カテゴリ:Jリーグ > ベガルタ仙台2019


スターティングメンバー

スタメン

前半


清水戦からの継続

仙台は立ち上がりから清水戦の延長上で前プレスから中央を封鎖。
サイドへ誘導してサイドで奪う。というプランであった。

仙台の前プレス

清水戦と違い空いては3バック+アンカーなので、仙台は上記の図のように
2トップの1枚は遠藤へのパスコースを背中で消す。というのを丁寧にやっていて、
両SHは両脇のCBに圧力をかけ、WBへ誘導。WBにはSBが圧力をかけて、ボールを奪う。
奪ったあとは素早くDFラインの裏へ蹴って勝負する。という仙台のやりたい事を立ち上がりは出来た。

清水との違いはCBのクオリティ

しかし、決定機は2つー3つはあったものの清水戦ほどDFラインの裏を取れなかったし
ハモンが質の優位!っていう事もなかった。
三浦のDFの個の力とラインをコントロールする頭の良さがあり、簡単には裏を取れなかったし、
菅沼も粘り強く三浦のカバーを受けながら仙台のアタッカー陣にぶち抜かれる事はなかった。
ま、これが後半失点のキーになるのだが。
このあたり、ハモンで圧倒できた清水戦とはだいぶ違っていたかな。と
ただ、唯一の可能性を与えたのはキムのところ。
キムは裏へ蹴ったボールの対応は怪しく何度かミスをしていた。
仙台が狙うべきはキムであったと思うし仙台もそれはわかっていてちゃんと狙っていたように思う。
それを裏付けるように仙台の決定機は全て右サイドから生まれた。

前プレスを回避する井手口の動き

立ち上がりはそんな感じで仙台が前から嵌めて仙台が今節も戦える感じだった。
が、徐々に前プレスが嵌らなくなる。
それは、井手口の動きからだったと思う。
前プレス外し

井手口が大外のレーンに降りてきてボールを最終ラインから受け、前線へ繋ぐ役をこなすようになる。
まずは、小野瀬は高い位置を敢えてとり、永戸をピン止め。
関口は菅沼を見る。
なので、この関口ー永戸の間に井手口が入り受けボールを運び、捌く。
ここに対して松下が付いて行くと中盤が富田1枚になり仙台としてはそういう形はリスクを伴うので井手口の大外までついていけない。
なので、井手口がフリーで受けられる。という感じであった。
時間が経つにつれ仙台は押し込まれシュートを打てる展開が減っていった。

松下怪我というアクシデントも起こり、ガンバを押し込めなくなる。
それでも、前半0-0ならプラン通りだとは思うが、やはりもう少し押し込んで仙台の時間を作りたい前半ではあったと思う。

後半


右サイドに人を集めるビルドアップと遠藤

前プレスを整理してもう一度嵌め押し込みたいところだったが、残念ながらそれは叶わず。
ガンバが後半からビルドアップの形を少し変えた事で対応出来なかった。

後半のビルドアップ

後半は小野瀬が落ちてくる。遠藤-菅沼と三角形を形成。関口1枚に対して数的有利を作る。
また、小野瀬が引いてくると、永戸もついてくるのでその裏を井手口が使うという感じになった。

また、このガンバ右サイドをサポートする遠藤の立ち位置が素晴らしくフリーで受けられる時間が多くなる。
仙台はここをボランチ(椎橋)で捕まえるか、それともFWのどちらかで捕まえるかはっきりせず。遠藤をフリーにしてしまう。
そして、遠藤から逆サイドへ展開等々好き放題にやられてしまう事態になった。

押し込まれる展開の中でも、仙台はガンバの2トップはきっちりと抑え込み決定機はそれほど作らせなかったと思う。
ガンバのチャンスは右サイドからのクロスからファーサイド藤春のボレーという形に限定出来ていたので悪いなりにアウェイのゲームをしている。と言えたのかもしれない。
ここまでは。。。

後半の修正と反撃と失点

押し込まれっぱなしの展開の仙台は少し修正を入れる。
椎橋の動きに修正を入れた。
後半は永戸サイドに富田を置いたが、60分前後から椎橋に代えている。
(たぶん、最初は椎橋が永戸サイドだったが、そこから押し込まれたので早い段階で富田に代えたようにも思える)
椎橋は井手口番。守備時には井手口にひたすら付いて行く。というようにした。
それが功を奏したのが、63分の場面であった。小野瀬井手口と繋いだボールだったが、井手口から椎橋がボールを奪いカウンターにつなげる。

また、保持時もDH1枚が落ちて3バック化。
これは、早いうちからやっていたとは思うが平岡が2トップ脇に運んでDF裏へ出すシーンが出てくる。

仙台の反撃

これで60分から連続でガンバのDFライン裏を取れるようになった。
裏を取れるなら、長沢よりも阿部だろう。ということで、68分に阿部を投入。

仙台がガンバのDFライン裏に圧力を強めようとした、69分だった。
ここまでフリーで好き放題やられていた遠藤からボールを奪いカウンターを発動。
これで、一気に仙台がモメンタムを握りと思ったのだがハモンが菅沼に止められる。
縦を切られたハモンは作り直すために、後ろに戻すもそのパスがズレ宇佐美独走からの失点に繋がった。
ここまで、2トップには時間もスペースも与えなかったがこのシーン自分たちのミスから2トップに時間とスペースを与えてしまった。

ボール保持は…

得点が動いた事でゲームが一気に動く。
ガンバは5-3-2で撤退。仙台が保持するシーンが多くなるが、悲しいくらいに5バックを攻略出来ない。
なので、ジャーメインを投入。阿部を左サイドに置いてファイアーフォーメーションにトライする。
ところが、これがバランスを崩す事に。
とにかく前からになってしまい、バランスが壊れてボール保持でも相手を動かせず
奪われるとスペースだらけになり、遠藤、宇佐美アデミウソンに好き放題やられた。
失点までは丁寧に丁寧にケアしてきたのに…
ということで、必然の2失点だったし、3失点してもおかしくない状態だった。

なんとかクバの活躍で2失点で済んだが後半は良いところなく敗戦となった。

最後に

ガンバは個々の能力が高く無秩序を作ると一気にやられるので仙台は秩序を保つように慎重に事を進めていたと思う。
前プレスが嵌らなかった20分以降もそれほど2トップにはチャンスを与えなかった。
それは良かった。
でも、攻撃の部分で殴れず。質で負けてしまった事がこの秩序を壊すきっかけになってしまった。壊れた秩序を戻す事は出来ず。一気に崩れ去った。

なんだろう。これを個の能力の差と言って片付けてしまうべきなのか。
それとも僕らはもう少しチームとしてやるべきことがあるのだろうか。
っていうところで悩む試合だった。かなり丁寧にゲームを進めた。そして、反撃の糸口が見えた瞬間の落とし穴だった。
ハモンが菅沼をぶち抜ければこんな試合にならなかっただろうし、前半にあった3つの決定機を決めて居れば違う展開にもなっただろう。
ただ、そうならなかった。

これが今年の限界なのか。もっとできるのか。中々悩むゲームだったなと思う。


スターティングメンバー

スタメン

前半


ボールを持たずに相手を動かす~前プレス編~

この試合ポイントだったのは、仙台の非保持局面の整理だったのだと思う。
握ろうと意思を見せる清水に対して前プレスを仕掛けショートカウンターを仕掛けた。
といっても仙台は2トップから激しい前プレスを仕掛けるわけでは無く、
仙台の2トップは背中でボランチへのパスコースを消すポジションを取る。
それによって、清水のCBは大外へ出すしかなく大外へ展開。そこに仙台は激しくプレスをかけ奪う。
という設計だった。

前プレス

清水は2CBは余裕があるので、保持してビルドアップを試みるが中央は閉鎖されているので
大外に誘導。そこで奪われてショートカウンター。という感じ。
仙台にとって大事なのは、この奪った瞬間のピッチが発生している出来事であった。
奪った瞬間、清水は立ち位置を良い立ち位置をとれず。
そして、仙台は良い立ち位置をとっている。という状況が出来上がる。
これは、本来仙台が保持してパスを繋いで相手を動かし自分たちは良い立ち位置をとる。
という事をしたかったのだが、今シーズン結局出来なかったのだが、
それと同じ状況をボール非保持からの前プレスで奪った瞬間に作りだしていた。
この辺りがとても興味深かい事象であった。

先制点の19分の局面は仙台が作りたい理想的な形だった。
奪った瞬間に、ボランチとCBの間をとってフリーになっているハモン。
ここに立田が食いつくが、
その空いたスペースに関口が走り込んでシュートと理想的なゴールだった。

もちろん、清水がとても立ち位置が悪くビルドアップにGKが参加するわけでもなく、ロングボールを蹴るわけでもないので嵌めやすく、
仙台の作りたい状況をすごく作りやすい状態だったと思う。

ボールを持たずに相手を動かす~ロングボール編~

そして、もう1つ保持局面からボールを蹴って相手を動かし、そこに圧力をかけて簡単に処理させず、窮屈な状態でクリアやパスを強要する。
そうすることで、パスを選択する時間を与えず自由を奪いセカンドボールを回収する。
これを繰り返す事によって清水に対して布陣を立て直す時間を与えず仙台が良い位置をとる。
こうする事でも、自分たちは良い立ち位置を。相手には悪い立ち位置にする。という狙いだった。
(崩れ立ち位置を復旧するには本来はパスを繋いで時間を作る事が必要なのだが、それをさせない仙台の守備があった)

という感じでロングボールを使う。そして、そのロングボールは何通りかちゃんと狙いがあった。

ロングボール

清水の前プレスを交わす設計

さて、そんなこんなで非保持がこの日の大きなテーマだったのだけど、
実はちゃんと前プレスを外す設計は出来ていた。
この日の仙台は前に圧力がかかった時にGKを使って前プレスを回避する事が出来た
これが仙台に出来て清水に出来なかった事だった。
仙台の前プレス

そんな感じでほぼすべての局面で仙台が優位にゲームを進められた。
良い前半だったのだが、1点しかとれなかった。そこだけが気掛かりだった。
仙台はこの内容だと修正しようがなく、清水は修正点がいくつかある。
こういう時に清水の修正が完璧だとゲームがひっくり返る事が良くある。
そういう展開におびえるハーフタイムだった。

後半


ロングカウンターと追加点

しかし、その思いは杞憂に終わる。
清水がキックオフ直後仙台に押し込み仙台の右サイドからクロスを上げるがペナ内で仙台が跳ね返す。そのボールをハモンが納めて、裏に走った道渕へ出し、二人のワンツーで相手のペナまで運ぶロングカウンター。
シュートまでは行けなかったがCKをゲット。
そのCKを平岡がニアフリックでゴールネットを揺らし、前半のウチに取りたかった2点目を
後半立ち上がり直後に点を取りかなり楽な展開を持ち込むのと同時に、清水に対して
ロングカウンターでも仙台は点を取れるんだよ。というナイフを背中に突き付ける。

ビルドアップの修正でのボールを支配する清水

2点を追いかける事になる清水は、ボランチを一枚落として3バック化しビルドアップを安定させ、CB2枚が2トップ脇に位置してボールを動かす事に成功する。

清水のビルドアップ

清水は前半よりもビルドアップを安定させたのだが、中央を中々切り崩せず外からのクロスが多くなった。ただ、そのクロスはドウグラスの前で跳ね返す事に成功するので、そこまでの怖さは無かったのだと思う。

右SHの金子から楠神に代える。
金子は大外よりも中でより仕事ができるタイプではあるのだが、中はSBのエウシーニョに使わせたい。なので、SHは大外に配置する事が多くなる。
そうなので、あれば金子よりもドリブルで抜ける楠神という選択だったと思う。
が、これも永戸がほぼ完封。清水に攻め手を与えさせなかった。

その後、攻撃的な交代をする清水に押し込まれ、仙台の運動量が落ちた75分以降セットプレーで決定機を作られるものの最後まで流れから決定機を与えず仙台が2-0の完封勝ちとなった。

最後に

ゲームとしては清水がプランAしかなく変化に乏したったため、
仙台はプランAを遂行するだけでよかった。という試合だったのだと思う。
仙台が良かったし、清水は悪かった。という事実はある。
だけれど、この仙台のプランAは前節神戸では0-2で完敗だったものの、ある程度前から嵌めて奪うやり方に手応えを感じたのだろう。
だからこそ継続、ブラッシュアップしこの清水戦で実行する事が出来た。

さて、僕は久しぶりのユアスタ参戦してきました。
僕はこのユアスタが世界一好きな場所であって、そして、世界一幸せな時間を過ごせた。
後半アディショナルタイムに「刃」は最高だった。
今年一年中々結果が出ず、去年出来た事が出来なくなっており苦しい一年だったわけだが、この「刃」の歌詞のように自分たちの信念を信じ、決して折れることなく戦えた一年だった。
その結果残留が出来たのだ。(数字上はまだ降格の可能性はあるけど、事実上残留であろう)
そして、その試合の後半アディショナルタイムで「刃」を歌う。
死んでも譲れないものがある。いざゆこう信じたこの道を何処まで、仙台がある限り。
とサポーターが歌う。本当に最高の時間だった。
チーム、フロント、監督、選手、サポーターが同じベクトルで戦え、そしてその最後に
この「刃」で〆る。
なんて素晴らしいチームなんだ!!と思い感動しました。本当に素晴らしい時間でありました。


スターティングメンバー

スタメン

前半


中央3レーン封鎖から大外誘導

仙台はこの日久しぶりに5バックを採用したが、撤退して541で人海戦術で守るわけでは無かった。
この日の狙いは前から神戸に圧力をかけていき前で奪ってショートカウンターだったのだと思う。
この日は5-2-3で3トップで中央3レーン封鎖。
大外へ誘導する。大外に出すとWBが食いついて奪ってショートカウンターという狙いだったと思う。

3枚で中央閉鎖

それは15分まではある程度うまく行ったと思う。あくまで15分まで…

523で中盤空洞化と失点について

その発想は面白かったし、うまく言ってたので関心もしていたが、
やっぱり中盤2枚になっているのが気になっていたがその不安は的中する。

藤谷が低い位置まで落ちてくる。そこに永戸がついていけず。
楽々1列目を突破すると2列目は2枚しかないので、簡単に突破される。
結果最後の5バックで跳ね返すシーンが多くなり押し込まれる。
なお、仙台の蜂須賀サイドは人に付く意識が高く、低い位置でも酒井についていく。
なので、蜂須賀サイドでやられることは少なかった。

神戸の改善

しかし、それを利用され得点につなげられる。
失点のシーンは酒井が高い位置をとり、蜂須賀を低い位置でピン止め。
空いてる大外のスペースにイニエスタがフリーで受けボールを運んだところからだった。

得点の動き

という感じで右はうまく言ってたように見えたが、その人に付く意識を利用された形となった。

ボール保持について

あと、相手を押し込めば、WBが高い位置とれて仙台のやりたいことがもっとやれたんだと思うが、保持が良くない。押し込むどころか神戸の2列目でひっかかる事が多かった。

神戸は即奪取はせず5-4-1で撤退するのだが、この2列目が突破出来ない。
仙台のボランチが有効な動きが出来ないのと、3トップが最終ラインに張り付きすぎる。

前半の保持

なので、仙台はうまくボールを運べず神戸に奪われる。
せめて、ボール保持でうまくいって押し込めれば非保持もうまくいったんだと思うが…
保持ー非保持が連動していてる事を知らされる前半だった。

後半


ボール保持での修正

さて、仙台の保持を修正する。
3バックの両翼がハーフスペース1トップ脇に立ち位置をとり、ビルドアップ、トランジションに有効な位置取りをする。

後半のビルドアップ

また、関口が降りてきて、中盤4の間に位置してボールを引き出し、久しぶりの左の魔法陣グルグルを発動したりと雰囲気はあった。

左の作り

それでも足りないものとトドメの失点

しかし、結果に結びつかない。
足りないのは、ライン上で受けターンしラインブレイクしたり、
3列目から飛び出してDF-MF間で受けるような選手が足りなかった。また、途中出場で左ウイングに入ったハモンがボール保持時に有効な立ち位置をとれず、仙台の左サイドから再び前進できなくなったのも大きかった。

そんなことをしていると、ヴェルマーレンからのロングボール一発で失点してしまう。
この失点はシマオをビジャで引き出し、ビジャを囮にその後ろを古橋、小川で狙う。
という狙いがぴったりとハマったシーンだったと思う。
平岡がのポジションが悪く、シマオが飛び出しかぶってしまった事で、
ジョンヤVS古橋、小川の1対2にの形になってしまい決定的な2失点をしてしまった。

後半は、前半より保持が良くなった事により決定機も増えたし、神戸のロングボールも増えてイニエスタの頭の上を超えるボールが増えたので仙台のペースになりつつあったのは事実だと思う。
思うのだが、そのロングボールで失点してしまったのは残念だけど、実力差なのかなと思う。
もし、このロングボールの狙いが神戸の狙い通りだとするならば、ロングボール蹴らしても神戸は余裕があったのだろうし慌てさせるところまでいかなかったということだった。

ということで、完敗であったことを認めなければならないんだと思う。


最後に

シーズンも終盤になって今年の足りないところの象徴みたいな試合になったのかなとは思う。
だけど、それでも、安易に撤退せず勇敢に中央3レーン閉鎖から嵌めていく。という新たな仙台を見せてくれたのは、監督の意地だったんだと思う。
今年シーズン前に前から行きたい。と語っていたが中々実現できない中でこの終盤でトライした。結果は出なかったかもしれないけれどその心意気というのは来年以降に繋がると思う。

まだ4試合残っている。そして、清水、G大阪と順位が近いチームが続く。
この負けを引きずるわけには行かない。
再び立ち上がって清水用に戦術を仕込んでほしい。
僕はこの神戸戦のチャレンジにワクワクしたのだ。確かに足りなかったとは思う。
だけど、ワクワクしたのだ。それを清水戦でも感じさせてほしい。
そして、そのワクワクを生で見られる事を今から心躍るのである。


スターティングメンバー

スタメン

前半


ピン止めと大外からのクロス

名古屋は4-3-2-1。ようするにクリスマスツリー型だった。
それに対して仙台は、SHでピン止めしてSBで大外でフリーを作ってからのクロスからチャンスを作る。
また、シャビエルの守備が適当なのでシャビエルサイドの永戸のサイドがフリーになる。
また3センターのリトリートが速いので、松下が常にフリーになっていた。
ということで、仙台はストロングポイントである永戸と松下がフリーなので結構なんでも出来たというのはある。

仙台の保持

そして、その勢いでCKから平岡が合わせ先制に成功する。
このCKも監督、選手のコメントから推測するには狙い通り。仕込み通りだったようであった。

SHに選択を迫る名古屋の保持

仙台は早い時間に先制。がそれが重荷になり、若干全体が下がってしまう。
それによって4-3-2-1と4-4-2でかみ合わない部分があり、
そこをうまく利用して名古屋が保持して攻撃する時間が長くなる。

名古屋の保持

図のようにIHにSHが食らいつくとSBが空くのでそこからボールを運んで攻撃する。
ただし、名古屋は大外からクロスしか攻撃が出来なかった。
そして、シンプルなクロスからの攻撃では仙台を慌てさせることが出来ない。
シマオの能力。そして、平岡のカバー。そして、仙台に慣れ日々守備範囲が広くなっているクバ達がクロスを跳ね返し続ける。

クロスまではいけるけど、可能性は低い名古屋。
むしろ、松下、永戸がフリーになりカウンターに可能性を感じる仙台。
なので、押されながらも実は仙台がコントロールしていたのかなと思う。

4-4-2か4-3-2-1か?

20分過ぎからシャビエルがかなり流動的に動き時にIHが下がったりしてくる。
その時は、米本が一列上がったりしていた。
この動きが4-4-2に変化したのかなと思うようなシーン多かったように思う。
ただ。一度はっきりと4-4-2にしている。すぐ4-3-2-1に戻したけれども。

4-2-2-2

なぜ、4-4-2にしたのか。ていうと、やはり守備の修正なのかなと思う。
仙台の攻撃に可能性があったのでそれを消したい。特にここまでのびのびとプレーしている
永戸に対して前田で蓋をしたかったのでは無いかと考える。
ただ、前半の4-4-2は10分もたたないウチに終了を迎える。
結局、4-4-2だと攻撃が4-3-2-1より機能しないので4-3-2-1に戻しのだと思う。
この辺りに名古屋に苦悩が見える。

後半


ネト&赤崎による保持アタック

後半は4-4-2だったが、仙台が前から捕まえる時間が続いた。
ここで、名古屋ベンチは動く。赤崎とネトを投入する。
ネトが入った事で、ビルドアップがスムーズになる。この辺りは風間さんの置き土産なのかもしれない。

ネトが最終ラインに落ちて3バック化。
そして、丸山、中谷が2トップ脇まで運んぶ。そうすとSHを釣る事が出来るので
そこからから自由に展開する。

後半の名古屋アタック

これに対して仙台は中盤の守備無効化され、押し込まれクロスを両サイドから入れられる。
構図は前半と同じなのだが、前半はペナ中に3枚だったが、IHの役をCBがやるので、ペナ中にSH2枚+2トップの合計4枚が入れるので前半より迫力を持たせる事に成功する。
そんなこんなで、仙台はサンドバッグ状態になる。
76分のクバのビックセーブを筆頭にぎりぎりで跳ね返す。
ネト、赤崎の投入後、60分から仙台が追加点を決める83分の20分間は本当に紙一重であった。
ここでもし、追いつかれていたら鳥栖戦のように逆転負けしてた可能性すらあった。
だが結果的にかもしれないが、
ここを守れた。シマオ、クバの個人の能力。平岡のカバーなど後ろの能力の差であった。
(ジョーが居る名古屋に対して質で勝つなんてとんでもない事を言っている気がする)

アベタクの大仕事

69分に長沢に代わりアベタク投入してみたもののあまり効果なく。
ネト投入後の名古屋がボールを握りゲームを支配するなかでアベタクの役割が見いだせないままだった。
むしろアバウトなクリアボールを収められる長沢の方が役割があったのでは無いかと思っていた。
ただ、83分にクバのGKからハモンが競り勝ち裏抜けしたアベタクがペナ内で丸山に倒され
PKを獲得。
結局アベタクはこうやってカウンター時にペナ中に入ってアクションをしたい。
という事で起用されたのだろう。
ただ、想像以上に押し込まれたので、なかなかそのタスクをやれる機会がなかった。
それをたった1度の機会で自分のタスクをこなす。これぞ仕事人アベタクだった。
このPKをハモンがきっちり決めて2-0とした。
(正直外すじゃないかとドキドキしたわけだが…)

5-4-1で逃げ切り

苦しい時間の中で一発で追加点を取り余裕の出てきた仙台は逃げ切りのため、
ハモンに代えてジョンヤを投入。5-4-1で引き籠る。
名古屋は余裕が無くなりネト中心のビルドアップを続けられず
丸山をトップに上げて、クロス爆撃開始。
ただし、クロス爆撃なら仙台の方が上。ひたすらに跳ね返し続け仙台が2-0の勝利となった。

最後に

久しぶりにクリーンシートでの勝利。
クリーンシートの勝利は6月の東京戦以来4か月ぶり。
(前回のクリーンシートはセレッソ戦だがあれはゴールレスドロー)

後ろが迫っている中での6ポインター。勝利は必須条件だった。
そして、勝った。
開始直後のセットプレーと終了直後のPKでのスコア。
内容はぶっちゃけどうなのか。事実、後半は名古屋のゲームであってギリギリの勝利だった。
そんなの関係無い。このゲームは勝つ事だけが評価対象である。
6ポインターというのはそういうゲームである。

とはいえ、もちろん勝ったのにはきちんとした理由はあって、
それは積み重ねたものの差であったりこの日への準備の差であったと思う。

次も6ポインター。相手は絶好調神戸。正直強いと思う。
だが、そんなの関係なく
僕らが信じるこの道を行くだけである。
「信じたこの道を何処までも、いざ行こう仙台がある限り」


スターティングメンバー

スタメン

前半


試されるシマオ不在時の強度

松本がこの試合立ち上がりまず試したのはシマオ不在の最終ラインの強度だった。
松本はスタート5-3-2だが、ボールを保持すると5-3-1-1で永井を1トップ。
1トップの永井にどんどん縦パスを入れ永井が2列目に落とす。
落とした先がセルジーニョならばミドルをぶっ放すし、町田杉本なら左右に展開すし仙台を押し込むぞ!という設計だった。
山雅の狙い
なので、縦パスを入れられた後に永井の自由を奪う事が出来るかがキーになる。
もちろん、シマオとジョンヤじゃさすがに同じ強度は無理ではあるが、程度の問題だった。
が、残念ながらその1発目たった2分でその形をものの見事に点を決められる。

その後、バタバタしてどんどん縦パス入れられ永井に落とされ…とピンチが続いた。

永戸のアイソレーションアタックとジョンヤの運ぶ動き

10分を過ぎたところから仙台は落ち着きを取り戻す。
松本の守備は2トップが背中でボランチを殺し2-2のビルドアップを殺し左右のサイドに誘導する狙いだった。
山雅の非保持
なので、仙台のボール保持は富田が最終ラインに下がっての3バックになる。
そこから、松下に通して逆サイド永戸に展開。そこからクロスというのが仙台の基本的な攻めだった。
永戸アイソレーションアタック
また20分を過ぎたところからジョンヤが2トップ脇までボールを運びそこから展開を始める。
ジョンヤの運ぶドリブル
このような動きでようやく仙台が主導権を握る事に成功する。

クロスの狙いどころ

さて、決定機は永戸のクロスからだったが、そのクロスの狙いどころを整理出来ていて、
この日は松本の大外WBの裏を執拗に狙っていた。

松本の中は固いので単純なクロスではチャンスを作れない事を理解しており、
仙台はスカウティングしクロスボールからでも可能性のあるチャンスは作れており、そこはきちんと整理出来ていたと思う。

後半


5-3-2の「3」を動かせ

前半徐々に押し込めた仙台だが、チャンスはジョンヤからの展開と永戸のアイソレーションアタックの2パターンだけであった。
本来仙台がやりたいのはボールを動かし、位置を取り、相手を動かしゴールに迫る。
というサッカーなのだが、前半それは出来なかった。
そして、ハーフタイムでそれが出来るように整理出来ていた。
まずは、シンプルなU字ターンから3のスライドを強要。間に合わないならサイドフリーからクロス。
U字ターン
なので、松本はU字ターンでスライドが間に合わない場合WBが前に出てきてSBを捕まえるように修正。
WB
しかし、そこは仙台の方が1枚上。WBが1列上がったスペースをSHが使い相手を押し込む。
WB裏に突撃
とようやく相手を動かし空いたスペースを使うような事が出来てきたのである。
そして、決定機も作れたがあと一歩でネットを揺らせなかった
あと、右サイドの蜂須賀と道渕はこういう動きは出来ていたが左サイドはあまり出来なかった。
左は永戸の個の力で殴る。みたいなところが多かった気がする。
関口は立ち位置が取れないのかもしれない。なので、早めに石原崇を投入したのもうなずける。
ただ、石原崇は次に説明する動作で封じてしまった…

SHにマンツーで対応さる

60分以降に松本はスライド間に合わない場合はWBが一列捕まえる。
そして、そこのスペースを使うSHにはIHがデートで付いて行く。人ベースの守備ではあるが
対応はできた松本であった。
IHデート
もちろん、そのIHが居なくなったスペースにFWやボランチが使って前進出来れば良かったがそこまでは出来なかった。
というのが、今の仙台なのだろう。
位置を取れる者。スペースを見極める者。とそうじゃない者が存在するので
保持時に完全に連動しきれない。
だから、今の形になっているのだけれども…

ゲームをクローズする5-4-1

松本との「3」をめぐる攻防は面白かったし、もう少しで攻略出来そうな雰囲気もあった。
しかし、松本はそれに最後まで付き合ってくれなかった。
というのも、67分に田中隼磨を入れて5-4-1に移行。

こうすると、「3」なら左右に動かせたのだが、「4」になると動かせない。
さらに、最終列にはレーンをすべて埋まる5バックが待っている。
ということで、仙台は攻め切れない。また、途中からジャメを入れるのだが、
石原崇とジャメの両SHはハーフスペースに居座るのでそれを中盤の4枚の中央圧縮で防がれてしまう。
なので、両SHの立ち位置は効果的では無かった。
2トップそして、ボランチが位置を取れないのでこの5-4-1を攻略するのは難しく
思い返せば前節のマリノスの気持ちを今節知る事になるとは…

最後に

ということで、いわゆるスミ1での完封負けだった。

この試合、
大岩では無くジョンヤを使ったというところに保持するぞ。という覚悟はあったのだと思う。
だが、届かなかった。壁を超えられなかった。
現時点での保持するゲームプランでは、ここまでだった。
天皇杯の長崎戦も同じだが保持するプランにするとまだまだ足りない。
位置を取れない選手が多いというのが原因なのだが…

凄く好意的に言えばやれることはやったのだと思う。それでも届かなかった。

仙台は、
保持と非保持両方やりたい。と思っていてもう少しのところまで来たと思うのだが
現時点では保持時のプラン、理解力などが足りないね。というゲームであった。


非保持を整理すれば保持が足りなくなる。せっかく非保持は良くなったのにみたいな。。。
改めて難しさを感じるシーズンだなと思う。
まさに、そんなゲームであった。

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