- 1.スタッツ
- 2.スターティングメンバー
- 3.前半
- 3-1.電光石火の先制点
- 3-2.仙台の前プレスが嵌らない理由
- 3-3.覚悟の5-4-1へ移行
- 4.後半
- 4-1.ボランチのスライドで修正
- 4-2.シャドウの変化で押し込む大分
- 4-3.我慢比べからのセットプレーで勝負あり
- 5.まとめ
- 6.ハイライト
■ 目次
スタッツ
スターティングメンバー
前半
電光石火の先制点
キックオフから17秒での電光石火での先制点だった。この日の仙台はシステムを大分と同じ3-4-2-1のミラーにして、WBの裏を蜂須賀で取ってクロス。
それを逆サイドの石原が詰めて先制点だった。
このWBで裏を取る形はこの得点の直後にも見せていて仙台の狙いだった。
と思うのだが、実はその形はこの2回だけなので、どうなのだろうか。
とにかくこの先制点はボールを持たなくても良くなった。
という意味でも仙台に大きなアドバンテージになったと思う。
仙台の前プレスが嵌らない理由
そんな、さっくり先制した仙台だけれども、ボール非保持は結構苦労していた。島川が最終ラインに落ちて4バック化する大分に対して仙台はいつも通りの外を切るプレスでボールを奪いに行く。
ただ、この時にシャドウがボランチ脇まで降りてきて、そこにボールを付けられ攻撃の起点とされていた。
内に誘導しているにも関わらず内側の受け手を捕まえられていないという切ない現象が発生。
なので、仙台は大分を嵌められなかった。
しかし、決定機が作られたわけじゃない。
シャドウに入ったところから、パスでしか展開できないのがその理由。
前のパスコースはマンツーマンですべて捕まっていて前進出来なかった。
フリーのSBに渡されたら攻撃が遅れるので5-4-1で撤退する時間があった。
ここで、ドリブルで縦に運ばれたらきつかったが、ドリブルという選択は最後まで無かったので仙台とは怖くなかったと思う。
覚悟の5-4-1へ移行
前プレスが嵌らない仙台は、先制しているので無理する必要は無く、ひたすらに負け筋を消していけばよかったので、給水後、内側への誘導前プレスを止めて5-4-1で撤退する時間が増える。
大分のシャドウが使うボランチ脇のスペースを仙台のシャドウが先に消して、縦に入れさせない。
前プレスはSBに入った時に行く程度に減らし縦に入れさせない事を優先させた。
この状態で無理に縦にパスを入れれば仙台の守備網に引っかかり仙台のカウンターが発動する。
なので、保持している大分は前に進めず最終ラインでのパス回しが増える。
また、この日は仙台が5-4での守備だったから苦手な横スライドが普段より簡単であったため、
横に振られても対応できた。
ということで、大分はボールは保持すれど、仙台のゴールに近づけない前半となった。
後半
ボランチのスライドで修正
さて、後半は仙台が修正。俺たちは前から行きたい!という意思を見せるために前プレス時のボランチの動きを修正した。
前半と同じようにシャドウが外を切って内側に誘導する前プレス。
これと連動しボランチがボールサイドにスライドしてシャドウを捕まえる。
ということで、縦に誘導し誘導先でようやくボールを奪える事に成功し、完全に仙台ペースになるかと思われたが、、、
シャドウの変化で押し込む大分
大分も60分くらいに修正。シャドウをボランチ脇じゃなくてWB前に持ってくる。
これで、石原と蜂須賀の両WBをピン止めして、大分の松本、田中がフリーな状態を作る。
松本、田中に仙台のシャドウが出ていくと三竿、岩田がフリーになりそこから前進される。
ようするに、仙台は大分のWBとCBを両方をシャドウ1枚で防がないといけない
という状況を作り出す大分。
これを防ぐ方法が無い仙台。
大分は空いた方から前進し仙台を押し込んでいく。
ただ、押し込んだ大分は結局はサイドからクロスしか攻略法が無く、それをすべて跳ね返す仙台の最終ラインという形に。
今日は中央にシマオが居るため単純なクロスでは最終ラインは崩れずひたすらにクロスを跳ね返す。
我慢比べからのセットプレーで勝負あり
攻める大分、守る仙台の我慢比べが続く。そして、焦れた方が負けるというゲーム。
結論から言うと焦れたのは大分だった。
5-4で撤退する仙台に対して鈴木が最終ラインから少し雑なロングボールを入れる。
これを照山が悠々とカットしカウンターへ。
クエンカに代わって入った関口は最初は縦に仕掛けるが、
カウンターできないと判断しキープから一度落ち着かせ、
2次攻撃へ繋げる。
保持の形になった仙台は松下のパスからトラップで一枚外した山田がフィニッシュまで持って行く。
そして、そのフィニッシュで得たCKを自ら大分ゴールに沈め決定機な2点目を生みだした。
その後は2点差になった事で大分は前がかかりでバランスを崩し、
攻めるが雑になっていった大分は仙台の5バックを破壊するクオリティは無く、
このまま2-0の勝利となった。
最後に
完勝!!
そして、木山さんになってから僕のイメージする木山さんらしい勝ち方がようやく出来た試合だった。
ここまでは、自分のチームが主語でどうアクションしていくか。が中心だったけど、
今日は相手チームが主語でそれにどうリアクションしていくかが中心で、
木山さんは後者の方に長けていると思っている。
保持率も73対27と圧倒的に保持されたけれど、決定機は仙台の方が多かった。
ようるすに、保持は飾りだということだ。
大事なのはゴールに近づくこと。
パスを何本も成功させてもゴールに近づけない事もあるし、
一本のパスでゴールに近づけることもある。
それを体現したゲームだった。
大分は去年から撤退されると苦労し終盤中々勝てなかった。
そんな中で今年、前プレスの嵌め方がかなり良くなって、相手陣内でボールを奪っての得点。というシーンで撤退されても奪い返すことで活路を見出した。
ということで、木山さんは、だったら保持なんてしないよ。と潔くボールを蹴り込み、
前プレスも諦め5-4-1で撤退して大分の苦手なブロックの崩しを強制し、去年の勝てない大分の状況を再現させたのは見事。
ま、でも、これは17秒での先制ゴールがあったからこそ選択できたのかもしれない。
もし、あれがなかったら同じ事が出来たのかは不明だし、
後半押し込まれたところでの我慢比べのアドバンテージもなかった。
なので、やはり先制点はこの試合かなり大きなポイントだったと思う。
仙台はこの勝ち方をベースにしていきたい。と思うが
やはり、点をどう取るかが課題となってくるのだろう。
何度も言うがこの日は早々に点を取れたのでこの課題は解決できたが、いつもこういう風には行かない。
攻撃回数は多くない中でどう点を取るか。これを解決出来れば来年は問題ないと思うが、、、
果たしてそれを出来るか。ですね。
ま、兎に角今年は残り2戦ということで、しかも、残りは6ポイントマッチの清水、湘南。
ここを連勝すれば最下位は脱出できるだろうから、必ずこの調子で2連勝して
形だけだけれども残留圏で20年シーズンを終えれば悪くはないんじゃないかなと思える。
残り2試合。兎に角頑張ろうじゃないか!
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