- 1.スターティングメンバー
- 2.前半
- 2-1.撤退守備を整理する
- 2-2.満を持しての前プレスからの先制点
- 2-3.変わりゆく大分のビルドアップ
- 3.後半
- 3-1.前半と違うビルドアップ
- 3-2.IHのところで奪う仙台と追加点
- 3-3.ミシャ式に対する仙台の守備
- 4.まとめ
■ 目次
スターティングメンバー
前半
撤退守備を整理する
大分に対する勝ち筋を整理した時に何よりも撤退する事だった。大分の特徴は後ろで回して食いついてきたところを疑似カウンターで仕留めるというのが特徴。ならば、食いつかずペナ中を埋めてしまえばよい。
押し込まれ大分のゴール前でのセットプレー、CKが増えても大分はセットプレーから2点しかとれていない(しかも前々節のガンバ戦での2点)なので、怖くない。
なので、ベタ引きでも構わない。それくらい仙台は割り切ってゲームに入った。
大分はメインで使用していた3-4-2-1では無く、3-1-4-2にしてきた。
仙台としては想定外だったとは思う。何しろスタートから3-1-4-2にするのは18節のマリノス戦以来15節ぶり。
それでも、仙台は最初からやる事を整理できていた。この辺りは対3-1-4-2は2試合連続
ということも大きかったかもしれない。
また、石原が先発ということで、ハモンより戦術的に動きやすかった。ということもある。
3-1-4-2にきちんと対応出来ていて守備時は4-4-1-1で対応。
石原がひたすらにアンカー長谷川についてパスコースを消す。
そして、SHは左右CBが持ち運ぶエリアを消しながらWBも見る。
三平+IHは2DHで見て1トップに残るオナイウにはシマオが見る。
こんな形で撤退守備をする。
また、たとえWBが大外侵入してSBが引っ張られてもDHが下がってSB-CB間を埋めるので
大分としては持てるが結局、大外からクロスしかなかった。
それを余裕を持って跳ね返す仙台。という構図になった。なお、大分があこの仙台を崩すのは13分のサイドチェンジを2回実行からのクロスのみ。
それ以外は仙台がストラクチャーな局面を作り続けた。ようするに、大分が仙台を崩しには
2回連続でサイドチェンジをしないといけなかったがそれはこの13分の場面1度だけだった。
満を持しての前プレスからの先制点
さて、失点はしない。でも、得点するにはこのままではいけない。そして、仙台の哲学として、戦略とは言えベタ引きでもいけない。やはり、前から嵌めたい
というのはあって、それが、20分過ぎから前プレスで大分を嵌めに行く。
嵌め方はガンバ戦と同じだったが、アンカー見るのがハモンでは無く石原で守備強度が上がったので、より強力なものになっていて、ガンバ戦では遠藤が空く場面があったがこの試合ではそれが皆無であった。
嵌められたのは2度。
22分の羽田から道渕が奪ってカウンター。これはパスがつながらず不発に終わる。
25分の岩田のパスを関口が引っ掛けて永戸が拾ったところ。
この25分の場面は決定機まで行くが最後にシュートブロックされCKへ。
そして、このCKでトリックプレーから道渕のボレーで仙台が先制する。
嵌めるところで嵌めて一発で取った。
理想的な展開だった。
変わりゆく大分のビルドアップ
さて大分を前で嵌めてショートカウンターから先制点をとった仙台がゲームを優位に進めると思ったがそうはいかなかった大分は変則2バック+ボールサイド側のCBがSB化する。
結果、SHがSBにピン止め。2枚のCBで展開されてしまい仙台の前プレスが有効な時間が終わった。
なお、仙台としては大分がどれだけ多くのビルドアップバリエーションを持とうとも
結果、撤退して中央を埋めてしまえば怖い事は無かった。
後半
前半と違うビルドアップ
仙台が1点リードで後半戦へ。大分はビルドアップの形をさらに変える。前半より多く小塚が下がって長谷川との2DHを形成する事が多くなる。
そして、小塚からボールを運ぶ事で仙台を押し込むがやはり、最後のところを攻略出来ず
大外からクロスでしか仙台のペナにボールを運ぶ事が出来ない。
この時間最大の決定機はオナイウがシマオを個人技で外しクロスを上げた48分の場面。
この場面を大分が外した事で勝負は決まったかもしれない。
IHのところで奪う仙台と追加点
押し込まれる仙台だったが、小塚から運ぶなら4-4-1-1で石原でIHで見る形に変更。そして、小塚から石原が奪ってロングカウンターというのが2度。
60分の大分のCKのセカンドを拾った小塚に対して石原が圧力をかけて奪った形。
そして、61分の追加点に繋がった形。両方とも小塚から石原がボールを奪ったものであった。
仙台は2点とも狙い通り。
相手を見て修正し、奪って速いカウンターからだった。
相当気持ちの良いゲームである。
ミシャ式に対する仙台の守備
さて、この失点で大分は小林を投入。3-4-2-1に変更。そして、小塚が下がって4-3-3の可変フォーメーションに。
それに対して仙台は2枚のFWで中央閉鎖。
この石原と長沢のアンカー番しながらCBに圧力を与えてサイド誘導する動きが美しく完璧だったので見てほしい。
最後まで大分は中央を使えずサイドにしかいけない。
サイドからはクロス。それに対しては余裕をもって仙台が跳ね返す。
最後までこのループで決定機を作れず試合終了のホイッスルを聞くことになった。
最後に
完璧。完勝。ホームだとこんなに強いのか。決して4-4-2の守備がバグることなくストラクチャーな状態を保ち続け、大分に中央を使わせずサイドで詰まらせる。
バグったのはDAZNのみだった。
仙台の守備は1年で大きく成長した。去年まで5バックで人海戦術しかなく、前プレスは人基準で外され死んでいたのとは大きく違う。こうやって場所基準にもなってきている。
そして、回数は少ないが前から嵌めることだって出来るようになった。
ホーム最終戦でその集大成を見せる事に成功した。
監督のインタビューの話は前回触れたので、今回はパス。最終戦後今シーズンの総括で触れたいとは思う。
とにかく、この試合は戦略的にも選手のパフォーマンスも結果も素晴らしいものだった。
それは誰もが認める事であり。開幕の状態からここまで状態を上げたので満足しないと。
だと思う。
とにかく残留も自らの手でつかみ取った。そして、いよいよ最終戦。今年勝ち点10しかとれてないアウェイである。
来年へ繋ぐ戦いを。なんて言わない。とにかく勝ってくれ。
アウェイ4勝目を何としても勝ち取ってほしい。
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