- 1.スタッツ
- 2.スターティングメンバー
- 3.前半
- 3-1.2-2でのビルドアップと遠藤のサポートで前進する
- 3-2.氣田の新たなタスクと進化
- 3-3.ボランチが前を向いて前進と中島のゴラッソ
- 4.後半
- 4-1.仙台の守備は中央で奪ってトランジション速度差で圧倒する
- 4-2.貪欲にオプションを増やそうとするが。。。咎められる
- 5.まとめ
- 6.ハイライト
■ 目次
スタッツ
スターティングメンバー
前半
2-2でのビルドアップと遠藤のサポートで前進する
GWの5連戦が終わり、ようやく1週間の休みがあった。5連戦は4勝1敗とまずまずな成績ではあったが、やはりビルドアップのところに大きな課題を残しボールを持てなかった。
なので、そこに手を入れた1週間だったように感じた。
まず、この日真瀬の変わりに右サイドバックのところに初めて若狭が先発で起用。
最初、若狭を使って可変の3バックでビルドアップするのかと思ったが、それは違っていて
この日は2-2のビルドアップを実施。
金沢は2CBを放置し、DHに対してCBから刺されないようにパスコースを消す立ち位置を取る。
ところが、仙台はこれをトップ下と言う名のフリーマン遠藤が解決していく。
2トップ脇まで下がりCBからボールを引き出し、ボランチに預ける。
ボランチが前を向いてボールを持てれば仙台は好きなようにでき、あとは自由に相手の狭間、狭間をとってスムーズに攻撃できた。
氣田の新たなタスクと進化
また、ボランチが前を向いてボールを持つ工夫がもうひとつあった。ここまで、仙台の両サイドハーフは中、ようするに「ハーフスペース」に立ち
最後の崩すところに関与することが多く、あまりビルドアップには関わらなかった。
ただこの日はそれだけじゃなくて、ビルドアップに関わる工夫があった。
氣田が低い位置(大体ボランチの高さよりちょっと高い程度)の大外に位置してボールを引き出す。
そして、少ないタッチでボランチへの横パスを入れるとボランチが前を向いてボールを捌けるようになる。
この氣田の新たなタスクは氣田だけのものであり、逆サイドの名倉はその動きはしない。
というのが今後どうなっていくのか。
この間の左SBを中に入れる3バック+真瀬の布石なのか。どうなんででしょう。今後が楽しみ。
ボランチが前を向いて前進と中島のゴラッソ
ということで、仙台はGW連戦とは違いビルドアップがうまくいってボランチが攻撃参加できることが多くなった。ただ、最終ラインがなかなか攻略できないのと、相手の保持に対応できなくてボールを奪えないということで、ビルドアップがうまくいったのにも関わらず互角の展開だった。
最終ライン攻略のところはもしかしたらまだ氣田がビルドアップから最後の崩しのところで自由になることができなかったのかなーと思う。
このあたりはまだまだこれから。新たなチャレンジですし。
ただ、その展開を壊すように38分に中島が見事なFKを突き刺し仙台が先制し、ほぼ互角な展開であったのに仙台が先手を取って前半を終える。
後半
仙台の守備は中央で奪ってトランジション速度差で圧倒する
さて、まず後半仙台が主導権を握るわけだけれど、そのまえに前半の復習をしないといけない。
というか前半で触れなかった金沢の保持でについてである。
金沢の保持は4-4-2から藤村アンカーで左サイドハーフの平松とボランチの小野原が
インサイドハーフのような立ち振舞をする。
これを前半は捕まえきれない仙台であった。
ただし、後半はこれに対して仙台は4-4-2で狭く守る。
なので、大外はある程度前進を許したためクロスまでいかれるシーンは多かったが
単純なクロスは跳ね返せるので、大外は無理して守備をしない。
ただし、真ん中自由にさせない。
という立ち位置を取った。
そしてこの中央でボールを奪う回数が増える仙台。
この時に切り替えのトランジション速度差があって、金沢の攻撃から守備の切り替えが遅く仙台が自陣で奪ってもそのままの勢いでカウンターへいける。
50分に松田の縦パスを奪った内田から小気味よくボールを回し素早く相手陣内に運び、
最後は遠藤のシュート。これはブロックされるもののこのセカンドボールをフォギーニョが拾って来日初ゴールを決める。
また、62分には藤村からフォギーニョが奪いこれも自陣からカウンター炸裂。
遠藤のクロスにフォギーニョが合わせて3点目を奪いゲームを決めた。
貪欲にオプションを増やそうとするが。。。咎められる
いや、決めたはずだったのだ。ただ、ここからが良くない。3-0になったことで遠藤と氣田を下げてカルドーゾと鎌田を投入。
中島を左サイドハーフ。鎌田をボランチという新たなオプションを試す。
ものすごく貪欲な原崎監督。
ところが、この交代と3点差になり最終ラインが下がりすぎたことで仙台は歯車が狂っていく。
最終ラインが上がりきれず、2列目のポジションも不安定になる。
時に最終ラインに吸収されてしまったり、時に両ボランチが前に出すぎてライン間を狙われたりし、金沢が保持する時間となる。
また、カルドーゾも味を締めたのか背負ってボールを収めたあと独力で前を向いてボールを進めようとする。
これを止められるのでカルドーゾでボールを失って相手のターンになり、
相手のターンになると前述の通り仙台のブロックが安定しないのでゴール前まで運ばれる。
という悪循環。
また、クロスは安定して跳ね返せていたが、丹羽詩温の登場でクロスに合わせ危ないシーンもつくられ完全に金沢ペース。
慌てて、皆川と吉野を投入。また、中島をボランチに戻し鎌田をサイドハーフにするのだけれど、その直後CKからGK小畑のミスもあり、松本に決められ2点差に。
しかし、今の仙台はここから盛り返す力がある。
皆川がロングボールを収め、中島が足を攣って変わった加藤が豊富な運動量でエナジーを与えることで仙台は完全に復活。
トドメは加藤が奪ったボールをカルドーゾが運んでクロス。皆川がフリーで合わせて4点目。
最悪な展開から結果が出てほしい選手に結果が出る最高の展開になった。
仙台はノリノリ。まだ終わらないし、守る切るつもりなんてひとつもない。
アディショナルタイムに鎌田の素晴らしいターンからカルドーゾのクロスから若狭が押し込み5点目と思ったが
これは奥で皆川がDFをブロックしておりプレーに関わったということでオフサイド判定。
最後はテヒョンが自陣で鹿島って試合終了。
他チームの結果もあり仙台は遂に首位に浮上することになった。
最後に
GWの連戦で結果に囚われずきちんと課題に対して解決策を持ってくるのは本当に素晴らしい。今日はボランチに預けるところまで久しぶりに良かったと思う。
前半金沢はプレスはやらず、ボランチへの縦パスを消す配置。
これはうまくいかなかったので後半ミラーでの人を捕まえるプレスを実施。
これも仙台は遠藤を使い回避する。
ということでこの日、ビルドアップに関しては良かったんじゃないかなと思う。
しかも、今後への拡張性も感じるので、これで終わりじゃないという感じで貪欲なのがさらに良い。
また3-0になってから遠藤氣田を休ませつつ中島の左サイドハーフで試したり
鎌田ボランチで試したりとこれも貪欲。
ただ、それでうまくいかなかず流れを渡してしまって楽勝ムードから一気に暗雲が立ち込めたのだけれども、今の仙台はその程度は跳ね返せる力強さがある。
しかも、結果が欲しかった皆川がゴールを決め仙台としては最高の展開となった。