リーグ戦では「持たない」という選択をした仙台。
しかし、残念ながら結果出ず勝ち点1どまり。
このゲームではリーグ戦よりは重圧が無いので、
自分たちの哲学を示すゲームになるんだと思います。
- 1.スターティングメンバー
- 2.前半
- 2-1.理想の3CBとジャメのレイオフ
- 2-2.鳥栖の狙いと課題
- 2-3.先制点は理想の形
- 3.後半
- 3-1.鳥栖の442の評価は?
- 3-2.照山の素晴らしいデビューと大岩が右CBというオプション
- 3-3.理想の形で3点目
- 4.まとめ
■ 目次
スターティングメンバー
仙台はスタメン11人全員入れ替え。
そのうち5人が仙台での初出場となりました。なお、照山はプロデビューです。
鳥栖は若い樋口、松岡あたりを使っていました。
正直に言えば、今年鳥栖を見ていないのであまりわからないです。
前半
前半主導権を握ったのは仙台でした。
10分の照山からジャメへの裏へのパスを合図に徐々にギアを上げていった印象です。
理想の3CBとジャメのレイオフ
さて、この日の仙台はボールを持ち、丁寧につなぐことを意識したゲームとなりました。そういう意味では哲学を示す前半と言っていいと思います。
その中心にいたのはCBの3枚でした。3枚全員が縦パス(レイヤースキップパス)を出せる。さらに、左右のCBは運ぶドリブルも実装しており、まさに仙台の理想を表現してくれたのは凄く大きかったです。
ちなみに、鳥栖はボランチ2枚を窒息死させることで仙台から自由を奪いたい。という意思があったように思えましたが、この日の仙台はボランチを経由せずとも前進する事が出来ました。
特にジョンヤが素晴らしくボールを前進させる3つの選択肢をすべて実行していました。
鳥栖の狙いと課題
守備でハマらない鳥栖でしたが、それは仙台が良かったからだと思います。鳥栖の課題は守備よりも攻撃でした。
カレーラスはSB及びウイングをタッチラインいっぱいに置くのが特徴的で、
バルセロナの香りがしていました。気になって調べたら選手時代にバルセロナを経験していました。バルセロナなので、幅をとって相手を横に間延びさせて1vs1を仕掛ける
または、ミドルレンジのパスを多用して相手を動かすのが基本となります。
しかし、鳥栖は同サイドばかりで狭いところにしかボールを進められず逆サイドの選手が無駄になるシーンが非常に多かったと思います。
ようするに幅広くとった立ち位置が無駄になるという事です。
上記のような立ち位置なのですが、これが右だけだとずっと右なので樋口、島屋、原のトライアングルしか活かせません。
しかも、自分たちで幅をとっているのにそこから選手たちはボールに寄ってくるので
仙台としては対処が楽及び奪った時に選手間が広く空いているので仙台としては楽に攻撃が出来ました。
サイドチェンジやヨシキを経由してもいいからサイドを変えられるともう少し攻撃が機能したと思います。
先制点は理想の形
主導権を握る仙台でしたので、先制は時間の問題だったと思います。
そして、先制点は仙台らしさが出た素晴らしいゴールだったとおもいます。
Jリーグ@J_Leagueゴール動画
2019/03/06 21:47:55
JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ 第1節
鳥栖vs仙台
0-1
⌚️ 45分
⚽️ ジャーメイン 良(仙台)
#ルヴァンカップ
その他の動画はこちら… https://t.co/52blMhR1ju
①ハイライトには無いがカイナー道渕が大外2枚で運んでカイナのサイドチェンジ
②石原が受けハーフスペースでフリーの阿部へ
③阿部が中へドリブル。この時リャンが阿部と逆に走り阿部と中に来たカイナにスペースを与える
④阿部とカイナがワンツーでペナ角侵入しシュートははじかれる
⑤道渕がリカバーし中へ。この時リャンが中に位置する事でDFを集めジャメをフリーにする
⑥ジャメが振り向きざまにシュート。
という一連の流れサイドに揺さぶりリャンがスペースと人を集める。
そして、難しいシュートを決め切るジャーメイン。
まさに理想形です。
PK?それは秘密です笑
後半
さて、先制した仙台でしたが、後半も前半の流れのまま決定機を量産。しかし、なかなか最後決め切れず。52分に鳥栖が動き流れを変えます。
鳥栖の442の評価は?
樋口に代えて金崎を入れて4-4-2に変更しました。
この交代で鳥栖が息を吹き返します。
要因は3つ。
①金崎がライン間で受け、左右に展開できるようになったこと。
②ボランチ2枚が近くなったことでここでゲームを作りSHに展開できること。
③押し込むとボランチ2枚でセカンドボール回収出来る事。
しかし、最後のところがどうしてもアドリブで決定機はあまり無かったかなーと思います
この戦い方は、前半のコンセプトとは違う戦い方でした。
去年のやり方のようにも見え、これをカレーラスがどう評価するかは気になるところです。
照山の素晴らしいデビューと大岩が右CBというオプション
リズムを失ったところで照山はお役御免となりました。
しかし、彼自体は問題はなくまだまだやれそうですし、金崎と対面にも負けていませんでした。
衝撃的なデビューでした。高卒でこの時期だと周りに引っ張ってもらいながらちょっとでもいいから自分の良さを出せば良いほうです。
しかし、そういうレべルではなく中核でエンジンとなっていました。
すべてにおいてレベルが高く正直板倉より才能があるぞ。と思ったくらい。
とりあえず、ルヴァンで経験積んで夏くらいにファーストチョイスになれるんではないでしょうか。とにかく素晴らしい。そして、98年から仙台を見ていますが、その中でもNo1のデビューだったといっても過言ではないです。
本当に素晴らしい子を連れてきたものだと思います。
交代で入った大岩は右CBに置きます。これは常田真ん中時のオプションです。
去年から言っていますが仙台がこのサッカーを続ける場合CBが「スキップパス」を出せないとどこかで詰まります。
なので、「スキップパス」を出せる常田が必ず必要になるときが来ます。
その時に常田が真ん中右に大岩というオプションを試しておきたいという事だと思います。
総決算の3点目
さて、鳥栖が息を吹き返しさらにトーレスを入れて攻勢を強めますが、カウンターで仙台が突き放します。しかし、鳥栖もCKからゴールを決め2-1と詰め寄ります。
その中で勝負を決めた3点目がこの日の総決算でした。
この日素晴らしいパスを出していたジョンヤのパスからゴールが生まれます。
ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) 2019年3月6日
JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ 第1節
鳥栖vs仙台
1-3
⌚️ 85分
⚽️ 阿部 拓馬(仙台)#ルヴァンカップ
その他の動画はこちらhttps://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/5dHmgyT4xy
①ジョンヤのレイヤースキップパス
②ジャメがDFを釣りながらスルー
③阿部がDF1VS1抜き切らずにループ
③は阿部が最も得意とする形。ようやく仙台でも見せる事が出来ました。
②はジャメが成長した姿でした。状況判断も完璧なスルー
①がすべてでこれが今年のジョンヤです。このパスをこのレベルで出せるのならば、ファーストチョイスだと思います。正直板倉より良い。
と本当に素晴らしい流れだったと思います。
このゴールで勝負あり3-1で勝利でした。
2-1のままだったらここまでスッキリとした勝ちでは無かったでしょう。
この日ずっとやってきたCBからの「レイヤースキップパス」がアシストという結果に繋がって本当に良かったと思います。
最後に
仙台は完勝でした。
リーグ戦2節のモヤモヤをを吹き飛ばす事が出来ました。
今年も一定のクォリティーは維持している証明が出来た事は本当に良かったです。
そして、リャン、ジョンヤと去年ハマらなかった選手がアジャストしたこと。
カイナもファーストチョイスでおかしくない働きが出来る事を証明。
ジャメ、常田の若手も成長を示してくれました。
期待の松下もボール保持時には素晴らしくちょっと守備に難がありますが
そこもすぐ修正出来夏前には戦力として計算できる気がします。
今後に向けての楽しみが増えたゲームとなりました。
鳥栖は哲学をかなり変えたので時間がかかるのは仕方ないと思います。
簡単ではなく、相当時間がかかると思います。
例えば、マリノスはモンバエルツで2年で基礎を作り、
ポステコグルー2年目で花が開きそうで4年かかっています。
それを一気に進めようとしているので、すごく大変なプロジェクトだと感じています。
後戻りはできませんしやり切るしかないのですが…という印象でした。