スタッツ

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スターティングメンバー

スタメン2

スタメン1

サブ

前半

土曜日の湘南戦に仙台は成長を見せてくれた。
そして、そこから中3日。木山さんは驚きメンバー7人入れ替えを実施。(こんなのプレビュー役に立たないよ)
そして、ベンチには強化指定選手のアピアタウィアと真瀬が入った。
木山さんすごいよ!歴代監督ではこんなこと出来なかったよ(これも降格がないからか)

ワンサイドアタック

さて、ゲーム。
これだけメンバーを変えると流石に湘南戦と同じ。というわけには行かない。
木山さんはそれはわかっていて、先発した個の良さが出るように湘南とは別の戦略を立てていた。
それが、ワンサイドアタックであった。
ワンサイドアタック

ちょっと懐かしいCB起点のひし形をにしてSB-IH-Wingでひし形作ってボールを前に進めるぜ!っていうポジション取りをしていた。
各スタートポジションは違うが、18年の良い時の仙台がやっていたビルドアップに近かった。
さらに、ウイングに入った時には
ワンサイドアタックその2
SBがオーバーラップで外側を駆け上がり、IHがハーフスペースをインナーラップで駆け上げる。
そうやって、ボールホルダーのウイングを追い越してチャンスを作る。
ウイングはその走り込んだ彼らにパスを供給する。
アメフトで言うとQBとレシーバーの関係のようになっていた。
なので、ウイングですら前節と役割が違う。この日のウイングはウイングタスクじゃなかった。
そんな感じで前半20分ちょっとすぎまでは仙台がゲームを支配する。
この時間に決定機が4つあってこれをひとつも行かせなかったのが敗因だったと思う。

ゲテスすごいぜ!!

ワンサイドアタックで輝いたのがゲデス。
4つの決定機のうち3つはゲデスが絡みチャンスには9割(当社比)ゲデスから生まれていた。
ゲデスは視野が広く一発で急所を突くパスを出せ、橋岡と対面していても前向ける個の強さも持ち合わせていた。
最初にみたYoutubeの動画と全然違うけど、スーパーだった。
特に10分の山田に出した逆サイドへのロビングスルーパスは凄かった。
ウイイレでL1+△のロビングスルーパスのように一発で裏を取るパスであった。

もしかしたらゲデスがウイングに居なければこのワンサイドアタックが成立していないかもしれない。
逆に言うとゲデスがいたからこの方法を選択したともいえる。
(もちろん、ジョンヤがいるというのもあるけども)
事実、ワンサイドアタックの図面では右も書いたけど、実は右からはほとんどチャンスを作れなかったものそういう事だと思う。

4-5-1の時間が増えていく要因

攻撃の話はそんな感じで、今度は守備のお話。
仙台の支配する時間は前で3-3の守備が出来ていて浦和に対してボールを運ばせなかった。
(ま、デンの入り方凄くが悪くて苦労してたのでビルドアップがうまくいかないというのもあった)
DF理想

こんな感じで、仕組みは湘南戦とほぼ一緒なので、詳細は省く。
浦和のビルドアップ

ところが、この3-3を維持出来なくなり4-5-1の時間が多くなる。
その要因は、柏木が中央に固執しなくなってゲデス前に柏木が流れたりするようになって、
ゲデスが柏木に行くか、橋岡のパスコースを消すか迷う。
ここで、3-3のDFですべてのパスコースを消す事が出来なくなるように見えた。
ただ、理由はこれだけじゃなく浦和のビルドアップの形が複数あってそれらを駆使して
仙台の3-3の守備基準を破壊していったように感じた。
ただ、ざっくり書いているのは何故ならよくわかってないから。
で、4-5-1の時間が多くなる。
4-5-1のDF

4-5-1になると、仙台は相手から奪える方法が無いように見えた。
逆に浦和はビルドアップが自由に出来るようになって浦和の時間が増えた。
また、仙台の4-5-1の辛いところは、CBの運ぶドリブルに対してIHが対応する。
というところで、IHの負担が凄く多い様に見えた。

そして、4-5-1の弱点は…後半の失点のお話にも繋がるのでそちらで詳細は話す事にする。

後半


3-3の守備からカウンター!

前半アディショナルタイムに失点した仙台だったが、すぐに取り返す。
後半頭は3-3前からの守備が復活。
ショートカウンター

湘南戦でもあったが、関口が奪うスイッチを入れアタック。
最終ラインに戻されたが赤﨑がパスコースを消しながらサイドに誘導。
サイドに出されるが、柳が連動で圧力。
ここでは奪いきれなかったものの苦し紛れに送った杉本へのボールをジョンヤが奪い、カウンター。最後は赤﨑からのクロスを山田が決め同点に追いつく。
これを狙っていた仙台。ようやく狙い通りの攻撃が出来た。

60分以降は殴り合い

50分に追いついた仙台。
仙台が少し良い時間が続くが60分以降はお互いに強度をなくし間延びしオープンな展開になる。
そこで、仙台は一人でフィニッシュまで行ける、西村とジャーメインを投入。
そして、長沢も入れてウイングの単独突破からクロスで決めるぞ!という意思だった。
ただし、ウイング勝負のところで勝てなかった。
間延びしているので、前半のようにIHやSBのサポートが無いため1v1を制さないといけない。
それがこの日は出来なかった。
逆に同じ理由で投入されたマルティノスが仙台脅かしたのとは差があった。

どうしても、オープンな展開になると質の差が出てしまう。
なので、こういう展開は仕方ないのかなと思う。

失点のお話

で、失点のお話。
「2点とも質の部分で劣った」といえる。
1点目は山中のところ、そしてレオナルドに吹っ飛ばされるジョンヤ。
2点目も興梠のところ。またしてもジョンヤが一発でやられてしまった。

仙台の最終ラインの守備強度はかなり劣る。
去年もシマオマテがいないと簡単に失点したところからもわかるだろう。
そして、今シマオマテがいない。
吉野が入ったけど守備強度が高い選手とは言えない。
(吉野はそもそもCBが本職ではないわけだし)
なので、最終ライン勝負を避けるために3-3の守備を仕込んだ。
3-3の守備が出来るときは最終ラインに負荷がかからない。それは素晴らしい工夫だった。
問題はそれが出来ないとき、すなわち4-5-1で撤退になった時は辛くなる。
なので、出来るだけ最終ライン勝負にならないようにするしかない。

あと、浦和のアーリークロスが多かったのはそういう事情を狙って、CBとレオナルド勝負を作るためだったのかもしれない。(書いててふと思っただけですが)

小畑すごいぜ!!

最後に、小畑凄いぜというお話で〆る。
湘南戦もこの浦和戦も安定しておりあぶなかっしい場面は無かった。
それだけでも合格点なのに、64分のマルティノスのシュートを防いだのは規格外だった。
あのレベルのシュートはたぶん今まで経験したことないと思うのだが、あれしかないタイミングで止めた。

あのセーブは驚いた。18歳じゃない。ちょっと異次元で仙台は10年GKに困らないかも。
と思ってしまうくらい素晴らしいセーブだった。
また、1試合7セーブをこの試合で記録したが、10代で7セーブを記録したのはJ史上初だそうで如何に歴史的な事をしているのかがわかる。

小畑に関してはとにかく素晴らしすぎてほめる言葉が見つからないほどである。

最後に

仙台に、ユアテックスタジアムにフットボールがベガルタ仙台が帰ってきた。
実に4か月ぶりである。
しかし、その4か月ぶりに帰ってきたフットボールは日常では無かった。
サポーターがいない。チャントがならない。
聞こえるのは選手、監督の声、ボールを蹴る音、体と体がぶつかる音。そして、主審のホイッスルであった。

情熱的な両サポーターのチャントは聞こえてこなかった。
ユアスタはまだ日常では無い非日常であった。
無観客ライブで向井秀徳@ナンバーガールが「異常空間Z」と叫んだが、
まさにこのユアスタも「異常空間Z」であった。

そんな中で行われた試合。
ゲームは仙台が勝つべき試合であったが前半幾度とあった決定機を決め切れず、
逆に外したことは罪である。と感じる罰を受け一発で決められてしまう。
後半も同じであったゲデスが決定的なチャンスを外し逆に一発で興梠に決められてしまう。
内容は良かった。
それは事実である。
ただし、勝てなかったので満足してはいけない。
立ちはだかるのは質という根本的な問題なのかもしれない。
そことの戦いということで、ベガルタ仙台は18年の続きをようやく出来る状態になったのかもしれない。
質で勝てないなら工夫するしかない。
そして、内容は良かった試合は勝ち、内容悪い試合でも負けないチームにならないといけない。
内容良くても負けているようではまだまだだ。
ただ、そういう上を目指せるチームになれる可能性を見せたゲームでもあったと思う。

2月にはこんな事言えなかったわけで、それはほんと良かったと思うのだ。

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