2019年05月


スターティングメンバー

スタメン

前半


トンチンカンな立ち上がり

久しぶりにトンチンカンだった。2分で先制。5分で同点。20分ので逆転された。
そして、45分でのスコアは3-2である。全くトンチンカンなゲームだった。
でも、清水はこの試合のために色々用意してあった。
非常に論理的で見返して楽しかったので振り返ってみよう。

清水の緻密な仙台攻略法

ビルドアップの局面から振り返る。
基本的にSBが大外から中へドリブルして入る。
これによって仙台の前プレスの基準は外される
中へのドリブルその1
この時にSBに付く選手は付いていくが、進行方向に対して面を切れない。
ひたすら縦しか切れてない。例えるならば飛車道は潰せるけど、角道は通ってる状態。
そして、中央から展開して、前プレスを回避される。

さらに、この動きは押し込んだ時にも有効だった。
中へのドリブルその2
中村が斜め後ろにある中央のスペースへドリブル。
このドリブルに対して仙台は一切制限をかけられない。
ここから一気に逆サイドにチェンジ。
(今見ると図の石原崇と長沢が逆かな?ま、いいか。)
仙台の4バックはボールサイドに圧縮し、ペナ幅で守る。
なので、ボールサイドと逆の大外は空けている。サイドチェンジされたときはスライドが必要になる。
しかし、こうも簡単に逆サイドに展開されてしまうとスライドが間に合わない。
だから、フリーでクロスを上がれるので苦しかった。
また、このSBの斜めのドリブルとウイングの斜めのドリブルを組み合わせたのが清水の1点目の形。
また、後半3点目の形もこの斜めのドリブルで仙台の守備基準を狂わせてペナ角使う形だった。
この動きに対して前半はずっと無抵抗だった。
個人的にはこの斜めのドリブルは目から鱗が落ちた。
これを今の仙台に防げる手段は無いに等しいのかなと思った。

ビルドアップとその封じ方とバランス

話は変わって仙台のビルドアップの形。
ビルドアップ有効時
椎橋が落ちて3バックで清水の守備基準を狂わせる。
そして、SHがボランチ脇を上手く付くってボールを運んでいく。結構安定していたと思う。
でも、30分すぎから何度か引っかかってしまう。それは、清水が3枚のビルドアップ阻止に変更したからだと思う。
ビルドアップ失敗時
ただし、悲しいかなこの時後ろのバランスが崩れていて、
仙台のビルドアップミスを誘発し決定機は作るものの、そのカウンター(自作自演カウンター)で、あっさりと失点してしまった。
(この図は石原に六平がついているが、カウンター時は六平脇をドリブル突破。)
全く持ってトンチンカンなゲームである。

後半


押し込めればこっちのもの

さて、前半は仙台清水ともにトンチンカンで2-3という派手なスコアになった。
そんなゲームの後半は仙台がリズムをつかんで仙台が良い時のサッカーが出来るようになる。
反撃の狼煙
まずは、ボール保持で押し込んだ形だが、左サイドハモンがエウシーニョ裏へ走って深さを作る。
そして、石原崇が中に入る。
この形で清水の最終ラインを押し込む事に成功する。
そして、押し込みボール非保持の局面が改善される。
前プレス
このように前で嵌める事に成功。清水を押し込み相手陣地でボールを回収し、何度も攻撃が可能。
このそして、59分に追いつく事に成功。
しかし、この同点弾。 石原崇が中へのドリブルから蜂須賀へ展開大外フリーで上げて
長沢が決めるという、前半の清水にやられたことをやり返した同点弾だった
(ただし、狙ったものではない気がするし、ちょっとこぎ着けた感はある)

押し込まれないための4-3-3

同点後に清水が動く。立田を入れて4-3-3に変更。さて、この4-3-3(4-1-4-1)は非常に有効だった。
4-1-4-1その1
IHで仙台のDHをピン止めする事によって、後半の頭のように高い位置を取られてプレスがかかることを回避。
また、アンカーがフリーになる事でここで時間を作り前プレスを回避する。
これによって、前半ガンガン前プレスを仕掛け相手陣地でボールを回収できた仙台が
相手陣地でボールを回収できなくなった。
4-1-4-1その2
また、押し込まれたときにも4-3-3は有効で、ここもIHでDHをピン止めし、深い位置に押し込む。
そして、竹内経由で逆サイドに展開。
前半のドリブル時と同じで簡単に逆サイドに展開されるので、スライドが間に合わないので
仙台としては非常に苦しむ事になった。
また、意図して左サイド(中村のサイド)に人をかけこのサイドで突破していた。
これは、逆サイドの北川の質を有効に活用したアイソレーションアタックをするためだと思う。
実際ここ、永戸VS北川は北川の圧勝であった。

4-3-3攻略と殴り合い

守備ではキツイ状況になったが、仙台も10分後には清水の4-3-3の弱点のアンカー脇を使い決定機を作っていく。
4-1-4-1攻略

お互いに守備が出来ない。お互いに攻撃の方が上回ったので殴り合いになった。
しかし、やはり殴り合いになると確率的に負けるのは個の力が劣る仙台だった。
常田のクリアを拾われて北川からクロスドウグラスが沈めて3-4に。
最後攻めたがハモンが退場してゲームオーバーとなった。

最後に

色々個人の能力が。。。という批判を目にする事が多くなった。
ただ、ここでは個人を責めるのではなくシステムを責めてみた。
やっぱり、殴り合いしちゃ歩が悪いし、こうやって簡単に逆サイドに展開されてスライドと1vs1を要求しちゃう仙台仕組みがいけないんだよ。というのを伝えたかった。
なので、最終ラインより中盤の守備が問題なのだろうとは思う。
ここが改善しないと安定して勝てないだろう。
ただ、自分たちの距離感にしてしまえば良いサッカーは出来てるので、ほんとに守備だけ。
相手の距離感の時に守備構築できて守って自分たちの距離感にしてしまえば大丈夫。勝てる。
課題は1つだと思う。
だから、僕はまだ折れない。


スターティングメンバー

スタメン

前半


序盤のボール保持と距離感

立ち上がり
最初に思ったのが「磐田の3ラインが間延びしているな。」だった。
なので、これは楽に攻略出来るかな。と思ったけどこの間延びが悪い方に出てしまった。
まずは、仙台のボール保持時の話から。
ボール保持_序盤
ボールを持った時に磐田のブロックは緩く深い位置にいるCBからジャメへ縦パスを入れる事を選択する。
ただし、この縦パス距離があるのでどうしてもズレたり、スピードが足りずにジャメが大井を外せず大井に奪われる機会が多かった。
スイッチの縦パスで奪われるので、仙台としてはリズムが出ない。
また、この仕組みでロストした後、WBにボールを展開される。
ジャメロスト後
そうなると、DFラインが深いため仙台の選手全員から距離があるので、前プレスにいけず
4-4-2にしてから良くなったネガトラ時の前プレスがかからない状況になってしまった。
前プレスがかからないので4-4-2で自陣撤退モードになるのだが、それがさらに良くなかった
この話は「改善出来なかったこと」に書くが、4-4-2自陣撤退モードでは守れない状況で仙台は全くうまくいかなかった。

1失点後の改善

GKからせつないゴールで失点した後、前半30分までは仙台がボール保持を改善出来、攻め込めた時間帯だった。
1失点後の仙台
CBから一発でFWの足元。というのを止め中盤を上手く使いながら相手を押し込む事に成功する。
(もちろん、要因として磐田が先制し少し引いたこともあるが…)
そうすると、CBがセンターハーフライン付近でボールを持て全体的に押し込める。
また、ここで石原崇が失点前より高い位置を取れたので、
ネガトラ時に最終ラインへ圧力をかけやすく、
仙台の4-4-2の良い前プレスがかけられ即回収が出来るようになり仙台のペースだった。

改善出来なかったこと

ただ、改善出来なかったは4-4-2の撤退時のバランスだった。
そのことにより、2失点目を生んでしまう。
まずは、撤退時こんな感じで、山田がフリーになる。
磐田のボール保持
山田から展開されるのは嫌なので、椎橋or 松下が山田をケアに行く。
山田のケア
すると、ボランチの片方の後ろに大きなスペースが生まれる(図の場合椎橋が出た状態)
このスペースにシャドウの荒木が入ると仙台はCBが引き出される形になる。

2失点目の構図

ジョンヤが引き出されるとその後ろに大きなスペースが生まれそこを使われる。
このスペースを使われたのがまさに2失点目の状況だった。

また、1失点目も仙台の単なるエラーのように思われるがCBが前に引き出されその裏のスペースを使われる。そういう意味ではこの日の失点は共通点があるのかなと思います。

なぜこんな事になるのかというと仙台は前から嵌めるとき「人基準」で嵌めていく。
それが撤退時にも出てしまうとスペースを守れないという事になる。
この日はまさにそれだった。
仙台は手倉森さんが去って以来この「スペースを守る」という守備を作れないでいる。
やっぱりそれはしんどいなとも思ったりする…

後半


前プレスと撤退守備の改善

さて、2点ビハインドになった仙台。
後半修正したことをは2点。
まずは、前プレスだった。
前半は距離があるために前プレスを諦めていたが、後半は距離があっても気合と根性で走って前に詰めるだった。
後半の前プレス
相変わらずの人基準だが、それでもこれで相手陣内でボールを奪い返す事に成功。
49分が象徴のシーン。ロングスプリントしながらも圧力をかけると、
石原崇が松本からボール奪いチャンスをカウンターに成功。
このプレーをきっかけに仙台は磐田を自陣に押し込む事に成功する。
(あと、大岩が入った事によって守備のインテンシティが上がり中山とアダイウトに自由を与えなかった。という要素もあるが)

また、撤退守備時にも少し改善を入れる。

撤退時はSHがケア
ボランチが上がった場所のケアにSHが入る。これでCBが前のスペースにつりだされる事を防いだ仙台がチャンスが決定機を作り始める。

ハーフスペースのプリンス誕生

仙台はこの流れを加速するためにカイナに代えて道渕を投入。
道渕がハーフスペースで躍動する。
カイナの動きには無いDFの背後に走ってボールを引き出す動きが非常に良かった。
道渕投入後の仙台
また、ハモンがハーフスペースで受けた時には真ん中のレーンに位置取るのも良かったと思う。

失速とロドリゲス無双

ペナ角攻略も出来た仙台は追いつくのには時間の問題だと思われたが、残念ながら長くは続かなかった。
流れが変わったのはジャメがピッチを去った事が要因の一つ。
長沢とハモンだとどうしても立ち位置が取れない事が多い。(ただし、ここはそんな気がするだけ)
もう一つは磐田がボール保持時にもWBが最終ラインに残りハッキリと5バックにし、道渕が使っていたペナ角のスペースにを埋めていた。
ただ、攻撃時にも5バックになった事により攻撃の枚数が確保できない。
そこで、磐田はシャドウを大久保とロドリゲスに変更。
これで、中山を混ぜた3トップで攻め切る。という選択だった。特にロドリゲスが止められず。とりあえず、左サイドに張っていたロドリゲスにアバウトなボールでも送っておけば、
シュートまで行ける。
ようするに質の優位性で殴られ仙台はどうすることも出来なかった。

そんな感じで、またしても名波さんの磐田に完敗。
後半良い時間もあったが、磐田との6ポイントマッチは0-2の敗戦となった。

最後に

前半を中心に振り返ってみた。
磐田、仙台ともに弱点がハッキリとしていてどちらが自分たちの距離感でゲームを進めるか
で優位不利がハッキリとした。
仙台は前半磐田の間延びした距離感に付き合いすぎて仙台の良さが出せず、
仙台の弱点をひたすら露呈。

後半は仙台が修正(修正の仕方は少し強引だったが)。そうすると仙台の良さが出た。
なので、磐田の距離感に付き合ってしまったのがもったいなかったなとは思う。
この辺りはもう少しタフに後半のように無理やりにでも自分たちの距離感にすべきだったし
そういうアクションを取るべきだった。前半はそのあたりが曖昧になってしまった。
もちろん、ちゃんと作ればどんな距離感でも対応できるのだろうが、そこまでの完成度がないのが辛いところである。

そして、6ポインターで負けてしまったのは本当に痛い。
でも、下向いても何もない。次のリーグ戦も6ポインターの清水戦。
反省するところは反省し、修正し清水戦勝つ事に集中してほしい。
いつかも言ったが今年は「前進と後退の繰り返し」である。悔やんでる暇はない。
次は前進しよう。


スターティングメンバー

スタメン

前半


トンチンカンな失点でのスタート

キックオフ直後、意味のないロングボールの蹴り合いになった。
広島はまずは様子見とリスクをかけないという意味があると思うのだが
仙台は何の意味があったのだろうか。僕らの哲学的にはボールを大事にしなければならない。哲学を無視してしまった。
その中でセカンドボールを拾われふわっとした失点だった。
3連敗中の広島。この期間は全てノーゴールだった相手に対して喉から手が出るほど欲しいゴールを最初から与えてしまった。

強固な広島

そんな悔やんでも悔やみきれない失点でスタートした仙台。
仙台がボールを持つ時間は増えていき広島を押し込んでいく。
広島の撤退守備
ただ、広島の撤退守備は固い。非常に固く非常に苦労した。
広島は基本5-4-1で撤退。
ボールサイドに寄せ逆サイドの大外は空ける傾向にあった。そして、
最終ラインの5と中盤の4の距離感が抜群に良く、仙台はこの間ではほとんどキープ出来なかった。
なので、所謂第3レイヤーにはほぼほぼ入れず、ボールを持てるのは第2レイヤーまでだった。

仙台のチャンスについて

それでも仙台はチャンスを作っていた。それはどういう事か。
相手の陣地でボールを奪っての「ショートカウンター」からチャンスを作る事が出来た
仙台の前プレスは
仙台の守備
前プレスはサイドに誘導して、広島のWBに出たところでSBでボールを狩る。
もしくは、ロングボールを誘導してドウグラスのところでCBが前向きでボールを奪った
このような設計で、きちんと意図通りの場所で奪えていた。
最高だったのは19分の場面。一度撤退するが、そこから前プレスかけて誘導してCBに
で奪うのは本当に素晴らしかった。

広島の前プレス回避

そんな仙台の前プレスに苦労した広島は伝家の宝刀ミシャ式で仙台の基準をずらした。
ミシャ式
稲垣が最終ラインに落ちて4バックになる事で仙台の守備を上記のようにずらす。
そして、川辺に対して誰も行けずにフリーになり、ここで仙台の前プレスを回避
する事が可能。そこから少しは落ち着いた広島。広島がミシャ式をやると感動すらある。
そして、何よりスムーズに移行できるのはさすがだった。

そんな感じで、仙台としては悪くない感じでゲームを進めていたが、
スタートの失点が重くのしかかる前半だった。

後半


撤退する仙台とロングカウンター

後半の仙台は4-4-2で撤退守備に切り替えた。
切り替えた理由はわからないが、
これで、広島のカウンター回避がそこまで強くない事を露呈する事になった。
52分54分そして、64分とハモンを中心としたロングカウンターで広島のゴールに迫る事に成功。
また、撤退時も川崎のようにCB-SB間をそれほど使ってこないので守れた。
ソロモンソンが2,3度CB-SB間を突いてチャンスを作るのみでチームとしての狙いは無い様にも思えた。それが仙台としては助かった点だと思う。

前半との違いと広島の綻び

撤退したことで仙台はボールを持つ位置が3-5m低くなった。
CBも相手陣地でボールを動かす事が多かったが、これが後半は自陣になり
ボランチが大体ハーフウェイライン上になった。
このことのによって、広島は前半より高い位置でブロックを組む。
裏狙い
なので、仙台はビルドアップ隊から一気にDFラインの裏へ蹴って一発でチャンスを作る
これによって、広島は微妙にDFラインを高く上げられなくなり、
第3レイヤーが前半より広くなり仙台は前半より攻められるようになった。
また、裏へのロングボールを脅威に感じた広島はビルドアップ隊に対してプレスをかけ始める。
広島の綻び

この図は78分の攻撃時に起きた事を整理してみた。
前プレスかけた川辺。野津田は川辺のスペースを埋めるために中に絞る。
そうすると大外の蜂須賀がフリーに。ここに遅れて柏が出てくる。
柏の後ろのスペースをカイナが使う。という感じだった。
これの直後に兵藤を入れ、この柏の裏のスペース攻略に力を入れる。
そして、狙い通り柏を引き出し、その裏のスペースを兵藤が使いハモンの同点弾をアシストとなった。仙台の狙い通りだった。
(同点弾の時に野津田と川辺を釣ったのは兵藤だった自身だったが)

ユアスタは燃えていた

さて、同点となったことで、ユアスタは燃えていた。さらに、89分に永戸が踏ん張りスローインをゲットしたことで沸点に達したユアスタ。こうなると魔物が動き出す。
そんな中で広島の振る舞に変化が現れる。
今まで守備からという意識で5バックだった広島がWBを高い位置を取り攻める姿勢を見せ、お互いゴール前でのシーンが多くなるオープンな展開になる。
オープンな展開となれば暴れるのはユアスタの魔物を味方につけた仙台だ。
信じられない事にほぼラストプレーでハモンがプレスをかけ荒木からボールを奪うと、
石原崇、松下と繋いでユアスタはドラマチックなクライマックスを迎えた。

最後に

90分振り返ってみると、最初の失点さえ自分たちを成長させる要素だった。と思ってしまうほど。
それ以外は完璧だった。特に終盤の仕掛け方は非常に理に適ったもので、
小さな綻びを見逃さず得点に繋げた仙台スタッフは素晴らしかったと思う。

去年ホームの広島戦では逆転負けし、対応力の違いを見せつけられた。
今年は逆になったのだ。僕らは成長している。そう実感できたゲームだったように思う。

また、ガンバ戦で4-4-2に変更し戦える自信はあったが、
前回の川崎戦では結果を出す事が出来なかった。
だから、この試合で結果を出す必要が何よりも重要だった。
そして、この結果は大きな自信に繋がる。というより、自信が確信に変わる勝利だったのかもしれない。
さーようやく勝てるサイクルに入った。そして、迎えるはアウェイ静岡決戦。
しかも、両方共にシックスポインターとなる。
序盤の山場を前にしてとんでもなく大きな勝利だった。


スターティングメンバー

スタメン

前半


川崎の変幻自在のビルドアップ

仙台は前節と変わらず4-4-2であり、川崎は4バックなので仙台のプランは前節同様
SBに誘導してSBのが出すボールを奪う。というプランだったと思う。
ところが、全くそれが出来なかった。
というのも、川崎はビルドアップの形を複数持っており、仙台に的を絞らせなかった。
たくさんのビルドアップの形があり全部追う事が出来たわけじゃないが、2つ紹介する

・3バックにしてSBをフリーにさせるビルドアップ
ビルドアップ1

・4バックのままDHをフリーにさせビルドアップ

ビルドアップ2
そんな感じで川崎は仙台に前プレスの的を絞らせずスムーズにビルドアップが出来た

押し込んだら数的有利を作る

ビルドアップがスムーズなので、当然ながら仙台を押し込む時間が多くなる川崎。
川崎の狙いは左右のサイドで数的有利を作ってSB-CB間を狙い突破していく事だった。
図は左サイドでの形だが、右でも同じことが出来る。

川崎の押し込み

このようにトップ下がとDHがサイドをサポートする事によりサイドで数的有利を作り出す。
そしてSBに圧力をかけ、SB-CB間を狙っていく作戦だった。
仙台はこのやり方に四苦八苦し、ぎりぎりで跳ね返すのがやっとだった。
なので、仙台は「守れていない」状態が続く苦しい時間が続いた。

変形する時間がないので…

押し込まれた仙台はボールを奪っても形が悪くなっているので時間がない。
仙台は今のやり方だとボール保持は4バック→3バックの変化が必要。
しかし、3バックに変形する時間を作れない。
だから、4-4-2でのビルドアップを強いられたが、4-4-2だと

川崎の前プレ

のように対面守備を作られていてどこにも時間がなく苦しい。
本来ならトップに当てて時間を作りたいところだが、谷口+ジェジウにジャメとハモンが完封されている。
なので、どこにも変形する時間が作れない状況だった。
なお、1失点もその時間がない状況から、トップに当てるもそこで失いそのまま一気にゴールまでもっていかれた。

また、図ではきれいな4-4-2だが、押し込まれているので仙台のSHはもっと後ろにいる事が多く4-4-2も維持できていないため実際は図よりも苦しい状況だった。

反撃の一手と落とし穴

やられっぱなしの前半。20分頃から前プレスを変更。
カイナをより前にだし、4-3-3のような前プレスを見せると実際に26分に登里からカイナが奪いショートカウンターが出来るようになる。
そこからの10分間で登里を嵌めて3回ボールを奪っている。さて、何を変えたのかというと
仙台の前プレス
全体的に前のめり。
ジョンヤが脇坂にくっつきボランチをピン止めさせない。
仙台のボランチが川崎のボランチ対面出来、仙台のSHがSBを見るという形を作った
これでようやく仙台は川崎のビルドアップを止め互角の勝負に持っていける。
この前から奪うと、変形する時間が作れ仙台のペースに持っていける。

ここから、という時に常田-永戸の意思疎通が失敗しカウンターを食らい2失点目
オフサイドだったけど、あまりにも痛い2失点目だった。
ここから反撃という時の落とし穴だった。これで反撃の勢いは失い前半は2点ビハインドで終える事になった。

後半


前プレス継続と決定的な3点目

前半20分以降と同じように仙台は前からプレスをかけるように整理して後半に入った
またビルドアップも整理したような感じだったが、残念ながら確認する時間も無く
53分にPKを与えてしまい3失点目。この試合の行方が決まってしまう。
雰囲気的にはビルドアップも整理出来ており行けそうだったのでとても残念なPKだったが、
完全に質で殴られてしまった。

しかし、下を向いていられない仙台は長沢と関口を入れて闘志を消さない努力をする。
3-0になった川崎は4-4-2で撤退する時間が多くなり、そこから両サイド走らせてカウンター
そして、CB-SB間を脇坂が使い決定的な形を作り出す
CB-SB間迎撃


大岩投入の効果

さて、仙台は3-0になってから防戦一方になってしまった。
ここで、大岩を投入する。これで仙台はかなり戦えるようになる。
CB-SB間を大岩でケアするのだが、大岩だとCBのタスクを背負えるので、

と今まで狙われていた間を塞ぐことに成功する。
また、攻撃にも高さを生かし起点になる事も出来た。
大岩はSBだとこなせるタスクは少ないが、その分より堅実にこなしてくれる。
蜂須賀はこなせるタスクは多いが色々迷ってるので、今の蜂須賀なのであれば、
大岩の方が良いのかもしれな。
CBとしての振る舞い
さらに、おまけとして得点を生む。
素晴らしい得点だった。
得点

ガス欠する仙台ギアを上げる川崎

これで、反撃と言いたいが仙台は早めに3枚交代しているのと
富田-松下にかなり負担がかかっていたため、75分過ぎから足が攣り強度を失っていく
それをしり目に川崎は、大島、山村、レアンドロダミオンを次々とピッチに投入し
再度エネルギーを注入する。
その結果残り5分からは、もう一度ギアを入れた川崎がガス欠の仙台に牙をむく。
こうなると仙台はどうしようもない状態だった。
4失点目をしないようにするのが唯一出来る事だった。
そのまま3-1で試合終了を迎えた

最後に

残念ながら完敗だった。
もう少し良い守備が出来れば良い攻撃が出来たのだけど守備がハマらな過ぎた。
この試合で今年の違和感がハッキリした気がしている。

今季、撤退守備から攻撃がリンクしないと書いてきたのだが、
撤退守備でギリギリで跳ね返すを繰り返すので、奪った瞬間良い立ち位置じゃないのだ。
だから、攻撃にリンクしない。
確かに今年の5-3-2は去年より守れた。
強度は上がって跳ね返せた。だけど、それだけなのだ。跳ね返しても攻撃の良い立ち位置じゃないなので、攻撃出来ない。

この日もそうだ。守備がハマらないから押し込まれる。ギリギリで跳ね返すから良い攻撃の立ち位置にならない。ボールを奪っても時間がない。なので、クリアするしかない。
なので、仙台は3バックに変形する時間を作り出す事が出来なかったのだ。

特撮の悪役ですら変形する時間は待ってくれるのだが、川崎は待ってくれない。
なので、ボール保持の時にギャップと時間を作り出せず苦しんだ。

前プレスがハマってからは少しは時間が作れた。ようするに良い守備をしましょう。ということ。そして、僕らの撤退守備は跳ね返すだけなので、攻撃に繋がらない。なので、なるべく撤退したくない。そのための4-4-2採用なんだとはっきりした。という事が分かったゲームだった。

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