2019年10月


スターティングメンバー

スタメン

前半


ピン止めと大外からのクロス

名古屋は4-3-2-1。ようするにクリスマスツリー型だった。
それに対して仙台は、SHでピン止めしてSBで大外でフリーを作ってからのクロスからチャンスを作る。
また、シャビエルの守備が適当なのでシャビエルサイドの永戸のサイドがフリーになる。
また3センターのリトリートが速いので、松下が常にフリーになっていた。
ということで、仙台はストロングポイントである永戸と松下がフリーなので結構なんでも出来たというのはある。

仙台の保持

そして、その勢いでCKから平岡が合わせ先制に成功する。
このCKも監督、選手のコメントから推測するには狙い通り。仕込み通りだったようであった。

SHに選択を迫る名古屋の保持

仙台は早い時間に先制。がそれが重荷になり、若干全体が下がってしまう。
それによって4-3-2-1と4-4-2でかみ合わない部分があり、
そこをうまく利用して名古屋が保持して攻撃する時間が長くなる。

名古屋の保持

図のようにIHにSHが食らいつくとSBが空くのでそこからボールを運んで攻撃する。
ただし、名古屋は大外からクロスしか攻撃が出来なかった。
そして、シンプルなクロスからの攻撃では仙台を慌てさせることが出来ない。
シマオの能力。そして、平岡のカバー。そして、仙台に慣れ日々守備範囲が広くなっているクバ達がクロスを跳ね返し続ける。

クロスまではいけるけど、可能性は低い名古屋。
むしろ、松下、永戸がフリーになりカウンターに可能性を感じる仙台。
なので、押されながらも実は仙台がコントロールしていたのかなと思う。

4-4-2か4-3-2-1か?

20分過ぎからシャビエルがかなり流動的に動き時にIHが下がったりしてくる。
その時は、米本が一列上がったりしていた。
この動きが4-4-2に変化したのかなと思うようなシーン多かったように思う。
ただ。一度はっきりと4-4-2にしている。すぐ4-3-2-1に戻したけれども。

4-2-2-2

なぜ、4-4-2にしたのか。ていうと、やはり守備の修正なのかなと思う。
仙台の攻撃に可能性があったのでそれを消したい。特にここまでのびのびとプレーしている
永戸に対して前田で蓋をしたかったのでは無いかと考える。
ただ、前半の4-4-2は10分もたたないウチに終了を迎える。
結局、4-4-2だと攻撃が4-3-2-1より機能しないので4-3-2-1に戻しのだと思う。
この辺りに名古屋に苦悩が見える。

後半


ネト&赤崎による保持アタック

後半は4-4-2だったが、仙台が前から捕まえる時間が続いた。
ここで、名古屋ベンチは動く。赤崎とネトを投入する。
ネトが入った事で、ビルドアップがスムーズになる。この辺りは風間さんの置き土産なのかもしれない。

ネトが最終ラインに落ちて3バック化。
そして、丸山、中谷が2トップ脇まで運んぶ。そうすとSHを釣る事が出来るので
そこからから自由に展開する。

後半の名古屋アタック

これに対して仙台は中盤の守備無効化され、押し込まれクロスを両サイドから入れられる。
構図は前半と同じなのだが、前半はペナ中に3枚だったが、IHの役をCBがやるので、ペナ中にSH2枚+2トップの合計4枚が入れるので前半より迫力を持たせる事に成功する。
そんなこんなで、仙台はサンドバッグ状態になる。
76分のクバのビックセーブを筆頭にぎりぎりで跳ね返す。
ネト、赤崎の投入後、60分から仙台が追加点を決める83分の20分間は本当に紙一重であった。
ここでもし、追いつかれていたら鳥栖戦のように逆転負けしてた可能性すらあった。
だが結果的にかもしれないが、
ここを守れた。シマオ、クバの個人の能力。平岡のカバーなど後ろの能力の差であった。
(ジョーが居る名古屋に対して質で勝つなんてとんでもない事を言っている気がする)

アベタクの大仕事

69分に長沢に代わりアベタク投入してみたもののあまり効果なく。
ネト投入後の名古屋がボールを握りゲームを支配するなかでアベタクの役割が見いだせないままだった。
むしろアバウトなクリアボールを収められる長沢の方が役割があったのでは無いかと思っていた。
ただ、83分にクバのGKからハモンが競り勝ち裏抜けしたアベタクがペナ内で丸山に倒され
PKを獲得。
結局アベタクはこうやってカウンター時にペナ中に入ってアクションをしたい。
という事で起用されたのだろう。
ただ、想像以上に押し込まれたので、なかなかそのタスクをやれる機会がなかった。
それをたった1度の機会で自分のタスクをこなす。これぞ仕事人アベタクだった。
このPKをハモンがきっちり決めて2-0とした。
(正直外すじゃないかとドキドキしたわけだが…)

5-4-1で逃げ切り

苦しい時間の中で一発で追加点を取り余裕の出てきた仙台は逃げ切りのため、
ハモンに代えてジョンヤを投入。5-4-1で引き籠る。
名古屋は余裕が無くなりネト中心のビルドアップを続けられず
丸山をトップに上げて、クロス爆撃開始。
ただし、クロス爆撃なら仙台の方が上。ひたすらに跳ね返し続け仙台が2-0の勝利となった。

最後に

久しぶりにクリーンシートでの勝利。
クリーンシートの勝利は6月の東京戦以来4か月ぶり。
(前回のクリーンシートはセレッソ戦だがあれはゴールレスドロー)

後ろが迫っている中での6ポインター。勝利は必須条件だった。
そして、勝った。
開始直後のセットプレーと終了直後のPKでのスコア。
内容はぶっちゃけどうなのか。事実、後半は名古屋のゲームであってギリギリの勝利だった。
そんなの関係無い。このゲームは勝つ事だけが評価対象である。
6ポインターというのはそういうゲームである。

とはいえ、もちろん勝ったのにはきちんとした理由はあって、
それは積み重ねたものの差であったりこの日への準備の差であったと思う。

次も6ポインター。相手は絶好調神戸。正直強いと思う。
だが、そんなの関係なく
僕らが信じるこの道を行くだけである。
「信じたこの道を何処までも、いざ行こう仙台がある限り」


スターティングメンバー

スタメン

前半


試されるシマオ不在時の強度

松本がこの試合立ち上がりまず試したのはシマオ不在の最終ラインの強度だった。
松本はスタート5-3-2だが、ボールを保持すると5-3-1-1で永井を1トップ。
1トップの永井にどんどん縦パスを入れ永井が2列目に落とす。
落とした先がセルジーニョならばミドルをぶっ放すし、町田杉本なら左右に展開すし仙台を押し込むぞ!という設計だった。
山雅の狙い
なので、縦パスを入れられた後に永井の自由を奪う事が出来るかがキーになる。
もちろん、シマオとジョンヤじゃさすがに同じ強度は無理ではあるが、程度の問題だった。
が、残念ながらその1発目たった2分でその形をものの見事に点を決められる。

その後、バタバタしてどんどん縦パス入れられ永井に落とされ…とピンチが続いた。

永戸のアイソレーションアタックとジョンヤの運ぶ動き

10分を過ぎたところから仙台は落ち着きを取り戻す。
松本の守備は2トップが背中でボランチを殺し2-2のビルドアップを殺し左右のサイドに誘導する狙いだった。
山雅の非保持
なので、仙台のボール保持は富田が最終ラインに下がっての3バックになる。
そこから、松下に通して逆サイド永戸に展開。そこからクロスというのが仙台の基本的な攻めだった。
永戸アイソレーションアタック
また20分を過ぎたところからジョンヤが2トップ脇までボールを運びそこから展開を始める。
ジョンヤの運ぶドリブル
このような動きでようやく仙台が主導権を握る事に成功する。

クロスの狙いどころ

さて、決定機は永戸のクロスからだったが、そのクロスの狙いどころを整理出来ていて、
この日は松本の大外WBの裏を執拗に狙っていた。

松本の中は固いので単純なクロスではチャンスを作れない事を理解しており、
仙台はスカウティングしクロスボールからでも可能性のあるチャンスは作れており、そこはきちんと整理出来ていたと思う。

後半


5-3-2の「3」を動かせ

前半徐々に押し込めた仙台だが、チャンスはジョンヤからの展開と永戸のアイソレーションアタックの2パターンだけであった。
本来仙台がやりたいのはボールを動かし、位置を取り、相手を動かしゴールに迫る。
というサッカーなのだが、前半それは出来なかった。
そして、ハーフタイムでそれが出来るように整理出来ていた。
まずは、シンプルなU字ターンから3のスライドを強要。間に合わないならサイドフリーからクロス。
U字ターン
なので、松本はU字ターンでスライドが間に合わない場合WBが前に出てきてSBを捕まえるように修正。
WB
しかし、そこは仙台の方が1枚上。WBが1列上がったスペースをSHが使い相手を押し込む。
WB裏に突撃
とようやく相手を動かし空いたスペースを使うような事が出来てきたのである。
そして、決定機も作れたがあと一歩でネットを揺らせなかった
あと、右サイドの蜂須賀と道渕はこういう動きは出来ていたが左サイドはあまり出来なかった。
左は永戸の個の力で殴る。みたいなところが多かった気がする。
関口は立ち位置が取れないのかもしれない。なので、早めに石原崇を投入したのもうなずける。
ただ、石原崇は次に説明する動作で封じてしまった…

SHにマンツーで対応さる

60分以降に松本はスライド間に合わない場合はWBが一列捕まえる。
そして、そこのスペースを使うSHにはIHがデートで付いて行く。人ベースの守備ではあるが
対応はできた松本であった。
IHデート
もちろん、そのIHが居なくなったスペースにFWやボランチが使って前進出来れば良かったがそこまでは出来なかった。
というのが、今の仙台なのだろう。
位置を取れる者。スペースを見極める者。とそうじゃない者が存在するので
保持時に完全に連動しきれない。
だから、今の形になっているのだけれども…

ゲームをクローズする5-4-1

松本との「3」をめぐる攻防は面白かったし、もう少しで攻略出来そうな雰囲気もあった。
しかし、松本はそれに最後まで付き合ってくれなかった。
というのも、67分に田中隼磨を入れて5-4-1に移行。

こうすると、「3」なら左右に動かせたのだが、「4」になると動かせない。
さらに、最終列にはレーンをすべて埋まる5バックが待っている。
ということで、仙台は攻め切れない。また、途中からジャメを入れるのだが、
石原崇とジャメの両SHはハーフスペースに居座るのでそれを中盤の4枚の中央圧縮で防がれてしまう。
なので、両SHの立ち位置は効果的では無かった。
2トップそして、ボランチが位置を取れないのでこの5-4-1を攻略するのは難しく
思い返せば前節のマリノスの気持ちを今節知る事になるとは…

最後に

ということで、いわゆるスミ1での完封負けだった。

この試合、
大岩では無くジョンヤを使ったというところに保持するぞ。という覚悟はあったのだと思う。
だが、届かなかった。壁を超えられなかった。
現時点での保持するゲームプランでは、ここまでだった。
天皇杯の長崎戦も同じだが保持するプランにするとまだまだ足りない。
位置を取れない選手が多いというのが原因なのだが…

凄く好意的に言えばやれることはやったのだと思う。それでも届かなかった。

仙台は、
保持と非保持両方やりたい。と思っていてもう少しのところまで来たと思うのだが
現時点では保持時のプラン、理解力などが足りないね。というゲームであった。


非保持を整理すれば保持が足りなくなる。せっかく非保持は良くなったのにみたいな。。。
改めて難しさを感じるシーズンだなと思う。
まさに、そんなゲームであった。


スターティングメンバー

スタメン

前半


マリノスの狙いと想定外な仙台のゾーン守備

まずはこの試合の前提として、
マリノスは仙台の守備は人に食いついてくる。人基準の守備と分析しそれを利用しようとしていたと思っている。
さて、そのマリノスは保持時は扇原が一列下がって3-3-1-3を構成。
マリノスのポゼッション
マリノスの考え方は
①ウイングは大外に張って仙台のSBを引っ張りだす。
②SBを外に引っ張りたら、開くCB-SB間を狙う。
③そうすると、CBが外に出てくるので、この連鎖を使って中央空けて点を取る。

というのと、マルコスが常にDH裏に配置する。
この理由は、
①SBが中に絞って3センター形成。
②ここに仙台のDHが食いつく。
③すると、DHが空いてマルコスに入ってバイタルで何でもできる状態を作れる
という狙い。だった。
しかしながら、仙台はそれに付き合わない。
仙台はここでゾーン守備。場所を守る守備を実装してきた。

人には食いつかず、中央3レーン圧縮し中央閉鎖が基本的な考え方。
安易に人に食いつかずソリッドの4-4を形成出来ていた。
なので、マルコスが生きない。バイタルで持つことはほとんどなかった。
ならば、と大外ウイング経由の攻撃が中心の攻撃になるが、これにも5バック化で完封。
しかも、左右違う5バック化だった。左はSHの関口が下がり5バック化
右はDHの富田が下がり5バック化形成。5-3-2にで守る。

ゾーン守備1

ゾーン守備2

失点は事故と割り切るべき

マリノスがボールを動かすシーンが多いのだけれど前述書いた通り決定機は作らせない。
しぶとく守っている。と言えるのだが、先に得点したのはマリノスであった。
このシーンはマリノスの狙い通りSBとCBを外に引っ張り出し中央空いたところを
3列目から飛び出した松原が合わせ先制点になった。

さて、このシーンだけSB-CB間が広がったのだがこれは理由がある。
扇原のパスをハモンが1度カット。この時、富田が攻撃のスイッチを入れて前線に飛び出したが、このハモンのトラップが大きくなりふたたび扇原の元へ。
扇原がダイレクトでマテウスに。
この時富田は前線に走っていたので、CB-SB間を埋められず、大岩のところで、マテウスと高野2対1 を作られマテを引き出されてしまったのであった。
これは、事故と割り切っていい。もちろん、富田がスイッチ入れるのが早すぎたとかはあるんだろうが…この試合トランジションは早くしようとしていたのでその意識の高さが仇になった。

得点後のマリノスと仙台のカウンター

さて、先制したマリノスだったがマリノスはここから2バックでビルドアップに変わっていた。
理由は不明(笑)
ビルドアップその2

しかし、これが仙台にとって好都合だった。2トップと2CB数で合う。
さらに、高い位置のハーフスペースに入ったSBはSHで捕まえられる。
こうして、仙台は前から捕まえられるようになった。また、ボールを奪うと2バックでカウンターはよりしやすい。
ということで、仙台のカウンターするシーンが増えたのであった。
また、いや、本来はパクもビルドアップ隊に加えて数的有利を確保したいマリノスだったのだが、この日パクのロングボールの精度はイマイチ。
ズレたとき空中戦を制するのは仙台であり、これまた仙台のカウンターの起点になっていた。
なので、この変化は仙台には好都合なものだったと思うのである。

後半


修正しマリノスのターン

前半先制後のマリノスは良くなかった。
なので当然マリノスは修正を入れてくる。
片側のSBだけハーフスペースに上げて3-3-1-3を形成する。
とはいえ、役割は決まっていて、高野を一列上げる。そして、松原を最終ラインに残しビルドアップ隊に参加する。
マルコスは前半最初と同じようにDH裏に位置して、DHをけん制するポジションに戻る。
ビルドアップ3

これで、バランスが良くなったマリノスに対して、仙台はふたたびカウンターが出来なくなった
ただし、マリノスもボールを持てるが中央は攻略出来ず、5バック化する仙台に決定打も無いままであった。
なので、膠着状態は続く。
なお、仙台はマテがサイドに引き出されても富田が中央をケアするという変化も披露する。
とにかくこの日は右サイドの5バック化出来ていてそこをケアする富田の危機管理能力はさすがのものだった。

ジャメイケ大作戦で間延びを誘発

良く言えばしぶとく焦れずに守っている。悪く言うと守るので精一杯。
という状況で動かないといけないのは1点ビハインドの仙台だった。
1枚目の交代は関口から石原崇。これは運動量、インテンシティの問題だったが
2枚目は戦術的な交代。
道渕に代えてジャーメインを投入。これで疑似3トップになる。
これで、左ハモン、右ジャメで最終ラインの裏へ走る。
仙台はシンプルに奪ったら3バックの裏へ放り込む。これが徐々に効いていく。
60分以降前4人の運動量が落ちたのもあって強制的にラインを間延びさせることに成功した。
疑似3トップ化
ちなみに、守備時はジャメは高野にデート。トランジション時にスピードで振り切る。
まさにジャメイケ大作戦であった。

分断し仙台のターンからの同点弾

ジャメイケ大作戦で間延びさせると、マリノスは前線の4枚と後ろの6枚に分断する。
そうなると、オープンな展開になる。
マリノスは4枚のカウンターだが単発。しかも、この4枚が位置を無視し始めて中央に集まり始める。仙台は中央封鎖の4バックなので仙台目線で言うとわざわざDFに近づいてくるイメージであった。なので、マリノスは個と個の勝負になるのだが仙台は負けなかった。
いや、むしろ仙台の方が優勢。なので、マリノスのカウンターは単発で終わる。

となれば仙台のターン。仙台は押し込んで回収してと良いサイクルに持ち込む事が出来た。
そうすると、仙台がいつゴールを決めるか。という状況になった。
これを回避したいマリノスは大津と遠藤を入れて前線の4枚に修正を入れるが変わらず。
仙台は大岩から蜂須賀に変更。これで右からもクロスを入れて押し込む展開に持ち込むと
89分に永戸起点の幅を使った攻撃から最後はこの攻撃の起点になった永戸が押し込みついに同点に。
この後もオープンな展開になるがお互い点を決めれず。
1-1のドロー決着となった。

最後に

いやー勝てた。勝ち点2を落としたのは仙台だった。
仙台のゲームだった。これまでまさに手も足も出なかったポステコグルーのマリノスにやっと勝負出来た。
そういう、手ごたえもあったが、勝てただけに満足は出来ぬ結果であった。

この空いた2週間を上手く利用しマリノス対策をきっちり仕込みそれがうまくいった。
課題の人基準の守備から場所基準の守備に変更出来たのも凄く良かったと思う。
だから勝ちたかった。ほんとに勝ちたかった。うおおおおん。。。
でも、だいぶチームとして整理が出来てきてやることが明確に出来てきている。
徐々に完成度も高くなってきている。色んな所が噛み合ってきている。
そこは、自信に持って良いと思う。
さて、次は山雅で残留争いの相手だ。そこにマテが累積で出られない。
そういう意味では仙台にとって1つの壁になるだろう。この壁を越えて残留はほぼ決め、
上を目指そう。まだまだ僕たちは一桁を狙える場所にいるのだから。

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