- 2.スターティングメンバー
- 3.初めに
- 4.前半
- 4-1.オーストラリアらしさ全開
- 4-2.対応策はCBからのロングボール
- 5.後半
- 5-1.4-3-3に変更し変則ビルドアップでリズムを取り戻す
- 5-2.これぞ、ワールドカップ。これぞナショナリズム
- 6.まとめ
- 7.ハイライト
■ 目次
スターティングメンバー
はじめに
お久しぶりです。
僕です。
お元気でしたでしょうか。まさかの2周連続のブログアップです。
今回、実は
「Qatar World Cup アーカイブ化計画」というのに参加しておりまして、この試合を書くことになりました。
それで、なぜこの試合なのか。
というと、今大会ベガルタ仙台サポーターとしてはちょっと今までと違うワールドカップだと思っておりまして、
選手としては板倉、シュミット・ダニエルが初めて元仙台の選手としてW杯に立つことになると。
(本当は南ア時の梁勇基なんですが、結局本大会に登録されず有耶無耶にされて終わってしまっています)
そして、ポイチさんも元仙台の選手です。
ただ、それだけじゃない。
オーストラリアにも元仙台がいまして、選手としては寿司をもたらした。ヴァカが代表に呼ばれていて
監督はあのアーノルド・グラハム。
仙台ではサッカー感が違いすぎて苦労しましたがよく考えるとポジションを崩すな。動きすぎるなというのは、
今で言う静的なビルドアップだったんじゃないかと。
それがあのときは受け入れられずガタガタになったわけですが、、、
というので、オーストラリアをチョイス。
相手はチュニジアということである程度オーストラリアがやりたい事も見えてくるんじゃないかということで
この試合になりました。
グループリーグ2戦目ということで、ここまでの状況を振り返ると
オーストラリアはフランスに先制するもその後4失点で逆転負け。
この試合で負ければ敗退が決まる。背水の陣。
2010年南ア以来の決勝トーナメントには負けられないゲームとなります。
チュニジアはデンマークに対してデンマーク相手に粘り強く戦い0-0とゴールレスドロー。
勝ち点1ゲットし初の決勝トーナメント出場には計画通りのスタート。
そして、このオーストラリアに勝ちなんとか1勝1分以上を確定したい状況となっています。
前半
オーストラリアらしさ全開
キックオフからオーストラリアらしいフットボールを展開しチュニジアを圧倒します。オーストラリアはDFラインから2枚のFWにロングボールを蹴りセカンドボールをCHが広い
サイドに展開しクロス。
という デイス イズ オージーなフットボールを展開してきました。
グラハムアーノルドが就任当初見せたCB3枚にして3-2 or 3-1 でビルドアップをしていく形ではなく、オーストラリアの良さを全面に出したオーストラリアらしいサッカーでした。
対してチュニジアですが、ボールを持つと3-2でビルドアップしたい。
ただし、オーストラリアはCBは放置し、IHに出させない。という立ち位置を取ります。
どうも、チュニジアのCBはボールを運ぶことは得意じゃないようで、ここでチュニジアは困ってしまいます。
結局中盤無理やり縦パスをCHに入れて奪われるか、ロングボールを前線に蹴るかの2択しかなく、どっちもオーストラリアの土俵で序盤は相当苦しい状況になっていました。
チュニジアとしては、セカンドボールCHの出すパスを奪いカウンターがもっとも可能性がある攻撃でしたが、これも最後のパスの精度が悪くフィニッシュまで行けず苦しい前半になったかなと思います。
ただし、デンマーク戦もそうでしたが、最終ラインは非常に強く単純なクロスは跳ね返し、
オーストラリアのセカンドボール奪取からのクロス爆撃には対応できており、
そこまで簡単に失点はしなそうでした。
ただし、このオーストラリアのDFラインから蹴って拾ってサイド展開からのクロス爆撃を防ぐ手段もなくただただペナ内で跳ね返す。
という状況が続きましたが、めげずにそれを続けることで先制点に繋がります。
これも、DFラインからロングボールを収めたデューク。
それをCHに落としてサイドに展開。そして、そのクロスを再びデュークが合わせオーストラリア先制。
このシーンですが、チュニジアが前から奪うような気配を見せて全体的にラインをお仕上げていたので、疑似カウンターのような形になり、DFが戻りながらの守備でクロスに対してセットできなかったのが跳ね返せなかった要因でした。
また、クロスも相手にあたり方向が変わり、ちょうど戻るDFの前に飛んだというのも得点の要因になりました。
少しの幸運もありましたが、2試合連続でオーストラリアが先制に成功します。
対応策はCBからのロングボール
先制されてしまったチュニジアはここから少しだけやり方を変更します。以前は出しどころがなく困って仕方なくロングボールをジェバリに蹴る感じでしたが、
このロングボールの受け手をシャドウのムサクニやWBのアブディに変更することで可能性を見出したいような感じでした。
ただ、やはりロングボール攻撃はオーストラリアの得意とするところであまり変化は起きず。
むしろ先制後オーストラリアもロングボール一辺倒ではなく中盤でボールをつなぐようになりそこを中盤で引っ掛けてカウンターという形が増えたことでジェバリにもチャンスが訪れ先制点前よりはチュニジアもチャンスを作ることができるようになった印象です。
チュニジア最大の決定機は分にロングボールをアブディに当てスローインをゲット。
そのスローインを早く行うことでオーストラリアの守備を破壊。
そして、ジェバリがうまくスペースを使って運んでペナ内に侵入最後は右WBのドレーガーがフリーでフィニッシュもサウターの渾身のブロックで弾かれ、そのまま1-0でオーストラリアリードで前半終了となります。
後半
4-3-3に変更し変則ビルドアップでリズムを取り戻す
サッシを入れてラドゥニと2CH。その後ろにスキリがアンカー。という4-3-3に変更。さらにビルドアップ時は右サイドバックのブロンが残って3バック化し、3-3-2のような形を見せたのが最初。
これでオーストラリアをずらすのかと思ったがそれ以降はアンカーのスキリが落ちて3-4-2-1を継続するというあまり前半と変わらない形ではあった。
ただ、入ったサッシのサポートとパスがうまくオーストラリアのプレスのベクトルをうまく掻い潜れるようになりチュニジアがボール保持しオーストラリアを押し込む事には成功しチュニジアが優位を保つことには成功しました。
また、中盤でのボール保持が安定したことでSBがオーバラップからクロスという形も出てきてオーストラリアをペナ中に押し込むことは成功するのですが、
ペナ中でオーストラリアは集中を切らさず、中々2枚のCB及びGKのライアンを攻略できず最後の1手が届かず時間だけが浪費されていく展開になりました。
これぞ、ワールドカップ。これぞナショナリズム
残り15分はお互いにスタミナ切れを起こしますが、そこでダレないのがワールドカップ。国の威信を背負っているとかいますがまさに、それでヘロヘロになってもダレず集中力はあってオールアウトするような試合が多いですよね。
それが、ワールドカップの醍醐味なんだと思いますがこの試合もそうでした。
お互いに諦めず足が攣って肉体が悲鳴を上げても走りきる。
素晴らしいゲームでした。
その中で前半は自分たちの良さを出し後半は劣勢の中ペナ中の守備を強いられても
集中切らさずに跳ね返し続けたオーストラリアが2010年南ア以来であるワールドカップ勝利を手にしたゲームになりました。
最後に
グラハム・アーノルドはもっと静的なビルドアップに拘るのかと思っていましたがそれよりも、オーストラリア伝統的な良さを生かしたチームを作ったなーという印象です。
確かにアジアカップなどはボールを持つけどどうするのが相手に脅威になるか。
どうやってボールを前に運ぶのか明確になっておらず、まさにグラハム・アーノルドのベガルタ仙台と同じようなチームになっていましたから、こういう戦い方のほうが良いでしょうね。
そして、意外なのですが決勝トーナメントに進んだ南ア以来のワールドカップ勝利でした。
あの時より選手層は落ちてるのは隠しきれないオーストラリアですがこの試合に関しては本当に素晴らしいゲームをしたと思います。
3戦目デンマーク戦たぶん負けなければ決勝トーナメントということで、この勝利でかなり決勝トーナメントに近づいた大きな勝利でした。
一方のチュニジアですが、前半は思った以上にボールを運べずでした。
後半サッシを入れてから改善しましたが、それを前半からできていればとも思ってしまいます。
初の決勝トーナメント出場にはだいぶ苦しい展開になってしまいました。