カテゴリ:Jリーグ > 大分トリニータ


スターティングメンバー

スタメン

前半


大分の仕組み

まずは大分の仕組みから。(プレビューでやれ。という話ですが)
大分の特徴はGKの高木のフィールドプレイヤー化である。
疑似カウンター
このように、高木が一列上がって4バック化する。
ここで相手が数的同数のプレスをかけると後ろの枚数が足りなくなり、カウンターのような状態を作り出す事が出来る。
基本的には右から運ぶ。 左は星がハーフスペースに入って、右からのクロスに対して
ファーサイドに入る。
藤本が中央。三平が遅れて入ることで、トライアングルを作る。
これが、大分の今年の特徴である。
また、去年より明らかに疑似カウンターが多い。そして、藤本が輝く。
去年J2にて12点だった藤本がすでに半分の6点をとっている。
この数字も疑似カウンターの回数が増えている事を示している気がする。
また、ボール保持に拘らず自陣に引きこもった山雅に負けているのも特徴的である。

仙台の対抗策

さて、そんな大分に対して仙台はどう戦うか。勝ち筋としては、山雅のように5バックで撤退するのが一番可能性あるのかな。と思っていたが、監督が選んだのは前プレス+マンツーマンの複合守備だった。
仙台の対策1
問題は前の5vs6 の数的不利のプレスに対してどうやって嵌めるか。
なのだが、そこはきちんと大分の特徴を整理出来ており戦略的には正しく嵌めていたと思う。
大分は、上記で説明した通り右からの展開が多い。それは、福森と岩田の差。
そして、星の特徴から右に偏る。
星はあまり大外でのタスクをこなすプレイヤーではなく、
ハーフスペースや中でタスクをこなす事が多い選手であること選手
そして、福森が運ぶドリブルを実装していないためだと考える。
なので、そこを考慮し仙台は福森サイドへのプレスを弱め、岩田サイドへのプレス強度を強く出る。

仙台の対策2
上記のような感じで福森の方をそこまで圧力かけず、岩田サイドの方へ圧力高めに前プレスをかける。
これは、効果はかなりあったと思う。
大分はボールを進めるのに苦労していた。
ただ、仙台の前プレスは対人の意識は強めであり、また前プレスの仕方は整理されていなかった。
なので、アドリブ志向が強く、あまり再現性は無い。
なので、前プレス隊はスプリントをかなり多く強いる事になってしまったのは残念だった。

大分のチャンス

大分のチャンスは岩田が上がった時に生まれる。
大分のチャンス
岩田が上がり3vs2 で数的有利を作ったら、ペナ角攻略を試みる。
この形がほとんどで、仙台は対抗策が無い様に見えた。
ただし、仙台の対抗策がハマり撤退する機会は多くなかったのでそこまで問題にならなかったのは良かったところだった。

さて、こんな感じで仙台が若干優勢にゲームを進める物の仙台も明確な決定機があったわけではない。
43分を除いてはで、あの大分のミスから生まれた43分の決定機を決め切れなかった事がこの試合の行方を決めてしまったのだと思う。

後半


安い失点と継続する対抗策

仙台は前半ある程度戦力がハマりゲームを優位に進める物の決定的な違いを生み出さない仙台。
後半の立ち上がりも前半と同様のプランを実行。
しかし、兵藤がターンしたところを岩田に奪われカウンター。
松本のクロスはクリア出来るように見えたが常田が痛恨のクリアミス。
それを岩田に奪われ失点となってしまった。
43分の決定機決められなかったこと。そして、後半立ち上がり46分に起きた失点に直結するエラー。
この2つのプレイタイム約5分に起こった出来事がこのゲームの行方を決めた。

また、前半30分過ぎから大分は3-1-4-2に変更しているが、仙台のプランを弱める効果はなかったと思う。
仙台がやることは変わらずだった。
3-1-4-2
大分のシステム変更にも動じない仙台はやはり素晴らしかったと思うのだ。

プランの弱点

戦略的には正しい仙台だったが実現する方法論がよろしくなかった。
前半も書いた通り前プレス隊はスプリント回数がかなり多くなる方法で実現していた。
なので、65分以降にプレスの強度が落ちラインが間延びしてしまう。
なので、徐々にプランの効果が薄れてきてしまい、仙台の立てた戦略が実行できなくなってしまう。
また、前プレス隊は選手交代で強度を補おうとするが、
残念ながら補うどころか交代する度に仙台がチームとして動けなくなり崩壊していく姿は
見ていてとても切なかった。

失点は何が起こっていたのか

さて、失点の場面である。
あの場面だが、前プレスの強度が落ちていた事もあるのだが、それ以外に色々な要素が悪い方向に出てしまったので整理しておきたい。

まずは、石原直が入ったことでハモンが右サイドになっていた。
今までジャーメインは中央に残って大外の福森まではプレスをかけなかったが、ハモンは
大外までプレスをかけに行ってしまった。
このことで仙台の前プレスの基準が崩壊していた。
さらに、大分は三平からオナイウに変わったこと。そして、オナイウが常田とマッチアップし、常田に負けず起点を作れた事。
さらに、捨てていた大分の左サイドからボールを前進されてしまった事。
が重なり失点に繋がったのだと思う。
ただ、やっぱり、ジャーメインがいなくなった事で仙台のプレス基準が無くなってしまったのが一番大きいのかなと思うのである。
仙台の方かい

最後に

ラスト20分チームが崩壊し、戦略を実行できなくなりバラバラになっていく姿をただただ見るだけになってしまったゲームになったのでイメージはかなり悪いと思う。
しかし、きちんと紐解いていくと
仙台は大分をしっかり分析し、出来る限りの手を打ったと僕は思っている。
ただし、実現する方法論はもう少し整理するべきだった。
言うのは簡単なのはわかっているが。
ただ、何度も言うが戦略は正しいのである。
せめて、選手交代で出てくる選手が戦術を理解し継続出来れば
もう少し戦えたかもしれない。
ただ、そこは19年用の計画は5節で一度壊れ、
6節から再スタートを切ったチームなので仕方ない面はあるのだと思う。
しかし、感触といては良い。だいぶ整理出来てきたと思う。平岡もこの試合かなり整理出来ていてハーフスペースでボールケースがかなり多くなっていたのは面白い現象だったと思う。

仙台としてはまだ時間がかかる。課題もたくさんある。しかも、時間も限られている。
まだまだ、危険水域にいる。
しかし、間違いなく良い方向に、正しい方向に進んでいる
それは実感できるゲームでもあったとは思う。
また、結果的には若者のエラーで勝ち点を落としたわけだがそれは未来への投資である。
僕は何も気にしていない。
それよりも、この道を信じて行くことの方が重要なんだと思う。

今週はナショナルマッチウィークのためJ1は無し。
ということで、J2出張です。

今回取り上げるのは町田-大分の上位対決。
共にアイデンティティがあってなかなか面白いチームです。
ざっくり言うと
町田は横圧縮からトランジションゲームを強制する。
攻撃も展開はしない。密集サイド突っ込む。

大分はミシャ式@片野坂バージョン。
ワールドカップ期間中に書いた気がします。
なお、甲府に骨格を殴られ負けた試合だったが。。。

スターティングメンバー

スタメン


前半

この試合のポイントは
ビルドアップする大分に対して町田が圧力をどこにどうかけるか。
だと思っていた。

大分リスク回避と押し込まれる町田


大分は前半リスクを背負わない事を選択したように見えた。
この時のリスクというのは、ボールを持って自陣で奪われる事だった。
なので、大分は以下2つの考え方をもっていた。

 ・ビルドアップをせず少ないタッチでスペースにもっていく
  このスペースというのは 
     ・町田の横圧縮の逆サイド
     ・DFラインの裏

なので、大分はビルドアップをせず、
CBからシャドウやCFWに蹴っ飛ばす。

また、大分のポジドラ時には少ないタッチ数で逆サイドに持っていくことを徹底した。
もちろん、町田の失い方も良くなかったと思う。
中央に入るパスの精度が低くCBが楽な状態でボールを回収されていた。
なので、余裕をもって逆サイドに展開されていた。

このような感じで主導権を握られた町田は横圧縮を維持できず。
町田は442の撤退を余儀なくされた。

この442の撤退で問題になったのは、
大分は325なので、最終ラインが4VS5になる(ミシャ式ではなかったのではっきりと5トップではなかったが…)
したがってこんな感じになる。

撤退守備



小島が星と馬場の二人を見ないといけない状況が出来ていた。
星がボールを持つと小島にが星へ圧力かけに行のだが、馬場がフリーになるケースがおおかった

小島引き出される


この場合本来は酒井深津がスライドしてカバーしないといけないが、
上手く出来たシーンはなかった。

また、土岐田サイドも同じような状況があって、
土岐田が松本と小手川2枚見ないといけない場面もあった。

こういう状況で、シャドウがフリーになることが多く
町田はいつ失点してもおかしくはなかったと思う。
しかし、先制したのは町田だった。


町田の十八番のセットプレーと逆転する大分


平戸のキックはJ2でNo1であるためセットプレーは脅威である。
したがって、相手は当然CKの時に中を固める。
それを逆手にとったショートコーナーからロメロフランクのミドル一閃だった。
これはこの大一番のために仕込んだものだった。
深津がロメロをフリーにすべく2枚ブロックし、ロメロへのプレスコースを防いでいたし一枚ショートコーナー受けに走り大分の選手も1枚釣っていた。こういう工夫がありロメロがよりフリーになれた。
素晴らしいゴールだった。


先制したが、最初に述べた問題点は解決していない。
したがって、失点は必然だった。

1失点目は、土岐田が松本と小手川二枚見ないといけない状況で、この日なら福森から対角のロングボールで松本に通す。というのがここまでの展開だった。しかし、この場面では
DF裏へのロングボールだった。小手川が上手く裏をとった。
これに対して土岐田が対応遅れたのが致命的で、最後はGKも交わしゴールを決めた。

2失点目はシャドウの前残りから圧縮してないサイドへのロングボールを放り込む。
それを小手川が納め起点を作る。この時逆サイドの馬場はフリーでペナに入る。
そこから伊佐とボールを運び小手川がクロス。馬場がニアに飛び込んでフリックした形だった。シャドウ+CFの3人のカウンターで仕留める。
これが大分の狙いだと思う。

とにかく町田はシャドウのマークがボケるシーンが多く欠陥になっていたと思う。

再現性のあるスローイン


しかし、この状況でも追いつく。驚異的だ。

このシーンは得点から1分間連続でスローインが続く。
スローインでジリジリと相手自陣に前進させる。
なお、きれいに運んでるわけじゃなくてスローインでボールの奪い合いになってトランジションおきてぐちゃぐちゃとなってスローイン獲得。
これを繰り返す。気づくとゴール前。でスローインからクロス。
平戸のクロスにロメロがニアで潰れ鈴木が落として中島が冷静に流しこむ。

流れが悪くても、スローインでボールを前進させスローインから点をとる。
恐ろしい。
ちなみに、このスローインは相手スローインでも同じことが出来る。
片方のサイドしか使わない町田は普通のチームのように普通にはボールを運べないので
さらに、横圧縮だとスローインが多くなるので
スローインでボールを運ぶのは理にかなっていた。

そんなこんなで圧倒的に町田が不利だったのにも関わらず
2-2と同点で折り返すことが出来た。

後半


町田としては同点で折り返せた。
しかし、欠陥があってそこを除去できたわけではなかった。
なので、何か解決策を見出さない限り失点してもおかしくない状態だった。

が、町田はここまで横圧縮一本で戦ってきた。
そして、ここまで欠陥をさらけ出したこともなかった。
なので、後半対応するというのが出来るかは半信半疑だった。
町田の後半はインテンシティが落ちるので前半のようにはできず失速するのが大半だった。
なので、私はこうハーフタイムに

とつぶやいた。

しかし、それは杞憂に終わる。

町田の解決策


町田の解決策は馬場に小島がマンマークで当てる事。
星はフリーで構わない。という決断だった。

修正

これが、画期的だったのは
例え左サイドにボールがあっても、右サイドにボールがあっても小島は星にはいかない。星がボールをもった時には遅れて土居がアプローチに行く。
で、この時星にはパスコースが無くここでノッキングする事が多くなった。
星が大外でドリブルからのクロスがあればこれは出来ない。
ただ、星には大外からクロスというプレーは無い。

この試合も前半1本しか星からは上がっていない。(しかも、ノーチャンスだった)

また、気になりこの試合後動画を漁ったがやはり星は大外でほとんど仕事をしていない。
基本的には右のクロスに合わせる。
または、外からカットインしてシュート。というプレーばかりだった。
なので、大外で放置していくのは脅威にはならないのである。
右サイドからクロスを上げさせずカットインもさせなければそれでよい。
なので、土居が遅れても良いのだ。
これをハーフタイムで決断するんだから相馬さんは凄い。

こうして、主導権を握り替えす。

そして、
CKから鈴木が押し込みが微妙な判定だったがハンドだった。
ここはまぁ誤審ではないと思うが取らない主審もいるよね。という感じか。

またスローインから勝ち越す


一度は取り消されたゴールだったが、またスローインの連続から勝ち越す。
ここも1分間に4回も連続でスローインが続けている
今回は、相手陣内の深い位置での連続だったので、
運ぶスローインでは無く決めるスローインだった。
ここは、1vs1で相手を背負うシーンをすべてのスローインで作っていた。
ここで、受けた選手は前を向こうとトライするダメならそこにプレスをかけて回収(スローイン獲得)
当然相手のゴール近くなので、1vs1を制して前を向けば決定機。
これを4回目で前を向けてシュート。これを決め切り逆転に成功する。

が75分以降は足を攣る選手が複数人出てきていてインテンシティが落ち前プレスがかけられず、仕方なく442の撤退守備を余儀なくされた。

大分の反撃


前半と打って変わって攻め手が無くなった大分だったが、
69分に藤本と三平を投入。
ここで、3142 にシステムを変更する。
ここまで、修正後は外外でしかボールは運べなかった。
外外で運んだ時に問題になるのは星である。
この星を変えるのかと思ったが、そうではなく
システムを変更して星を生かそうとしたのだと思う。
インサイドに配置された前田が大外に出て星がインナーラップで星が活きる形を何回か作った。
ただ、どうしても最終ラインの酒井と深津の最終ラインを攻略出来なかった。

クロス爆撃に変更


仕方なく星に代えて清本を投入し、クロス爆撃を開始。
ただ、ハイボールに強い深津が跳ね返す。また、GKの福井もハイボールには強いようで安定していてチャンスを作れなかった。
また、2トップが三平と藤本なので高さが無いのもつらい状況だった。
せめて馬場を残していら少しは変わっていたかもしれない。この辺り大分の交代策はちぐはぐだったかなとは思う。

町田は最後藤井を投入し5バックでクロスをひたすら跳ね返し続けゲームをクローズ。
町田が後半の修正で勝ち切った試合となった。


最後に

町田は楽しかった。純粋に見直して面白かった。
そして、後半修正して勝った。これの勝ち方は本当に強く優勝する価値のあるチームだと証明したゲームだと思う。

町田の横圧縮が少しは理解できたかなと思う。
普通は守備は圧縮。攻めは展開。なのだけど、
町田は展開しない。展開する事をハイリスクハイリターンだと捉えている。
そして、リスクを冒したくない。という事なのだろう。
ようするに、展開してアイソレーション攻撃をした時にボールを失うと容易にカウンターを食らう。これをリスクだと捉えている。
町田のような選手の質が確保できないチームはひたすら数的優位で押し切ろう。
ということなんだと思う。

さて、話を戻すと
この後町田ホームは2試合

福岡とヴェルディ といづれも面白くなる相手なので、是非野津田に見に来てほしいなとは思う。


マサヤについて

仙台サポ向けにマサヤについて話しておく。
まだ、判断を間違ったりプレイが軽かったりしてピンチを招く事が多かった。
しかし、後半町田がチームでの修正すると、自分のタスク(馬場を止める)はほぼ完ぺきにこなしていた。
対人性能は上がっているので成長しているのが見えたのは良かった。
ちょっと仙台とは違うやりかたなので、仙台ですぐポジションつかむ感じにはならないのが残念であるが、マサヤは間違いなく成長していてそれが見えたゲームでもあった。
今のところ仙台のポジションだとCBの左かなー。とは思う。

J1が中断期間に入りまして書くことが無くなりましたが、毎週書く癖をつけないと再起動出来ない恐れがあるので、J2/J3を書いて行こうかなぁと思ってます。
その第一弾です。
書くきっかけは4月水戸が好調なときに大分ー水戸をみて、大分ミシャ式じゃん!って思ったからで、
その大分が首位なのでちょっと気になって書いてみようとと言うことです。 
なお、いつもより軽めになります。

甲府について

ホーム側の甲府は吉田さんから上野さんに監督交代したのが、4月30日でした。
それから約1ヶ月経ちますがリーグ戦は3勝1分の負けなし。と好調。上野さんのやりたい事が早くも浸透してるのかを確認したい。

スターティングメンバー

LINEUP111527352380390

3421で、大分とスタートポジションはミラーでした。
ただし大分はミシャ式という事で作られるギャップにどう対応するかが鍵になる。

大分について

この試合を書くことになったきっかけ埜チーム。方野坂はミシャ式をやっていて首位。
と言うことで興味あり。
ミシャ式がどうアレンジされているのか確認したい。(フラグ) 

スターティングメンバー
LINEUP111527352591951
宮坂がディフェンスラインに落ちる役目。
丸谷が中盤に残る415のミシャ式だった。

前半

勝負の大勢は前半10分でついてしまった。
大分には悪夢の立ち上がり10分間。
甲府にとってはスカウティングした事が200%出来た。そんな前半10分間だった。

甲府の対ミシャ式前プレス


上野さんはきっちり対ミシャ式の前プレスを仕込んでいた。

相変わらずデフォルメされた図で説明します。
1527356895152

図は大分がボールを保持した415のミシャ式の時。
甲府はの対応は以下。
  • 5トップには5バックでマンツーマン
  • SBにシャドウを当てる
  • CBは金園が気持ちで二人見る。
  • アンカーの丸谷にボランチ2枚で対応。

5トップvs5バック

これによって大分が最終ラインからの縦パスについては甲府の5バックが前でパスを奪う。 
また、トップに入っても前に向かせない。
するとバックパスを選択させる。

アンカーの丸谷にボランチ2枚で対応

最終ラインからパスが来たり、トップからバックパスの回収経路になっていたりと、中盤と前線のハブ役となっているアンカー。
ここに2枚つく事でここで奪ってカウンター。
そんな甲府の意図だった。

最終ラインへのプレス

SBにはシャドウが付きCBには金園一人で対応。
こうすることで最終ラインにも時間を与えず。苦し紛れに出すのは前線への確率の低いパスまたは確率の高いアンカーへのパス2択しか無かった。

ただし、このパスコースは先述の2点で塞がれていた。よって、大分にはパスの出すところが全くどこに出しても奪われる。
そんな感覚だったと思う。
そして、この仕組みによって甲府は1点目、2点目、4点目を得られた。

ミシャ式のスペースを使え

上野さんはもう1つミシャ式の弱点を利用した。
これが、アンカー脇のスペース。 
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この雑に赤丸で括ったスペース。
ここを堀米がドリブルでボールを運ぶために使っていた。
3点目はまさに、このスペースを堀米がドリブルで入っていったのがきっかけだった。

また、ちょっと違うが、小塚がこのスペースを使ってエデルリマとのワンツーを受けての5点目となった。

と言うことで上野さんの対ミシャ式は完璧だった。コテンパに骨格をぶん殴られた大分は為す術無く失点だけが増えていった。

大分の光明

それでも、甲府が撤退した時には大分もチャンスを作っていた。
甲府は5点とったあと前プレスを辞めて撤退守備に切り替えたのだが、それが大分にとって光明だった。
事実、38分宮坂が最終ラインからドリブルで運び真ん中に寄せたところからSBの福森にパス。
ここで、甲府の堀米がスライド遅れ福森に時間を与えてしまうと、ここから素晴らしいスルーパスが出てピンポイントに馬場が合わせて1点返した。

後半

大分の前プレス対策

ハーフタイムに流石に修正。
5トップを辞めてWBを下げる。


1527357339692~2
5バックからWBを遠ざける事でここにスペースと時間を作る事が出来る。
ここをビルドアップの出口として使うことで前プレスを回避した。これによって、前半の悲劇を回避し大分がいつもどおりの展開に持っていく事が出来た。

ガス欠の甲府

さらに時間が経つにつれ前プレスのインテンシティが落ちていき前半ほど圧力がかからなくなると大分が甲府を押し込む時間が続いた。
75分に相手陣深くのスローインから逆サイドのWBに繋がると最後は後藤が決めて3点差。
流れは完全に大分だった。
しかし、前半の5失点はかなり重かった。これが、せめて3点で抑えられていたら勝負はどうなっていたかわからなかった。とは思う。

最後はアディショナルタイムCKリンスが6点目を決めて終わりゲームを締めくくった。

最後に

大分を確認しようと思ったら甲府の独壇場だった。
甲府は良く研究していて完璧に対策を打ったかなと思う。
というか、J1でもここまで見事なミシャ式対策を見たことない。 上野さんお見事。
点数をつけるのは好きじゃないけど10点満点つけて上げてください。

大分は後半実施したWBの対応を前半でやりたかった。
実は星は気がついて下がって来たのだが、チームとして使えなかったのは残念だった。

ピッチ上選手達が気が付き判断出来れば前半の失点は減らせたのでは無いかとは思う。本文にも書いたがせめて3点に抑えられた、試合の行方がわからなかったと思う。

それが大分の強さなのかなぁ…と感じた。

ただ、この日は甲府の方が完璧だった。

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