スタッツ

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スターティングメンバー

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前半


人を意識する仙台を利用する山形

今週は震度6強の地震から始まり、原崎さんがCovid-19陽性疑いのためこのダービーに間に合わない。
というなかなかハードな状況で山形とのダービーを迎えた。

このゲーム仙台は前から奪うというゲームプランを建てる。
そのために、人に対しての守備意識高めでこのゲームに入る。
山形は4-4-2が基本的な布陣だが、実際は南がアンカーに入る。DHの片方と山田康がCH的な振る舞いをする4-3-3みたいな感じになる。
それに対して仙台は2トップを縦並びにして富樫はアンカー番で南に付く。
藤田にはリャンが、落ちてくる山田康にはフォギーニョが対応。

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という感じの設計で前から奪おうと思っていた。
だけど、そんな対応に対して山形は2箇所どこまでマンツーマン気味なのかを仙台に問う。
というのは、山田康がサイドに流れた時にフォギーニョがどこまで付いてこられるのか。
付いてくるならば中央空くのでそこを咎めます。という問い。
そして、アンカー役の南が一列上がる。
その時に、富樫がどこまでついてくるのですか?と仙台に問うのであった。
富樫が地の果てまで南についていった場合、ボールを奪ったとき中山が孤立して攻撃が成立しない。
攻撃を成立させるには中盤と中山を繋ぐ富樫が必要。
なので、どこまでも南に対応出来ない。という感じだった。

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一度、フォギーニョがサイドまで山田康についていったが、中央を使われてピンチになったのでフォギーニョはあまり中央から離れなくなる。
ようするにアンカー役として立ち振る舞う事に。
ただ、そのフォギーニョ脇を山田康及び南に狙われた。

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南の1列上がる時の対応はゆるふわ設計でフリーになることが多かった。

スペースを利用されてもカウンターで先手を奪う

ただし、そんな状況でも仙台が先制をする。
中央、DH周りは上記に書いた通り山形が1枚上手で上手くボールを動かすことが出来たが、
サイドに入った場合は両SBがパスカットしてそこからカウンター。
みたいな事が出来た。

そういう意味では人に強く行くと意識した事が全て悪ではなかった。
先制点も真瀬の山田拓の縦パスを奪ってカウンターから氣田個人技でネットを揺らし
押されていた仙台が先制する。
フォギーニョの必殺技ギャップへの縦パスはカウンターの時に輝く。
そして、去年はなかなか良さが出せなかったが、こういうカウンターシチュエーションが今季はあるので輝いた。

アンカー番とDHの人に突く特性を利用されての失点

先制した仙台であったが、先制後少し後ろに下がってしまう。
その原因というか、わかりやすい現象は富樫のアンカー番だった。

先程アンカーの南が1列上がった時に富樫がついていかない事が多かったが先制してからは
自陣深くまで戻るケースも増えていた。
それが、逆に押し込まれ下がってしまうという現象に繋がった気がする。

そして、富樫が深くまで戻ったから守れるか。と言ったらNoだった。
結局、富樫のアンカー番どこまで付いていくかはゆるふわ設計で多分富樫個人の判断なのでその判断にズレが起こっている。

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これは失点時の切り抜きなのだけれど、南は富樫がついているのにも関わらずフォギーニョが南を意識してしまい山田康へのパスコースを開けてしまう。
そして、藤田から山田康へ通され最終ラインを崩されて失点となった。

なので、引いて守れないので多少怪しい部分があっても前から行ったほうがオープンになりお互いにチャンスが出来るのでまだ前から行ったほうが良いという事なのだろう。

後半


仙台の変化は2トップ横並びで修正

南のアンカー番がゆるふわ設計だったので、もう2トップを横並びでCBを監視させる。
そして、DHはDHで見て前から嵌めていったほうが良くないか?
みたいな開き直りをしたのが仙台だった。

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という感じで前から嵌めていく。
上手くいったかどうかは微妙。ただ、この守備の変更がこのゲームの行方を決める事になるのだが、それはまた後で話すことにする。

また、山形は後半は風上に立った事でロングボールでシンプルに藤本に当てる事が多くなった。
これが良いのかは微妙。前半の出来だと繋いでスペースを咎めたほうが怖い気もしたのも事実。

で、お互いにロングボールの蹴り合いになったので仙台もボールが持てる時間が前半より出来る。
そして、相手を押し込んで左サイドで深さを作ってリャンがペナ角に進入した富樫にパス。
富樫は相手を背負いながらターンしてクロス、というか中に入れる。
中山が巧みな動きで前を取ってフィニッシュで勝ち越し。

リャンのクロスみたいなモーションからの素晴らしいパス。
富樫のポストから中に入れる動き。
そして、中山の背後から1瞬でDFの前を取ってGKの股を抜くシュート。
素晴らしいプレーが3つ続いたゴールだった。

人に食いつことで生まれた失点と得点

再び勝ち越した仙台だったが、直後に同点に追いつかれる。
この失点は人に食いつく意識のせいでスペースが空きそこを上手く使われた失点だった。

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藤田がサイドのDFが裏に走ったのだけど、人に行く意識が高いのでリャンが藤田についていく。
そうなると、リャンがいるべき中央のスペースが空く。
そこに、半田が國分とのワンツーでその中央のスペースを使いフリーでクロス。

杉本のファンブルもあって藤本が押し込み同点となった。
杉本のミスでもあるのだけれど、あのスペースを開けてしまいフリーでクロスを放たれた時点で失点に繋がる可能性は高かったのでダメだった。

前半から書いているけれど、この人に食いつくのが悪い子事ばかりじゃない。
というのが、3点目に繋がる。

2トップがCBを2DHがDHを見る作戦変更が得点に繋がる。
山形のビルドアップから南に通すがそこにフォギーニョが強烈に圧を掛けて南は前を向けず、圧がかかっているCBに戻す事しか出来なかった。
CBは圧が掛かっているので局面打開は不可能でSBへ繋ぐ。
そこは袋小路になっていて、SBにも圧がかかっていて、國分へ逃げる。
國分も石原が圧を掛けていたのだけれど、局面打開するために國分は逆サイドに広げようとしたのだが、それが遠藤の足元へ。
慌てた木村がファールをして、DOGSO判定で退場となった。

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パスミスを拾った遠藤の落ち着きがすごかった。
木村が慌てて来るのを見越して木村が触れないように少し大きめにボールタッチ。
そして、倒されたので当然ファール。状況的に退場は逃れられない感じだった。

冷静に見たら若干ファールなのか怪しいけど、あの瞬間で見たら間違いなくファールで赤だった。
そして、貰ったFKを自ら決める。素晴らしいFKだった。

正直1人足りない状況で引き分けでOKとした山形に対して攻めあぐねる仙台。
そして、カウンターで最後沈む。みたいな可能性もあっただけに、直接決めリードしちゃうのはこの試合の行方を9割決めた。

退場になった相手にはスペースを埋める意識

残り30分はほぼ仙台がパーフェクトに過ごした。
サイドの深いところを取ってシンプルにクロスだとカウンター食らう可能性があるので、
サイド深いところをとってもクロスを挙げずペナ角を取る意識が強くこれがカウンターを受けない事に繋がっていた。

また、守備も11人vs11人の時は人に食いつく傾向があったが、人数有利になったら無理をせずスペースを守る事に意識を変更。
なので、危ないところにスペースを開ける事もなくなって負け筋を消していったのは良かったと思う。
もちろん、山形が4-2-3にしてボランチ脇を付く選手が居なくなったので仙台が崩される事もなかったのも大きな要因だった。
上手く行けば4点目の可能性もあったし。でも、無理して4点目奪いにいき負け筋を引いたら意味ないので、得点は奪えなかったものの良いプレー選択が出来たと思う。

きちんとTPOを使えたいたのだと思う。
ただ減点する部分はあって、85分の石原のファールと富田の怪我時のスクランブルの対応。
そして、ラストプレーのクロス対応はかなり怪しかった。

ここは改善が必要。

そんなわけで、山形が退場出してからは0で抑えて3-2の打ち合いを制して
開幕5戦無敗とした。

最後に

このゲームを迎えるにあたっていろんなトラブルがあって準備が大変だったと思う。
だけれど、そのトラブルすら自分たちの経験に変えて良いチームにしてしまうような雰囲気すらあって、この自信を失い続けた2年間の傷が回復し、再生していくような感覚すらある。

内容的にはまだまだで山形に論理的に殴られた。
勝負を分けたのはオープンな状態の個人能力の高さだった。
その個人能力の高さをきっちりと活かし多くはないチャンスをゴールに繋げたのは価値がある。

次は町田。
町田は本当に強い。最初のベンチマークになるんだろうと思っている。
でも、仙台も強くなってきている。
この状態で通用するか。今から楽しみである。

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