2019年03月


スターティングメンバー

スタメン

仙台はルヴァンで点をとった長沢と梁を先発に起用。
互いに3-4-2-1ミラーということでどうするか。仙台はボールを持つのか
それとも浦和戦のようにボールを持たずに長沢を使うのか。

前半


4バック化の狙いと現実

仙台はボールを持つことを決断。そして、兵藤が下がっての4バック化だった。
4バック化の狙いは3トップに対して枚数有利にしてビルドアップを安定させること。
そして、大外から角度をつけてハーフスペース侵入する事だったと思う。
4バック化の狙い
ただし、現実はうまくいかなかった。
というのも、右サイド石原が相手のDFラインに近すぎたり、
ビルドアップの助けのために下がりすぎたり、立ち位置が安定しなかったためである。
左サイドも同じ作りで右サイドよりは狙いが上手くいった気もするが、大きな成果を得られたなかった。
そして、25分過ぎに湘南は立ち位置を修正。これで左サイドも封鎖されてしまう。
湘南の対応
こうする事で仙台の4バック化の狙いは消され湘南に捕まってしまった。
いや、実は捕まらない選手が一人いた。それがシマオ・マテだ

キーマンはシマオ・マテ

さて、このシステムのかみ合わせでシマオがフリーで受けられる事が多かった。

シマオ
シマオはミドルレンジのパスを出し、立ち位置をとったリャンにパスを数本は通す事は出来た。
しかし、そこから前に進まず2,3本のパスを経て自分のところに戻ってきてしまう。
なぜその先に進まないかというと、シマオはドリブルで運ぶ事もなく、少ないタッチ数で捌くため相手を引き付けられない。
だから、システム上フリーになるシマオが時間と空間の貯金を出来ないため前線が苦しくなった。
といっても、このタスクをシマオに与えた。(狙いでは無くたまたまなのかもしれないが…)
のがそもそもの間違いだと考える。
振り返ると、この4バックの設計図去年の天皇杯山形戦、決勝の浦和戦をベースに作ってきたと思われる。
去年ならここに奥埜が居て、石原のところに野津田がいた。
彼ら+1トップの石原で、2ボランチに対して数的有利を生み出す事が出来たのだが
この布陣。この配置した選手の特徴ではそれは不可能だったのだ。

残り5分の振る舞い

さて、そんなこんなで全くうまくいかない前半。
それでも、お互いにゴールレスの時間が続いたのは仙台にとって不幸中の幸いだったと思う。
0-0で前半を追われたら悪いなりに踏ん張った前半。という評価になっただろう。
しかし、40分過ぎに唐突に前線の選手がプレスをかけボールを奪いにいってしまう。
この前プレスに兵藤が連動。しかし、それ以外の選手は後ろに引くつもりだったように感じる。
この意識のずれが兵藤のいるべきところに大きなスペースを作ってしまい湘南の疑似カウンターが生まれ失点に繋がった。
かなり残念で未熟で余計な失点だった。本当にもったいない。
こういうところはピッチ上で意思統一をしてほしいなと思う。

後半

前半の出来を受け仙台2枚変え。長沢、リャンがアウト。阿部、カイナが投入された。
後半

動き出す左サイド動かない右サイド

この交代によって、左サイドが動き出す。
神戸戦でも見せた魔法陣グルグルである。
魔法陣グルグル
永戸、石原崇、阿部が連動してハーフスペース大外の出入りするのは簡単には捕まらない。
左サイドからクロスやシュートは確実に増えていった仙台であったが、
右サイドが動かないのだ。
いや、動かないのは当たり前なのである。
平岡が大外で、蜂須賀がインサイドに配置することが多かったのだが、
平岡は永戸のように大外で仕事をするタイプでは無いし、
蜂須賀も石原崇のようにインサイドでは特徴を出せない。
平岡がインサイド、蜂須賀が大外の方がまだ特徴は出せるとは思うが…
最悪な事にこのアンマッチな選手配置が2失点目を生んでしまう。
右サイド大外で平岡が仕掛けを失敗したところが原因だった。

無理やり動かす右サイド

ハモンを右シャドウに投入し、カイナをボランチにおいてからようやく右サイドが動き出す。
ハモンがハーフスペースでDFを引っ張ってポストで蜂須賀に落とす。そこからクロス。
だめでもカイナに戻し左右を経由し平岡がクロスみたいなシーンが多くなる。
右サイド
ここで、無理やりと表現したのだが、平岡のクロス精度はやはり良くない。
どう考えても蜂須賀にクロスを出せるように組み立てるほうがベストだと思うのだが
この日は平岡がクロスを放つシーンが多かった。そして、ズレて誰にも合わないのが悲しいところである。

ボランチに求めるもの

シマオからカイナになったボランチだが、攻撃面そして、仙台のコンセプトから言うと
断然カイナの方がよかったと思う。
仙台のボランチはやはり立ち位置とってボールを引き出して、前向いて捌いて、さらに
自分も前に出ていく。が必要であり、カイナはそれが出来ていた。
こうすることでようやく仙台らしくチーム全体が関わり合いながら相手を動かし押し込めるようになった。
シマオは守備面においては素晴らしく基本的には中央を締めてくれる。(この日は構造的に引き出されたが…)しかし、攻撃においても前半述べたようにそこまで前に出ていかない。
仙台の求めるボランチ像はボックストゥボックスであり、この日はシマオよりカイナの方がそれに近かった。(なお、守備はこの日はそこまで問われていないが。。。)

80分に左サイド永戸のクロスからハモンのヘディングで1点は返すが反撃そこまで。
1-2での敗戦。3連敗。開幕4戦勝利無しの最下位に沈む事になってしまった。

最後に

久しぶりぶちのめされた。
帰路。相変わらず湘南サポしか乗っていない伊勢原行きバスの中
考えても考えてもネガティブな事しか思い浮かばず結構苦しかった。
そして、試合を見返すのも結構辛かった。ハイライトは未だに見ていない。
なぜならば、ネガティブな事しか見つからなかったらまたぶちのめされるから。
でも、ネットを通じて色んな人から勇気をもらった。本当に感謝したい。

渡辺監督はトライ&エラーの繰り返しで新しい事にチャレンジするとチームのバランスを崩し勝てなくなって、でもそこから整理して勝てるようになって。というサイクルの繰り返しで、今はその勝てない時期なんだろうなとは思う。
そんなチャレンジ&エラーが楽しくてこのブログを始めた。
そして、この試合もそれまでと同様にワクワクする自分がいる。

この試合にも希望はあった。後半の左サイドであり、得点のシーンであり、カイナのボランチである。
僕は渡辺監督と天皇杯決勝の続きが見たい。と心から思っているし、その続きを見れる事を信じている。だから、こんなところで死んだりはしない。と信じている。
そして、この希望を活かしまたパワーアップする仙台を見せてくれると信じている。
それまで、自分なりにともに歩いていこうと思ったりするのだ。


スターティングメンバー

スタメン

仙台はジャメと阿部、石原崇のルヴァン組が先発起用。
そして、島尾がマリノス戦アンカーに続きダブルボランチで起用となりました。
神戸はアンカーを諦めダブルボランチを継続。サンペールは登録が間に合わず。
ところで、サンペールが合流したら4-1-2-3に戻すんでしょうかね。気になるところです。

前半

ポジショナル指向の第一人者ファンマと
ポジショナル指向の具現者イニエスタを手に入れトップダウンで理想を目指す神戸。
ちょっと前までミシャ式が無双していたリーグとは思えないですよね。

教科書通りの5レーンアタック

さて、仙台は今日はロングボールを蹴らない覚悟があった。仙台らしく立ち位置で勝負をするということです。
そして、このハーフタイムの平均ポジションに現れていました。
D1RoM0FUYAA81IB
綺麗に5レーンで驚きました。
さて、この立ち位置は教科書通りで練習通りなのです。

さて、立ち上がりは仙台がゲームを支配出来ました。それはシャドウが起点になれた事にあります。
かみ合わせ
図のようにシャドウがSBとDHの間で受け起点を作る事により押し込むことに成功しました。特に阿部のところからチャンスを作ります。先制に繋がるコーナを得たのも
ダンのパスが阿部に届いたところからでした。

教科書通りでも神戸に通用するところを見せます。

撤退守備でやれたこと

立ち上がり攻撃が狙い通りいった仙台でしたが、15分以降神戸が持つ時間が多くなります。(その理由は次の節で説明します)
その中で仙台は541の撤退守備を引きます。
撤退守備
が、この日はちゃんと中央を閉じサイドへ追い出す事に成功しました。
仙台は去年できなかった撤退守備が出来ている状態だったと思います。
中央のエリアで縦パスをほとんど出せない状況を作り出せました。
そして、神戸が前に進めるのはサイド経由。
そのサイドも大外からのクロスのみ。それは中で跳ね返すような仕組みで守れていました。
また、怖いイニエスタも第2レイヤーでのプレイに終始させることに成功。
それでも、無理やりこの能力で決定機を作るので恐ろしいのですが。。。

ファンマが施した2つの修正

1つめは山口と阿部のデートである。
仙台の5レーンアタックは前述のとおりかなり嵌ったのだ。それは阿部と石原が
DHとSBの間で受けそこから攻撃をしていたのでは、前述通りです。
神戸はそこに蓋をしたかったので、山口を阿部とデート気味につけハーフスペースで起点を潰しかかりました。このことで15分までスムーズだった攻撃が息を潜めてしまいました。
神戸の修正(守備)
ただし、石原のところは時折フリーになっていました。
これは、三田がタスクをこなせなかったのか、それともファンマがこの時点で右の形が無いことを知って放置したのかは判断付きませんでした。
もし、右に形が無いことを見通されていたのであればかなりキツイ状況だっと思います。


もう一つは、攻撃の修正5-4-1で撤退する仙台に突き付けたポドルスキ、イニエスタを真ん中に配置し島尾のところを古橋含め3VS1の数的有利にして突破する事だった。
神戸の修正(攻撃)
27分過ぎからポドルスキが仙台の圧縮4枚を壊す槍となり撤退守備を破壊し始めました。
失点に繋がったCKもそういった流れからだったと思います。
また失点のところは、

CKから陣地回復できずアンストラクチャな状態になっていました。
この失点の仕方はマリノス戦でも起こった事象でした。
ここは仙台の課題と言えるでしょう。

CB永戸の魔法陣グルグル

さて、攻撃時に山口に蓋をされ攻撃に困った仙台でしたが仙台も変化を見せます。
ポドルスキが中に入ったことで、永戸は攻撃時自由になっていました。
なので、そこを仙台は活かします。左サイドを数の暴力で殴り始めます。
図は一番シンプルな形。
石原崇が西を、阿部が山口を引き出し空いたハーフスペースに永戸がインナーラップするというもの。
永戸の
しかし、これだけではグルグルではありません。
グルグルとはこの3人が大外及びハーフスペースの立ち位置をグルグル交互に入れ替わる現象の事を呼んでいます。
基本は2枚で大外に引き出し1枚がハーフスペース突撃という形。
一番面白かったのが山口を永戸がピン止めし阿部がハーフスペースでフリーという形でした。
神戸の右サイドの守備明らかに混乱していました。
なので、ここからの攻撃でもう一点欲しかったのが本音です。
が、決定機どまりでゴールを揺らす事はありませんでした。

後半


失点は突然に

キックオフで、大岩が石原にロングボールを蹴る。ただし、石原には大崎が競るので、
競り勝てる確率が低いところに蹴ってしまい、
そこからトランジションゲームで負けてカウンターで失点。
と最悪なスタートとなってしまいました。
ここで、考えたいのはなぜ石原に蹴ってしまったのか。というところです。
ロングボール自体は悪だと僕は考えたくありません。それなりにメリットはあるとは思います。もう少し蹴る場所競る相手は考える必要があるとは思います。
例えば、初瀬VS蜂須賀ならばまだ勝てる可能性があったと思いますし、そこを選択するのであれば異論はありません。

魔法陣グルグル封じ

失点から始まってしまい状況的にはかなり悪い状況となったが、さらに追い打ちをかける。
それは前半圧倒した左サイドの魔法陣グルグルを封じることでした。
と大袈裟な表現を使ってみたが結局は左サイドの数を合わせでした。
ようするに、ポドルスキやビジャに守備意識を持たせましょうという事。
1回目には図のようにポドルスキが永戸の前に立ちボールを運ばせませんでした。
後半の対策

2回目は石原崇と阿部のところに入った時点でビジャが戻ってきて3VS2で数的有利を作らせず、
そして、3回目は失点に繋がってしまいます。
以下のように永戸が持った時にイニエスタとポドルスキが蓋をしたところに
無理に進んだことでカウンターを受け失点に繋がってしまいました。
②後半の対策
こうして、前半の二の手すらも潰されてしまったわけです。

カイナ投入の意図

さいごにカイナ投入の意図を書いて終わりにしようと思います。
さて、2-1の状況。そして、左サイドからの攻撃を2度封じられたところでのカイナ投入でしたが、この意図は石原にはできなかったレーン間攻撃を強化しようとしたと思います。
カイナ
しかし、すぐにカイナ投入直後に3失点し状況が変わってしまったことで、
このプランはあまり機能しなかったのは残念でした。
発想は悪くなかっただけに、第3の手になる可能性は十分にありそうでしたが。。。
ただ、75分以降神戸の運動量が落ちたことで間延びし仙台が前線で奪う場面が増えたのですが、あまり仙台としては形はあまり無く苦しいなか、カイナが個人能力でチャンスを作っていたのは印象的でした。

最後に

完敗でした。
それでも、このメンバーで、今出来る事はすべて表現出来たと思います。
そのうえで勝てなかったわけですが、悲観はしていません。
例えばこれが完成形で負けたならばショックですが、
出来ない事がたくさんあってそれは伸びしろだと思っています。
渡辺監督は暗中模索でやっているので時間はかかるとは思います。
それでも少しずつ改善は良くなっています。
例えば守備。5-4-1はまだ失点していません。
すべては5-4-1を保てなかったカウンターの場面とセットプレーから陣地回収できなかったりしている場面です。

このように少しずつ改善してくれると思います。
結果は出ていませんが、信じましょう。信じる者は救われます。

リーグ戦では「持たない」という選択をした仙台。
しかし、残念ながら結果出ず勝ち点1どまり。
このゲームではリーグ戦よりは重圧が無いので、
自分たちの哲学を示すゲームになるんだと思います。


スターティングメンバー

スターティングメンバー
仙台はスタメン11人全員入れ替え。
そのうち5人が仙台での初出場となりました。なお、照山はプロデビューです。
鳥栖は若い樋口、松岡あたりを使っていました。
正直に言えば、今年鳥栖を見ていないのであまりわからないです。

前半

前半主導権を握ったのは仙台でした。
10分の照山からジャメへの裏へのパスを合図に徐々にギアを上げていった印象です。

理想の3CBとジャメのレイオフ

さて、この日の仙台はボールを持ち、丁寧につなぐことを意識したゲームとなりました。そういう意味では哲学を示す前半と言っていいと思います。
その中心にいたのはCBの3枚でした。3枚全員が縦パス(レイヤースキップパス)を出せる。さらに、左右のCBは運ぶドリブルも実装しており、まさに仙台の理想を表現してくれたのは凄く大きかったです。
ちなみに、鳥栖はボランチ2枚を窒息死させることで仙台から自由を奪いたい。という意思があったように思えましたが、この日の仙台はボランチを経由せずとも前進する事が出来ました。
特にジョンヤが素晴らしくボールを前進させる3つの選択肢をすべて実行していました。
ジョンヤからの展開

鳥栖の狙いと課題

守備でハマらない鳥栖でしたが、それは仙台が良かったからだと思います。
鳥栖の課題は守備よりも攻撃でした。
カレーラスはSB及びウイングをタッチラインいっぱいに置くのが特徴的で、
バルセロナの香りがしていました。気になって調べたら選手時代にバルセロナを経験していました。バルセロナなので、幅をとって相手を横に間延びさせて1vs1を仕掛ける
または、ミドルレンジのパスを多用して相手を動かすのが基本となります。
しかし、鳥栖は同サイドばかりで狭いところにしかボールを進められず逆サイドの選手が無駄になるシーンが非常に多かったと思います。
ようするに幅広くとった立ち位置が無駄になるという事です。
鳥栖の攻め
上記のような立ち位置なのですが、これが右だけだとずっと右なので樋口、島屋、原のトライアングルしか活かせません。
しかも、自分たちで幅をとっているのにそこから選手たちはボールに寄ってくるので
仙台としては対処が楽及び奪った時に選手間が広く空いているので仙台としては楽に攻撃が出来ました。
サイドチェンジやヨシキを経由してもいいからサイドを変えられるともう少し攻撃が機能したと思います。

先制点は理想の形

主導権を握る仙台でしたので、先制は時間の問題だったと思います。
そして、先制点は仙台らしさが出た素晴らしいゴールだったとおもいます。



①ハイライトには無いがカイナー道渕が大外2枚で運んでカイナのサイドチェンジ
②石原が受けハーフスペースでフリーの阿部へ
③阿部が中へドリブル。この時リャンが阿部と逆に走り阿部と中に来たカイナにスペースを与える
④阿部とカイナがワンツーでペナ角侵入しシュートははじかれる
⑤道渕がリカバーし中へ。この時リャンが中に位置する事でDFを集めジャメをフリーにする
⑥ジャメが振り向きざまにシュート。
という一連の流れサイドに揺さぶりリャンがスペースと人を集める。
そして、難しいシュートを決め切るジャーメイン。
まさに理想形です。
PK?それは秘密です笑

後半

さて、先制した仙台でしたが、後半も前半の流れのまま決定機を量産。
しかし、なかなか最後決め切れず。52分に鳥栖が動き流れを変えます。

鳥栖の442の評価は?

樋口に代えて金崎を入れて4-4-2に変更しました。
この交代で鳥栖が息を吹き返します。
442の鳥栖

要因は3つ。

①金崎がライン間で受け、左右に展開できるようになったこと。
②ボランチ2枚が近くなったことでここでゲームを作りSHに展開できること。
③押し込むとボランチ2枚でセカンドボール回収出来る事。

しかし、最後のところがどうしてもアドリブで決定機はあまり無かったかなーと思います
この戦い方は、前半のコンセプトとは違う戦い方でした。
去年のやり方のようにも見え、これをカレーラスがどう評価するかは気になるところです。

照山の素晴らしいデビューと大岩が右CBというオプション

リズムを失ったところで照山はお役御免となりました。
しかし、彼自体は問題はなくまだまだやれそうですし、金崎と対面にも負けていませんでした。
衝撃的なデビューでした。高卒でこの時期だと周りに引っ張ってもらいながらちょっとでもいいから自分の良さを出せば良いほうです。
しかし、そういうレべルではなく中核でエンジンとなっていました。
すべてにおいてレベルが高く正直板倉より才能があるぞ。と思ったくらい。
とりあえず、ルヴァンで経験積んで夏くらいにファーストチョイスになれるんではないでしょうか。とにかく素晴らしい。そして、98年から仙台を見ていますが、その中でもNo1のデビューだったといっても過言ではないです。
本当に素晴らしい子を連れてきたものだと思います。

交代で入った大岩は右CBに置きます。これは常田真ん中時のオプションです。
去年から言っていますが仙台がこのサッカーを続ける場合CBが「スキップパス」を出せないとどこかで詰まります。
なので、「スキップパス」を出せる常田が必ず必要になるときが来ます。
その時に常田が真ん中右に大岩というオプションを試しておきたいという事だと思います。

総決算の3点目

さて、鳥栖が息を吹き返しさらにトーレスを入れて攻勢を強めますが、カウンターで仙台が突き放します。しかし、鳥栖もCKからゴールを決め2-1と詰め寄ります。

その中で勝負を決めた3点目がこの日の総決算でした。
この日素晴らしいパスを出していたジョンヤのパスからゴールが生まれます。


①ジョンヤのレイヤースキップパス
②ジャメがDFを釣りながらスルー
③阿部がDF1VS1抜き切らずにループ

③は阿部が最も得意とする形。ようやく仙台でも見せる事が出来ました。
②はジャメが成長した姿でした。状況判断も完璧なスルー
①がすべてでこれが今年のジョンヤです。このパスをこのレベルで出せるのならば、ファーストチョイスだと思います。正直板倉より良い。

と本当に素晴らしい流れだったと思います。
このゴールで勝負あり3-1で勝利でした。
2-1のままだったらここまでスッキリとした勝ちでは無かったでしょう。
この日ずっとやってきたCBからの「レイヤースキップパス」がアシストという結果に繋がって本当に良かったと思います。

最後に

仙台は完勝でした。
リーグ戦2節のモヤモヤをを吹き飛ばす事が出来ました。
今年も一定のクォリティーは維持している証明が出来た事は本当に良かったです。
そして、リャン、ジョンヤと去年ハマらなかった選手がアジャストしたこと。
カイナもファーストチョイスでおかしくない働きが出来る事を証明。
ジャメ、常田の若手も成長を示してくれました。
期待の松下もボール保持時には素晴らしくちょっと守備に難がありますが
そこもすぐ修正出来夏前には戦力として計算できる気がします。
今後に向けての楽しみが増えたゲームとなりました。

鳥栖は哲学をかなり変えたので時間がかかるのは仕方ないと思います。
簡単ではなく、相当時間がかかると思います。
例えば、マリノスはモンバエルツで2年で基礎を作り、
ポステコグルー2年目で花が開きそうで4年かかっています。
それを一気に進めようとしているので、すごく大変なプロジェクトだと感じています。
後戻りはできませんしやり切るしかないのですが…という印象でした。


スターティングメンバー

スタメン

前半

5バックと相性がすこぶる良いマリノス。
去年は全く守備が出来ず大量失点に繋がった。
それをどう解消するかがキーになる。

マリノスの狙い

さて、まずはマリノスの狙い。
攻撃はペナ角をどうとるかである。ぶっちゃけマリノスの選手の動きを
図で表すのは不可能で、選手が入れ替わりが激しくポジションは意味しない。
あるのは立ち位置だけである。誰が立ってても良い。立ち位置さえ取れてればいい。
ただ、無理やり表すと
マリノスの狙い

こんな感じになる。去年の仙台はCBが人に食いついて引き出された結果
ペナ角に自由を与えすぎたので全く守備が出来なかった。
さて、今年はどうだったかというと…
立ち上がりにいきなり蜂須賀と平岡が引き出され決定機を作られ不安になったのだが…

守備の成長と課題

結果を先に言うと去年よりは守れたのだ。
仙台守備

去年からの進歩としては、

  1. 最終ラインの圧縮率が上がった
  2. 3CBが特にアンカーがサイドに寄りすぎ無くなった

だと思う。
そのことによってたとえ、ペナ角に入られても外に追い出す事に成功したし
手ごたえは多少あったのだと思う。
あと、ここでは、守備のタスクがわからないと書いたFWのタスクだが、
実はCBからの縦パスを切ることだったのではと考えている
仙台守備とマリノスぼビルドアップ

ただし、この狙いは当たらなかった。なぜならば、CBからSBの高野経由でのビルドアップ
または、IHの天野、三好が2トップ脇に降りてビルドアップするなどがあり2トップの守備があまり意味ないものになってしまった
ただし、元々守備のタスクというより、攻撃の起点として前に残していく。
という意味合いの方が強そうに感じた。
ただし、課題としては2つ。まず一つ。
この日の守備はゴールを奪われないようにするための守備であった。
なのでほぼほぼクリアで逃げるしかなかったので自分たちが良い状態でボールを持つことが出来なかった。
本来守備は攻撃に繋ぐものであるべきだと思う。
ようするにどこにボールを運ばせてボールを奪うかの設計が無かった。
なので、仙台としてはクリアで精一杯であった。

もう一つ前半2失点とも同じだったが、この532でセットできなかった時の守備の脆さが見えたのかなと思う。
(2失点目は自分たちでバランスを崩してしまったのだが…)

攻撃が不発だった理由

ただし、この攻撃の起点は機能しなかった。
仙台の狙い1

仙台は奪う設計が出来てないので、基本的にボールを持った時に時間が無い
でも、それは想定済みだったのだと思う。
だから、仙台が用意した案は単純なハイボールで長沢と畠中をぶつけてそこで制空権を奪う予定だった。
が、ダメだった。喜田とサンドされ長沢の自由にできなかった。
それと、落としても中央はマリノスが支配。セカンドボールを全く拾えなかった。
#そういえば、ポジショナルプレーって中央支配なんだよ。
#みたいなことを書いたけど、これか!と思ったりもした。(宣伝)
従ってひたすらに、守備のターンになってしまった。

あと、ボール保持時に時間があった立ち上がりは永戸から蜂須賀への対角のボールを放ちマリノスのDFを揺さぶったり、蜂須賀から関口へのサイドチェンジもあった。
時間があれば何とかなったのだが、その時間を与えてくれないマリノスであった。

後半

後半は仙台が少し狙いを変える

仙台の狙い

仙台はCBの裏へ放り込むことを試みる
仙台の後半の狙い

このCBを後ろ向きに走らせ2トップと駆けっこをする。
これでようやくマリノスが慌てるシーンが生まれる事になる。
さらに60分以降はマリノスのインテンシティも落ちて少しだけ仙台に時間が出来始めたのをきっかけにようやく、5分の展開に持っていく。
長沢に代えてジャメを投入してより、この裏を狙う意識を高めようとしたのだが、
実際には回数が少なすぎた。
ここは今でもわからないのだが、CBの前で勝負するプレーが多かったり、ロングボールもCBの前に落ちるボールが多く、この狙う回数が少なかったのは不満だった。

ただし、少ない中でも
76分のジャメがサイドでキープ。
ハーフスペースが空いたところにリャンが走り込みシュートとようやく決定機を作り、
89分に同じように左サイドにジャメがキープ。そこからクロスまでもっていき最終的にはPK獲得に繋がった。
なので、もっと徹底的にこのスペースにジャメを走らせる事を繰り返した方が良かったのかなと思う。

不安材料

ところで、珍しく危機感を感じている。とても不安だったりする。
やはり持てないのだ。持たない。という戦略を2試合選んだだけなのかもしれない。
でも、良い形の攻撃が出来ていない。今日も60分以降もっと持たないといけない展開でもあったと思う。しかし、ポジションがとれずに持てていないのである。
浦和戦の時に

「スペインの中堅より下の弱者の戦い方に近くなったのかなと思う。身の丈あった戦い方とでもいうか。現実的な戦い方をしたなという印象。」
それはもしかすると、去年のレベルの戦い方がまだ出来ていないからなのかもしれない。
とはいえ、奥埜野津田の心臓を抜かれ今年の心臓になるはずだった椎橋が離脱。
なので、仕方ない。ただ、椎橋が戻ってくるのは4月になりそうなので、
それまでどうするか。もがき苦しむことになりそう。

収穫

そんな中でも収穫はたくさんあって、
突然の4-3-1-2ですがこれはマリノスのインテンシティが落ちた後とは言え
ようやく嵌った感がありました。
4-3-1-2

こんな感じで人につくイメージでしたが、結果としてSBにしか余裕がなくなっていた
従ってそれまでよりも前進が出来なくなっており、ようやくマリノスを捕まえる事に成功しました。ただ、もちろん仙台としてはスクランブル。マリノスは色々落ちている状況ではありましたが、それでもです。これも1点返す要素だったと思います。

また、島尾が戦力になること。そして、永戸のCBとしての完成度の高さは
今後に繋がるとは思います。

最後に

難しい状況であるのは間違いないです。
去年とは少し違う戦い方を選択していてで完成度も高くない。これからチームとして作り上げないといけないのかもしれないです。
完成するまでにはまだ時間がかかるかもしれません。
ただ、このゲームだってポジティブな要素はあり、去年とは違うやり方で
マリノスとようやくサッカーのスコアに出来たという事実はあるわけです。
能天気なだけかもしれませんが、次はようやく勝ちを期待できるゲームが出来るんじゃないかなと思います。
また、次節も同じようなサッカーの神戸です。
そういう意味では良い訓練になったのではないかと思います。
是非この経験を神戸戦に活かせてほしいと思います。

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