15戦の長い長い連戦も最後の試合
みなさんお疲れ様でした!!!

鹿島について

初のACLトーナメント勝ち上がり。
ベスト8に日本勢として唯一残った。
が、国内では苦戦。なかなか勝てず大岩監督の首も危ないかも。なんて話が聞こえるほど。

スターティングメンバー

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特にコメントなし。
まぁーほぼベストメンバーなのかな。っていう感じですかね。

仙台について

怪我人続出でやりくりに苦労した連戦もこの試合で最後。
ルヴァンのグループリーグを1位で勝ち上がり怪我人も戻ってきた。
まずまずの結果を出したかなと。
でも、僕らはここでは満足出来ない。もっと上を目指したい。

スターティングメンバー

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最近は3142の方が基本陣形と言っていいのかもしれない。
そして、アベタクの復活が何を仙台にもたらすのか。

前半

前半0分の駆け引き

まず、試合前コメントで渡辺監督が
鹿島に対して、リスペクトしすぎないようにしたい
と語り、
富田がコイントスに勝ち、最初からサポーターの方に攻める攻撃的な姿勢を示した。

それに対して鹿島は金崎がキックオフシュートを放ち攻める姿勢の仙台対しての威嚇射撃を行う。
この駆け引きがたまらなく楽しい。
しかし、仙台はその威嚇射撃に怯むこと無く攻める姿勢を示す。

攻撃的な姿勢が生んだ先制ゴール

その入りの意識からか仙台はボールを保持した時にボールホルダーを追い越していく動きが多かった。

3分の場面もスローインを受けた石原を阿部が追い越し場面からだった。
そこから、逆サイドの蜂須賀に展開。折り返して石原がシュートも跳ね返されるが、セカンドボールを拾った富田がダイレクトで大外の関口に展開。そして、ここでも関口を追い越していく野津田がいて、
この動きで関口をフリーにするとニアの石原にピンポイントで合わせ先制となった。

先制した仙台はこの後もほぼ完璧な前半を過ごす事が出来た。

ギャップを利用する仙台ギャップを利用できない鹿島

その要因は鹿島が3142vs442に出来るギャップを理解出来ず利用できなかったこと。

もちろん仙台はそのギャップをいつも通り利用した。
球際で勝っていた。セカンドボールを拾えた。というのも気持ちの差では無く、
鹿島は仙台に対しギャップを埋められず誰が圧力をかけるかが最後までハッキリとしなかった。
その結果、選手が迷い対応が遅れたため、球際負けてたり、セカンドボールを拾え無いとなったのだ。

しかし、ここは仙台の戦術なので仕方ない部分もある。

鹿島のこの試合1番の問題はボール保持時にギャップを利用できないことだった。
いや、それどころか自分たちでギャップを埋めてしまったのだ。
鹿島はボール保持時に
両SBを高い位置に上げてSHを中に入れる。
これで攻撃に厚みを出すつもりだったのだろう。
下記は相変わらずデフォルメした図だが、
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532で守る黄色の仙台に対して赤の鹿島SB(安西&伊東)が上がると仙台WBに捕まってしまう。
さらに、SHが中に絞ることでIHに捕まってしまう。
これは全く効果的ではない立ち位置になってしまう。
そして鹿島はこの状態の時間が凄く多かった。


例えば仙台に対しては下記のように
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SBは上がらずに、低い位置に留まれば
十分なスペースがあり、有利な立ち位置となる。従ってここから前進できる。

また、この図ではこのSBから前進するとWBが前に出て迎撃を想定。
WBが前に出てくれば、SHがWBの裏をついてさらに深く侵入する事が出来る。

これをうまくやったのがセレッソで、象徴したシーンが清武の同点ゴールだった。

このようにギャップというのは両チーム平等に出来る。
これを利用した仙台。
利用するどころか自分たちで消してしまった鹿島。
というところが、前半の差だった。

後半

後半開始から小笠原、中村を外し
犬飼と鈴木を投入し、3421を選択する。

ギャップを埋めることを選択した鹿島

ということでミラーゲームにして、前半利用されたギャップを埋めることを選択した鹿島。

確かに守備面では前半ほど仙台の選手がフリーになる事が出来ず効果はあった。
だかしかし、鹿島もギャップが出来ず攻撃時にフリーな選手が出来ないので苦しむ。
80分まで決定機どころかペナルティエリアの中にほとんど入れていない。

システムがミラーなので選手同士対面してしまう。
従って、鹿島は動きで仙台の選手を外さないと行けなかった。
鹿島の3421はぶっつけ本番で選手がどこに動いていけば整理出来ておらず、ボールの出し手と受け手しか動いてない状態だったため、ほとんど仙台の守備陣に驚異を与えることができなかった。

前半仙台がフリーランでスペースを作り出しチャンスを広げたのと対照的だった。

ミラーでも有利な立ち位置を確保する仙台

ということで鹿島の攻撃は全然怖くなく、徐々に前で止められるようになると仙台はロングカウンターで鹿島のゴールに迫ることが出来るようになる。

このとき鹿島のトランジションが遅れるため、仙台はいつも通りの優位な立ち位置が取れるようになっていた。

得点になったCKを得たプレーが象徴的で、
板倉が前で止めてカウンター、野津田→奥埜→西村と繋ぎゴール前に運ぶと最後はバイタルエリアで奥埜がフリーな状態を作り出す事に成功し、そこからのミドルでCKゲットとなった。

この奥埜のポジションからミドルシュートは前半23分の場面と同じであり、これを防ぐためのミラーだった。しかし、最終的には仙台が有利な立ち位置を取れた。というのは鹿島からすると切ない。

天才 安部 裕葵

鹿島の3421は設計図が無く色々と問題を抱え仙台がこのままゲームをクローズすると思われた85分過ぎに鹿島は意地を見せる。
遠藤が左ハーフスペースからのクロスを供給すると鈴木→安部→鈴木と繋ぎ1点返す。

このとき安部のフリーランが素晴らしい。
遠藤のクロスに対してニアサイドにフリーランし立ち位置有利をとるのだが、
鹿島がチームで整理出来てなく選手感の共通理解もない状態であそこに走り込めるのは頭が良いからでありさらにセンスがあるのだろう。
こういう選手を天才と呼ぶのだと思う。
そして、日本だとなかなか育てられないから早めに海外に出てほしいというのが個人的な願いである。

仙台も一点差に詰め寄られるが逃げ切り仙台が15連戦最後のゲームを制した。

最後に

鹿島はリーグ戦勝ててないのが分かる内容だったかなと思う。
論理的な仙台に対して効果的な手を打てず、
さらに442でギャップを利用できる事にも気が付かず、付け焼き刃で3421を選択するのが切ない。
大岩氏の現時点での限界なんだと思う。
監督としての能力が問われていて
J1でもマリノス、湘南、仙台と論理的なチームは増えているので大岩氏がこの課題をクリアしないとJで勝てなくなると思うわけです。
しかも、書いてから気がついたが上記3チームに全て負けてる。これは偶然では無いということです。

仙台としては普通にやって普通に勝った。
惜しむべきはクリーンシートで終わりたかった。という内容だったと思う。
課題は残り10分足が止まって前プレスに対して立ち位置を取れなくなり押し切られてしまうことくらいか。

あと、仙台としては阿部が戻ってきたのは大きかった。
西村だとCFWの仕事が出来ないので、石原に頼ることになり、そこを潰されると起点が作れずにきつくなるのだが、阿部だとCFWのタスクをこなせるので二人で起点になれる。
これは大きかったとおもう。
2トップならこの組み合わせがベストだろうと思う。

ミッドウィークに戻ってきた平岡も含めやはりこの15連戦怪我人に苦しみやりくりが大変だったと鹿島戦をみて改めて思った。