全体的な評価

表1
新加入

*1.新加入は色付きで示す。
*2.放出の色付きは19年シーズンリーグ戦の半分(1530分)以上出場した選手


放出について
近年ベガルタ仙台は意図しない主力の放出が2-3人/1シーズン 続いたわけですが、
今年はそれを最小限に食い止められた。
表1でわかる通り、リーグ戦の半分以上出た選手は永戸とハモンの2人のみ。
しかも、ハモンは非更新ということで仙台が意思をもって放出したということになる。
従って仙台として想定外の放出は永戸の1人だけとなった。
この事実だけでも、今年の編成は評価が出来ると思っている。

とはいえ、単純に去年の主力の半分以上が新加入の選手であり、複数年契約を結んでいたのでこのオフに関してはプロテクトがうまくいった。というわけじゃない。というのは一言付け足して置く。
クバにしても、シマオにしても松下、道渕、長沢この辺りは加入1年目の選手である。
あと、関口、富田、平岡あたりは年齢的に仙台が出さざる得ないオファーが来るとは思えない。みたいな部分もあって、結果的に残留となった。

加入について
加入について一番目が引くのはやはり、クエンカ。
これには驚いた。去年の鳥栖のやり方に近くなるのだと思っておりピンズドの補強だと思う。
さらに言うと全体的に「堅守速攻」を意識した選手を獲得したイメージに。
ただし、アレクサドレ ゲデスやパラがどこまでやれるかは未知数。
さらに、浜崎は青田買いに近く即戦力になるかは不明。
と結構評価が高そうなメンツな割に蓋を開けてみてなければわからない部分も付きまとう。
特にパラがうまく行かないと致命的になる可能性はある。なぜならば、本職の左SBがパラしかない。期待を込めて照山も左SBに加えたが新人2年目で本職はCB。永戸の穴が埋まらないと結構苦労しそうな気もする。

部分的な評価


FW編

FW

FWに関しては半分以上入れ替える形に。
残留は2人。去年の核であった長沢に俺のジャーメイン。
そこに新たにアレクサドレゲデスと赤﨑を加え4人態勢となった。
去年4-4-2の堅守速攻に適したメンツになったように思う。
個々の能力について少し書くことにする。


ゲデス
You Tube で確認したところ、縦に速くドリブルでペナに内持っていけそうなFW.
カウンター局面で力を発揮しそうで結構やれるのではないかと予想する。
ただ、買取オプションない単年契約。
所属チームは22年まで契約を残しているみたいなので、頼りすぎると来年苦労しそう。
そこまで考えると結構起用が難しい。

赤﨑
去年名古屋では主に途中出場が多かったようだが5得点とインパクトを残した。
90分計算すると1試合0.8点とそこそこの決定力になる。
基本的には裏抜けから正確なフィニッシュというイメージだが、ミドルシュートもあるらしい。去年決定力に泣いた仙台にとっては大きな戦力になると思う。

放出メンバー
アベタクと石原。なべちゃん政権の功労者を放出。
石原は18年くらいから仙台の出来ないところをカバーしてくれれていたのだが、
それがタスクオーバーを招いてしまった。
最終的には彼が得意なエリアでプレー出来ない原因にもなった。とても申し訳なかった。
ただ、堅守速攻の4-4-2では彼の持ち味はあまり行かせないので放出となったのかもしれない。
アベタクはコンディション。ここ2年半分以上出れなかった。というのはやはり致命的だった。コンディションが整えば間違いなくJ1で通用するので琉球でも頑張ってほしい。
ハモンロペスに関してはあれだけチャンスを与え給料も高いわりに6ゴールは物足りない。
Not his Dayが多すぎる。ハモンが決めていればという試合がたくさんあった。
それもそのはず、決定率は脅威の5.4%。多分J1最低の決定率。放出は致し方ないかなと。

ジオゴアコスタは秘密兵器で、秘密のままで終わった(笑)

MF編

MF

LSHについて
リャンヨンギを放出したものの、去年限界を感じていて放出は妥当。
(もちろんそう割り切れない自分もいるけど)
リャンの話をするとクッソ長くなるから置いといて(笑)
そこにイサッククエンカを補強。
安定感ある関口、ハーフレーンでも仕事が出来る石原崇、そして、ドリブルと変化を与えるクエンカと去年より強力になった。単純に強化されたといっていいだろう。

RHSHについて
カイナを放出も匠が帰ってきてカイナのタスクは匠がこなせるはず。
去年ブレイクした道渕。途中出場から足りない部分や組織を整理出来る頭の良い兵藤。
若い田中、佐々木がいる。ここも単純に去年より強化されたと思う。
最悪関口が左とかも出来るし匠、兵藤も左右出来るので問題にはならないであると思う。

DHについて
ここは去年から変わりがない。ので割愛。
もしかしたら、吉野がボランチ起用になるかもしれない。(ここでは登録DFなのでCBとした)
中原が半年過ごし、新監督になったので去年よりも何かをもたらせるかもしれない。
もちろん椎橋が去年のままで満足するわけがなく彼の意地を見たい。
そういう底上げは十分あると考える。

DF編

DF

LSBについて
一番の問題はこのポジションかもしれない。
永戸が鹿島移籍。 永戸は2ゴール10アシスト。 38得点のうち12ゴールに関わった選手を埋めなければならない。
そこに同じタイプのパラを獲得。彼にすべてがかかる。
ここまで全体的に強化だった部分が多いもののここだけは蓋を開けるまで分からない。
また、去年からLSBの本職が居ない。よってパラが外れると一気にピンチになる。
もちろん個人的には4バックになってからLSBを任されている仙台のキミッヒ事テルくんに期待はしているものの2年目で永戸の穴を埋めろは酷。どうしても、パラに頑張ってもらう必要がある。
ま、ただ仙台のレベルで永戸を過不足なく補強というのはかなりキツイ。仕方ない部分もある。

RSBについて
ここは浜崎を獲得。放出は無し。浜崎獲得はここ2年J2で注目した選手はJ1の上のチームにもっていかれるのでJ2ブレイクする前の(ブレイクしそうな)選手を取ろうぜ!っていう感じ。
また、LSBのパラがダメだった時に蜂須賀を左、右に飯尾or浜崎という事は出来るので
そのリスク管理も出来ている。ただ、蜂須賀を左というのはここ数年やっていないので
あまりやりたくないオプションではある。

CBについて
大岩は去年シマオにスタメンを取られて以来なかなか結果を残せなかったのと
出場機会が無く右SBなどであったのもあり、スタメンを求めて出ていくのは仕方ない。
それ以外は吉野が加わったのみ。(吉野はボランチかもしれない)
去年鉄壁のシマオと平岡のコンビだった。が彼ら抜きで戦えるようにならないといけない。
そのプランがあるのか。はちゃんとチェックしないといけない。
また、LSBがダメな場合は3バックまであると考えると最低限のメンバーか。

GK編

GK

放出はなし。
関、クバ、川浪の3人はハイスペック。層の厚さはJ1でもトップクラスじゃないかな。
そこに、レンタルからイ・ユノ、そしてユース上がりの小畑が加わった。
ただし、GK5人態勢は多すぎる気もする。JFLの編成が始まったら貸し出しはありえると思う。出来ればイ・ユノだと枠も空くからいいなー。
でも、小畑君の出場機会も欲しいので彼のレンタルもある気がする。

木山さんについて

なんだかんだ言って、一番のインパクトは監督交代だったりもする。
渡辺晋氏から木山さんに交代。
どういうサッカーをするのかはまだ未知数。
ただ、山形時代の印象(そんなに見てないけど)だとゲームを寝かせるのが上手いイメージ
でそこから、スイッチを入れて相手を攻略する。みたいなイメージである。
プレイオフの大宮戦なんかはベストなのかもしれないなーと思っている。
それを仙台にどう持ち込むか。
そして、このほぼベストな補強をどう使いこなせるか。実は一番未知数な部分である。
ただ、大崩れは無いのではないかと思っている。あんまり根拠ないけれども…

最後に

補強としてはほぼ完璧。
去年、一昨年より主力も抜けてない。
フロントとしてはほぼ完璧な仕事をしたと思う。
あとは木山さん次第だろう。頼むぞ木山さん!!

ただ、ひとつだけ。オフが完璧なだけに序盤苦労するとサポーターや周りから不協和音が出て崩れる可能性がある。僕が懸念しているのはここ。
きっとなべちゃんの影響が大きくまだ引きずる人たちもいてもおかしくない。
だから、木山さんで結果が出ないと色々言われちゃう気がするんですよね。
でも、そこは我慢して序盤苦労してもきっと結果が出ると信じるしかないと思う。
もちろん、内容精査して、ダメならダメと言うのも必要だけれどきっと我慢が必要。
そんなシーズンになるんじゃないかなと思います。
おわり