カテゴリ:Jリーグ > 名古屋グランパス


スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

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前半


相馬のアイソレーションアタックで殴られる

ルヴァンカップ優勝し、ACL圏内確保のために負けられない名古屋。
仙台はもう残留するためにはもう負けられない仙台。
お互いに高いモチベーションで迎えたゲーム。

でも、お互いにチームのキャラクター的に前からガンガンに行く。という事は無く、
ブロックで構える事を優先していた。
その中で名古屋がボールを保持しながら先制まで持って行く。

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名古屋は4-2-3-1で構える仙台に対してブロックの外から攻撃をしていく。
その外の中心は相馬で、中谷の対角パスからアイソレーションアタックや
吉田ー相馬の外外巡回からのクロス。と仙台のブロックの外から仕掛けていく。
ブロックの中に侵入させたくないので真瀬の対応が中を切る意識が強かったが、
それによって相馬が簡単にドリブルで縦に行かせる結果になってしまった。

この辺りは相手の特徴を理解し優先度を変えたかったかなと。
あまりにも簡単に縦に行かせ、相馬に仕事をさせてしまった。

ただ、逆サイドはよくわからない。マテウスが気まぐれで外巡回からの攻撃というより、
自分がフィニッシャーになるべく中に居座る事が多い。
これは狙いなのかマテウスの気まぐれなのかはよくわからない。

で、先制点は中谷から相馬の対角パスからクロスを前田が落として柿谷がフィニッシュで先制。
先手を取った。

ボール保持と関口が右サイドのビルドアップキーマンに

名古屋に先手を取られるとほぼゲームオーバー。
ここから地獄の塩漬けタイムが始まる。
この前に行われたルヴァンカップ決勝でも先制し、C大阪を塩漬けして優勝した。

塩漬けで4-4-2のブロックを作る。
なので、仙台はボールを持てるようになった。
そして、珍しく右サイドからボールを運べるゲームだった。

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富田が下がって3バック化する。そして、この試合特徴的なのは関口がボランチのところまで落ちてボールを引き取り前進させていたのが特徴的だった。

この試合までは、アピー加藤のコンビで、加藤が最終ライン間に入ってアピが縦パスをズバッと入れる。という感じだった

距離感もあるので入れば良いけど奪われる事も多くスムーズに進めたとは言えなかったが、
この日は関口が落ちてきて確実にボールを運ぶ事が出来た。

ということで、名古屋を押し込み変な失い方をせず、カウンターを受けるシーンが無かったのは点は取れなかったが良かったことだと思う。

西村サイドハーフというラストピース

そして、左サイド側には今シーズン初めてスタートから西村がサイドハーフに入った。
それが大当たりだった。

仙台のサイドハーフはタッチラインに張るというよりハーフスペースに入ってきてなんやかんやする事が多い。
そして、関口の右サイドが落ちる側で、西村が逆サイドで高い位置を取って起点になるという感じ。

30分30秒のシーンは今シーズン初の疑似カウンター。
まさに、降りた関口と高い位置のハーフスペースでボールを受ける西村。
両サイドハーフが作り出したシーンであった。

また、西村は守備が上手い。相手の選択肢を奪って嵌めてボールを奪う事もできる。
実はそれが起用する一番のメリットだった。

ということで、1点ビハインドで最悪な展開ではあったが仙台としてもある程度のやれる感触は持てた前半であった。

後半


マンツーマン気味の前プレスから同点弾

後半仕掛けたのは仙台。
今まではブロックを作る事を優先したが、スタートからマンツーマン気味で嵌めて行く。

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それが同点弾を生む。

名古屋のスローインから仙台は積極的に嵌めていった。
そして、ボールが落ち着かないところでマテウスが前を向こうとしたところを西村がボール奪取。
そのまま、富樫とのワンツーから西村がミドルをぶっ刺して同点。

名古屋の塩漬けをものの見事に打ち破る。

交代でパワーダウンする仙台

先制点後も仙台が優位にゲームを進め、名古屋にシュートすら打たせない時間が続いた。

ただし、そんな時間も65分で魔法が解ける。
魔法は富樫だった。
それが、カルドソに変わった途端仙台の前プレスはボールの方向を制限出来なくなる。
それによって名古屋は最終ラインからボールを繋ぎフィニッシュまでいける機会が増えし、仙台は押し込まれてしまった。

押し込まれた時にカルドソが中央でキープできずに再び名古屋のターン。となり
仙台のターンが中々回ってこなくなってしまった。
また、裏抜けもないので名古屋の最終ラインは常に高い位置を取れる。
これも仙台のターンが回ってこない要因。

ということで、仙台としては富樫変わった後にどうするか。という課題はあった。

それでも、試合終了間際に脈絡のないコーナーから赤﨑が押し込み、
久しぶりにユアスタの魔物が!
という展開も、オフサイド。でゲーム終了。

両社とももっとも望んでない引き分けでゲームが終わった。

最後に

ここにきてようやくチームが出来上がってきて勝負が出来るようになった。
サイドハーフに西村が入る事で中で彼の特徴を活かしながらチームとしても武器を増やす事に成功した。

もちろん、西村が左に入る事で右に入った関口がビルドアップを手助けし、スムーズにボールを運ぶ事も良かった。

前半入り方少し後ろに重くてCBに時間をあたえすぎて対角パスを簡単に出させてしまったのは悔いが残るが。。。

あとは、富樫が変わった後どうするか。だろう。
カルドソも特徴が嵌ればそこそこやりそうな気がするが今の1トップ的な感じでは彼の良さもチームの良さも死んでしまう。
なんとか富樫の代わりどうするかを見つければチームはもっと良くなる。

残り3試合しかない。でも、やっと光が見えた。その光を結果に、未来につなげたい

ハイライト



スタッツ

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スターティングメンバー

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前半


4-4のブロックは崩されない!

リーグ戦2位の名古屋。
ただし、日程の都合で1位川崎と2連戦。
いずれも差を感じた敗戦だったため、順風満帆な2位ではないみたい。
もっと川崎との差を埋めなくては!という感じで進化の経路を廻る旅をしてる雰囲気を感じる。
2位のチームにもそんなことを思わせる川崎恐ろしい…

進化の経路をめぐる中でボールを持ちましょう。が1つのテーマに見える名古屋が
この試合もボールを保持して試合を進める。
左右で形は同じ。
IHが1枚下がって、CB+IHの3枚でビルドアップをする。
そして、ウイングや1列上がったSBにボールを預けてなんやかんやしようぜ。みたいな感じ。

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ただ、仙台としては4-4のブロック外からの攻撃で4-4を破壊されてるわけじゃないので
危ないというシーンはほとんどない。

ただ、名古屋としても4-4の中でなんやかんやしてブロックを破壊しようという意思もないので外からのクロス攻撃でOKとみている。
そんな感じに見えた。
ということで、仙台としては外からのクロスを跳ね返せばいい。ということでそれを淡々とこなしていくことで「守れている」前半だった

即回収され可変できなくても決定機は作れるんだ!

「守れている」仙台だが、大外からボールは運ばれ押し込まれてはいる。
なので、セカンドボール勝負なのだけれども、そこは名古屋の3センターが頑張る。
特にIH。ボール保持時はビルドアップ隊で最終ラインにいるのにセカンドボールや、仙台保持に変わったところで前に出て圧力をかけボールを即回収する。
えぐいぞ。IH2枚。

なので、仙台はやりたい保持の3バック化する時間を確保出来ないので困った感じになるのだが、この日はそうじゃなかった。

圧を受けてもクバから皆川へのロングボールで陣地回復。
そして、皆川が体を張って時間を作る事でそこから攻撃にいけて単発であっても決定機が作れるので仙台としては保持出来なくてもいいんじゃない。という流れではあった。

そして、これをさっくり言っているが、4月にはクバにボールが渡ったら仙台の攻撃はターンエンドだったし、皆川も空いて背負えず何も出来なかったし、という状況だったのでこの1か月でみんな成長したんだな。とものすごく感動した瞬間でもあった。

相馬ゼルビア式4-4-2はチーム狙いかそれとも…

そんな仙台。
皆川のポスト及び左サイドから決定機を複数回作る。
右より左だった。
左で特徴的なのは右のマルティノスがオーバーロードして左サイドに入ってくる事。
そのために3レーンでの超圧縮。まさに相馬ゼルビア式4-4-2になっていた。

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右にボールがある場合、加藤はそこまで中に絞らないのでたぶんチームの狙いというよりもマルティノス個人の判断だと思っている。

しかし、これが有効であって、28分のマルティノスが抜け出したかけたシーンもこの形で名古屋に対して有効だった。
また、中に入った時にマルティノスが守備もきっちりやってくれるため、スカスカの逆サイドにも展開されない。だから、チームの狙いにも見える。多分違うけど…

そして、先制点も非保持ではあるけどその形。
ま、もちろんマルティノスのタスクとしてIHの長澤を見るというタスクはあって、それはチームの狙いでもあるんだけれども、あそこの中央までついていくか。
というと微妙。やっぱり個人の判断かなと思っていて結果的に3レーンの圧縮からトランジションで名古屋を刺す事が出来た。まさに相馬ゼルビア式4-4-2であった。
まさか仙台で同じ局面を見れるとは思わなかった。

後半


IHの役割が変化したことで押し込まれる

後半も名古屋がボールを持って仙台を攻める形になる。
ただ、前半よりも押し込まれて厳しい時間が続く。
そうなったのは、4-4のブロックを破壊するためにIHがその楔として4-4の中で起点を作ったためである。

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前半はビルドアップ隊であったIHだけれども、後半はビルドアップはCB2枚で実施に変更。
そして、IHを1列前に上げて4-4の中に潜り込んだためより押し込まれる。時間が続いた。

これで押し込んだためにクロスのターゲットとして山崎を投入し決めにかかる。
ただ、この時に柿谷を残すため4-2-3-1システムを変更。
これで、IHがポジション的になくなった事でこの4-4の中に潜り込む役割がいなくなり、
再び前半のように押し込み切れない時間になってしまった。
そのため、投入した山崎もなかなか輝く時間が無く仙台としては助かった変更となった。

残り10分気合と根性で跳ね返す

以前決め手に欠ける名古屋は最後の10分間3-4-2-1に変更しファイアーフォーメーションで仙台ゴールに迫る。

この時間、このシステムで輝いたのは途中出場の森下であった。

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3-4-2-1のかみ合わせでフリーになるので、森下のドリブルからのカットインでや左サイド3枚という破天荒な攻撃に仙台はペナ中釘付けになり、決定機を複数作られるも
クバのビックセーブや吉野、アピのCB陣が体を張って跳ね返す。
最後は吉野が脳震盪で交代。シマオを入れて最後きっちりと〆てリーグ戦2連勝となった。

最後に

この試合主役はマルティノス。
良い意味でも悪い意味でも色々とやってくれるマルティノスだけれど、この日は守備もさぼらず良いマルティノスでこれが続くのであればスタメンでもいいんじゃないかと思うほど。
まさに、マルちゃんスゴイネー! であった。
ただ、あの圧縮はたぶんマルティノスの判断だと思うので咎められたら怖いのでそのあたりやはりもう少し矯正は必要かも。
でも、この日は上手くいったからいいんやで。というお話である。

しかし、マルティノスが出た試合は必ずマルティノス個人の話になってしまう。
これは恋なのかもしれないな。。。このブログ始まって以来の個人に追究だわ…

あ、これでリーグ戦久しぶりに連勝です。
相当苦労したけれどもようやくこういう状態まで持ってきたのはさすがの手倉森誠だなーと思う。
思ったより早く勝ち点を稼げるフェイズにきた。
ここからどんどん行こうじゃないか!(もちろん課題もあるけども)

ハイライト



スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

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前半


嵌らない前の守備

仙台はキックオフ直後から名古屋に対して2-2-2での前プレスを実施した。
これがイマイチだった。

そもそもほとんどの場面でボールホルダーに圧を掛けていない。
なので、余裕を持って名古屋が展開できた。

仙台としては図のように中央は使わせない。
という意図だったのだろうか。

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しかしながら、名古屋は中央を使わずサイドからの攻撃が多く、
仙台が中央を封鎖(?)した意味は無かった。

しかし、仙台も粘った。悪いながらゴール前踏ん張った。
戦術兵器、マテウスと対峙したアピタウィアもプロで初のSBで大変だったはずだが
全く不安は無く彼のポテンシャルの高さを示す結果となった。

給水後の修正4-4-2で撤退

プランが嵌らないなりに、ゲームは0-0で推移していく。
そして、給水後に仙台はプランを変更。
4-4で撤退。
そして、ボールサイドに圧縮。守備を安定させる。

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圧縮だが、これはたぶん名古屋のCBがあまり対角に蹴れないところまで計算に入れての対応だった
と思う。
実際に中谷が持ったら左サイドにしか展開出来ないのでCB側で寄せる方向が限定出来るので仙台は少し楽だった。
この守備で名古屋のミスを生み仙台がちょっと主導権を握る事が出来た。

保持時の課題

主導権を握ったのだが、ボールを保持したときにどうやってゴールを奪うのか。
これが明白では無かった。
また、ボールホルダーに対してサポートが無かった。
いや、あったのかもしれないけど、適切では無かった。
なので、最後のところまでいけない。

31分の浜崎がボールを運んで関口にパスした局面がその象徴だった。

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横のサポートが無いのでボールホルダーが同ラインで孤立。
なので、ボールが運べない。
このあたりは今年は速くウイングにつけよう!
という縦パス中心だったので、この辺りはまだ実装が遅れている可能性はある。

ま、なんだかんだで前半0-0で折り返したのは仙台のゲームプラン通りではあった。(中身はあれだとしても)

後半


間延びする名古屋に対してどう攻めるか?

後半は疲労からか名古屋が開始早々から間延びし始める。
なので、仙台がボールを持って攻めるが相変わらずどうやってゴールを目指すのかが不明確であったので、中盤で奪われカウンターを食らうシーンが増える。

4-4のブロックを引いた時は安定しているが、カウンターに弱い仙台。
決定機を作られるがクバのセーブで何とかピンチを防ぐ。

去年の仙台は同じように4-4のブロックからの攻撃だったが、
去年はSBのクロスが攻撃の中心であった。
ただし、今年はそのSBの質が残念ながら落ちている。
なので、去年のようには行かない。なので、何か工夫する必要があったが、それがまだなく
それが苦戦の根本なのかもしれない。

失点はCK後の混乱から

名古屋は疲労から苦しそうだったが、それ以上にチームとして出来上がっていない仙台。
なので、主導権を握れない。
そんな中で、2枚交代した名古屋が勢いを取り戻し仙台をサイドから殴る。

そして、名古屋が先制。
先制の場面はCKからセカンドボールを拾われて2回目の攻撃だった。
この時、平岡がサイドに引っ張られてしまっていたのが1つ
クロスは浜崎が跳ね返すのだがこれが、きちんと蹴り出せず、稲垣の元へ。
稲垣のシュートは椎橋が体を投げ出したが、それにあたってゴールへ。

不運というか、負けてるときってこういう感じだよね。
というか、これだけ主導権を握れないのだから仕方ないよね。
というべきか。
兎に角、仙台の状態が悪いね。という失点だった

焦る仙台。雑になる仙台

失点後は仙台が焦る。兎に角焦る。選択が縦、縦になってしまう。
赤﨑、クエンカ、山田、田中と攻撃的な選手を投入するも、仙台はゴール前まで持って行くのがやっとで、最後の形が作れない。
最後は3バックにしてパワープレーを開始するものの、全く効果なく。
試合終了の笛を聞く。

最後に

なかなか、厳しい試合となった。
仙台は色々あって再出発!みたいなゲームだったが、現実は厳しい。

ひとつひとつのやり方は良くなっている部分もあるのは確かなんだけれど、
それがつながっていかない。
4-4のブロックなら4-4のブロックで終わってしまって、そこから攻撃にどうつなげるか。
が無い。
辛い状況である。

ただ、良くなっている部分もある。
そして、パーツももっと増やさないといけない。
怪我人が多く、練習もままらないと思うので実際の試合で作っていくしかないのが辛いところであるが、もうそれは仕方ない。

そして、このブログの方針として、あまり過大評価せず、でも、ちゃんと出来た事は評価していこうと思う。
また、もっとこうすればよくなれば良いよね。というのも入れて書いて行こうと思う。

やっぱり勝てないのは辛いけれど、チームはまだ勝つ事を諦めてない。
だから、僕もこうやって評価して書いて行こうと思う。
All 仙台で一つになって頑張っていこう。

ハイライト



スタッツ

スタッツ

スターティングメンバー

スタメン
ベンチ

スタメン@システム

前半


ルヴァンから改善された前プレス

ルヴァン浦和から一週間。ルヴァンでは前プレスがチームとして統一できず外されて3失点
それをこの1週間で上手く整理されていた。
改善された前プレス

4-4-2でこの日はボランチを背中で消しながらCBに圧力をかけていく。
CBは縦につけられずサイドに出すしかない。
そこにSHが圧力をかけに行くことでタフなパスを強いる。
そして奪う。という事がで来ていた。SHで先発していた匠も前節とは違いチームのルール通りにプレスにいけたので正しく圧力がかかった。

仙台の攻撃そして先制。

良い守備から良い攻撃へ。
10分を過ぎたころからはっきりと仙台が主導権を握る展開となった。

仙台の左右の攻撃

仙台の保持はボランチ脇にFWが落ち起点を作りSHとの連携で崩していく右。
左は匠が中へカットイン。それを移籍後即出場となった柳がオーバーラップを仕掛けていく。
大体そんな感じで名古屋を押し込んでいく。
そして、18分にセットプレーのセカンドボールから赤﨑がクロス。
それをシマオが競り勝つもポスト。しかし、それすらも自ら押し込み仙台が先制。
仙台はシマオという最強の盾で殴った形に。
それ以降も仙台が主導権を握り決定機を何度か作る事に成功した。

25分から名古屋のターン

さて、押し込まれて苦しい名古屋。
25分から主導権を握り返すために複数の変更を加える。
1つは阿部のビルドアップフォローであった。
ビルドアップを助ける阿部

中央封鎖している仙台だが、阿部が2トップ脇まで落ちてきてボールを受け前進させる。
これによって仙台の中央閉鎖からの前プレスの仕組みを破壊。
また、時に左にサイドに流れSBをピン止めすることで、相馬をフリーにし、相馬が縦にドリブルを仕掛ける。など…
阿部が名古屋のボール保持のキーマンになっていた。

もう一つはマテウスと前田のポジションを変更。これも大きなポイントだった。
マテウスの右はどうにも窮屈そうで、縦に仕掛ける事が出来ない。
どうしても中に入っていく。そうなると仙台の守備の包囲網に入っていってしまう。
それでも、SBが大外オーバーラップでサポートしてくれればいいのだが、フィッカデンティの戦術の場合SBの攻撃参加は極力減らされる。
なので、SHは大外タスクじゃないといけないのだがそのタスクをマテウスが出来ず
右サイドが麻痺していた。

前田-マテウスのポジションチェンジ

右のSHが前田になった事で右サイドに動きが生まれる。
縦に仕掛ける事。そして、ボランチ脇まで引いてきて受け、自ら仕掛ける。
ということで仙台を推し込み主導権を奪い返す事に成功した。
そして、34分にその前田の縦突破に柳が置いて行かれ、ローポスト侵入からマイナスのクロスに阿部が合わせて同点となった。
その後も仙台はこの2つの仕組みに対抗する術がなく前半は名古屋ペースで折り返す

後半


陣地回復できずに苦しむ仙台

後半は交代なしで入る。
仙台は策が無さそうで苦しむ後半になった。
相変わらず阿部が落ちたりすることで仙台の前プレスが破壊されていた。
ただし、なぜかマテウスが元のSHに戻っている。
その分前半みたいに左から突きさされる事はない。
なので守れている。
前田トップ、マテウスが右に拘るフィッカデンティ。理由は不明。この試合だけではわからない…
さて、仙台は低い位置でボールを奪って縦に付けても名古屋のDH2枚が強力で突破出来ない。
ロングボールはジャメと赤﨑の2トップでは歩が悪く勝てない。
では、DFからビルドアップしましょう。という発想になる。
ビルドアップに対する名古屋の前プレス

ただし、これも図のように名古屋の前プレスがかかり時間が作れない。
カウンターも必ず3バック+1DH以上を残す名古屋に対して道渕+2トップの数的不利で攻略するしかなくこれもだめ。
ということで仙台は陣地回復するのに苦しんだ。そして、攻撃回数も限られた。
攻撃が出来たのは中盤セカンドボールの奪い合いになった時にフィフティのボールを収めた時だけで再現性はなく偶発的な出来事に頼ることになった。
ただし、一度陣地回復してしまえばWボランチ中心に決定機を作れるようになっていたので
やはり、如何に陣地回復するか。がポイントだったと思う。

槍を操る者

70分以降仙台はインテンシティが落ちていく。
それを交代で補う。
名古屋は怪我明けの山崎を投入。
後半の選手交代

お互いにこのような布陣になる。
ただし、どうしても圧力が落ちる仙台。それに伴い名古屋のボランチが自由になっていく。
そうすると、阿部が3枚の槍を扱う者の振る舞いを始める。
阿部のハーフスペース攻略


稲垣、米本がフリーになるので、ここまでビルドアップを助ける動きをしていた阿部が
最終局面に集中出来るようになる。
そうなると、阿部はボールサイドのハーフスペースに現れる。
そこから槍へラストパスを供給し始める。
そうすることで決定機を複数回作っていく。
76分の相馬の決定機や85分の山崎の決定機
2つ作り出すがいずれもクバがシュートを制限しゴールを守る。
こうして、後半は押されながらも粘り強く戦い0点で守り切り開幕戦は1-1ドローに終わった。


最後に

凄く良くなかった浦和戦から一週間出来る事はやった。という内容であったが
これ以上の内容は個人的には望めないかなとも思う。
25分までは素晴らしかった。浦和戦とは別チームであった。
ただし、複数の要因で主導権を握られると今の仙台には対抗策が見つからず、
名古屋ペースで試合が流れていった。
それでも粘り強く戦い勝ち点を得たので価値がある。
対抗策が無いのは構築がまだまだ出来てないから。
そして、FWの怪我人からくるのだと思う。
例えば長沢が居れば雑に放り込んで陣地回復するきっかけを作れるとかあるのだが…
従って、ゲデス、長沢が戻る4月まで苦しい戦いになると思う。
なので、この日のように主導権を握られても粘り強く戦う事が大切になってくる。

ハイライト




スターティングメンバー

スタメン

前半


ピン止めと大外からのクロス

名古屋は4-3-2-1。ようするにクリスマスツリー型だった。
それに対して仙台は、SHでピン止めしてSBで大外でフリーを作ってからのクロスからチャンスを作る。
また、シャビエルの守備が適当なのでシャビエルサイドの永戸のサイドがフリーになる。
また3センターのリトリートが速いので、松下が常にフリーになっていた。
ということで、仙台はストロングポイントである永戸と松下がフリーなので結構なんでも出来たというのはある。

仙台の保持

そして、その勢いでCKから平岡が合わせ先制に成功する。
このCKも監督、選手のコメントから推測するには狙い通り。仕込み通りだったようであった。

SHに選択を迫る名古屋の保持

仙台は早い時間に先制。がそれが重荷になり、若干全体が下がってしまう。
それによって4-3-2-1と4-4-2でかみ合わない部分があり、
そこをうまく利用して名古屋が保持して攻撃する時間が長くなる。

名古屋の保持

図のようにIHにSHが食らいつくとSBが空くのでそこからボールを運んで攻撃する。
ただし、名古屋は大外からクロスしか攻撃が出来なかった。
そして、シンプルなクロスからの攻撃では仙台を慌てさせることが出来ない。
シマオの能力。そして、平岡のカバー。そして、仙台に慣れ日々守備範囲が広くなっているクバ達がクロスを跳ね返し続ける。

クロスまではいけるけど、可能性は低い名古屋。
むしろ、松下、永戸がフリーになりカウンターに可能性を感じる仙台。
なので、押されながらも実は仙台がコントロールしていたのかなと思う。

4-4-2か4-3-2-1か?

20分過ぎからシャビエルがかなり流動的に動き時にIHが下がったりしてくる。
その時は、米本が一列上がったりしていた。
この動きが4-4-2に変化したのかなと思うようなシーン多かったように思う。
ただ。一度はっきりと4-4-2にしている。すぐ4-3-2-1に戻したけれども。

4-2-2-2

なぜ、4-4-2にしたのか。ていうと、やはり守備の修正なのかなと思う。
仙台の攻撃に可能性があったのでそれを消したい。特にここまでのびのびとプレーしている
永戸に対して前田で蓋をしたかったのでは無いかと考える。
ただ、前半の4-4-2は10分もたたないウチに終了を迎える。
結局、4-4-2だと攻撃が4-3-2-1より機能しないので4-3-2-1に戻しのだと思う。
この辺りに名古屋に苦悩が見える。

後半


ネト&赤崎による保持アタック

後半は4-4-2だったが、仙台が前から捕まえる時間が続いた。
ここで、名古屋ベンチは動く。赤崎とネトを投入する。
ネトが入った事で、ビルドアップがスムーズになる。この辺りは風間さんの置き土産なのかもしれない。

ネトが最終ラインに落ちて3バック化。
そして、丸山、中谷が2トップ脇まで運んぶ。そうすとSHを釣る事が出来るので
そこからから自由に展開する。

後半の名古屋アタック

これに対して仙台は中盤の守備無効化され、押し込まれクロスを両サイドから入れられる。
構図は前半と同じなのだが、前半はペナ中に3枚だったが、IHの役をCBがやるので、ペナ中にSH2枚+2トップの合計4枚が入れるので前半より迫力を持たせる事に成功する。
そんなこんなで、仙台はサンドバッグ状態になる。
76分のクバのビックセーブを筆頭にぎりぎりで跳ね返す。
ネト、赤崎の投入後、60分から仙台が追加点を決める83分の20分間は本当に紙一重であった。
ここでもし、追いつかれていたら鳥栖戦のように逆転負けしてた可能性すらあった。
だが結果的にかもしれないが、
ここを守れた。シマオ、クバの個人の能力。平岡のカバーなど後ろの能力の差であった。
(ジョーが居る名古屋に対して質で勝つなんてとんでもない事を言っている気がする)

アベタクの大仕事

69分に長沢に代わりアベタク投入してみたもののあまり効果なく。
ネト投入後の名古屋がボールを握りゲームを支配するなかでアベタクの役割が見いだせないままだった。
むしろアバウトなクリアボールを収められる長沢の方が役割があったのでは無いかと思っていた。
ただ、83分にクバのGKからハモンが競り勝ち裏抜けしたアベタクがペナ内で丸山に倒され
PKを獲得。
結局アベタクはこうやってカウンター時にペナ中に入ってアクションをしたい。
という事で起用されたのだろう。
ただ、想像以上に押し込まれたので、なかなかそのタスクをやれる機会がなかった。
それをたった1度の機会で自分のタスクをこなす。これぞ仕事人アベタクだった。
このPKをハモンがきっちり決めて2-0とした。
(正直外すじゃないかとドキドキしたわけだが…)

5-4-1で逃げ切り

苦しい時間の中で一発で追加点を取り余裕の出てきた仙台は逃げ切りのため、
ハモンに代えてジョンヤを投入。5-4-1で引き籠る。
名古屋は余裕が無くなりネト中心のビルドアップを続けられず
丸山をトップに上げて、クロス爆撃開始。
ただし、クロス爆撃なら仙台の方が上。ひたすらに跳ね返し続け仙台が2-0の勝利となった。

最後に

久しぶりにクリーンシートでの勝利。
クリーンシートの勝利は6月の東京戦以来4か月ぶり。
(前回のクリーンシートはセレッソ戦だがあれはゴールレスドロー)

後ろが迫っている中での6ポインター。勝利は必須条件だった。
そして、勝った。
開始直後のセットプレーと終了直後のPKでのスコア。
内容はぶっちゃけどうなのか。事実、後半は名古屋のゲームであってギリギリの勝利だった。
そんなの関係無い。このゲームは勝つ事だけが評価対象である。
6ポインターというのはそういうゲームである。

とはいえ、もちろん勝ったのにはきちんとした理由はあって、
それは積み重ねたものの差であったりこの日への準備の差であったと思う。

次も6ポインター。相手は絶好調神戸。正直強いと思う。
だが、そんなの関係なく
僕らが信じるこの道を行くだけである。
「信じたこの道を何処までも、いざ行こう仙台がある限り」

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