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はじめに

やっとユアスタで勝てた。やっとだ。
コロナ禍で初勝利。長かった。死ぬほど長かった。

でも、振り返ると勝てないのは当然であったように思う。
というのも、去年無観客になって選手たちの声が響くピッチ。
ただし、仙台にはそれが無かった。
僕が見た限り、どのクラブより声が出てなかった。
声が出ているのはクバの声だけ。

それが、去年勝てない中でもっともショックだった事である。
誰も要求しない。誰も声を掛けない。誰も指示しない。
そんなチームが強いわけがない。なので、無抵抗にやられても反発力無く下を向く。


手倉森さんが呪縛と称した正体はこの状態だと僕は思っている。
今年から手倉森さんに監督が変わってもやはりまだその声が少ない。だから勝てない日々が続く。
それを変えた。
最初は赤﨑だったと思うが要求をし始める。そうすると、西村、マルティノスが続く。
そうやって、徐々にだけれど声が出てくるようになった。

そして、この柏戦が一番声が出ていた。
きちんと要求し声をかけ、指示を出す。ボランチがラインを上げろというアクションを久しぶりに見たし
赤﨑のアクシデント時も集まって会話していた。
それが凄く嬉しかった。そして、呪縛が解けるような感覚があった。
そして、面白いのがそうやって声がインテンシティを上げる。この試合去年含めてもっともインテンシティが高い試合だったのでは無いか。
決して柏を抑え込んだわけじゃない。時にまずい対応でピンチもあった。
でも体を張ってゴール前で体を張って守った。泥臭く、懸命に走ったチームのために。勝利のために。
だから、この勝利は必然なのだ。

やっと普通のチームに戻った。だから、普通に勝ち負けが出来るチームになったのだと思う。

このブログはうんぬんかんぬん能書き垂れるブログなわけだけども、
そんなうんぬんかんぬんよりも大切な声。というお話。


普通のチームに戻ったということは、渡辺晋の遺産がとりあえず、無くなったという事かもしれない。
それは寂しけどね。それはまた別のお話。

ということで、ここからはいつも通りのうんぬんかんぬん能書き垂れる事にしましょう。ということで本編へ。

前半


仙台の非保持設計と前プレス

まずは、仙台の非保持設計から整理していく。
この日は対3バックだったが、SH関口-加藤が揃ったため、インテンシティ高く前から嵌めていく。

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また、2-4のブロックで中央を閉鎖しサイドはSBが高い位置を取り、
SBvsWBのマンツーマンで対応し柏の前進を防ぐ。
そんな設計図だった

WBvsSBで来るならSB裏を狙う柏

そんな仙台に対してSBが高い位置にいるのであれば、シャドウがSBの裏を狙う。
というのが柏の変化だった。その変化が15分前後からだった。

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この変化があって柏は仙台を押し込む時間が増えていく。
ただし、クロスに対してはCBの2枚が連携し跳ね返していく。
平岡がクロスのファーストディフェンスで面を作って跳ね返す。
平岡が超えても吉野が相手選手のカバーをしてフィニッシュまで行かせない。
ということで、クロス上げられる割には危ないシーンはほとんどない。
上げられても跳ね返せば良いでしょう。という仙台の余裕を見せる事が出来た事は良かった。と思う。

氣田が入った後の変化

20分に赤﨑が脳震盪(そういえば、5/3現在情報が無いのが不安だけれど…)で継続不可。
氣田が入り、関口がトップ下になって氣田が左サイドに入る。
そうなった時に保持に変化が生まれた。

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上原が下がって3バック。松下がアンカー。
関口-氣田がIH化してボランチをピン止めして松下に時間を作る。
加藤と西村が前線で張って、その二人にタッチダウンパスを送るという変化があった。
これはたまたまなのかどうなのかは分からないけれど、作り的には面白いなと。

また、関口-氣田のコンビなので関口がサイドへのベクトル。
氣田が中へのベクトル。ということで、この二人は上手くかみ合って中央で混雑することなく上手く調整出来たように思う。
これまでより氣田が輝いたのも本人が周りが見え始めた。というのもあるだろうけど、こういう全体のバランスというのも一因としてあると思う。
そして、関口はこの日ベテランらしく全体の調整役としてピッチを駆け巡る。
それがなんとも心強かった。

後半


柏の修正と狙われる氣田

さて、氣田の良い面を前半に書いたけどデメリットもあった。
それが非保持の場面だった。
氣田が関口ほどきっちりと立ち位置をとれない。左サイドでふわふわしている時間が多いので、そこを後半狙ってきたのが柏だった。

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氣田が北爪と川口どっちを見るのか迷い、本来見るべき川口をつかめきれないので
江坂が大外に流れず運べるので、江坂がハーフスペース突撃に専念する。
ということで仙台はを押し込む事に成功する。
また、前半クロスの対応も完璧だった仙台はに対して、
それを崩すために江坂がニアでファーに仲間が3列目から飛び込むようになって仙台を脅かすようになった。

やり続けた仙台が報われる

65分に選手交代柏はブラジル人ふたりを、仙台は蜂須賀とフォギーニョを投入。

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その直後だった。仙台はひたすらに最終ラインの裏を狙ってセカンド拾って繰り返し、
上原が右からクロス。
逆サイドに流れる物の拾った蜂須賀が再びクロス。
これが左右から柏の最終ラインを揺さぶる形になり西村がフリーで押し込み
おなじことをやり続けた仙台が先制する。

選手交代で続けられない柏

失点した柏は、アンジェロッティとイッペイシノズカを投する。
ただし、この交代で柏は同じことを繰り返せなくなる。

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アンジェロッティがボールに寄り下がってしまうので、SB裏を突けない。
また、アンジェロッティvsフォギーニョはフォギーニョが完勝で前を向いても仕事が出来ない。ということで、柏の左サイドはノッキングする。
そこで、仙台は3-4度奪ってカウンターを発動する事に成功する。

ただし、これを決め切れず追加点は取れない。

最後はパワープレーを跳ね返す

ビハインドの柏は最後にパブロ・ハウルめがけてロングボール大作戦を決行する。
それに対して仙台は照山を投入して5バックで迎え撃つ。
ロングボール大作戦に対して仙台は体を張って跳ね返す。
また、フォギーニョがフィジカルで中央を閉鎖するのが心強い。
また、94分に一度事故りかけるもののそれも吉野がカバーしシュートを跳ね返す。

最後のロングボールをクバがキャッチしてタイムアップ。
遂にユアスタで勝利をつかんだ。

最後に

久しぶりに心が熱くなるようなペナ中での守備だったなぁーと思う。
これぞ手倉森仙台。という勝利だった。
突き詰めるとまだ、無駄なパス、軽率なパスでカウンターを受けるシーンもあったが、
それも全員でカバー。
ピッチ上、ベンチ含め全員が鼓舞し、話し合い泥臭く攻撃を跳ね返す。
そんな姿を見せられたら応援したくなるよなーと思う。

希望の光と言い続けた手倉森さん。

希望の光になるために人の胸を打つにはこのくらいインテンシティ高くそして、泥臭く戦わないといけないよねって思う。

確かになべちゃんの時と違って最新系のサッカーではない。それでも今必要なのはこういう人の心に響くサッカーなのだろうと思う。
これでようやく仙台は上を見る事にできるのかなーと思う。

それには、この強度を続ける事。それが絶対条件。次はアウェイで浦和。
勝てないアウェイ埼スタだけれども、この勝利の勢いで埼スタ初勝利を狙おう。
そのくらい価値のある1勝だと僕は思うのである。

ハイライト




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前半


ハマる前プレス

仙台は3バックの柏に対して前プレスを実行。

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これに対して柏はビルドアップを諦めGKからロングボールを前線に蹴り込む。
そのターゲットはクリスティーノであった。(なぜオルンガじゃないのかは不明)
そして、ここに平岡が競り、セカンドを回収することで仙台は守備からボールを保持する時間を作っていくことに成功した。

5バックに対してどう攻めるか

ボール保持時には、SBが攻撃の起点となった。
柏はシャドウが非保持時にも中央に残るのでSBに圧力がこない。
なので、ここから落ち着いて前進が出来た。

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SBからウイングに当てて、IH、SBのランニングで奥行を取ろうという仙台の形だが、
ここが、5バックの3CBの1枚が付いてこられて裏を取れなかった。

仙台のチーム設計としては、ここを取ってクロスしかなく、この位置が取れなかった場合にチームとしてどうするか。が見えてこなかった。
なので、チームの戦いから個人のアイデアの戦いとなってしまったが、
それがチームとしてリンクせず。

ボール保持は出来るし相手陣内には押し込めるがアタッキングサードで決定的な形を作れなかった。

失点は突然にだけど柏の形で

仙台が保持する時間が増える中で、柏は一発で得点を決める。

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三原が中央に絞ったところから、ヒシャルジソンが敢えて逆サイドへ動いてパスコースを作り出し、クリスティーノにボールを入れる。
ここで、平岡の寄せが中途半端で、寄せきれず、オルンガとのワンツーで抜け出され1発での失点となった。

このヒシャルジソンの動きはマンマーク気味の仙台を手玉に取られた。
そして、中盤アンカー1枚になる弱点を柏の最大の武器でぶったたかれてしまった。

そんな感じで仙台は保持する時間は長かったのだが1発でやられ、
前半0-1で折り返す。

後半


前半より柏に持たれた理由について

後半、柏はより保持の時間が長くなった。
これは、柏がやり方を変えた。
というよりも、仙台が4-4-2に変更したのが要因だった。
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4-4-2に変えたことで、ウイングがCBに行けなくなりここからシャドウに当てるパスが増え仙台は単純に押し込まれてしまう。
そして、仙台は4-4-2で押し込まれた時にブロックが機能しているとは言えない状態なので、
柏の決定機が増えていった。

そんな中でのCKから2失点目だった。

さて、なぜ4-4-2だったのだろうか。イマイチ僕は理由がわかっていない。
強力なカウンターに椎橋1枚ではなく浜崎2枚で対応した方が良いと考えた可能性もあるが、
そうすると、2枚のDHが図のように相手の2枚のDHに食いつくのでその狙いは本末転倒な気がするし、
保持時に変化をもたらしたかったのかもしれないが、保持時は4-1-4-1に可変し後半と立ち位置は変わっていないのでシステム変更する理由にはならない気がする。

もっと何かあったけど出せなかったのかもしれない。
このチームへの理解がまだ足りないようだ。。

2点差の中での必死にもがくが。。。

2点差になっても仙台の選手は諦めず必死に戦っていた。
途中投入の松下から決定機を作っていくが決め切れない。

そして、この2点差になってからは選手個々で戦っている感が増していく。
その中で確かに松下は輝いたわけだけれど、仙台としてはもう少しチームとしての形を増やしたいなと感じた。
決してバラバラというわけではないし、完全に引いた柏に対しチャンスも作っていたんだけれど…

仙台というと、ナベちゃん、テグさんからチームで戦う事。
チーム戦術の中で戦う事が多かったのでどうも、このアイデア出していこうが個人的にピンとこない。
それが、僕の中はでは印象悪く映る。

ま、それでも、長沢の決定機を作りだしたり何度も強調しているが、どん底よりは自分たちのやるべきことが明確になってはいるのだが…

最後に

もっと、チームとしてやるべきことを増やさないといけない。
と強く感じたゲームだった。

やっぱり、1個しかないという大きな課題と直面してたゲームだった。
そして、それが出来ないとアイデア出していこうになってしまうのも辛すぎた。
やはり、調子が良いチームと戦うとこうした課題が見つかる。
これを伸びしろと思えば良いのだけど、もう残り3試合しかない。

ようするに、木山さんと1年戦ったけど、やはりチームが作り上がらなかった。

ただし、いろんな要素があるのでそれが「仕方ない」で済ませられるのかはわからない。
そういう状況だからこそ、残り3試合は結果に拘って来年への道筋を見つけ出すべきだと思う。

ハイライト




スタッツ

スタッツ

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スタメン

前半


似た者同士

仙台と柏。似た者同士だったと思う。
ビルドアップはお互いに最終ラインから前線へ蹴る。
仙台はいつも通り、ターゲットはゲデス&ジャーメイン。
ただし、1トップは赤﨑なのでそこはターゲットにはなりえない。
柏のターゲットはオルンガと両ウイング。
両ウイングは仙台が前に出たときに裏が空くのでそこを上手く付くような感じ。
お互い蹴るので仙台はいままで前から嵌めていたやり方が効果的ではない。
赤﨑がボールに食いつきすぎたせいもあるが、サボった札幌戦よりは食いついた方が心象に良い(苦笑)

前半立ち上がりはお互いストレス無く前線にボールを蹴れた。そこで優位にたったのは仙台だった。
06分の蜂須賀のクロスからゲデスのヘディングシュート。
13分の中原のサイドチェンジからジャメ道渕で右突破して最後混戦のシーンなど
出だしは悪くは無かった。

中原の起用の理由と頓珍漢な保持

仙台は中原をIHに使っていたが、どうやら仙台はいつもより蹴り合いせずボールを握りたかったように見える。
実際に中盤から繋いでいくシーンが多かった。

仙台の保持時の立ち位置

中原が落ちてきて、椎橋とWボランチになり、ゲデス-道渕がシャドウ的な立ち位置。
ウイングに石原とジャーメイン。
という立ち位置を取った。

たぶん、これはいつものように蹴り合いになると強度が保てないから保持しながら体力温存
という事を考えたのかなと思う。
ただし、この中原落ちるのが柏の前プレスの目標となってしまう。
20分の失点がまさにその形。
ジョンヤから中原に渡った時に三原に圧力かけられ十分な余裕ないまま縦に付ける。それを奪われカウンター。
そして、簡単にひっくり返され失点してしまった。

中原投入は川崎戦ではうまく機能したが、それはお互いに間延びした状況であった。
今回のように規律が保てていて強度がある時間帯で使えるほど整理出来ていない。

機能しない保持

また、そのユニット出来にもイマイチだった。
運ぶ役割だったジョンヤで良かったし、中原が落ちてくるのではなくてジョンヤのために高い位置取ったほうがスムーズに行った気がする。
また、落ちてくるのであれば運べない吉野側で落ちて蜂須賀と吉野を助けたほうが良かった。
この辺り凄くあべこべで頓珍漢な仙台だったと思う。
もしかしたら、その場のノリでやってみた。てへぺろ。であっても全然おかしくない雰囲気であった(地獄)


給水時の修正がゲームを決める

そんな、幼稚な仙台に柏のネルシーニョが大人な修正をする。
それが29分の給水タイムに契機に実施。
ここでの対応が勝敗を決める。

仙台がいつもよりボールを持ちたいと見抜いき、前から奪う作戦に変更。

給水後の修正

4-4-2に変更し、椎橋基準で2トップを待機。
中原には三原をマンツーマン的につけ、中央を封鎖。
ビルドアップを助けるために落ちてきたSBに対してSHが高い位置で圧力をかける。慌てて出て縦パスを奪ってカウンター。
という形であった。

これが見事にハマり40分に追加点を得た柏。
それだけでは無く給水タイム以降自陣脱出すら出来なかった仙台。
ロングボール大作戦も多くのメンバーがビルドアップを助けるために降りてくるので3トップが孤立。セカンドボールを拾えず地獄のような給水後であった。

後半


中原を下げないことで保持を整理

そんな自陣で地獄の無限ループにハマった仙台は中原をむやみやたらに下げるのを止める
また西村起用し、右ウイングで裏を狙わせる事でベクトルを前に向けさせず、今年の仙台に戻すと早速、ジョンヤのパスから赤崎が抜け出しクロスに反応した西村が押し込み、CASKからの復帰後初ゴールを決め、1点差に詰め寄る。
これで再び戦えるとなった状態になった仙台。

また、赤崎が重要にとどまらず左右に流れゲデスが中央にいるようなポジションチェンジは良かったと思う。
これも、その場のノリだった気もするが…

強度保てず間延びした状態での博打

がしかし、その戦えるぞ!となったのは一瞬であった。
中3日3試合目でコンパクトにできず間延びした中盤。
柏のGKからのビルドアップに対して仙台は前で嵌めようと試みる。
間延びする中盤

しかし、圧力掛からず高橋から簡単に逆サイドに展開され、最終的に中央の江坂に入る。
ここで、普段より椎橋が孤立していたが、
そして、その孤立してて味方の戻る時間を稼ぐべきだったはずの椎橋が博打で一発で奪いにいってしまう。
それをものの見事に外されオルンガへ。
やってはいけないオルンガと吉野のよーいドン。
ペナ内では赤子の手をひねるようにあっさり交わされ失点。
ゲームの行方を決める3点目が決まってしまう。

あゝ無情

その後はちょっとどうしようもなかった。
中盤間延びし個人の能力で戦うしかなくなっていた。
ただ、何度も(というか、ほぼ全試合で書いたが)仙台の最終ラインは質は高くない。
そこに、オルンガや江坂やら仲間の質でぶん殴れるとどうしようもなかった。

そして、最後には吉野の心は折れてしまいパニック状態に。
最後は荒治療。平岡を投入。吉野を一列上げる事を実施。

それでも、失点は止まらず。5失点の大敗となってしまった。

最後に

大敗であった。
そして、前半の内容を見るとそれは当然だよね。っていうほどちょっとグデグデな内容だった。
後半立ち上がりは上手く修正出来たように思えたが、強度が落ちて力尽きてしまった。
それがすべてだった。
吉野がどうしても悪く見えてしまうが、そもそもオルンガと対面であの形を作られたら代表クラスのCBではないと同じ結果になったようなように思う。
そうならないように前線から圧力をかけてオルンガに対して渡らないようにすべきだったが、その強度が保てなかった。
やはりかなり詰まった日程での疲労が蝕んだと思う。

従ってこの試合はあまりポジティブな面は無かったと思う。
しかしながら、西村がウイングでもだいぶ動き方が分かってきた。
とか、小畑君がちゃんと尻拭いしてやっぱりスーパーな事を示したりだった。

ただし、逆にいうとそれだけで、最後までファイトした仲間が羨ましく、そういう姿勢を見たかったな。というのが率直な意見である。
ただ、それは柏はやることがハッキリしているから出来る事でありこの日の仙台はそういう状態では無かった。

もう終わってしまった事なので切り替えて、そして修正してもう一度チャレンジしよう。
とりあえず、これで休めるのでコンディションを戻してもう一度戦える状況を作ってもらうしかない。

ハイライト


前節とっておきのタイトルを使ってしまったので今節のタイトルに苦労する(笑)

柏レイソルについて

下平さんを首にして加藤望体制になってから評判が良くない。
どうも決まりごとが無くなかなか大変な模様。
しかし、前節札幌戦を見た限りでは
伊東ー小池の右サイドのユニット及び瀬川ー江坂の群馬大宮ユニットが良かった。
そして、対3バックへの前プレスも良かったので簡単な相手では無い印象。
この試合は中団に位置出来るか残留争いに、なるかの分水嶺。

スターティングメンバー

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札幌戦出場停止になった鎌田に代わりナタン初先発。
その他は前節と変わらず。

仙台について

勝ててないゲームが続いてるがまだ目標の5位まで勝ち点差は3なので下を向く時期じゃない。
ただ、気がつけば12位で13位柏と6ポイントマッチだったりする。
このブログ書くまで知らなかった。
下向いても仕方ないしね。上を見続けたいよね。

スターティングメンバー

LINEUP111534035753651
今日は3142で西村が外れる。
関口がスタメン復帰。

前半

柏の前プレスと3142の弱点露呈

立ち上がりは柏がゲームを支配する。
柏の前プレスは
仙台の3バックに対して
クリスティアーノー瀬川ー伊東の3枚で同数プレス。江坂が富田を見る。
仙台はビルドアップの出口無く苦し紛れにWB(主に蜂須賀)逃げるがそこでパスコースが無くなりロングボールを蹴らせれ柏に回収される。という状態だった。

さらに仙台は低い位置でのネガティブトランジション時に問題を抱えていて、
中盤が富田1枚(IH2枚が怪しいポジション)になってしまうケースが散見された。
なぜこんな事になるかだが、
  • ロングボールを蹴った時にIHがセカンドを回収するため
  • セカンド奪われてもIHがFWと連携して4枚で前プレスかけて奪い返すため
という理由でIHは高い位置を取るべきなのだが、ライン押し上げられない状態でのロングボールなのでIHの位置が中途半端になってしまい中盤の3枚が不安定だった。

瀬川のタスク

さらに柏の作りはもう1つトップの瀬川はCFWにいるがタスクはCFWではなくて、実はトップ下に近いタスク。要するに偽9番だった。
ストライカーのタスクはクリスティアーノだったり江坂だったりが担い瀬川の開けたスペースに入り込む。

で、その瀬川は富田脇に降りてきたり、クリスチティアーノの裏を使ったり、板倉の前にポジションを取り伊東ー小池のユニットを助けたりと柏の攻撃に関してかなり重要なタスクをこなした。

10分間に決定機を複数回作り柏の先制は時間の問題にも思えた。

GKのビルドアップ参加

しかし、仙台は11分にビルドアップの形を変更して柏の前プレスを剥がす事に成功。
ここから流れが一転する。
さて、そのビルドアップだが、
シュミットがビルドアップに参加。
平岡、板倉をSB化させ、CBにシュミット大岩とし、ビルドアップ隊を4枚にする。
柏の前プレス隊が3枚なので、仙台のビルドアップ隊が数的優位を保てるので安定してビルドアップが出来るようになった。

例え無理やり前プレスに来られてもシュミットのキックの精度で逆サイドのWBに逃れる事が出来るのは仙台にとってかなり価値のある事だった。
これにより柏の前プレスはただ体力を消耗するだけになり25分過ぎからは完全にギアを落としてしまった。

後半への布石とパワー不足

安定したビルドアップを手に入れた仙台は右サイドから何度もフリーでクロスが上げられるようになる。
さて、右サイドだが、クリスティアーノの守備が軽く前残りも多いので仙台の右はほぼ安定してクロスを上げられた。
ただ、問題になったのはその後の対応。
一発のクロスでは中々決まらないのでクロスのクリアを拾って2次攻撃3次攻撃に繋げる必要が出てくるのだが、
クロスを跳ね返されたセカンドボールにプレスをかけられなく単発で攻撃が終了するケースが多かった。
それはやはりCBや富田の運動量が足りないためだった。
酷暑の中で良い時より運動量が落ちるためら押し込んでもボールの再回収が出来ず単発で攻撃が終わる。
したがって、仙台も完全に流れを掴む事が出来なかった。

後半

後半頭から瀬川に変えて中川を投入。
江坂をトップに中川をトップ下に。

中川投入で攻め手を無くす柏

ぶっちゃけ良くわからなかったし、狙いが出せたかというと、たぶん出せなかった。
想像でしかないが、前半10分までの前で嵌められた状況の再現と富田脇を突いて攻撃しようとの事だったと思う。
ただし、チームとしての狙いでは無く個人の運動量で解決しようとする狙いは流石に雑だったように思う。
一人の運動量で4vs3のビルドアップを防ぐのも無理であり、
また、瀬川のように富田脇を使うことも無くなった。江坂は降りてくる事はあるけどボランチのところまで降りてきてしまい、富田脇での数的優位、位置的優位も作れなくなってしまった。

そうなると柏は右サイドの伊東ー小池のところからしか攻撃は出来ない状態になり苦しい状況になってしまった。

仙台は前半から継続。

さて、仙台は前半に引き続きビルドアップは安定しているので、あとは如何に相手をゴール前に釘付けにしてゴールを奪うかにフォーカスがあたった。
50分からは運動量を上げてセカンドボールを拾いに仙台のターンを続けるようにする。
さらに仙台は前半から継続してクリスチアーノサイドを狙い撃つ。ここは柏は修正無しだった。
51分、57分、そして先制ゴールとなる58分この時間フィニッシュに行ったシーンは全て蜂須賀が絡んでいた。

58分のゴールについて

その中でも58分は狙い通り形。
左サイドから右サイドに展開。そして、蜂須賀と右サイドに流れた阿部で数的同数をつくる。そうする事により、クリスティアーノと阿部の1vs1を作り出す事に成功。
クリスティアーノ寄せの甘いところから阿部がクロス。
そして、本来阿部がいるべきスペースに対して2列目から奥埜が突っ込んで柏CB2枚の間でニアフリックし、ゴールに流し込んだ。

伊東ー小池対策

先制した仙台は守備に走り回り黒子に徹していた関口のインテンシティが落ちきる前に早めに永戸を投入。先手を打つ。
その永戸は66分に久しぶりに見た彼らしい芸術的なアーリークロスを放ち復調の兆しを見せる。
この日左のクロスから初めてシュートまで行ったシーンを演出。

落ちるインテンシティ

しかし、70分以降仙台のインテンシティが落ち、ペナ内に撤退せざるを得ない状況になる。
ただ、この日は磐田戦よりもペナ中で守る事を意思統一出来たため、押し込まれはしたが中盤に変なスペースが開く事は無かった。このあたりなべちゃんが整理しただと思う。
ただし、ペナ中なので事故が起こると即同点なので苦しい事には変わりなかった。

救世主西村 

そういう状況で仙台は石原に変えて西村を投入する。

その西村が磐田戦の借りを返す。
ペナ内撤退守備で守っていた仙台だが、小泉から大岩が突進を止めるとセカンドボールを拾った蜂須賀がワンタッチで西村へ。
西村がワンタッチで2人抜いてハーフラインから独走のカウンターを沈めてゲームの行方をほぼ決めると85分にもパクジョンスから西村がボールをかっさらい再び独走。
これはディフェンスに当ててしまいゴールライン前でクリアされるが、驚異なっていた。

柏最後の足掻き

柏は最後に山崎、キムボキョンを投入。
4141でクリスティアーノを真ん中で自由にやらせる。
ところが結局のところ伊東ー小池サイドからしか攻撃出来ず。
ただ、その右サイドにクリスティアーノやキムボキョンが顔を出すので数的優位を作って押し込めるが、ペナ中では仙台が体を張ってゴールを守り4試合ぶりの完封勝利を手にした

最後に

磐田戦から修正が上手くできて、
70分以降強度が落ちてペナ中撤退せざるを得ない苦しい状況になった時にチームとして意思統一出来て磐田戦のように中盤にスペースを空ける事が無かったこと
そして、西村が今日は決めきって勝負を決めた事。
この2点が磐田戦からの修正で、阿部もコンディションが上がってきてこの試合ベストパフォーマンスだったし、安定してる石原、高さのハーフナーがいるので、スーパーサブ西村は良いアイディアかもしれない。
とにかく、自分たちのやり方を信じ抜いてさらにここ何試合か足りなかった細かいディティールを出せた試合になった。

一方、柏はとても厳しいのかもしれない。
後半の交代策もイマイチであったし、チームとしての作り込みも感じない。
今あるユニットで勝負。という感じであった。
また、そうなるとクリスティアーノのタスクは何だったんだろうと。
柏のストロングポイントになれるクリスティアーノを活かせずデメリットだけが出てしまうのはしんどい。残りの期間で作り込めないとJ2が見えてきてしまいそうだ。

開幕です!

開幕の相手は柏レイソル。
彼らはACLで既に3試合消化しており、ある程度データは入ってるので、そこをアドバンテージにしたい。

今年の柏の特徴

ビルドアップ隊

柏のビルドアップはキムボギョンが最終ラインに加わって3+1でビルドアップ隊結成する。

アタッキングサード

アタッキングサードでは、クリスティアーノが基本自由に動く。
ときに左右大外まで開く。
このときに、両サイドのハモンと伊藤がハーフスペースを使う。
ただ、江坂がこの動きにまだ連動できておらず江坂は消える場面が多かった。
右の小池と伊藤は大外とハーフスペースを被らないように使い分ける。
左のユンソギュンとハモンロペスはそこまで連携とれず。という感じ。

守備について

守備時は両サイドを狭めた4-4-2での圧縮守備。ただし、セレッソほどはっきりとはしていない。
仙台のビルドアップ隊に対する遊撃隊は
1+3で結成。これで同数プレスで嵌め込むのが狙いだと思う。
言い切れないのは仙台のビルドアップ隊が柏の想像していたものと違い嵌め込む事が出来なかったため。

仙台の対柏作戦

仙台は3-5-2富田アンカーを採用。

このシステムは「対和式密集型パスサッカー」になりそう。
ボランチが下がって3-1のビルドアップに対して2トップ+2インサイドハーフで同数プレスで嵌め込む。
突破されても、アンカー富田がフィルターする。
という仕組み。

対柏作戦の副作用

当然システムを変えるので、副作用があります。
良い副作用もあったし、悪い副作用もあった。

良い副作用

良い方に出たのはビルドアップの形が増えたこと。
3-1でのビルドアップ隊が基本形なのだけど、
富田が最終ラインに入って2-2でのビルドアップ隊や、2-1でのビルドアップ隊など形が増えたことが良い副作用だった。

悪い副作用その1

前が2-2(2トップ-2インサイド)に、なったことで、5レーンを使うのが難しくなったこと。
1-2の場合スタートポジションが5レーンの真ん中3レーンなのだが、2-2の場合スタートポジションのレーンが重なってしまうため、ずらさないと5レーンの真ん中3レーンが上手く使えない。

悪い副作用その2

シャドウからインサイドハーフになったことで、FWと中盤の距離が開いたこと。
インサイドハーフのポジション取りがものすごく難しくてFWに近づき過ぎちゃうとビルドアップ隊との距離が開き、パスが回らなくなる。
逆にビルドアップ隊に近づき過ぎると2トップが孤立しちゃう。


これらの2つの副作用と付き合って行くことになる。
という前置きがあって

前半

仙台の柏対策は嵌まるが…

前置きに書いた柏対策でビルドアップ隊を封殺出来たが、
「副作用その2」の影響で2トップが孤立。
ロングボールが増える。
距離感が悪いので、セカンドボールが回収出来ず攻撃が単発でチャンスが作れない。
仙台の唯一のチャンスは柏GKのパスミスを阿部が拾った場面のみで、仙台が意図的に作り出したチャンスでは無かった。

柏の決定機

8分と39分の2回。
39分は伊藤の個人技で4人抜かれたシーン。
個人能力の差が出たシーン。何でもないところから決定機を作る。

8分が唯一仙台がチームとしてやられたシーン。
富田が左サイドに流れたスペースを使われた。平岡がそれに気が付きスペースを埋めに行ったが時に既に遅し。
あの場面富田が左サイドでカウンター阻止。セカンドボールを拾った奥埜が縦に入れたんだけど入れた場所が良く無くて奪われ、再度カウンターを食らった格好だった。
確かに富田と競った江坂の動き直しは早かったけれど、あの場面奥埜が時間を使うか圧力のない場所に入れるべきで、奪われては行けない状況だった。
致命的なミスだったと思う。
それをカバーした大岩ナイスでした。(手に当たってるようにも見えるのでPK取られてもおかしくないプレーだったけれども)

後半

仙台の修正

仙台がうまく行かないのは仙台自身の問題で、中盤と2トップの距離が離れすぎたこと。
「副作用その2」である。
解決するために仙台が出した策は阿部を中盤に落とす(柏ボランチの前でボールを受ける)事だった。
ここで起点を作ることによってインサイドハーフの野津田&奥埜が前半より前に行けるようになり仙台が主導権を握った。

53分にスローインから古林がクロス。これを大外で板倉が合わせ先制。
このシーンは、柏のスローインの守備が緩くなっていた。(詳細はリプレーが流れていたため、確認出来ず)
大外で小池vs板倉を作り出した時点で仙台の勝利だった。

柏の二枚替えの狙い

さて、この6分後柏が二枚替え
ハモン→瀬川
大谷→小泉

これで、瀬川と江坂の2トップ
左サイドにクリスティアーノが出る4-4-2の形になる。
この狙いはたぶん富田を中央から動かすために脇をクリスティアーノや瀬川、江坂の出入りで富田脇のスペースを使う作戦。
また、小泉がビルドアップ時最終ラインに入ってキムボギョンを前に上げることで彼のドリブルでインサイドハーフを剥がし富田のところを動かす狙いだったと思う。
狙らったアンカー脇を実際うまく使えたのは、62分のケース。
そして、80分以降の仙台の強度が落ちてキムボギョンがドリブルで奥埜を剥がしたケースのみだった。

仙台のDFラインとアンカーのインサイドハーフの距離感が良く誰がスペースを埋められる距離にいた事が要因。

最後には中山が二枚目の警告を貰い退場し、仙台が何事もなく試合をクローズ。

最後に

ということで、仙台の柏対策がハマり柏は思うように試合をコントロール出来なかった。
途中から富田の脇を狙う作戦に変更したが、そこも仙台が上手く対応したゲームだった。

仙台の3‐5‐2富田アンカーは柏を自由にさせない事には効果的だった。
しかし、「副作用その1」が最後まで解決出来ず5レーンをスムーズに使えないことで、3-4-3時のように殴り倒す事は出来なかった。
そこに関してはトライアンドエラーで立ち位置を微妙に修正していけば解決するので、大きな問題では無いと思う。

開幕戦で成長を見せ、さらに伸びしろがある事を感じさせながら勝つというのは最高の結果だったと思う。

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