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スタッツ

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スターティングメンバー

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前半


浦和のビルドアップvs仙台の守備

浦和のビルドアップとかボール保持に対して仙台がどう非保持を設計するか。
これがこの試合最大のポイントだった。

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浦和のビルドアップは伊藤が落ちて3バック化するケースが多い。
またこの日は西が幅を取る役目を果たす。
西は幅も取れるし中に入ってIH化も出来るしすごく器用な選手だなという当たり前の感想。
槙野から西へのサイドチェンジからクロスの展開。
これが前半6分の決定機。ユンカーのヘディング及び詰めるがここはクバの勝ち。

左サイドはデンからの対角パスが無いかわりに伊藤がボールを運んでいく。
なので、伊藤のボールを運ぶ事を関口で蓋をする。

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ただし、これには汰木が落ちてきて関口の裏を使って伊藤の代わりに汰木がドリブルで運ぶので阻止できない。
なので、仙台は前で嵌める。ないしビルドアップを妨害することはあまり出来なかった。

それでも失点しないのはビルドアップ隊が左or右サイドを決めたあとは仙台が上手く対応し横断、サイドチェンジをさせない。
なので仙台の4-4のブロックにずれが起きないので決定機を作らせない。
なので、仙台は後ろで守れている。という状態だった。悪くはない守備であった。

ついでに面白いので書いておくけど、このゲーム見る限りアンカー役の柴戸は
ビルドアップに時にボールを持たない。配球しないのは結構特徴的だなと思った。
じゃ、何をするんだ。というと2トップ間に入ってピン止め。それでビルドアップに貢献する。
ただ、それで良いのかは分からない。
でも、そこを使ってくれると仙台は奪うポイントにもなるのでリスク管理なのかもしれない。

パスはスペースに出すもの

さて、後ろで守ってる仙台はロングボールで攻撃の打開策を見出す。
ボールを奪ったら素早くSBの裏に蹴る。このスペースへのパスに2トップが走る。

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ようするに、高い位置を取るSBを咎める。そして、相手のサイド深いところで攻撃の起点を作り仙台は浦和ゴールに迫れた。
これが清水戦との違いで、清水戦ではパスは足元ばかりで狙われカウンターを食らったが、
この日は足元のパスはほぼ無く、裏へスペースへのパスなので狙われずらい。
なのでカウンターを食らわない。という感じでより仙台らしい展開にすることが出来たんだと思う。

カルドソは流れません!!!

仙台が想定通りの攻守で試合は手倉森さんの思惑通りに進んだ。
が、トラブルが発生する。それが西村の怪我だった。
22分西村が自ら交代を要求しピッチを去る。
代わりに投入されたのは、カルドソであった。

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ただ、カルドソは西村と違って流れないのでそれまでのSB裏を起点にしようぜ!
が影をひそめてしまう。
急遽の交代でカルドソの強さを中央で使う意思も統一できず、
SB裏を狙うチームと中央に居残るカルドソでかみ合わず思惑通りの展開から少し外れすこし、主導件が少し浦和へ移って前半を折り返した。

後半


カルドソを上手く使いSHが頑張る!!

後半は仙台が選手の特徴とタスクを整理する。

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流れないカルドソは中央で高さを使う。
ただし、槙野との競り合いではちょっと不利なので一列落として伊藤との勝負で互角以上に持ち込む。
FWが流れない分大外は右は関口がアップダウンを頑張り、左は加藤が中に入ってカットインとカットアウト両方狙い、間に合うならばSBの石原がアップダウンを頑張りサイドバックの裏を使うことで仙台の攻撃は復活。

50分付近の仙台連続決定機もこの仕組みから生まれていて、ここで1点決めていれば大きく勝利に近づいたのだがそこに西川が立ちふさがった。

そして、53分デンが退場ならばそれも勝利に近づいたのだけれどもそれはOFR(理由はレッドカードレビュー)でなんと逆に赤崎のファールでイエロー取り消しというレアケースも体験。

決定機は多い時間だったけどそれを手にすることは出来なかった。

興梠はやっぱり恐ろしい…

浦和の反撃は興梠投入から。
前半と同じように4-4のブロックを横断出来ず縦にしか進めず仙台のバランスを崩すのに苦労していた浦和だが、この縦の動きに磨きをかける。
そのラストピースこそ興梠だった

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4-4-2にして小泉中央に配置。相変わらず大外は西が担当。
で、興梠が巧みにCB裏を取りボールを引き出すとそこを起点に浦和はチャンスを構築。
ようやくペナ中で攻略するきっかけを作っていった。
それに対して仙台は得意のペナ中で体を張って守備をして跳ね返していった。
これぞ手倉森仙台。という感じの守備であーやっぱり戻ってきたなと思う時間でもあった。

サイドを変えてもう一回ギアをあげる

興梠投入から押し込まれた仙台だったが最後10分で氣田とオッティを投入し、
疲労の見える浦和の両サイドバックに対してドリブルで仕掛け浦和を押し込む。
ただし、ここで立ちふさがったのは槙野。
本当にめんどくさい選手で精神、プレーともにカルドソを完封したのは流石あった。

浦和も武藤や関根を投入してパワーアップを測るが仙台の集中した守備を破壊するには至らずゴールレスドローとなった。

最後に

いいゲームだった。
清水戦の内容が良くなかったのでそこから良くリカバリしたと思う。
仙台は集中して良い守備をし、体も張った。逆サイドの絞りもサボらなかった。
なので、これを崩すのはなかなか大変だと思う。

また、これまではここから攻撃に行くのに苦労してた面もあるがこの日は前半攻撃が頑張る事で攻撃を成立。

西村が居なくなったことで後半はサイドハーフが頑張る事で成立させた。
この日は最後のところカルドソが抑えられてしまったのでゴールは遠かった。
ただし、それは槙野をほめるべきだし、槙野がどのチームにいるわけじゃない。
なので、カルドソが勝てるCBであれば相当やれそうな気がしている。

とりあえず、今は負けない事。そして、あわよくば勝ちにすることが大事でその道筋はたった試合に見えた。

次の札幌戦で再び中断に入る。最後札幌戦に勝って気持ちよく中断期間に入りたいものである。


ハイライト



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スターティングメンバー

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前半


3-1のビルドアップに対して用意周到

さて、立ち上がり仙台のゲームに出来た。
仙台は対浦和の対策を組み込んでいて前から嵌める事に成功はした。
(ただし、見直したら思ったより浦和の立ち上がりが悪くて成功したけど浦和の状況がより良く見えたのかもしれないと思っているのは少し内緒な話)

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ということで、3-1のビルドアップに対して西村+両SHで前プレス。
IH化する浦和の選手とウイング化する選手はSB及びDHで迎撃してボールを狩る。
また、ビルドアップ諦めて蹴ったボールも仙台が回収。
ここで仙台が2-3回チャンスを得たが決められない。最大の決定機は6分のスローインを奪って西村フィニッシュの形。
これを決められないのは痛恨だった。

浦和の修正でうしろに重くなる

飲水タイムちょっと前から浦和のビルドアップは少し変わる。
はっきりと変わったのは飲水タイム後だと思うが、
これは2トップが縦に並ぶのを逆に利用する。

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ということで阿部が関口脇を使う。そこに対して仙台は誰も対応できずフリーになる。
そこから西が大外運んで押し込むのが1つ。
そして、もうひとつは、2CBの背後の意識が高かった武藤がハーフスペースで待機するようになりハーフスペースを刺されるようになりそこを起点にされるようになった。
そんな感じで3-1-2の迎撃システムは沈黙。
4-4-2の撤退モードが多くなり後ろに重くなり攻撃が出来なくなる。

ロングカウンターが無いのでまー押し込まれると難しいね。というのが今の仙台なので仕方ないかね。

後半


仙台の問題突き付けられる

さらに後半浦和は3段回目の進化をする。

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3バック化。ただし、西がCBを務める3バック。2DHは中央じゃなくて距離を離してハーフスペースに立つ。
これは関口1枚を混乱させるだけじゃなくて、2トップで撤退した時にも2トップ脇から運べるようにする工夫だった。
さらに、仙台の問題点IHに対してDHが迎撃するシステム。
上の図は極端な状態を書いてるけども、DHが迎撃すると、中央が空く。そこを使われると仙台は死ぬ。

そして、そのスぺ-スから仙台は死んだ。
1.西から関根。
2.IH化した武藤が松下をいなしてターンし中央のスペースを使う。
3.上原は小泉(自分のマーカー)を捨て中央の空いてるスペースを守る
4.小泉がフリーになっている。そこにボールが入った時にCBが食いつくが後手
5.ワンタッチで武藤に戻されたのでCBが無力化
6.CBが空けたスペースを悠々と使うユンカー

という流れ。

仙台は4-4の中央閉鎖は位置基準だと思っていた(思い込んでいた)けど、
実は人基準だったので人がめくるめく移動すると混乱を起こす。
失点もはまさにそう。武藤が落ちる。小泉が逆サイドのIHに顔を出す。これですべてを破壊された。
ま、人基準なら武藤にターンされちゃいけない。っていうお話かもしれない。
そして、前節江坂に複数回ターンされてた松下。
1試合で伏線回収しなくても良いのに。

マルティノスの是非

失点した仙台は取り返すためにパワーが必要。
マルティノスと脳震盪明けの赤﨑を投入し同点を狙う。
で、そのマルティノス今の仙台では最大の個の力で間違いなくインパクトプレイヤーとなる。
実際にビハインドになってからチャンス。というかシュートに絡んだのはマルティノスのみ。
途中出場なのに、仙台で一番シュートを多く打ち3本ともゴールの可能性があるものであった。
もし、2本決まっていたらこの試合の英雄になれたかもしれない。
でも、本当にその評価でいいのだろうか。
それ以外のプレイは淡泊でセルフィッシュで味方なんて信じてないそぶり。
ま、実際に信じて無さそうなんだけども、フットボールは11人でやるスポーツであるし
手倉森さんは輪を大事にするしチームコンセプトを大事にする。
それを崩すものを嫌う傾向にある。
だから、マルティノスは評価を下げていったわけだがこの日も同じ淡泊でセルフィッシュだった。
たぶん、また評価を下げ使わなくなるかルヴァン要因になる可能性はある。
ただし、それで終わったら最大の武器を使えない事になる。それは困る。
クエンカが退団した今マルティノスまで使えないだと個人で勝負できそうな選手が消える。それで勝てるほど甘いJ1じゃないと僕は思っている。
絶対マルティノスは必要になる。それまでに気が付くか。
気付かせる事が出来るか。はひとつポイントになるのかなと思う。

最後に

負けた。
相手の変化についていけず、ビルドアップが嵌められない。という問題が1つある。
でも、嵌められなくても4-4-2の中央閉鎖で無失点で行けばワンチャンあったかもしれない。
これが仙台の勝ち筋。
でも、最後の砦4-4-2の中央閉鎖を真ん中ぶっ壊されてわ勝てない。
という話だった。
人基準でどこまでやれるか。なかなか大変だけれどもでもまー個人的にここ数試合はこれがばれなかったので良かったけど、この試合でばれたので大変かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
それと、もうひとつ人基準ならもっとハードにいかないといけない。

あそこでターンさせたらいけないよね。っていう松下の強度の問題かもしれない。

どう改善するかはひとつある。
ただ、僕はこの試合みて進歩を感じた。4-4-2のブロックで我慢しましょうしかなかった4月。
5月に入って徐々に前から嵌められるようになっている。

相手のプランAに合わせて自分たちのプランAを組み立てられるようには見える。
ただし、この日の浦和のように変化されると対応できない。
ま、チームじゃなかった3月。2か月でそこまで対応しろっていうのは無理だから割り切るしかないね。と思っている。
まずは、相手を見てプランを立てられるようになった事を喜ぶ事が今やるべきことかなと。
勝てないけど、進歩してるならば良しとしたい。というのが今の気分だね。


ハイライト



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前半


ミスからのゲームを難しくなる

この日仙台はある程度ボールを持てた。
そして、久しぶりに序盤からチャンスを作れそうな雰囲気があった。
しかし、7分田中のボールロストから失点。
これは周りにフリーの選手も居たので判断ミス。

そして、2失点目もミス。また、田中のボールロストからであったが、
この時に後ろから浦和の選手が来ている事を誰かコーチングしたのか?
していないのならチームのミスとなる。
この辺りはちょっとわからなかったが、、、
そして、ボールロストからファールしてFKを与える。そのFKをマルティノスがきれいに決めて2-0となった

ミスを引き起こしたのは保持局目の不味さ

閑話休題。
ミスは個人のミスか。というとそうは言い切れないのかもしれない。
この日右からのビルドアップはうまくいっていた。
右はアピタウィアが頑張りが、うまく行く要因だった。
ちょっと前まで出せなかった縦パスを出していたし自分のポテンシャルを上げてくれていた。
こういう成長を感じれる瞬間はいつだって最高だ
しかし、左は死んでいた。

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と椎橋が中央に落ちて左右のCBに展開する。
CBから縦パス供給となるのだが、その縦パス供給役が左はシマオになってしまい、
縦パス供給が出来ない。
なので、SBに付けるしかないパスを出す。
それでは前進しない。
受けたSBだって困る。仙台のSBは本来高い位置を取って相手SBの裏をねらいたいのだと思うのだが、自陣でのタッチが多くなってしまう。

椎橋がDFラインに落ちる事は悪いとは思わない。
だけれど、落ちてCBへの左右のパスしか出さないのは逃げていると言わざる得ない。
彼は縦パス供給できる人なのに、楽をしているように見えるので困る。
落ちてくるなら椎橋が縦パス供給し、列を突破しないと苦しい。
例えばシマオが左じゃなくて椎橋が左に落ちてくれれば全然違うと思うのである。

でも、左はシマオに任された。
なので、前へ進まない。
そんな状況の中で田中が自らその状況を打開しようと難しい事を考えた。
というのはあるんだと思う。
上手く行ってないチームにありがちな現象だと思う。

2失点目後の壊れる

2失点後、速攻3失点をしてしまう。
その時の保持が全く持って自信が無くボールを持ちたくないような雰囲気。
そこから、椎橋の横パスを奪われ3失点。
非常に良くない。そして、前々面白くない失点であった。

後半


松下-田中で保持局面を整理

仙台は、最終ラインに落ちる椎橋に代えて松下を投入。
松下-田中のボランチになる。彼らは椎橋と違って安易に下がらない。
そして、松下はCBに持ち上がるように指示をする。

浦和が3得点してDFラインを下げた要因もあるが、仙台が押し込める事に成功する。
そして、入りは良かったので、ゴールを期待できるかも。
という感じににはなり、3失点目のような保持局面に自信がないのは消えた。

シマオ・マテの弱点

だけれど、最初に失点したのは仙台だった。
押し込んだ。が、奪われてカウンター。
そうすると、シマオマテの弱点自分の裏を狙われと仙台は脆い。

川崎戦や去年がそうだったが、シマオは前に出る分には最強でありボールを狩り続ける。
横のクロスボールにも強い。Jリーグ屈指の盾となる。
ただし、裏を突かれた時には、本職DFじゃない。という顔を見せてしまう。
それが、この試合のすべてだった。
この後は残念ながらチームとして戦えず、レオナルドに2得点
結果0-6での大敗となった。

最後に

ごめん。ちゃんと書かないといけない試合だし、現状に対してちゃんと向き合わないといけない試合だったけど、ダメだった。ショックがデカすぎた。情けない…

この試合浦和が良かったというより、仙台が悪すぎた。
川崎戦、横浜FC戦4-4のブロックが復活しちょっとは良くなったように見えた。
でも、それはそうじゃなかった。
単に持てなかったからで、この日は持てた。
持てたら問題が続出した。

ということである。
このやり方だと、シマオが足を引っ張る。
それは正しいやり方なのだろうか。
それでも、僕は来年に繋がればと、今年選手を精査して、放出する選手と獲得する選手を切り分けられればと思っていた。
ただし、それはこの試合の後に起こる仙台史上最悪の事件ですべてが不可能になった。
となると、今のままで戦える方法を探さないといけない。

そうじゃないと、来年もやりたいことがリソース足らず表現できないんですよね。
っていう今年の二の舞いを踏む事になる。
それは、たぶん仙台の死を意味する。
状況は厳しくなった。
俺たちはどうすれば生きられるか。チームモデル、理想、やりたいサッカー
そんなこと言ってられなくなった。生きるために勝つ。
勝つ事で生きれる。勝つ事で自分たちの存在を、勝ちを証明する。
そういうターンになってしまった。残念だけど仕方ない。
なので、木山さんでいいのか。という疑問もわいてくる。
同じ繰り返しはまずい。なので、何かしら変化が必要だし選手の成長も必要になる。

やるしかないのだ。四の五の言ってる時間もない。本当にやるしかないのだ。
僕等はライオンに終われたウサギだ。必死に走り続けるしかない。

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スタメン2

スタメン1

サブ

前半

土曜日の湘南戦に仙台は成長を見せてくれた。
そして、そこから中3日。木山さんは驚きメンバー7人入れ替えを実施。(こんなのプレビュー役に立たないよ)
そして、ベンチには強化指定選手のアピアタウィアと真瀬が入った。
木山さんすごいよ!歴代監督ではこんなこと出来なかったよ(これも降格がないからか)

ワンサイドアタック

さて、ゲーム。
これだけメンバーを変えると流石に湘南戦と同じ。というわけには行かない。
木山さんはそれはわかっていて、先発した個の良さが出るように湘南とは別の戦略を立てていた。
それが、ワンサイドアタックであった。
ワンサイドアタック

ちょっと懐かしいCB起点のひし形をにしてSB-IH-Wingでひし形作ってボールを前に進めるぜ!っていうポジション取りをしていた。
各スタートポジションは違うが、18年の良い時の仙台がやっていたビルドアップに近かった。
さらに、ウイングに入った時には
ワンサイドアタックその2
SBがオーバーラップで外側を駆け上がり、IHがハーフスペースをインナーラップで駆け上げる。
そうやって、ボールホルダーのウイングを追い越してチャンスを作る。
ウイングはその走り込んだ彼らにパスを供給する。
アメフトで言うとQBとレシーバーの関係のようになっていた。
なので、ウイングですら前節と役割が違う。この日のウイングはウイングタスクじゃなかった。
そんな感じで前半20分ちょっとすぎまでは仙台がゲームを支配する。
この時間に決定機が4つあってこれをひとつも行かせなかったのが敗因だったと思う。

ゲテスすごいぜ!!

ワンサイドアタックで輝いたのがゲデス。
4つの決定機のうち3つはゲデスが絡みチャンスには9割(当社比)ゲデスから生まれていた。
ゲデスは視野が広く一発で急所を突くパスを出せ、橋岡と対面していても前向ける個の強さも持ち合わせていた。
最初にみたYoutubeの動画と全然違うけど、スーパーだった。
特に10分の山田に出した逆サイドへのロビングスルーパスは凄かった。
ウイイレでL1+△のロビングスルーパスのように一発で裏を取るパスであった。

もしかしたらゲデスがウイングに居なければこのワンサイドアタックが成立していないかもしれない。
逆に言うとゲデスがいたからこの方法を選択したともいえる。
(もちろん、ジョンヤがいるというのもあるけども)
事実、ワンサイドアタックの図面では右も書いたけど、実は右からはほとんどチャンスを作れなかったものそういう事だと思う。

4-5-1の時間が増えていく要因

攻撃の話はそんな感じで、今度は守備のお話。
仙台の支配する時間は前で3-3の守備が出来ていて浦和に対してボールを運ばせなかった。
(ま、デンの入り方凄くが悪くて苦労してたのでビルドアップがうまくいかないというのもあった)
DF理想

こんな感じで、仕組みは湘南戦とほぼ一緒なので、詳細は省く。
浦和のビルドアップ

ところが、この3-3を維持出来なくなり4-5-1の時間が多くなる。
その要因は、柏木が中央に固執しなくなってゲデス前に柏木が流れたりするようになって、
ゲデスが柏木に行くか、橋岡のパスコースを消すか迷う。
ここで、3-3のDFですべてのパスコースを消す事が出来なくなるように見えた。
ただ、理由はこれだけじゃなく浦和のビルドアップの形が複数あってそれらを駆使して
仙台の3-3の守備基準を破壊していったように感じた。
ただ、ざっくり書いているのは何故ならよくわかってないから。
で、4-5-1の時間が多くなる。
4-5-1のDF

4-5-1になると、仙台は相手から奪える方法が無いように見えた。
逆に浦和はビルドアップが自由に出来るようになって浦和の時間が増えた。
また、仙台の4-5-1の辛いところは、CBの運ぶドリブルに対してIHが対応する。
というところで、IHの負担が凄く多い様に見えた。

そして、4-5-1の弱点は…後半の失点のお話にも繋がるのでそちらで詳細は話す事にする。

後半


3-3の守備からカウンター!

前半アディショナルタイムに失点した仙台だったが、すぐに取り返す。
後半頭は3-3前からの守備が復活。
ショートカウンター

湘南戦でもあったが、関口が奪うスイッチを入れアタック。
最終ラインに戻されたが赤﨑がパスコースを消しながらサイドに誘導。
サイドに出されるが、柳が連動で圧力。
ここでは奪いきれなかったものの苦し紛れに送った杉本へのボールをジョンヤが奪い、カウンター。最後は赤﨑からのクロスを山田が決め同点に追いつく。
これを狙っていた仙台。ようやく狙い通りの攻撃が出来た。

60分以降は殴り合い

50分に追いついた仙台。
仙台が少し良い時間が続くが60分以降はお互いに強度をなくし間延びしオープンな展開になる。
そこで、仙台は一人でフィニッシュまで行ける、西村とジャーメインを投入。
そして、長沢も入れてウイングの単独突破からクロスで決めるぞ!という意思だった。
ただし、ウイング勝負のところで勝てなかった。
間延びしているので、前半のようにIHやSBのサポートが無いため1v1を制さないといけない。
それがこの日は出来なかった。
逆に同じ理由で投入されたマルティノスが仙台脅かしたのとは差があった。

どうしても、オープンな展開になると質の差が出てしまう。
なので、こういう展開は仕方ないのかなと思う。

失点のお話

で、失点のお話。
「2点とも質の部分で劣った」といえる。
1点目は山中のところ、そしてレオナルドに吹っ飛ばされるジョンヤ。
2点目も興梠のところ。またしてもジョンヤが一発でやられてしまった。

仙台の最終ラインの守備強度はかなり劣る。
去年もシマオマテがいないと簡単に失点したところからもわかるだろう。
そして、今シマオマテがいない。
吉野が入ったけど守備強度が高い選手とは言えない。
(吉野はそもそもCBが本職ではないわけだし)
なので、最終ライン勝負を避けるために3-3の守備を仕込んだ。
3-3の守備が出来るときは最終ラインに負荷がかからない。それは素晴らしい工夫だった。
問題はそれが出来ないとき、すなわち4-5-1で撤退になった時は辛くなる。
なので、出来るだけ最終ライン勝負にならないようにするしかない。

あと、浦和のアーリークロスが多かったのはそういう事情を狙って、CBとレオナルド勝負を作るためだったのかもしれない。(書いててふと思っただけですが)

小畑すごいぜ!!

最後に、小畑凄いぜというお話で〆る。
湘南戦もこの浦和戦も安定しておりあぶなかっしい場面は無かった。
それだけでも合格点なのに、64分のマルティノスのシュートを防いだのは規格外だった。
あのレベルのシュートはたぶん今まで経験したことないと思うのだが、あれしかないタイミングで止めた。

あのセーブは驚いた。18歳じゃない。ちょっと異次元で仙台は10年GKに困らないかも。
と思ってしまうくらい素晴らしいセーブだった。
また、1試合7セーブをこの試合で記録したが、10代で7セーブを記録したのはJ史上初だそうで如何に歴史的な事をしているのかがわかる。

小畑に関してはとにかく素晴らしすぎてほめる言葉が見つからないほどである。

最後に

仙台に、ユアテックスタジアムにフットボールがベガルタ仙台が帰ってきた。
実に4か月ぶりである。
しかし、その4か月ぶりに帰ってきたフットボールは日常では無かった。
サポーターがいない。チャントがならない。
聞こえるのは選手、監督の声、ボールを蹴る音、体と体がぶつかる音。そして、主審のホイッスルであった。

情熱的な両サポーターのチャントは聞こえてこなかった。
ユアスタはまだ日常では無い非日常であった。
無観客ライブで向井秀徳@ナンバーガールが「異常空間Z」と叫んだが、
まさにこのユアスタも「異常空間Z」であった。

そんな中で行われた試合。
ゲームは仙台が勝つべき試合であったが前半幾度とあった決定機を決め切れず、
逆に外したことは罪である。と感じる罰を受け一発で決められてしまう。
後半も同じであったゲデスが決定的なチャンスを外し逆に一発で興梠に決められてしまう。
内容は良かった。
それは事実である。
ただし、勝てなかったので満足してはいけない。
立ちはだかるのは質という根本的な問題なのかもしれない。
そことの戦いということで、ベガルタ仙台は18年の続きをようやく出来る状態になったのかもしれない。
質で勝てないなら工夫するしかない。
そして、内容は良かった試合は勝ち、内容悪い試合でも負けないチームにならないといけない。
内容良くても負けているようではまだまだだ。
ただ、そういう上を目指せるチームになれる可能性を見せたゲームでもあったと思う。

2月にはこんな事言えなかったわけで、それはほんと良かったと思うのだ。

ハイライト



スタッツ

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スターティングメンバー

スタメン2

ベンチ

スタメン

前半


1失点までの前プレスについて

さて、木山体制1試合目だったわけだけれど残念ながら全然整理されておらず無秩序だった。
木山さんは基本的には去年からの延長線上だけれど、去年はラインが低くて奪っても攻撃に転じる機会が少なくなっていたので今年は高くして前から奪いましょう。
という感じだったと思う。
ただし、その前プレスが凄く無秩序でひたすらにボールに行ってしまうので浦和に使いたいエリアを明け渡してしまった。
浦和のビルドアップビルドアップその1と関根フリーの構造

浦和は去年と違いビルドアップからルールが決まっていた
最初はGKを含めて1-2-1 でビルドアップ。柏木と汰木がIH化だったけど、
2トップが開くCBに食いついて中央を空けてしまう。
しかも、匠はCBからGKに戻したらGKに二度追いしてしまう。
これが良くなく浦和のビルドアップの余裕を与えてしまう原因になった。
そして、アンカーになる柴戸には松下が、IH化した田中には渉が食いつく。
そうすとSBの橋岡がフリーになるので常田が食らいつく。
と前から食らいついていくと関根がフリーになる。
これを上手く使われたのが1失点目であったわけだが。。。

去年のように中央を締めてサイドに誘導。そこで奪う。みたいなことが出来ず。
仙台は死んでいた。

1失点後の前プレスについて

さて、1失点目後あれ?前から行くと死ぬ。
ということに気が付いた仙台。でも2トップがどこを閉じるかが不明確で結局守れない。
2トップが何となく中央から離れないようになるものの、
今度は2トップ脇に山中の偽SB化して使うのと、柏木が落ちてくる。
そして、2トップ脇からボールを前進させていく。

浦和のビルドアップその2と複数の数的エリア

そして、前進した先には3つの数的有利が生まれていた。
まずは、常田のところ、平岡のところ、シマオのところだった。
特に破壊力があったのは山中の偽SBからのインナーラップ。ここでシマオに対して2対1を作りにいっていた。
これが3点目の構造。
なので、こんな感じで仙台は2トップがボールに食いついてもだめ、中央に居てもだめと
実質守れない状態になっていた。辛い…

幅を取るのはだれ?

さて、3失点したけれど攻撃もほとんど機能してなかった。無念…
何故かというと、
仙台の保持時の問題点と浦和の圧縮守備
SHがハーフスペースで中で立ち位置有利を使うぜ!
と去年の継続だった。
ただし、残念ながら相手を見ていない。今年の浦和は4-4は横圧縮3レーンで守る!
という指向であった。
中央狭く守る相手に対してSHが中に絞ると相手が密集するエリアで勝負することになってしまう。なので、本来立ち位置有利のためのSHが絞ってハーフスペースを使う。
だから効果的なのだが、ハーフスペースを埋める相手にSHがハーフスペース使ってもなんら効果がない。そのために仙台の攻撃はノッキングしてしまった。
むしろ、大外にスペースが出来ているのにそこを使わないのは愚行であったなーと思う。

3失点からの修正で生き返る

正直ダメか。と思った。ただ、3失点後ほぼ全員のメンバーが木山さん中心に集まって
話している。結構長い時間話していた。
これが良かった。
そして、きちんと修正出来た。
仙台の修正

道渕が中に入るのを止め、幅を取るようになった。
そうすると、山中が道渕に食いつく。その裏を蜂須賀やジャメが使って相手を押し込む事が出来るようになる。
相手が狭く守るならば僕らは幅を使って攻めればいいじゃないか!
というのが木山さんの修正だった。
これが効果覿面。
仙台がようやくボールを持てるようになる。
そして、実は浦和の中盤はスライドが遅く汰木が蜂須賀に付ききれないよ。とか
クロスから大外の対応が怪しいよ。とか浦和も未熟なところを隠しきれない。
そこで2得点は出来すぎだったけど、間違いなくこの修正によるものであったと思う。
特に橋岡の絞った時の対応は結構怪しかったし、2失点の起点になってしまった。

本当は仙台は左だけじゃなくて右からのクロスで山中が絞った時の強度も試したかった。
ただし、左は幅撮るのは誰なの?というのが決まらなかった。
常田も渉も幅を取る選手じゃない。
匠が中から外にでて幅をとっていたがクロスがニアで引っかかってしまって、
ファーまでいかないのでそこを試せなかったのは残念であった。

後半


SBで幅を取る仙台

さて、なんだかよくわからないけど前半3-2で折り返せて辛かった割にゲームにはなった仙台。
後半の修正次第では逆転も…と希望が出てきたが、開始直後にPKで失点。
PKを与えたのは常田だったが、そもそもそこに行くまでまたしても山中のインナーラップから仙台の守備基準が破壊されていたのであった。
ただ、このPKの直後常田はパラで交代。
この交代から幅を取るのはSBと決まる仙台。
後半_仙台の攻撃整理

SBが幅を取る。汰木は相変わらずスライド遅れるので、山中が対応。その山中の裏を道渕が使うようになった。
また、渉が少し落ちてボランチのところでスペースを見つける。サイドチェンジに受けれるようなポジションを取る。そして、大外ドフリーになるパラという仕組みで何度か逆サイドまで持っていてフリーを作るもののクロスがとことんひっかかる。
また、蜂須賀と道渕の呼吸が合わず道渕がローポスト侵入をきちんとサポート出来なかった事もあり決定機はあまりなかったが、こういう仕組みでボール保持は出来前半からうまくリカバリーできた。
だからこそ立ち上がりの失点が痛かった…

70分から大外対応するのはSHに変更する

さて、仙台のターンだったが浦和も70分の選手交代で汰木からマルティノスに変更。
この交代をきっかけに、大外の蜂須賀に対応するのがマルティノスになった。
そして、4バックは中央3レーンを常に閉鎖。
なので、前半怪しかったファーサイドの橋岡。という形が出来なくなってしまった。
後半_浦和の修正

なので、この交代とこの修正で仙台は詰んだ気がするのであった。
仙台としては、70分までに3点目が欲しかった。そうすればこのゲームまだわからなかった。
そして、78分に石原がエラーしカウンターを受け5失点目でこのゲームは勝負ありだった。

仙台の前プレスも徐々に整理出来てきた

あと、これはおまけ。
後半ボール保持の修正は出来たけど、守備はどうだったのかという話を少し。
これはひいき目が入るが少しずつ図のような守備が出来てきた気がする。
後半_仙台の守備と前プレスを秩序化

道渕がサイドに絞ってハーフスペースを閉鎖しようとしていたのは見えたのでこのように
去年ような3-2での中央閉鎖みたなシーンはなんとなくあった。
ただ、匠がGKにもプレスをかけちゃってこの3-2のボール閉鎖を崩してしまうのだけれども…

とにかく、後半はこういう意識は前半よりあったしどこを守ればいいのかという意識が少しは生れた。その成果はあって前半より前で引っ掛けられて前で奪えた。
というのは良い傾向なのではと思った。
ただ、匠はこの日ハードに走っていて今年にかける思いを感じた。
それは感じたのだけれどそのプレーが絡まってスタンドプレーに見えた。
前半は全員がそんな感じであったけれど後半はピッチ上は落ち着いたものの
匠だけは相変わらず暴走をしていてまだ青いなーと感じた。

最後に

圧倒的に仙台の事しか書いていないが仙台はこんな感じであった。
前半はかかった感じでみんなボールに行って無秩序。その後も浦和のビルドアップ対応できず3失点。
そこから立て直したのは素晴らしいし、後半もある前半よりは戦える内容であった。
ま、それでも後半0-2なのだけれども…
仙台はトラブル続きのキャンプ。そして、監督が変わりやり方はそこまで変わらないのだろうけどやはり色々変わっていて絶賛、改装中であった。
だから、良くないし完成度も低いしこのままではかなりしんどいのだけれど、
ここからどれだけ上積み出来るか。そして、どの程度の時間で上積み出来るか。なんだろうと思う。今日の試合の修正を見ると上積みできると確信はしている。ただ、それでいつ勝てるようになるか。っていう感じ。
怪我人も多いし今年もまた、去年同様にあといくつ負けられる?
という序盤になるのかもしれない。
けれど、サポーターもフロントも焦れず木山さんをサポートしてほしいなとは思う。

あと浦和は去年かなり無秩序で辛いのかなと思ったがこのキャンプでかなり整理出来ていたと思う。ビルドアップも守備も初戦にしては上出来で順位を低めに見積もった私は上方修正しないといけなくなった。
また、チームが整理した事で山中がようやく移籍した意味が出てきた。
山中のインナーラップは本当にめんどくさかった。あれが無ければもう少し戦えたと思う。
そんなルヴァンカップ初戦だった。
おわり。

ハイライト


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