カテゴリ:Jリーグ > コンサドーレ札幌


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前半


守れません!!

仙台は4-4-2のブロックで、札幌は4-1-5の保持。
という予想通りの構図になったのだけれども、仙台は問題外に守れない。
この時間帯に試合が決まってしまうほどに守れない。

TACTICALista_20217181645

仙台の2トップ、特にカルドソがCBに制限を掛けられないので、
2トップ脇から運ばれハーフスペースを刺される。
4分の失点もこの形で降りた駒井に対して制限がかからなく、ライン間で待機していたチャナティップに縦パス。フリックであっさりと突破されてしまった。
その後のワンタッチの連続はスーパーだったけれども、簡単に2列目突破を許してしまった。
6分の決定機もオフサイドでノーゴール判定にはなったが、降りた高嶺に制限かけられず、
チャナティップに縦パスが入って2列目突破を許してしまったのだ。

仙台は去年もそうだったけれども、最終ラインの強度は高くない。
なので、今年は4-4のブロックで2重構造で強度を補っている。
ただ、この試合に関してはその2重構造の1枚目が簡単に突破されるのでどうしても最終ラインの強度の弱さが出てしまった。

守るための工夫と札幌の自滅

最初の10分に複数失点してもおかしくなかった。
ただ、幸運にも1失点ですんだ。

その間に仙台は1回目の応急処置を行う。
それが、赤﨑とカルドソのポジションチェンジ。
右サイド側に赤崎を置いて、制限かからなく好き放題前に進んだところに蓋をして制限した。
カルドソが左に行った事で左から同じ事をやられる可能性があったけども、そのケースは1回のみ。
宮沢が運ぶドリブルがない事と金子が浮く中間ポジションをほぼとれないこと。
この2点がその要因。
それで仙台は、開始10分までのやばい状態は回避できるようになった。

この現象とはまた別にチャナティップのポジションが変化していってそれも仙台が守れるひとつの要因にだった。

チャナティップは10分までは、ボランチの横。要するに2列目のライン上、もしくは最終ラインと2列目の間のライン間で受けていたので、CBからの縦パスがそのまま2列目攻略になっていたのだけれど、
何故かは不明だけど、チャナティップが下がりすぎてボランチの前。2列目の前で受ける事が多くなる。
なので、CBから縦パスが入っても2列目突破にならないので最初の10分間のように最終ラインだけ攻略すればいい状態を作れなくなっていた。

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この2つの要因で仙台は徐々に守れるようになっていった。

マンツーマンをやっつけろ!

ただし、マンツーマンで守る札幌に対して保持が出来ずクリアしても、攻撃に移れず札幌が再びボール保持する。という状態が続く。
そして、CKから失点となりそうだったけども、VARで救われた。

そのVARと直後の給水タイムを挟んで仙台は再びカルドソを右側に移動させ、
最初のポジションに戻していた。
さらに、この後からカルドソも少しはCBへの制限が出来ていたのでその間に修正したのだと思う。

なぜ戻す必要があったのか、というとやはり右に流れたほうがカルドソはやりやすいという事なのだろう。
左に持って行ったときに攻撃の起点にならなかった。

右で自分の得意ポジションに戻ったカルドソは吉野の縦パスを受けマーカーの宮沢を吹っ飛ばしターン。
カウンターになって赤﨑へ。この赤﨑からのクロスをなんとペナに突っ込んだ真瀬が決めて同点弾に。

マンツーマンへの対抗は1vs1で勝つ事。そして、大きなポジションチェンジ。
地の果てまで着いてこれるかい?と問う必要があった。
それが、カルドソと真瀬が実演してくれた。

そんなわけで最初の10分どうしようもない状態から45分終わった状態で同点。
というのは仙台とって悪くない状態で折り返す事に成功。

後半


いつも通りの仙台で主導権を握る

後半は西村を入れていつも通りの4-4-2に。
西村は45分限定と決めていた。という感じなのだろう。

そして、いつも通りにやって仙台は主導権を握る。

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SHが中に絞って2FWと2SHで3レーン閉鎖し縦パスを入れさせない。
そして、カルドソと西村のやることは同じなのだけれど、
それでも西村の方が守備のスイッチが入るのは信頼関係なのだろう。

保持も非保持の時と同じで2SHが中に入ってボランチ脇を起点にする。
また、赤崎が絶妙な落ち方をして2DHに3枚の内誰に行きますか?と問い掛ける。

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それとロングボールが多くなる。奪ったらCBの裏へ蹴る。
そうすることで、マンツーマンを作れないだろう。と問う。
また、押し込むと5バックの左右がルーカスと青木とか、サイドハーフがチャナティップとかそこのポジションじゃないよね?っていう選手が出てくる。
そこを真瀬や石原で殴る事が出来た。
この方法で立ち上がり20分間は良い時間を過ごせたが、作った決定機を活かす事が出来ず、
スコアを動かす事が出来なかったのは痛恨だった。

ジェイを入れてパワー&スピードでアンストラクチャを生み出す

押されている札幌はジェイを投入し、スピードと高さとパワーで対抗してくる。
札幌の終盤は強力な前線の個を投入し配置なんてどうでもいいんだ!
パワーだ高さだスピードだ!!
というアンストラクチャでアスリート色が強いサッカーに変貌するから面白い。
そして、前回アウェイではそれに屈した。
仙台としては正直に言えばそれが嫌だ。

なぜならば個人の力が落ちる仙台にとって対応が一番難しいのである。
ただし、この日は平岡が競ってセカンドボールを吉野とDHでカバーと丹念に対応。
そして、SBも中央絞って中央突破を防ぐ。

素晴らしかったけども、その対応のおかげでサイドバックが高い位置を取れず攻撃は出来なくなっていた。
なので、オッティを入れて単独突破を試みるけどマルティノスのような破天荒さはいい意味でも悪い意味でも持っておらず、決定機を作れず、1-1の同点で終わった。

最後に

立ち上がりの内容からすれば良く勝ち点を拾ったゲームになったとは思う。
初先発のカルドソが非保持で全然機能せず、高嶺を捕まえられないのは想定外だったのだと思う。
なので、そこから立ち直るのにすごくパワーを使った。

一発で点を取ったのはよかったけれども。。。

そして、後半は仙台のゲームに出来たのだけれども点が決められなかった。
あの時間帯でやはり得点が欲しかったしこれから勝たなければならないゲームが増えていく。なので、そこは突き詰めないといけないかなとも思う。

まー兎に角、あの酷かった開幕からここまでは想定以上に進んでいる。
それでも残留にはまだ少し足りない。この五輪中断期間を使って足りない部分を補い後半へ繋げてほしい。

まだ僕らは成長できる。僕はそう信じている。

ハイライト



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TACTICALista_20214302053

前半


4-4の中には入れさせません!

この日仙台の戦略は非常にわかりやすいものであった。
まずは、4-4のブロックを作る事が優先。
そして、この中には入れない。

TACTICALista_20214302055

という事を優先する。
2トップはアンカーになるDHを監視しながら最終ラインに少し圧を掛ける程度。
やがて、2シャドウが4-4内ではボールがもらえないので4-4のエリアから外に出てくる。
そこをDHとマルティノスのプレスバックでボールを奪う事に成功する。


攻撃はロングボールでWB裏

この4-4のブロックを作る事が優先。
これを敷いて限り失点はしなそうな感じに見えた。
そして、仙台の攻撃もこの4-4を作れるように、
ようするに、トランジションで4-4を作られる前に刺されないようにとロングボールが多めだった。

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札幌のWBがボール保持時に高い位置を取るのが特徴。
なので、4-4のブロックで奪うとすぐさまにWBの裏にロングボールを供給し、
そこに、西村またはSHを走らせて札幌が戻る前に攻め切る。という作戦。

そういう中で仙台は、押し込んでスローインからクロス。それを加藤が見事にゴールに流し込み想定通りの先制点を上げる事に成功した。

対角パスで打開を試みる札幌

先制され、仙台の4-4をなかなか攻略出来ない札幌は少しやり方を変える。

左サイドに高嶺と福森を配置し、そこを固定砲台とし、逆サイドにロングボールを送り、
仙台にスライドを要求し、そのスライドがうまく行かなかったら即失点だよ。
という状況を作る。
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横浜FC戦でも、この逆サイドチェンジからしていたため修正が試された場面だったが、
仙台はなんとか耐える事が出来た。
やはり、ある程度の4-4の仕組みを作れば平岡のクロスを跳ね返す能力は高い。
多少無理はが利く。平岡という選手の能力の高さを改めて知る時間だったとも思う。

ところで、札幌のこの攻撃で仙台は押し込まれてペナ付近で守ることが多くなり、2トップが孤立。
耐える時間となっていた。

後半


変化についていけない

小柏を投入した札幌は駒井がボランチ、宮沢が最終ラインに落ちる。
所謂ミシャ式のような形になった。
また、宮澤がCBとして入ったということで、そこからボールを運べて仙台を押し込む。

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この変化で仙台は押し込まれる事になるが、
それでも、4-4のブロックがしっかりしていれば仙台は失点しないよ。と言えるはずだった。リードしているのでガッチリと構えればOKなのである。

そして、自滅

ところが、である。
仙台の最初の狙い目WBの裏というのはミシャ式の4バック化で前半ほどスペースがなく、
SB化した田中、福森がカバーできるので攻撃の起点に前半ほどならない。

なので、2トップに当てて中央を使った攻撃になるのだけれど、
ここに圧力をかけられて失う場面が多くなる。

そして、カウンターを食らい、小柏に決められてしまう。
この辺り無理してボールを中央に預ける必要があったのか。と
この日の札幌は仙台の4-4をセットした状態を破壊する術は無かったと感じていたので
ボールを蹴ってトランジション局面を避け続ければ問題なかった。
なのに、自ら危ない橋を渡り、負け筋を引いてしまう。という自滅であった。

負け筋を避けて福森裏を徹底的に狙ってマルティノスと駆けっこ勝負にしてもよかったのだと思うが…
このあたりまだまだ臨機応変に行かないところがまだ未熟なところなのかなとも思う。

パワープレーに対して5バックで対応するも…

同点となって仙台は両SHを変えてパワーを注入し勝ち越し弾を狙う。
それに対して札幌はジェイ、オリベイラを投入し中央トリプルタワーを形成し
ハンマーで仙台の4-4を破壊しにかかる。

それに対して仙台は押し込まれ反撃の糸口さえつかめない。
サイドハーフを入れ替えたけれども、彼らが輝く場面すら作れないので、
仙台はCBアピを投入して、5-4-1で勝ち点1を狙う作戦に変更する。

ただし、その作戦も88分にコーナーからジェイに合わせられ勝ち越しを許す。
この場面アピvsジェイだったが、ジェイの体の使い方でアピは飛べず無力化されてしまっていた。
役者が違った場面である。
アピはこういう場面どうしても増えるだろうがこれを糧にしてほしい。

その後仙台に攻撃する力は無く1-2で逆転負けとなった。

最後に

マリノス戦はゴールレスドロー。
横浜FC戦は2点ビハインドを追いついて
そして、ルヴァンの広島戦では1-0で今シーズン初勝利。
良い流れが吹いていた仙台。
そして、前半先制、そして、ほとんど完璧な流れだった。
それでも、勝利は遠い。辛い敗戦だった。

ただし、内容を見ると勝てた試合だったが、自分で負け筋を引いたという感じ。
でも、久しぶりに勝てる可能性があった試合を見た気がする。
そこまで、我々は成長しているのだ。課題はひとつひとつクリアしていっている。
だから、毎試合毎試合着実に勝てる確率は上がっているのだ。
残留に間に合うかはわからない。(現時点で勝ち点8差なので結構追い込まれている)

ただ、1勝はもう少しまで来ている。そんな事を感じるゲームだった。

滅茶苦茶悔しいけども。。。



ハイライト



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TACTICALista_20201072117

前半


点とれそうだけどビルドアップできません!

開始早々からCKで押し込んだり、サイド突破してゲデスへの決定的なクロスを道渕が放ったり、点は取れそうな気配はあった。
というのも、札幌はマンツーマンテイストで守るので1vs1に勝てればチャンスは作れそうで
サイドにはある程度質の優位性はあったんだと思う。
が、徐々にチャンスが作れなくなっていく。

その理由はビルドアップが出来なかった為である。

TACTICALista_20201072119 (1)

DHはDHに付かれ外せず、CBもマンツーマンに対して剥がせないため、
CBが持った時に横に出すしかなかった。
SBに出しても人はついているので余裕が無く、むしろサイドの分追い込まれてしまいここでアバウトなボールを蹴り込み札幌に回収するのを繰り返した。

という事で、仙台はDHが下がってビルドアップを助ける動きを始める。
ただし、このDHが一列下がる動きは自分たちを苦しめるだけだった。

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結局立ち位置さげたところで、マンツーマンなのでどこまでも付いてくる。
なので時間もスペースも生まれず、ただ単に後ろに重く、そして、前線との距離を作っただけとなった。

こうして、仙台は前にもっていければ点をとれそうだったが、前に持って行く手段が見つからない。そんな前半の保持局面だった。

前プレスも嵌りません!!

そして、守備も嵌らない。
なんとなく、この試合準備していたのは、対ミシャ式であって、

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仙台は前節と同じように非保持は4-4-2となる。
そして、4バックに対してSHと2トップで対面守備で圧力をかけにいきたかったんだと思うが、この試合札幌はほとんどミシャ式のDH落としをせず…
3バックでビルドアップをしていた。

TACTICALista_20201072119

その事により、SHが左右のCBと距離が出て前プレスがかからない。
それだけでも最悪なのに2トップがいても簡単に背後のDHに縦パスを出させてしまう。

これが、前プレスが嵌らなかった要因。
また、DHがシャドウに引っ張られているのかちょっと立ち位置が後ろで札幌のDHがフリーであることがおおかった。
そのため、このDHからは時間があり余裕をもって縦パスを放り込まれた。

なので、札幌が余裕をもって攻め仙台が死にそうになりながら守る。
という構図になったが、25分に福森からタッチダウンパス。
それを金子が折り返し、ロペスがプッシュし札幌が先制。

その後仙台は4-1-2-3でCB3枚を3トップで、そしてDH2枚をIHで捕まえようとするが、
残念ながら効果的では無く、自分たちのペースにならないまま前半を終えた。

後半


開始からトップギアでサイドを殴れ!

ビハインド。
そして、前半ほとんど自分たちのリズムにならなかった仙台は木山さんにはっぱをかけられたのか、前半とは違いかなりアグレッシブに前に行く。

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4-4-2にして、サイドを手厚く。SHとSBでレーンを分ける立ち位置を取りながら、サイドの裏のスペースを縦に速く使っていく。

さらに、2トップもDFの裏で受ける事を意識し、それが札幌の最終ラインを下げる要因になり仙台が押し込む展開にする。

そうすると、後半から5分で2得点。と逆転に成功。
札幌は多分守備がそんなに強くない。そして、サイドの攻防を制すると途端に苦しくなる。
それは、開始から何となく見えていたが、それをきちんと物にした仙台だった。

受け身にまわると…

そのまま殴り続ければもう2点くらい取れそうだったが、勝ててないチームというのはナイーブでありなかなか殴り続ける事が出来ない。
リードを意識した途端に全体のラインが下がってしまい、せっかく自分たちで切り開いた攻略方法を手放す事になってしまう。

何度も言うが今の仙台撤退守備が出来ない。
なので、下がっちゃいけないし押し込まれてもいけない。
もちろん、自分たちからその状況を作ってしまうのは自殺行為なのだがそれを作ってしまった。

ただ、それでもワンチャンスからCKを得て3点目も得たのだが、それでもダメだった。
簡単に横断され逆サイドから攻められる。

守る術なんてなくたった2分間で2失点だった。嗚呼せつないぜ。

長沢入れて修正し前から嵌めろ!

守れない…
このままでは4失点目すらありそうな感じだったので、テコ入れをする。
石原と長沢を入れて4-1-2-3に戻す。

TACTICALista_20201072121 (1)

その変更でやっと前プレスが嵌る。
3トップで前3枚を、IHでDH2枚を捕まえた。

その中で、71分の道渕の決定機が生まれた。あれが決まっていれば仙台のゲームだったがそうは上手くいかなかった。
ま、そんなこんなで長沢投入からクエンカ投入までは仙台のペースとなったのだ。

クエンカは…早すぎた…

80分にクエンカを投入。
ついにベガルタのクエンカがピッチで見れた。
この姿をどんだけ待ちわびたことか。ようやく。ようやくである。

ただし、現実はまだ、早すぎた。
全然動けなかった。
そして、道渕がいなくなったことで仙台の前プレスは終了。
前線にひとり取り残された状態が続いた。

木山さんはこのクエンカの状態を知っていたからこそサイドじゃなくて最前線に入れたのだと思う。
タリスマン的な使い方である。

そして、その最大の被害者は長沢で、FWなのに中盤を必死に守備していた。
それが報われて(?)無失点でホイッスルを迎える事が出来た。

勝ちたかったが、それ以上に連敗を止める事が重要でその最低限のミッションは達成できたのだ。

最後に

お互いに状態が悪いね。
というのがわかる内容。そして、それ故に激しく動いたゲームであった。

お互いに弱点があって、その状態になると非常に脆かった。
仙台としてはその脆さをひたすら殴り続けたかった。
が、やはり勝ててないとメンタル的に難しい。

リードがあるとどうしても保守的になり1点を守ろう、、、守ろうというメンタルでズルズルと下がってしまう。
でも、仙台の今の武器は相手陣内でのプレーである。
自ら唯一の武器を放棄する行為になってしまう。
それは最悪だ。

なので、難しいとは思うが、我々は挑戦者であるので、挑戦者らしくトライしていこう。
どうせ倒れるなら前向きに倒れようぜ。

そういう意味では首位を爆走する川崎。
というのはやりやすいと思う。
勝つ確率はめちゃくちゃに低い。低いなら低いで開き直って今の力をぶつけていこうぜ!

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スタメン1
サブ

前半


木山さんのミシャ式対策

ミシャ式という特殊な戦術に、手倉森さん渡辺さんと歴代の監督が様々な手段で対抗してきた。
(ミシャにサッカーをしていない。とシャビ大先生のようなことも言われたりもした)
そんな仙台の歴史があって、木山さんも歴代監督のようにちゃんと対策をしていた。

対策は2つあって、ひとつはロングボール大作戦。
ロングボール大作戦

札幌はドウグラスを椎橋番をさせてそのほかは最終ラインに同数でプレスをかけてきた。
それに対して仙台は小畑を使い3vs2の数的有利を作り出す。
そして、そこからロングボールで両ウイングをターゲットにしていた。
右のジャーメインはサポートは道渕のみで基本的に一人でやり切る。という設計。
左のゲデスはジャーメインのように一人ではやり切れないので長沢もゲデスサイドに寄らせサポートし、ゲデスの部分は関口と長沢とコンビネーションを使い突破する設計だった。
また、ロングボールを蹴る事で札幌のカウンターを防ぐ意味合いもあったはず。
札幌の一番怖い形はカウンターであって、それをさせなければ互角以上に戦えると考えたような気がする。

そして、もうひとつ。これはミシャ式の急所。
急所

4-1-5になる1の脇がトランジション時に空くのでそこをIHに使わせる。
そして、IHがフリーになり最終ライン引き付けてジャーメインに渡し勝負させる。
右サイドが多いのは単にカウンターの破壊力がゲデスよりジャーメインの方が怖いからだと思う。
やはり、ジャーメインのスピードは恐ろしく武器になるということだと思う。
そして、それが先制点に繋がった。
何度かチャレンジしないといけないのかなと思ったのだが、一発で決めてくれたのは嬉しい誤算であるが、この日のこのシュートはかなり落ち着いていた。
素晴らしい。

止められないチャナティップ

さて、仙台の作戦はうまく言った。
そして、カウンターも札幌にさせなかった。
また、固定砲台福森にも仕事させなかった。
福森の固定砲台

福森のロングボールは札幌の武器だと思うがそれは仙台が4バックのスライドで見事に対応。
それでも、オープンな展開になってしまった感がある。
その要因はチャナティップだ。
チャナティップの個人技

チャナティップが図のようにIHの裏に入り込んで仙台陣営を突破しようとする。
今までのチームもこの狙いはあった。
ただし、椎橋がうまく壁を作って縦に突破させず、サイドに追いやっていた。
が、チャナティップは個人技で椎橋を突破。
そして、ここを突破されると仙台の最終ラインは脆いので決定機になってしまう。
前半は小畑が素晴らしい対応で踏ん張ったがどう転んでもおかしくなかった。

荒野の軽率な退場

仙台が先制したもののどう転んでもおかしくないほどオープンでお互いにチャンスがあった。
そのバランスを崩すしたのが荒野の軽率な退場であった。
確かに審判団がゲームスピードついていけず微妙な判定が何個かあったが…
関口と競り合った時に自分のフラストレーションを爆発させてしまった。
飯田主審の前で関口を蹴って退場。
これは関口が老獪だったのかもしれない。

そこから仙台は決定機複数回作ったのだが「すげのすげーの」を3回ほど発動され追加点を取れなかった。

後半


前半の修正と追加点

仙台にとって怖いのはIH裏に潜り込むチャナティップ。
そして、彼の個人技である。
それさえ止めてしまえば仙台は主導権を握れる。
一人多いこともあって椎橋がチャナティップに専念することが出来た。
そして、チャナティップへのパスを寸断してしまえば良い。
後半の修正

そして、これが2点目の布石だった。
狙い通りチャナティップのパスを椎橋がカットそのままの勢いで運んでミドルを放つとついに菅野の牙城を崩し待望の追加点を取れた。
ここまでは完璧だった。はずだったのだが。。。

ひとりサボればすべてがズレる

追加点の直後に失点をする。
これが痛かった。
ただ、この失点はちょっと色々容認出来ないので取り上げる。
1失点目

個人を攻めるのがすきじゃないし、名指しも嫌いなのだ。
だけど、、、
赤﨑には悪いのだけれどちゃんと指摘しないといけないので書くことにする。
この1失点目は何でもない相手自陣でのFKからビルドアップだった。
仙台も守備をセットしていたので簡単に失点する場面では無かった。
ただ、この時赤﨑が守備をサボる。
すると、ボールホルダーにゲデスが食いつく。
ゲデスが食いつくと中央のパスコースを消す事が出来ないので、中央の田中にでる。
本来ゲデスが見なければならない進藤は誰も見れずフリー。
そこからルーカスに簡単に展開されクロスからあっさり失点。
赤﨑のサボりから仙台のセット守備がドミノ式に崩れていったシーンであった。
チームはひとつの生き物であって、ひとりがサボると崩れていく典型的なシーンだったと思う。
このチームは質が足りない。
だから、全員がベクトルを合わせないといけない。
それが出来ないとこのようになってしまうのだ。

ちょっと感情的になるけど、赤﨑は1トップ向きじゃないのはわかってる。
苦労しているのもわかるけれど、だからこそやれることはやってほしいなと思う。
去年の長沢のように間違っても良い。
頑張りがわかれば推せる。
ただ、頑張りもせず(そういう風に見えちゃう)サボる選手は残念だけど推せない。
それがサポーター心情だ。
だから、この失点は海より深く反省してほしい。ここは技術とかじゃない。
意識の部分なので修正出来るはずだ。

数的有利だけど数的不利

ちょっと話がズレたので戻すとこの1点で勇気が出たであろう札幌。
ここから特攻してくる。大きな博打に出る。
数的同数が数的不利

これが、前に全リソース突っ込む。という選択だった。
ひとり足りないならバランスを気にせず全リソースを前に突っ込んで前で奪う。
攻撃し続けろ。という選択だった。
札幌の前は9vs8で数的有利。 逆に後ろは3vs1で圧倒的な数的不利。
それでも、勝ち点を得るには…という選択だった。

もちろんカウンターでひっくり返されると決定的な3失点目をする可能性があった。
いや、その可能性は大きかったと思う。
ただ、それを活かせない仙台。カウンターはすべて不発。西村はいいタイミングでシュート打てず、赤崎山田はファールで止められる。
最終盤に札幌のカード数は多かったが、それはカウンターを必死に止めた結果だった。
札幌の執念だった・そして、その執念に仙台は屈した。
同点になったCKは不運だと思う。
けど、流れを見ると当然の結果だったのかもしれないとも思ってしまう。

最後に

勝ち点2を失うゲームだった。
勝ちたいという執念で上回ったのは札幌だったので妥当な結果なのかもしれない。
途中出場の選手。特に3トップは迷っている最中だとは思う。
なかなか自分の良さを出せないのも理解できる。
ただ、それでも情熱や執念の部分でも淡泊に見えるのがどうしても辛いなと思う。
珍しく感情的な事言ってる気がするがそういうところだと思う。
期待してるんだ頑張ってほしい。

さて、再開の湘南戦以降勝てず2分1敗となったが、チームとしてはある程度出来ているのでこれを続けていくしかない。
チームとしては何もおかしくない。
むしろ、今日のスタメン組はやれることが広がっており充実感があるのでは無いかとすら思う。
問題はやっぱりサブ組。
そこが花開ければ僕らはきっと大空だって飛べるはずだ。
大丈夫。信じて行こう。

ハイライト



スターティングメンバー

スタメン

前半


ミシャ式を嵌めよう!!

この試合主導権を握ったのは仙台だった。
仙台は非保持を整理して、ミシャ式を嵌めていく。
仙台の前ハメその1
ざっくり言うとこんな設計図。仙台は4バック化に対してFWで対面し、
札幌のGKク・ソンユンにボールを持たせたかった。という意図だった。
ク・ソンユンはビルドアップが上手いGKでは無いので、アバウトに蹴ってしまう。
そのボールを奪って仙台はカウンターにつなげたかった。
(図はハモンと長沢の立ち位置が逆の事が多かったですね。ミスりました)

ミシャ式を嵌めようその2

さて、ク・ソンユンに持たされたくない札幌は2CB化さら3CBに変更。
この3CB化面白いのは早坂,福森はやっぱりSB化する。
DH2枚が落ちるての3バックになる。これ、見ているときは不思議に感じなかったが、纏めるとすごく違和感がある。たぶんビルドアップの能力とかそういう感じなのかなと想像する。
仙台の前ハメその2
札幌はチャナが1列降りてアンカーの位置に降りて3-3-4みたいな立ち位置になる。
この札幌に対して仙台はFWの2枚とチャナとデートする富田で中央を閉鎖し、サイドに誘導する事に成功。
そして、サイドから奪う。たまに大外からのクロスまでいかれるが中でしぶとく対応。
この試合ジェイに対して島尾が負けなしだったのも大きい。

仙台の先制点もサイドで白井が無理に仕掛けたところからのカウンターだった。
このように二つの立ち位置に対して仙台は優位に進めた事は大きい。

ハモンの立ち位置の整理

さて、この試合ポジトラの要になっていたのはハモンの立ち位置であった。
守備ではミンテに付いて行く。
ただし、ビルドアップが終わるとミンテは中に絞る。このミンテにハモンが付いて行かずその場にとどまる。
ハモンのフリー
すると、ハモンはハーフスペースでフリーになる。これが仙台のポジトラの起点となっていた。この位置が守備でも攻撃でも効果的な立ち位置となった。
また、ここで前向いた時にハモンはドリブルからクロスや中に入ってのミドルも出来る。
という事で札幌には驚異的になった。

後半


3-2のビルドアップで仙台を交わす

さて、前半は仙台のゲームだったので、このままではまずいという事で札幌は整理をする。
まずは、立ち上がりから深井を投入。右CBに宮沢を下げる。
後半のスタメン
これでシステムを変化せずに、3-2でビルドアップする。
札幌の修正
こんな感じで仙台は前半ほど中央封鎖できなくなっていた。
その影響で後半早々に押し込められ荒野のミドルを食らってしまって同点にされてしまう。
ただし、ラッキーだったのはその3分後にCKからすぐに突き放せたのは非常に良かったと思う。

もちろん、そうやって前半ほど守備で嵌められない中で、後半ハモンが右サイドに立ち位置を変え福森の裏で起点を作りカウンターに移行できた。というのがここ数試合と違うところだったと思う。劣勢ながら一方的に殴られるわけじゃなく、時折、得点の匂いを感じさせてくれたのだ。

目くるめく立ち位置

さて、ここから立ち位置が目くるめくっていく。
まずは、66分に札幌がアンデルソン・ロペスを投入。
後半のスタメン2
こんな感じで攻撃的なシステムになる。
たぶん、チャナがボランチなのだろうが、ほとんど降りてこない。
これで、殺るか殺られるかみたいな感じでオープンな展開になるが、このオープンな展開を嫌った仙台が兵藤を投入し整理する。

仙台の前ハメ@兵藤投入
兵藤を投入。複数の守備タスクを兵藤に預ける。
ここではそのひとつ、兵藤投入後の前ハメを取り上げる。
兵藤が前線に上がって4-3-3を作る。そして、3バックに対して3枚でビルドアップを阻止する。
また、この時アンカーの荒野が立ち位置をとれない。中央を空けてしまったり、仙台の誰かにつかまるポジションにしかとれず、その結果この3バックが孤立。ビルドアップが出来なくなる現象が発生。この現象は70分-80分の10分間で起こった。
ここで、仙台のペースに戻せた事がこのゲームの勝因だったと思う。


4-5-1でクローズとおまけの追加点

さて、うまく行かない札幌は菅を投入。アンカーを深井に。そして、
福森をビルドアップ隊に戻し、札幌はビルドアップ出来るようになるが、仙台もジャーメインを入れて4-5-1にしゲームをクローズしにかかる。
後半のスタメン4

仙台は最後までハモンがWBの裏をついてカウンターの起点にして、そこにジャーメインがスピードを活かして絡んでいく。
それで奪ったCKをこの日、ポジトラで良く頑張って切れていたハモンが右足で押し込み3-1で勝負を決めた。

最後に

遂に厚別で勝つ事が出来た。歴史的な瞬間であった。そう。世界は変わったのだ!
その歴史的な勝利する事が出来たのは、
鳥栖戦の負けを引きずらずこの試合のために2週間きちんと準備した結果が前半の出来に繋がったと思う。
また、課題のポジトラもハモンロペスに動きを落とし込んで解決出来たのも非常に大きく
これでまた1つ僕らは前進したのだと思う。
気が付けばシーズン当初と全然違うチームになってきているが、これもまた「ポジショナルプレー」のフレームワークを使った事による進化なのである。
決して「ポジショナルプレー」というのは保持局面だけでは無いのである。
このように非保持からカウンターだって「ポジショナルプレー」のフレームワーク使っているのである。
そういう意味では仙台はようやく「オリジナル」の「ポジショナルプレー」の道を歩みだしたのかなーと感じている。
また、ここから壁も現れるだろうけどだいじょうぶ。僕らはその壁を突き破っていくだけの力はある。

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