20分以降は3トップが孤立し、セカンドボールも回収出来ず仙台が陣地回復が出来ず自陣に釘付けとなった。
なので、仙台は割り切って撤退守備を選択し守り抜くことを決断。

実際40分まではハマっていたが、残り5分はSBから逆サイドのSBと広く使われ、サイドから押し込まれクロス爆撃を受けピンチを招いた。
が、なんとか前半は逃げ切れる。

後半

セレッソの狙いどころの明確化

セレッソはボールを持てる展開になったが、あまり効果的に仙台を崩せなかった。
そこに修正を入れる。
非常に的確だったのはSHの立ち位置だった。基本は仙台のCHの両脇に位置どり起点を作り、そこからWBの裏に動き直すことだった。
このWBの裏は後半開始そうそう杉本が使い、清武や福満が顔を出す事が多かった。

セレッソの逆転

WBの裏から再現性のある崩しが出来てきたセレッソ。同点ゴールはやはりWBの裏から生まれた。
丸橋がボールを運びWBを引き出す。その裏へパスを出し清武が裏抜けそこから杉本とのワンツーから清武が守備の合間を縫うドリブルからゴールを決める。
チームとしての狙いと清武の個人能力が合わさった素晴らしいゴールだった。

これで仙台はWBの裏をケアするため守備時にWBが前に出れなくなる。
そうなるとセレッソのSBがドリブルでボールを運ぶ事が多くなる。
逆転弾はSBの丸橋からボールを運ぶところからだった。
その後中央でパスを回され守備が集まったところを後ろから山口のミドル。弾いたところに清武が詰めて逆転となる。
シュミットはこの日このプレー以外は安定していた。
しかし、このプレーで弾いた場所が悪過ぎた。GKのミスと言われても仕方ないかなぁ。とも思う。

仙台の反撃

これで撤退してるだけではいけなくなった仙台。
ただし、CH2枚がタスクをこなせないため攻められない。
ならば反撃にはCHに手を加えなければならないということで下した決断は富田に変えてリャンだった。
リャンと板倉のCHになった。
板倉が和式サッカーのボランチしか出来てなかったのでそのタスクに専念させる。
そして、CHの前のタスクをリャンが担うという分担性だった。
確かに攻撃は出来るようになる。
ただ、決定機があったかというとやはり分担なので2枚とも必要なところが1枚なので崩すまで至らなかった。
発想自体僕は面白いとも思ったが、振り返った時、やっぱり付け焼き刃だったと思う。
実際打てたシュートはセットプレーの2本だけというのもそれを表してる。
結果このままゲームは終わってしまい今シーズン初の逆転負けとなった。

最後に

CHのタスクをこなせなかったのが全てだったように思う。
特に板倉が和式サッカーのボランチしかこなせないのがきつかった。
CHのタスクを理解できていなかった。
前半はほとんどボールに絡めず中盤を漂うだけ。後半リャンを入れてタスクが和式ボランチで良いよ。っとなってからは存在感を出せたが…それでは流石に辛かった。

板倉問題

結局板倉はまだ川崎が残っていてボールを持った時に外していく感じたったが仙台はボールを持たない時に外して受ける。
なのでその立ち位置をキチンと理解しないとセンターハーフは厳しいように感じた。

ちなみに板倉が後半見せたビルドアップ隊の役割は仙台ではCBの役割で、CHの役割では無い。
そういう意味では板倉がCBで効果的だったのはそういう事である。

とはいえ板倉がCHをやるのは2回目(しかも退場したあのゲーム)なので仕方ない部分もある。怪我人が多くさらに連戦の中なのでどうしてもこういう理解度が低い起用しないと乗り切れないということもあるのだろう。
仙台としては厳しい連戦になっている。

名波さんは負けず嫌いだと思うんだよ。
そんな、ジュビロ戦です。

仙台について

現状

また離脱者が増えて、今度は平岡。
違和感ということなのでそんなに時間かからないと良いですが…
そして、板倉が復活。このGWのリーグ連戦に間に合ったのは凄く大きい。

ミットドウィークのルヴァン杯はユース8人を使い(デビューは5人)過密日程を乗り切り中

スターティングメンバー

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なんと、3412
リャンのトップ下というびっくりシステム。
磐田の343とギャップを作りに来たんだと思う。しかし、今年のDAZN凄くてこの奇襲さえも読み切ってしまう。
なんなの?ほんと。

ジュビロ磐田について

現状

川辺の移籍、ムサエフとアダイウトンの長期離脱で去年の骨格がほぼ無なくなってしまった磐田。
絶賛骨格作りなのだけれど鳥栖戦からはだいぶ安定した感がある。 
なんならこの試合は山田中村のシャドウとか浪漫を求めても良かったのに。

スターティングメンバー

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ほぼほぼ予想通り。
上原じゃなくて山本なんだ。というくらい。

前半

嵌らないリャンのトップ下

ということで、残念ながらリャンのトップ下は嵌まらなかった。

最初の15分はリャンが頂点の343のようであまり中央から動かなかった。
なので、あまりパスを受けられず。大外からのクロスに競る役になっていた。

流石にそれではまずいと思ったのか、
20分過ぎからリャンが落ちて磐田ボランチの前で受けたり、ボランチ脇で受けたりし始め、この頃からようやくボールが回る。
しかし、この時間も幅を使えず同サイドでボールを回して最後大外という、流れが続く。

それでも仙台らしさが出る時間帯

25分過ぎからの10分感は仙台らしさが少し出た。リャンがハーフスペースで捌けるようになったからだと思う。
この時間帯のリャンのポジショニングは良かったと思う。
29分の攻撃が前半のベストだったと思う。
中盤のルーズボールを制した仙台が、西村へ縦パスそれをリャンに落とすと逆サイドの蜂須賀に、展開しダイレクトでクロス。
西村は惜しくも届かなかったが合っていれば1点だった。

この時間帯のようにハーフスペースで磐田の3バックとボランチの間で常に受ければもう少しチャンスを作れたしそれが狙いだったと思うのだけど残念ながら立ち位置が安定せず、なかなか良い形の再現性はなかった。

磐田の狙い

磐田の前半はリスクを侵さない。耐えること。きつくなったら川又を裏へ走らせるだった。
序盤は仙台の最終ラインが統一出来ていなく縦ポンでチャンスになるシーンもあったが中盤以降は修正。
なので、チャンスはほとんど作れない。
ただし、中村のFK一発でゴールを決められそうな雰囲気はあった。
とりあえず磐田は5バックで後ろを埋めて耐えればオッケーという狙いだったのだと思う。
それは果たせた前半だった。
真ん中3バックが動かされなかった。そのため決定機作られず大外のクロスから危機を招く程度だったかな。という感じ。磐田の想定内。
ゴールの確率的には、FKがある分ちょっと磐田の方が上だった。

後半

磐田の3バックを動かす仙台

仙台は磐田の3バックを動かせなく真ん中の3レーンを使えなかった。
この真ん中を使うために仙台はWBの裏のスペースを使い始める。そこから、CBを引っ張り出して、ハーフスペースを開けようという狙いで、基本的には川崎戦の狙いと同じだった。

45分は西村がギジェルメの裏に流れ起点になり、蜂須賀にスイッチ。蜂須賀がハーフスペースに侵入し、マイナスのクロス。

50分にはこの試合最大の決定機。
リャンが小川の裏へ抜け出し高橋を引き出す。
そして、高橋が動いて出来たハーフスペースに西村が侵入。
新里の素晴らしい対応でシュートは外れる。

とこのようにようやくハーフスペースを使えいよいよ仙台ペースになってきたはずだった。

磐田の2点と素晴らしい小川の判断

しかし、落とし穴があった。
それを説明する前にまずは磐田の狙いを整理する。

と言っても仙台と狙いは同じで彼らもWBの裏を狙いだった。
方法はトランジションの速さでそこを付くとシンプルなものだった。
49分はギジェルメが奪って中村とワンツーでWBの裏へ抜けてクロス。大外で田口が合わせての決定機だった。

これが、落とし穴の布石だった。
そして、55分にスローインから中村からWB裏へ抜け時間を作ってクロス。田口がニアで合わせたのは防ぐが松浦に押し込まれ失点。
スローイン時に対応が遅れたのと中村に厳しいく行けず時間を与えたところ。
そして、田口が入ってきた時の板倉の対応。
このあたりが緩くて失点につながった。

50分の新里の素晴らしい対応との差がゴールに直結した。

さらに落とし穴は深かった。

57分に小川のカットインからミドルが決まり2分間で2失点となった。

この57分の得点。磐田が凄くて説明したい。
仙台の対応としては、55分に失点した構造が頭にあるんでWBの裏のスペースをケアするんですよ。
事実、そのスペースに高橋が走り使おうとするわけです。
この動きに中野とキムは釣られ小川をフリーにさせてしまう。
という構造でした。

たぶん名波さんはWBの裏を狙えとは伝えたんだと思うです。しかし、この応用系は伝えてなくて、小川のひらめきなんだと思うのですよ。
しかも、これ1点目が無かったら仙台は対応出来たんですよね。
このタイミングだから点に繋がるわけです。
それを実行してしまうというのが凄いなぁと思います。

仙台の悪循環

2点失ったが仙台は後半の入りは良くてそれを繰り返せば点は返せたと思います。
実際59分には2トップ1シャドウで磐田を崩して西村がフリーで抜け出しかけるシーンもあったわけです。

しかし、その流れをも自ら手放してしまった。
それが板倉を1列上げた事でより顕著化した。
板倉が居なくなったので後ろで幅を使える選手が居なくなり、ビルドアップ隊は縦縦にパスを出すしかなくなった。
さらに板倉が高い位置を取るようになりパスコースが限定されてしまった。
後ろからビルドアップがうまく行かないとシャドウにも楔が入らない。
仙台の楔というのはレーンを跨ぐ斜めのパスが多いのだが、ビルドアップの時点で使うレーンが限定されてしまうため、簡単にシャドウへのパスコースが消された。
ということだと思う。

磐田のダメ押し


さて、そんな感じで仙台がボールを動かせず苦労しているところをトドメの前プレスを仕掛ける。しかも、ラスト15分過ぎたころから。
これには驚いた。連戦で楽に終われる筈なのに自分たちの勢いを大事にした。と言う事だと思う。

実際効果はバツグンで仙台はその前プレスわ抜け出せず。
80分に関のパスを受けた永戸がボールを奪われそうになりファールで止めるとそのFKを田口に叩き込まれ、3失点で終了。

磐田はこれ以上ない完勝だった。

最後に

2失点してからのゲーム運びは残念だった。
ベンチワークもノープランで自分たちの首を締めた。65分からの25分間に関しては4点目取られてもおかしくなかったと思う。
板倉のボランチなら彼もビルドアップ隊に含むような仕組みにしなければならなかったと思う。

とはいえ、確かに後半の入りは良かったし監督の言うように2点は小さなディティールの差だったとは思う。
次の試合はすぐやってくるので切り替えて頂きたいとは思う。
後半の悪循環も要因は明確なので修正出来ると思う。 

磐田は骨格がようやく出来上がった。
それを示すには最高のゲームだったのではないか。 
この勢いで連戦を迎えるのは精神的に有利だ。
ここから一気に連勝出来る気がする。

それにしても名波さんには色々驚かされるなぁ。この人浪漫を語り浪漫を考えるのに、結局チームは現実的なところで終着するというのが面白い。
負けず嫌いなんだと思うのですよ。
色々勉強になります。


僕たちの壁。川崎。
負けはしたが去年のベストゲームは29節。
だからこそ勝って超えていけ

仙台について

現状について

水曜日に大岩が退場。
その代わりは報道によると常田。
楽しみ。そして、帰ってきた関口がベンチ入りするだろうとのこと。

スターティングメンバー

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リャン、常田が初スタメン。
関口がベンチ入り。
蜂須賀、富田、野津田、ジャーメイン、西村は前節から変わらずスタメンだった。
ちなみに古林は怪我では無いが違和感とのこと。

川崎について

現状 について

リーグ戦3試合勝ちなし。
ACLは予選敗退。
ということで悩める17年王者。
そして、小林が体調不良で欠場

スターティングメンバー

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覚醒しつつある知念が先発。
エドワルドネトはお休みで代わりの守田が初先発。

前半

仙台の狙い

まずは最初にリズムを掴んだのは仙台だった。
仙台の狙いは
3142で川崎の4231と守備時に噛み合わせる。
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またまた、わかりやすいようにデフォルメしていますが…

しかし、これだと仙台の攻撃時にも噛み合ってしまうので、攻撃出来ない。
で、仙台はひと工夫があった。

奪ってから、ロングボールでジャーメインや西村の機動力を使ってエウシーニョの裏を狙う。
そこから起点に攻撃を展開していく。
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また、このスペースついたときに奈良がサイドに出てくると野津田や中野が奈良の開けたスペースを突く。
前半立ち上がりの仙台のチャンスは全てこのスペースから生まれたものだった

何故左サイドなのか

右サイドじゃなくて左サイドを狙う理由は家長にある。
家長は立ち位置を守らず自由に動く。
ある意味ポジションの無い選手である。

これは攻撃時にはかなりの武器になるのだが、守備時には居るべき場所にいないのだからそこが手薄になる。
早めに左サイドに展開してしまえば家長はそこには居ないので数的有利を作れると考えたのだと思う。

川崎の攻撃

狙われても構わない。俺たちはボールを持てば無敵だ!的な考えで、使われてるスペースを埋める訳ではなく、ボールを持つ事にする。
二度の決定機はカウンターから縦に早い攻撃からだったが、いずれもポストに阻まれる。
それ以外、川崎らしいパスの数が多く細かい攻撃は機能しなかった。

守田が攻撃に加われないデメリット

なぜ攻撃が機能しないのか。
風間式ではボランチ2枚がよりボールに関わることが重要。
立ち位置的に不利でもボールを受けて止めて前向いて出す。
をしなければならない。
事実、前節の名古屋は長谷川と小林がボールに関われるようになると名古屋の時間になった。
仙台は前述のように嵌めてきたので、守田にも圧力はかかる。それに怖がって、受けれなくなるとどうしても川崎らしいパスが繋がらなくなった。という事だと思う。

左がだめなら右から崩す

さて、仙台は30分付近から仙台は右サイドに狙いを変える。
蜂須賀vs車屋を作るがそこにリャンや西村、平岡がサポートして、数的有利を作ってクロスやサイドからの突破をしていく。
さらにカバーするのに谷口が外に出てくるので、中がフリーになりチャンスを構築出来る。
前半終了間際のリャンが谷口をサイドで外して野津田に合わせたクロスの場面なんかは典型的なシーンだった。

後半

川崎がボールを持って攻める

川崎はボールを持つべく修正をかける。
それは車屋の立ち位置を高くしたこと。
そして、中村をサイド寄り、要するに富田脇に配置そこから数で左サイドを制圧。
実際これは効果的で仙台を押し込む事に成功。
ところが、川崎は押し込んでから決定機を作れなかった。

悩める川崎の問題点

川崎は最終ラインを突破出来なかった。
確かに富田脇で起点を作って押し込んだのだが、仙台の5バックを剥がすことが出来ない。

従って川崎のパスは左の車屋から仙台の5バックに並行にパスを回し大外のエウシーニョが、ハーフスペースで受けたとこでパスが詰まって攻撃が途絶えることが多かった
という流れになった。

風間式なら5バックの間で受けないといけない筈なのだがそれが出来ないので横パスになったのだろう。
しかし、横パスでは剥がせないし、有利な立ち位置を取っている訳ではないのでチャンスが構築出来ない。

立ち位置有利にするならエウシーニョは大外に居なきゃいけない。だけれど、川崎は立ち位置有利を作るチームじゃないので、中に入ってくるのであろう。

結局5バックの間で受ける選手がなく時間だけが過ぎ決定機を作れなかった。
このあたり風間式を忘れつつあり、再構築出来てないのかもしれない。
ただ、そもそも風間式を理解してないかつ川崎を見てない僕には分からない事だが…

仙台は実直にSB裏を狙う

仙台は変化なく川崎のSBの裏を狙う事の継続だった。
しかし、
前半より最終ラインが下がり押し込まれたこと。
ジャーメイン、西村の運動量が落ちたこと。
そして、奈良が素晴らしい対応をした事によってなかなか狙い通りな攻撃は出来ず。
後半は中野の単騎突破からチャンスを作るのみになった。

仙台としては、ドリブラーを投入しボールを運びたかったが関口しかベンチにおらず。
最終的には平岡が怪我で椎橋に代わることで枠を使い果たしてしまった事が痛かった。

それと、この状況で違う狙いがあっても良かったという気もするが、
連戦でそこまで練り込めてないこと、それと体力的にも頭脳的にも疲労が蓄積してたのがわかったので、そこから次の狙いを披露するのは難しことだと思う。

最後はお互いインテンシティが落ち仙台がなんとなく中央で持てるようになったが得点までは取れずゴールレスドローとなった。

最後に

戦術的な振り返りだとこのように淡々としてしまうゲームだったが、
局地のインテンシティはものすごく高く非常にエキサイティングなゲームだったと思う。

仙台は川崎を抑えきり攻撃の狙いもハマって居たので勝ちたかった試合ではある。
やはり前半で得点を取れなかったのが痛かったかなぁと。あと、奈良は敵ながら凄かった。彼が居なければ仙台が勝利していたと思う。

川崎はやはり攻撃の部分で風間式が出来なくなってる気がする。
その理由は分からないが…たぶん風間と直接やってる選手が少なくなったこと。
そして、大久保も東京に行ってちょっとその感覚が違うものにアップデートされてる感もあった。
なので、川崎は攻撃をアップデートする必要がありそう。
そのアップデートするのは風間式なのか、はたまた違う方法になるのか。鬼木さんの手腕が試されているような気がする。
(川崎は最後まで抽象的ですみません…)

ハリルホジッチ解任とか
関口加入とか激動の2-3日だった。

名古屋について

現状

気つけば3連敗中。
前節はコンサドーレに3失点の完敗。
シャビエルが怪我をして苦労している感じ。

スターティングメンバー

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名古屋は仙台とミラーを選択。これは仙台対策か否か。
そしてジョーがいない。これはなぜ?
そんなメンバーだった。

仙台について

現状

庄司と阿部が怪我で離脱。
そんな中セレッソ退団後フリーになっていた関口が6年ぶりの仙台復帰となった。
週末の川崎戦から出場可能

スターティングメンバー

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シュミット、椎橋、菅井、蜂須賀、ジャーメインがリーグ戦初先発。

前半

名古屋の狙いと仙台のビルドアップ

名古屋は前半うまく行かなかったので狙いが分からなかった。従って想像になってしまうのだが、名古屋はミラーにして、下記のように前プレスを仕掛けてボールを仙台から取り上げたかったのだと思う。

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しかし、それが嵌らない。
その理由は今年初披露となったビルドアップの形だった。

シュミットはビルドアップ隊に加われるということもあり、菅井をSBにして4バックでのビルドアップを実施。

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これで、名古屋は同数プレスをかけられず、青木が菅井に行くとシュミットから長いボールが入り、シュミットに行くと菅井がフリーになり、と苦しい展開となった。 実際は青木がピッチ上でかなり迷っていたように見えた。
マークすべき相手が目の前からいないのだから仕方ない。

また、名古屋は3バックだけど、浦和のように5レーンを物理的に埋める事が出来なかった。
たぶん前プレスで奪い切るつもりだったのでで仕込んで無かったのだろう。
従って、仙台は5レーンを自由に使え完全にゲームを支配出来た。

仙台の得点を振り返る

2得点とも大外から大外という展開から中で仕留めるという形だった。
先にも記載したとおり3バックなのに5レーンが埋まっておらず逆サイドの大外がフリーだった。

1点目は蜂須賀から素晴らしいサイドチェンジが永戸に通った時点で7割決まったようなものだった。そこから永戸が折り返しこぼれたところを石原が押し込んだ。

2点目も椎橋がボールを奪い切り左サイドからクロス。
このクロスが逆サイドの大外蜂須賀がほぼフリーで折り返し西村が決めた。

と、共に大外から大外を繋ぐ再現性のある素晴らしいゴールだった。

名古屋の問題点と解決方法

名古屋はボールを持ったときも不具合があった。
それは距離感だ。
前プレスで特攻するが、後ろは怖くてラインを上げられない。ということで間延びしてしまった。そして、ボール保持時も間延びしていた。
この前と後ろを繋ぐ役目が小林と長谷川のボランチの役割だったが、彼らも長谷川は前との距離感を保ち小林は後ろとの距離感を保ちということで、二人の距離も間延びした為パスが繋がらなくなり仙台に支配された。

2点先行された事もあり名古屋はたまらず深堀に変えてジョーを投入。
最終ラインからジョーに当て、ジョーが前線で時間を作る事で間延びを解消し、ようやく攻撃を繰り出せるようになった。

後半

名古屋の変更点

畑尾に変えてワシントン投入し、システムは以下のようになる
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さて、これで名古屋はボールを持てるようになる。
4バックになったことで仙台の前プレスが宮原、秋山のところまで届かない。
宮原、秋山のところから前線にパスが入れる事が可能。
また、小林と長谷川が守備からある程度開放され、この二人が近い距離でプレーし良くボールに関われるようになると風間サッカーらしく細かいパスが増え一気に名古屋ペースになった。

名古屋の得点

名古屋の時間だったわけだがすぐに追撃のゴールが生まれた。

このゴールは秋山が中にカットイン。これに、WBの蜂須賀がついていったのだが、
本来秋山がいる大外に小林がいてここに誰もついていけずフリーに。
慌てて蜂須賀が戻るがフリーでクロスを上げられジョーに決められた。
ここの秋山と小林の関係は素晴らしい関係だった。

仙台の修正その1

後半立ち上がりは長崎戦のようなハーフコートゲームになり仙台はロングボールを前線に放り込むだけの展開になりつつあった。
確かに相手にボールを持たせると守備が嵌らずゴール前まで運ばれるがマイボール時はどこが空くかを冷静に判断して相手陣内まで運べ休む時間を作れたのは大きかった。

時間が経つにつれ、守備時に名古屋のどこが空くかを把握していく。
狙いどころはワシントンが最終ラインに吸収され5バックになる。
このとき、インサイドが戻りきれない間のスペースが生まれ、そのスペースをシャドウがうまく使いチャンスを作る。
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図はわかりやすくデフォルメしているが…

仙台の追加点

そんな流れから3点目が生まれる。
名古屋のCKからカウンターで西村が決めきった。
西村の課題は数字を残す事だった。
この日は2ゴール。どちらも素晴らしいゴールで成長を感じさせた。
さて、これで余裕が出たのか仙台は守備の修正を加える。

仙台の修正その2

修正その2は守備に対してのもので、小林には基本富田が付く、長谷川には野津田が付く。
という対応をはっきりとさせた。
名古屋はこの二人がフリーで受けられない場面が増え後半開始直後のようなパス回しが減った。
そして、このマンツーマンに近い守備を嫌がりどちらかが下がってボールを受けるようになるがこの二人の距離が遠くなりスムーズなパス回しが出来なくなり名古屋はリズムを失った。

名古屋最後の作戦

リズムを失った名古屋はジョーへのクロス爆撃を開始。
この爆撃でシュミットの不安定な対応をあぶり出す事に成功。
結局3回キャッチに行ったが全てファンブル。
その一回が致命的なミスとなり最終的にはPKを献上+大岩退場。
そのPKをジョーが決めこの日2点目となったがそれまで。
なんとか仙台が逃げ切り勝利。

最後に

なかなか楽しいゲームだった。
名古屋は長谷川と小林の距離感が短い時は名古屋のペースになる。
そして、名古屋はこの二人が短いパス交換で相手の守備を剥がしていくイメージ。

逆に仙台はピッチを広く使い相手が対応出来ず空くスペースを使う。なので、一人ひとりの距離感は名古屋より広くなる

距離感や幅の使い方が全く違うのでどっちが主導権を握ってるか凄くわかりすく、
ざっくり言うとサイドチェンジが出来る時は仙台のペース。
出来ない時は名古屋のペースだった。

では、勝敗を分けたのは?
というと柔軟な対応が出来たか出来ないかだったと思う。
名古屋はプランが遂行出来ない時にはあまりに無力だった。
仙台は自分たちのプラン遂行出来なくてもある程度対応出来る。
この差だったと思う。
ただ、仙台も相手の対応が変化した時に修正する時間がまだまだかかりすぎてる。
もう少し早く対応出来るようになればもっと上に行けるんだと思う。

大槻さんは、3バックで来るんじゃないかなぁってずーっと思ってたし言っていた。
そんな不気味なゲームでした(笑)

浦和レッズについて 

現状

色々整理できなかった堀さんを解任。
11年仙台にいた大槻さんが監督に就任。
大槻さん初采配のルヴァンは442で挑んだ模様。
さて、この試合は何を仕込んでくるのか。

スターティングメンバー

LINEUP111523183695633
5212というシステム。
やはり、5レーンを埋めてくる策。
しかもボランチ2枚に阿部青木とガチガチな布陣。
詳細はこの試合のキーになったので後ほど書きます

ベガルタ仙台について

現状

前節、奥埜が離脱。さらにルヴァンで庄司も離脱。CH不足の中で、
ミッドウィークのルヴァンで3142でインサイド(IH)に中野とリャンを試し合格。
現状だと343より3142の方が選手の選択肢が多いのかなぁと思います。

スターティングメンバー

LINEUP111523184073452
今節はやっぱり3142でした。
中野をIHで使えるのは大きい。
これだと確かにアンカーの選択肢が少ない。
椎橋と富田の使い分けになるのかな?という感じ。

前半

浦和の勝ち筋はどこ?

正直仙台側からすると浦和はほぼブラックボックスで何もわからない状態だった。
渡辺監督は広島戦と同様の442を予想していた。
しかし、それでは仙台に勝てないと考えたのだろう。 
で、浦和の勝ち筋を考えた時に5バックで仙台に自由に5レーンを使わさせない。と考えただと思う。

攻撃の狙い

守備はそれで良いと考えて問題は得点をどう取るかだと思う。
ただ、大槻さんは凄かった。勝負師だった。
仙台のシステムを3142だと山を張って攻撃を仕込んでいた。

狙いどころはアンカー(富田)の両脇だった。
青木、阿部のDHに中野、野津田IFがプレスをかけに行く。
トップ下の柏木が真ん中で富田をピン止め。
間脇をトップから興梠や武藤が落ちてきて起点を作る。もしくは、柏木自身が動いて富田脇を使う。
という狙いだった
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4分の先制点がまさにその形。 
武藤が富田脇でフリーで受けて興梠へスルーパス。
興梠が平岡をいなしてのゴールだった。

浦和のビルドアップ

先手を取った浦和の時間帯が続く。
上記のように守備がハメられない仙台に対し浦和は最終ラインから展開する。

1番多かったのは遠藤から前線に放り込む形だったが、それだけではなく、ボランチが最終ラインに入り4バックでのビルドアップや、槙野がハーフスペースで運ぶドリブルをやったりとミシャ式の残り香が随所に感じられた。
正直4バックでのビルドアップよりスムーズだったと思う。

仙台の守備の整理

先手を取られたが、20分以降から仙台は守備の焦点を合わせる。
まずは、富田は柏木に付いていく。
と言うのは富田アンカーが動くと真ん中に誰も居なくなるので基本動かず、スペースを守るが約束事なのだが、今日はそこをうまく使われているので、柏木に付いた方が効果的だった。
さらに、そのスペースを2トップに使われないように、キムと平岡が2トップに付く事で起点を作らせない事に成功。
これでようやく浦和の攻撃を止める。

仙台の攻撃

仙台の攻撃もテコ入れする。
IHは青木阿部に捕まらないように普段よりサイドに開いてもらうことが多かった。
ただ開いたときにWBと同じレーンになりパスコースも作れずCBに返す他無かった。
(この日はそこから無理やり前に進めようとしてボールを失っていた)

そこで、攻撃でも富田を中央からボールサイドに動かしパスコースを作った。
ようするに、IH→富田→逆サイドに展開。
展開先で数的有利で殴る。ということに成功する。
要するに浦和のボランチ脇のスペースをうまく使い相手の中盤を動かし数的有利を作っていった。
その事で浦和陣内のハーフコートゲームにすることを成功したが、得点は奪えなかった。

後半

浦和は基本的には変わらず。
というか、流石に富田脇を使う大作戦以外の作戦を仕込むには時間が無かったのだと思う。
ただ、大槻さんに気合を入れられたのか運動量が増えた模様。
ただし、それが落ち着いてからは仙台ペースに戻る。

仙台の二の矢

仙台は攻撃を加速させるために次の手を打つ。
それが永戸に変えてリャンを投入。
リャンをIH中野をWBにする。
ここから70分までの仙台は新たな扉を開いた感じだった。
IHが浦和のCBとWBの間に走る。
この時ボランチがついてきた場合、そこに生れたスペースをWBが使いそこからフリーで展開。
もし、ボランチが付いて来ない場合はIHにスルーパスを出し最終ラインを突破する。
この動きを応用して何度も決定機を作る。
ただし、それらのチャンスを決めきれない。

図はボランチがIHについてきた時の例

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仙台の失速

しかし、75分以降仙台は失速する。
WBが中に入ってくる時に大外を使う選手が居なかったりリャンがFWに近づき過ぎて効果的なパスを回せなくなった。

たぶんそれは先程説明した動きが効果的だったので、繰り返したのだが徐々に焦りがありIHが最終ラインに近づきすぎたという事だと思う。
それと阿部青木が最終ラインに吸収される事が多くなり、浦和の中盤が崩壊したのだけどそれと同時に仙台も目標が消えたために、立ち位置を失い前に行き過ぎてしまったのだと思う。
そのあたりは新しい扉を開いたら新たな課題が出てきたということだと思うがそんなに深刻な問題では無く次には修正出来るかな。という印象を受けた。

そんなわけで結局、最初の1点を守りきられて今年初黒星となった。

最後に

初黒星。
だけど仙台は新たな扉を開いた。
去年から苦労した5レーンを5バックで埋められたときに中盤で数的有利を作り出し、5バックも苦労しなかったのは収穫。
下手すると勝ち点3より大きいかも知れない。
55分から70分は再現性ありの攻撃だったし本物。
また、富田も一皮剥け展開が凄く効いていた。
仙台はもっと高みを目指せる。そう実感した試合だった。

浦和は気合が凄かった。
完璧な形で阿部が裏抜けした時の槙野のブロックを筆頭に平川の意地など良いものを見せてもらった。
戦術的にも時間が無い中仙台の弱点を付いたのは流石。
大槻さんの凄みも感じた試合であって浦和の意地を見た。

ただ、この大槻さんの相手をとにかく消すやり方では続かないだろうな。どこかで拒否反応が出ちゃうのだろうなと言うのがせつないところ。

果たして浦和はどこに行くのだろうか。
建て直すと言うが建て直すところはどこなのか?
ミシャ式なのか。はたまた違うところなのか。そこは興味深く見守ろうと思う。

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